2014/07/14 - 2014/07/23
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kiro184さん
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「北欧」と呼ばれるうちの2カ国であるノルウェーとスウェーデン。フィヨルドを始めとする大自然、芸術、北欧デザインなどで知られるところであろう。
鉄道となると、いずれの国も人口密度が低い事もあってか発達しているとは言い難い。そのため特に長距離輸送では本数が少なく、行程は自ずと限られたものになる。今回はそんな北欧を旅行した。ノルウェーのベルゲンに立ち寄った後に北上、その後にスウェーデンへ渡り南下する行程である。
【大まかな行程】
1日目 成田空港→ヘルシンキ・ヴァンター空港→オスロ・ガーデモエン空港→オスロ(オスロ泊)
2日目 オスロ→ラルヴィク→オスロ(オスロ市内観光)→スタヴァンゲル行き寝台列車乗車(車中泊)
3日目 →スタヴァンゲル→(バス)→ベルゲン(ベルゲン泊)
4日目 ベルゲン→ミューダル→(フロム鉄道乗車)→ミューダル→オスロ(オスロ泊)
5日目 オスロ→ドンボス→オンダルスネス→ドンボス→トロンハイム→ボードー行き寝台列車乗車(車中泊)
6日目 →ファウスケ→(バス)→ナルヴィク(ナルヴィク泊)
7日目 ナルヴィク→(スウェーデン入国)→ボーデン→スッとックホルム行き寝台列車乗車(車中泊)
8日目 →ストックホルム(ストックホルム市内観光)(ストックホルム泊)
9日目 ストックホルム→ストックホルム・アーランダ空港→ヘルシンキ・ヴァンター空港→(機内泊)
10日目 →成田空港
・このページ内で紹介していることは、気付かずに危ない橋を渡っていたりタブーに触れていたような状況もあるかもしれない。私と同じように行動したとしても100%の安全は保障出来かねる。
・ほぼ鉄道旅行に絞って紹介するページなので、鉄道とは関係の無い観光等は意図的に省いている。グルメや観光地、ショッピングなどの情報をお探しの方は他所様のサイトをご覧頂きたい。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 交通
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 船 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
◆5日目
オスロを8:02に発車するトロンハイム行きに乗車する。指定された席は進行方向逆向きだが窓のすぐ横であったため、じっくりと風景を眺めることが出来る。
8:45頃から進行左手に湖が見え始める。これはミョーサ湖で、リレハンメル近くまで車窓から望める。線路は湖に沿って右へ左へとカーブしている。
途中のオッタで対向列車待ちのため10分程停車する。詳細な時刻表は持っていないが、次に乗り換えるドンボスまでの距離を考えるとドンボス到着は遅れそうだ。 -
ドンボスには10分遅れで到着する。次に乗車するオンダルスネス行きへの乗り換え時間は5分しか無くすでに発車時刻を過ぎているが、こちらの列車からの接続を取ってくれている。オンダルスネス行きは乗り換え客が乗車するとすぐに発車し、先程まで乗車していたトロンハイム行きとしばし並走する。
車両は2両編成の気動車を2組連結したもの。指定された席は窓側だが進行方向と逆向きで、車内が空いていたためすぐ進行方向窓側の席に移った。
発車後にこのラウマ鉄道のガイドブックが配られるが、これは英語やドイツ語に加え日本語の説明もある立派なものだった。
途中には大S字カーブや石橋などもあり、景色の良い所では徐行や一時停止して観光案内が放送される。オンダルスネスに近づくと線路の両側に標高1800m程の山がそびえ立つ。1800mなら大したこと無いじゃないかと思うかもしれないが、オンダルスネスが近いため海抜ほぼゼロの場所から1800m上を見上げるのである。首が痛いぐらいで、フィヨルド地形の鋭さを実感させられる。 -
オンダルスネスには10分遅れで到着した。1日4往復の定期列車しか走らない路線ではあるが立派な駅舎を持ち、駅舎内には商店もある。
駅には豪華客船の団体用と思われる5両編成の客車が留置されていた。 -
オンダルスネスは小さな町だがガイランゲルフィヨルド観光の中継地にもなっているため、列車から降りた乗客の多くは駅前のバスに乗り換えていった。
駅前には海が広がり、大きな船も停泊している。山奥としか思えない場所で大型客船が見られるのもフィヨルド地形ならではである。
岸壁には今は使われていない線路が残る。かつては貨車から船に貨物を積み替えていたのであろうか。 -
オンダルスネス駅舎のすぐ横には客車が保存されているが、少し離れたところに貨車が保存されている(画像左奥の白い建物のようなものも、貨車を改造したものである)。ここは港に繋がる貨物線だったようだが、現在は踏切部分がアスファルトや砂で埋められているため廃線だと思われる。
