2014/05/10 - 2014/05/10
93位(同エリア251件中)
naoさん
滋賀県高島市朽木市場は、鎌倉時代に朽木氏が入部して以来、時の流れとともに城下町としての形を整え、江戸幕府成立後も大名として存続した朽木氏が、近世に至るまで領主として支配した珍しい町だと云われています。
陣屋が置かれ、商業の中心地だった城下町は、かつて若狭湾で獲れた鯖を京都へ運んだ、通称「鯖街道」と呼ばれる若狭街道沿いに位置していたことも相まって、次第に宿場町としての性格をも併せ持つこととなり、朽木宿の名が広く知られるようになります。
町を歩くと、街道が直角に折れまがる、鍵曲(かいまがり)が所々残っており、この町が城下町だった時代の名残を見ることができます。
また、宿場町に必ず見られる本陣などは残っていませんが、大きな町家や屋敷跡が散見できる町並みでは、主要な町家に紹介文を書いた看板が掲げられ、往時の姿を今に伝えています。
せっかく鯖街道へ来たんですから、当然昼食は鯖でしょう・・・、と云うことで、美味しい鯖寿司を堪能した後、町歩きを始めます。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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昼食にお邪魔したのは、鯖街道沿いにお店を構える「朽木旭屋」さんです。
朽木旭屋 グルメ・レストラン
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十割の手打ちそばと鯖寿司のセットをお願いして、運ばれてきたのがこれ。
どうです、この肉厚の鯖。
脂が乗っていて、とても美味しくいただきました。 -
昼食後、少し小浜寄りにある、道の駅「くつき新本陣」に車を停めて朽木宿を歩きます。
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朽木宿を歩きだして、まず目に飛び込んできたのはツルニチニチソウです。
紫色のかわいい花がとても印象的です。 -
次に目についたのは、タンポポの綿毛です。
お日さまの光を浴びてキラキラと輝いています。 -
こんな自然豊かな町で先ず訪れたのは、町外れにある明護水車です。
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昔は山の湧水を樋で導いて水車を動かしていたそうですが・・・
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今は、動かなくなった水車の横を、水が流れ落ちているだけです。
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田植えを終えた水田のあぜ道に咲く一輪のタンポポが、のどかな風情を漂わせています。
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合併前の、旧朽木村時代の汚水枡の蓋がありました。
村の木「杉」、村の花「山百合」、村の鳥「ウグイス」が描かれています。 -
町中にある大きなお屋敷には、ポツンと取り残されたように土蔵がさびしげに建っています。
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街道筋の町並みにやって来ました。
この辺りには伝統的な様式の町家が点在しています。 -
私の好奇心をくすぐる路地があったので、ちょっと覗いて行きます。
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これら蔵造りの建物が・・・
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この路地にいい雰囲気を醸し出すのに一役買っています。
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かつての茅葺屋根の姿を思い起こさせてくれる町家です。
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妻面に小屋組みを表した町家があります。
何段もの貫が屋根の変形を防いでいます。 -
一段下がった瓦屋根の部分を、後で増築されたようです。
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空き地一面にマーガレットが咲いています。
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マーガレットはキク科の植物なので、日本名をモクシュンギク(木春菊)と云います。
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朽木宿の小浜側(北側)の入り口で、右が旧街道、左が現在の国道367号線です。
では、旧街道を引き返します。 -
ここにも水車があります。
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町家の庭で飼われている鯉。
小さな池の中を泳ぎまわっています。 -
水車が設けられるほどですから、側溝を流れる水量は豊富です。
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この町家の周辺には花がいっぱいです。
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手前の路地を入ったところにはスズランが・・・
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かわいい花を揺らしています。
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街道沿いにはシバザクラの絨毯です。
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街道を回り込んだ時に現れたこの景観に、「ハッ!」と息を呑んでしまいました。
モノトーンの蔵造りの町家が、水田の水面にその姿を落として揺らめいている様は、この季節でしか見ることができない素晴らしい風景です。 -
春の芽出しに真っ赤な葉を付けるベニカナメモチ。
この木も春の風物詩のひとつです。 -
この洋館は、ヴォーリズの設計になる旧郵便局です。
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近江八幡に本拠を置いて活躍したヴォーリズは、滋賀県下の多くの町に建物を残しています。
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町並みの中に、茅葺の町家が残っています。
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この茅葺屋根は、非常に手入れが行き届いているように見受けられます。
家主さんが大切にされているんでしょうね。 -
この町にも、やむを得ず茅葺屋根をトタン板で覆った町家がありましたが・・・
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いつまでも残ってほしいと願うばかりです。
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かつて造り酒屋だった松宮家住宅です。
造り酒屋だけあって、大きな敷地が残っています。 -
町並みを振り返ってみました。
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この辺りの街道は鍵曲(かいまがり)になって続いています。
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鍵曲がりの角には、格子や虫籠窓のある伝統的な町家があります。
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こちらの町家は木部にベンガラを塗っています。
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ベンガラには防虫や防腐機能があるので・・・
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昔から建物を保護するのに使われてきました。
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この町家の角に、鯖街道を示す道標が立っています。
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大八車の車輪が町並みのアクセントになっています。
かつては、この街道を大八車が行き交っていたんでしょうね。 -
この辺りの町並みには、かつての面影を彷彿とさせるたたずまいが残っています。
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この町家は、藩の御用商人として活躍した熊瀬家住宅です。
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熊瀬家住宅も・・・
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いたる所にベンガラを使っています。
それにしても、この欄間の細工は秀逸です。 -
水路脇に植えられた柳が、水辺の雰囲気を盛り上げています。
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左手の路地から、何かありそうな臭いがプンプン漂ってくるので、覗いて行きましょう。
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案の定、蔵造りの良い町家がありました。
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陽の光を浴びて輝く新緑が・・・
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水面ではじけるように揺らめいています。
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期待通りの良い風景の余韻に浸りながら、町並みに戻ります。
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町並みを流れる水路には、日常生活の洗い物に欠かせない、「川戸(かわと)」と呼ばれる洗い場が設けられています。
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川戸から町並みを振り返って見たところです。
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鍵曲がりの角には、丸八百貨店が建っています。
1933年に建てられた当初は2階建てでしたが、10年後に増築されて現在の姿になったそうです。 -
現在は、朽木の歴史や文化の情報発信拠点として運営されており、鯖街道の資料展示のほか、無料休憩所、特産品の販売や喫茶スペースとして活躍しています。
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丸八百貨店の斜め向かいに建つ町家です。
破風板はベンガラ塗、2階妻面の外壁は焼杉と、防虫・防腐対策に余念がありません。 -
丸八百貨店横の路地を進むと、最初に訪れた明護水車に通じています。
明護水車のあとこの路地を通らなかったので、入ってみましょう。 -
畑では、ひと足早い花菖蒲や・・・
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菜の花が咲いています。
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菜の花のアップ写真。
小さい花の中に、雄しべと雌しべがしっかりと見えています。 -
路地に面する町家に焼杉が張られていたので撮りました。
炭化した杉板の表面が水をはじくんですね。 -
ここが京都側(南側)の入り口です。
旧街道はここで国道367号線と合流します。 -
速い流れに身を乗り出すツワブキ。
秋には黄色のかわいい花を咲かせてくれます。 -
今までは通り過ぎるばかりで、始めて歩いた朽木宿ですが、小さいながらも、城下町や宿場町の面影が残る良い町並みが残っていました。
では、そろそろ家路につきます。
おっと、我が家へのお土産に買った鯖寿司をお店で預かってもらっているんで、忘れないようにしなきゃ・・・。
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