2014/06/07 - 2014/06/07
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makomakoさん
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スモーキーマウンテンとは、フィリピン マニラ市トンド地区にあるスラム街の名称だ。
この地区を訪れる前に、池上彰氏のテレビ番組で紹介されていて、是非行ってみたいと思っていた地区。
たまたま宿泊したゲストハウスで斡旋しており、主催しているのはスモーキーツアーさん。
http://www.smokeytours.com 半日で750ペソ 日曜以外
課長島耕作の漫画でも、非常に恐ろしいところとして紹介されている。
想像していたのは戦々恐々とした地獄絵図だったが、実際は良くも悪くも大きく期待を裏切られた。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- その他
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 徒歩
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
-
ゴミの山「スモーキーマウンテン」への入り口
少なくともよいイメージは無かったが、意外とものすごく治安が悪いという感じでもなかった。 -
イチオシ
水道管が破裂したところから、水をすくっている。
これが日常の飲み水になる -
地産である木炭を売りにいく家族。1バック400ペソで取引される。
-
入り口より奥はアスファルトではない。衛生状態の悪い地表が延々と続く。
ここから先は、ゴミの山で、どこまでもゴミが続いていた。地表は見える事無く、360度目に入る物はゴミのみ。
ここで目にする人々は、ゴミの売買益を生活の糧にして生活している。 -
食事をとる男性。驚く事にゴミの山の中には、電気が通っている。売店もあるし、保育園もある、コーヒーも飲める。5ペソで有料のトイレもあり、警察官もいる。
TVショーで取り上げられるような、ただただ悲惨な場面だけ移した物とは全く違っていた。
いうならば、ゴミだけで構成された普通の町だった。 -
ゴミを運び込み、また資源となるゴミを買い取る業者。絶え間なく大型トラックが出入りする。
業者、ゴミの買い取り屋はここに住まず、毎日拠点とここを往復する生活。
そして、このスラムを形成するホームレスの人々はゴミを回収してそれをジャンクショップ売りにいき、またこのゴミの山のなかで居住する。 -
イチオシ
内部の様子。ゴミに埋もれている。内部の写真は制限されていて、これしか無いが、最新部は足の踏み場も無いようなゴミだらけの状態になる。
衛生面、匂い、環境等を無視すれば、金銭に交換できる資源に囲まれて、生活しているので、ある意味労働に困らず、日常的に生活できてしまう状況なのだ。
実際はそんな事はできない、踏み入れたしばらくすると、強烈な日射と匂い、不衛生な空気に参ってしまい、倒れそうになる。 -
分別されたゴミが売却される様子。
どういったゴミが換金できるのか教えてもらう。
プラスチック系統(ペットボトルや電気製品、果てはビニールヒモ)
金属(珍しい物で、携帯電話の中身やビニール導線の中身)
紙類(汚れていなければ一番手っ取り早く換金できる)
衣類(奇麗であれば、Kgいくらで国内消費向けに出荷される)
木製品(燃料にする為、ここで木炭に加工して売却する30Kgで400ペソ)
などだ。
ゴミの多くは東南アジアから船やトラックで到着する。 -
スモーキーマウンテンの由来は、ゴミが燃えて火事になったり、木炭を作る為に煙が上がる様子等からその名前が付けられた。
こういった説明を受けながらツアーは半分のところまできた。
続いて彼らの生活の説明を受ける。
彼らは政府からの補助を受け取っているが、その金額は1日5ペソ(約10円)とかなり少ない。さらに、不法住居を片付けてしまう事で「そこにはスラムは存在しない」という評価を下され、補助を打ち切られてしまう事もあるそうだ。
そんな事ではまかないきれないので、多く国籍のNGO団体が病院やデイケア施設を作って彼らをサポートしている。 -
ビニールも資源として再利用される。
-
ここを利権とする地方のブローカが宿泊する。1泊100ペソ