折り返し列車の発車まで2時間近くあるため、オンダルスネスの街をブラブラと歩く。駅前以外にも魚市場のような所にも貨物線の跡があり、かつては多数の貨物列車がラウマ鉄道を行きかっていたのであろう。駅前の保存車両もそうだが、以外にもオンダルスネスは鉄道が濃い街だった。 -
オンダルスネス15:31発の列車に乗車する。2分遅れで発車し、行きとは違い列車は2両編成だった。そのためほぼ満席である。
景色の良い所では徐行するものの一時停止することも観光案内の放送も無く、ほとんど乗客はスマホをいじったり寝ているだけである。他所様の旅行記では、遅れて回復運転しているがゆえに観光案内が無かったという記述を見たことがあるが、ほとんど遅れていないこの日でも無かったのでこの列車では無いのが所定なのだろうか。
ドンボスには定刻に到着し、10分程するとオスロ行きの列車がやって来た。オンダルスネスから乗車した客の大半はこれに乗ったが、10人程はトロンハイム行きを待つため駅舎に入って行った。 -
ドンボス駅は山の中腹にあり、市街地は数100m程坂を下りた所にある。そこにはドライブインとスーパー(ビールも売っている)が一緒になったような施設があり、ガソリンスタンドもありキャンピングカーで賑っている。
その他はノルウェーの田舎町といった雰囲気でゆっくり歩いてみたかったが、突然にわか雨が降ってきたので買い物したのみで駅へ引き返した。 -
ドンボスからは18:08発トロンハイム行きに乗車するが、遅れているようだ。本来の発車時刻に1度だけ構内放送があったが、音質が悪く遅れが15分なのか20分なのか聞き取れなかった。それ以外は全く案内が無く乗客は皆不安そうな顔をしている。
結局35分遅れで到着したが、対向のオスロ方面行きを待つため発車したのは43分遅れの18:51だった。 -
外は曇っているとはいえ、20時を過ぎてもまだ明るい。
途中のオップダールでは、側線に3軸貨車が留置されている。3軸貨車はかつて日本でも走っていたが、積載効率に優れるものの走行の不安定さや高速化が困難なことから日本ではとっくの昔に全滅している。ノルウェーでも営業用には使われていないと思われ、これは保線用なのだろう。
ストーレンでは貨物列車とすれ違う。コンテナ車やトレーラーの荷台部分を乗せた貨車の他に、2軸のホッパ車も連結されていた。 -
トロンハイムには30分遅れの21:18に到着した。向かいのホームにはストーイエン(ノルウェーとスウェーデンを結ぶ路線上のノルウェー側最終駅)行きの気動車が接続しており、乗り換えが済むとすぐ発車していった。
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すでに21時半だが、まだまだ明るいので街を散策する。トロンハイムは非常に良い雰囲気の街で、出来るならゆっくり1日歩き回りたいところだ。しかしこちらは2時間程しか時間が無いため、ニーダロス大聖堂や跳ね橋を見学し駅へ戻った。
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23:15頃にホームへ行くと、乗車するボードー行きが入線していた。編成は、
ボードー方← ディーゼル機関車+6号車(以下、「号車」を略):座席車+5:座席車+4:座席車+号車無し:ビュッフェ車+2:座席車(ファミリー)+11:個室寝台車+10:個室寝台車
個室の鍵はビュッフェ車に居る車掌から貰うが、その際にバスに乗り換えるのかと尋ねられた。バスに乗り換える人数をチェックしており、もし列車に遅れが出ればバスを待たせる等の手配をするためであろう。 -
乗車した2人用個室の様子。これを今回は1人で利用する。個室内にトイレは無いものの洗面台はある。その他、ミネラルウォーターと一口チョコレートがサービスされる。側面窓は小さめで、内側に開けられるようになっているが非常時以外は操作出来ない。
発車を待たずに事前に用意しておいたビールを飲み始める。
23:40の定刻に発車し、トロンハイム駅の広大なコンテナヤードを抜けると荒涼とした風景が広がる。木々が少なく藪ばかり広がる様子は、北海道の宗谷地方と似ている。0時近い時間ではあるが外はまだうっすらと明るい。外が明るいため寝るタイミングを逃してしまいそうな気がして0時を過ぎたあたりで就寝した。 -
◆6日目
7:30頃に起床する。車窓には相変わらず荒涼とした風景が広がっている。雲一つ無い快晴で、真昼間のように明るい。
ファウスケには定刻の8:25に到着。この列車の終点はボード―だが、ナルヴィクへ行くバスとは手前のファウスケで接続している。 -
バスは駅前に待機していた。乗車時に運賃を払うため長蛇の列が出来ている。ナルヴィクまでは316NOKだが、貰ったレシート(切符?)を見るとバス運賃は280NOK、それとは別におそらくフェリー代が36NOKと記載されている。40人弱の乗客を乗せて8:53にファウスケを発車した。
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バスはフィヨルド沿いの海岸部を走って行く。天気が良いこともあり素晴らしい眺めだ。10:35頃に途中のドライブインのような所で休憩する。買い物休憩なのかと思ったが、たった5分程で発車する。
10:50頃、周囲に何も無いバス停に停車する。停車したバス停にはDrag行きと表示されたワゴン車のようなバスが待機している。ここで2人はDrag行きに乗り換え、1人は迎えに来ていた車に乗って行った。 -
11:30頃、ナルヴィク・トロムソ方面は乗り換えというアナウンスがあった。ファウスケから乗ったバスは違う方面へ行くらしい。ナルヴィク方面に乗り換えたのは20人ぐらいだった。
先にファウスケから乗って来たバスが発車し、追いかける形でナルヴィク行きも発車する。5分程追走していると目の前にフェリー乗り場が現れた。ファウスケから乗車していたバスは大きなフェリーに乗り込んでいった。こちらも違うフェリーに乗り込むが、まるで作業船のような粗末な船である。 -
スタヴァンゲル→ベルゲンで乗車したフェリーと、ファウスケから乗車していたバスが乗り込んだフェリーは大型のもので広い売店やラウンジがあるが、こちらが乗り込んだのは船底に小さな売店と薄暗い部屋にソファーが並んだだけのラウンジと貨物船を間借りしているような感じだ。
天気が良くフィヨルドの眺めが素晴らしい。吸い込まれそうな青い海と複雑に入り組む地形を眺め続ける。他の乗客もむさ苦しいラウンジを出て、デッキ(と言うか車両甲板の隅)で外を眺めている。
(画像は途中ですれ違った同じ航路・同じ型の船) -
フェリーは30分程で対岸に到着した。そこからしばらく走り、13時半ぐらいに海の向こうにナルヴィクの街が見えてきた。湾に沿って走り、13:40にナルヴィクのバスターミナルに到着した。
バスターミナルはショッピングモールと同居している。背後には線路が見えるがこれは港へ続く貨物線で、たくさんの貨車が留置されている。 -
まず予約済みのホテルへ行き荷物を置いてから、街を散策する。
最初にナルヴィク駅へ行ってみる。ナルヴィク駅はノルウェー最北(ヨーロッパ最北でもある)であるが、路線はオスロ等ノルウェー各都市と接続はしておらず、スウェーデン側から繋がっている。これはこの鉄道がスウェーデンのキールナで採掘された鉄鉱石を輸送するために建設されたからだ。
鉄道の運行もSJ(スウェーデン国鉄)が行っており、ナルヴィク駅にはNSB(ノルウェー国鉄)の表記はどこにも無い。出札窓口は無く、SJの端末機だけが設置されている。そのためNSB他路線の乗車券を購入するのは不可能だと思われる。 -
その後も街をブラブラと歩き、あれこれと街並みを撮影する。北極圏であるが照りつける日差しは強い。気温は23℃程で歩くと若干汗ばむものの少しじっとしていれば汗はすぐに引く。
バスターミナル付近へ再度来てみた。キールナへ空の鉱石貨車を運ぶと思われる列車が待機していたため、跨線橋の金網の隙間からデジカメを突っ込んで撮影する。
この機関車はIORE形といい、2車体永久連結で動軸は12軸、日本で言えば「EL(LはLocomotiveではなくアルファベット12番目という意味)」になるだろうか。出力は10800kw(14483馬力)である。日本のEH200やEH500がおもちゃに見えてしまう。 -
その後は再びナルヴィク駅へ戻って来た。通過する長大な貨物列車を見ようと待っていると、17:30頃にキールナへ向かう貨物列車が通過した。IORE形機関車が68両もの貨車を牽引している(翌日もすれ違う貨車の両数を数えたが同じ68両だったため、これがこの路線の定数のようだ)。
17:56にキールナからの旅客列車が到着するため、その様子を見ようと引き続き待っていた。17:55頃に列車の来る音が聞こえたのだが、それは保線用らしい作業車だった。 -
先程の作業車が走っていたせいかは分からないが、旅客列車は遅れているようで来る気配が無い。出迎えの人たちが駅前に集まっているが、みんな今か今かといった顔をしている。
結局40分程遅れた18:38に到着した。列車は思いのほか長く客車を9両繋げている。9両に満員の客が乗っているはずも無く、1両当たり10人弱が乗っていたようだ。下車した客は迎えの車に乗って帰って行った。
こちらもホテルへ戻ることにする。途中にあったスーパーでビールや夕食になりそうな惣菜(ノルウェーに来て食事はこればっかりである)を買い込んだ。
夏のこの時期、北極圏は日の沈まない白夜である。1晩中起きている事は不可能だが頑張って0時半ぐらいまで起きていた。曇ってはいたが夜中0時半であっても、同じ時期の日本なら夕方6時と言った感じである。このまま何となく夕焼けが朝焼けになって日が昇るのであろう。
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