しばらくして海が見えてきた。この場所は海沿いに面していることを改めて知る。
ちょうどこの海で子供たちが入浴していた。
海水はとても不衛生で、とても入浴など出来るものではないが、ここには水道がないのでどうしようもない。
日常の飲み水は、水道の配管が壊れ、地上に水が溢れ出てきているところからコップにすくって飲んでいた。
ゴミの匂いに慣れてしまって気がつかなかったが、海も相当臭いらしい。
これは一端にここから流される生活排水や、船や工場からの汚水漏れが
原因らしい。 -
質の良い木材は、炭にせず建築材として使用される。
この場所から折り返して、次の場所に向かう。
このころには頭痛や喉の痛みなど、体調の異変も感じていた。
当たり前だろうが、やっぱりこの場所で元気よくいられる訳が無い。
とぼとぼと帰り道をゆく。
このぐらいからは、何を説明されても早く帰りたい一心だった。
帰ったらシャワーを浴びようだとか、靴は買い替えようだとかそういう事が頭の中を埋め尽くす。 -
続いてはこのスラムの人々が使うマーケットを紹介してもらった。
スラム内の売店は、コーヒーやお菓子、アイスクリームの売り子しかおらず、そのほかの食材はこのマーケットに買い出しにくる。 -
その奥には多くの家が立ちならぶ。
フィリピンでは高温多湿の環境で1日2-3回は着替えるという。 -
ゴミの中を歩いている時は、何か踏まないように足下ばかり見て、人々の表情に気がつかなかったが、ここに来てようやく余裕が出る。
それほど辛いような表情をしていない。もちろん充実しているようにも見えないが、不幸せなんですというオーラをだしている雰囲気ではない。 -
至る所に洗濯物が干されている。
-
何万人がここに住んでいるのか。
-
商売から帰ってきた少年。
-
イチオシ
水を調達してきた少年。
-
ここには老人から子供まで分け隔てなくいる。
ここに生まれ、ここで死ぬ。 -
子供は元気だ。
ここでは魚、肉、米など、スーパーマーケットと遜色無く手に入るようだ。
ここで、コーラを1本買う。10ペソ。
市内のセブンイレブンでは23ペソするコーラもここでは利鞘を削って販売されている。 -
屋根の上で一休み。ゴミに囲まれたここは日陰が無い。
こちらも暑さでぶっ倒れそうだった。 -
一つの町のように、商店や八百屋、魚屋、肉屋が建ち並ぶ。
活気がある。 -
ツアーも終盤に入り、ガイドの所属するNGOオフィスへ向かった。
子供たちと写真。
ゴミの中を歩いている時は、何か踏まないように足下ばかり見て、人々の表情に気がつかなかったが、ここに来てようやく余裕が出る。
それほど辛いような表情をしていない。もちろん充実しているようにも見えないが、不幸せなんですというオーラをだしている雰囲気ではない。 -
施設の屋上から。
あまりにいい加減な比較だが、私たちの方がもっと辛い顔をして暮らしているのではないかとさえ思う。
なにもかもを手に入れた私たちは、何も持っていない時よりも貧しいのかもしれない。 -
ここではこのスラムに住み、保護を必要とする子供たちが預けられているそうだ。
保護が必要ということに、いささか疑問を感じる。
スラムに居住するのだから、それはすなわち万人が保護を必要とするのではないか?
こういうことらしい。
スラム=保護されるべき人たち、かわいそうな人たち、貧しい人たちというのは、あくまでも先進国の素人考えで、例えゴミの山に住もうとそれは一つの生活スタイルとして権利のあるもの。
生活の上で、子供が虐待を受けている、あるいは十分にご飯が与えられず栄養失調で生命を瀕している、両親が薬物中毒などで十分な親権がない、そういった家庭の子供に限って保護されるそうだ。
予算にも限界があり、もちろんこういった枠組みをもうけざる得ない事にも不満はあるが、出来る限りはやっているという。 -
この半日を通して大きく考えが変わった。
口だけの支援は誰でも出来る。体を使った支援は想像をたやすく超える激務だ。
私は目の前の景色を値踏みしながら、財布と相談することしかできない。
残念だけど、彼らを一生理解できないし、ボランティアという立場に身を置く事も絶対にないと思う。
お金で許されるなら、いくらか置いて、それでチャラにしたい。
そういう自分を再度認識して、そして今後も変える事が出来ないんだなあと痛感した。
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