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先月25日に成田を立ち、今日、6月3日、成田に向けての機上の人となっている。もう間も無く、小1時間もしたら今回の旅も終わりとなる。どこの海岸線か、眼下の景色も見慣れたものに変わってきている。海岸線に沿って、機はどんどん成田に近付いているのだ。<br /><br />先月に引き続いての今回の中国旅行、以前から当方ブログにコメントを頂いている竜司さんと先月一緒に少林寺へ行く計画をしたが、直前になって竜司さんは都合で不参加になり、結局一人で旅行することになったが、帰国後、彼から彼の心の想い人、嵐子さんへのプレゼントとして、次回中国へ行く際は、上等な紹興酒を買ってきてもらいたい、との要望があった。<br /><br />紹興は当方のまだ行ってない土地であり、越の国都としての古い歴史を持っていて、何よりも、魯迅の出生地でもあるから、一度は行って見たい都市ではあった。そうであるなら早い方が良いだろうと、今月再び訪中した次第だが、今回の旅行のテーマは紹興の沖に浮かぶ島、「補陀山」等に渡ってみよう、ということだった。<br /><br />古来より日本人の宗教心の中に「補陀落」信仰があり、死後の魂が補陀落に安住することを願っていた。又、現実に熊野辺りでは僧侶が「補陀落渡海」を試みるものもいた。そうした補陀落信仰の島として、この「補陀山」が擬せられていて、紹興に真っ直ぐ行くのではなく、上海から船に乗り、舟山群島の中にあるこの島に渡り、その後、紹興に上陸する計画を立てた。それは恰も「補陀落渡海」の旅であった。<br /><br />「補陀山」はその音感より、ポータラカ→補陀落に類似する面があり、昔からこの島にお寺が多く建立されていたから、島の名称がそのように呼ばれるようになったのか、逆に元々の名称が「補陀山」で、従って名称の類似性より、この島に多くのお寺が建立されるようになったのかは知らないが、史実によれば、平安時代の昔、一人の留学僧、慧鍔(けいがく)大師が五台山から日本への帰途、この島に観音像を奉納したとの言い伝えがあり、日本人にとってのこの島は更に因縁深い島である。<br /><br />この島の一番高い山「佛頂山」は標高400m位の山であり、その山頂からは島の北側半分が一望できるが、そこには又佛頂頂佛寺という古刹がある。この寺の門前にお守り札を売っている店があり、この島への参詣記念にと3枚を買う。竜司さんからは紹興酒をお願いされていたのだが、これは大変珍しいお土産として、帰国後、彼に渡すことにしよう。それは大慈悲観音、南海観音像で、裏には大悲咒、「千手千眼無礙大悲心陀羅尼」が実に細密な文字で彫られている。ブログ上の無二の友人、竜司さんには相応しものだろう。<br /><br />その後寧波に上陸し、道元禅師も修行された天童寺に参詣し、寧波からは天台山に向い、伝教大師最澄初め多くの日本人僧が修業した天台山国清寺にお参りし、紹興にて、沢山の紹興酒も買った。これで竜司さんとの約束が果たせる。「最高級の紹興酒」との注文であったが、どの道彼からはお金をもらう積りはないので、嵐子さんには申し訳ないが、そこそこの値段のものにして置いた。その方が、お互い負担が無くて良いだろう。<br /><br />上海ではいつも足繁く通う按摩師阿秀さんには再見!の挨拶をして別れ、次には又来月、友人のネギさんとこの街にやってくる。来月の旅行は阪急のツアーだから、黙ってガイド嬢の後を付いて行けば良いだけだ。ホテルも一流だし、楽な旅行になるだろう。<br /><br />成田も大分近くなってきた。九十九里の長い海岸線も眼下に見える。「補陀落渡海の旅」も間も無く終わる。ブーメランのように又現実世界に舞い戻り、明日からの修羅の世界が待っている。<br /><br />                                完

補陀落渡海への旅(140)帰国。旅の終わりに。

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2012/05/25 - 2012/06/03

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18

ちゃお

ちゃおさん

先月25日に成田を立ち、今日、6月3日、成田に向けての機上の人となっている。もう間も無く、小1時間もしたら今回の旅も終わりとなる。どこの海岸線か、眼下の景色も見慣れたものに変わってきている。海岸線に沿って、機はどんどん成田に近付いているのだ。

先月に引き続いての今回の中国旅行、以前から当方ブログにコメントを頂いている竜司さんと先月一緒に少林寺へ行く計画をしたが、直前になって竜司さんは都合で不参加になり、結局一人で旅行することになったが、帰国後、彼から彼の心の想い人、嵐子さんへのプレゼントとして、次回中国へ行く際は、上等な紹興酒を買ってきてもらいたい、との要望があった。

紹興は当方のまだ行ってない土地であり、越の国都としての古い歴史を持っていて、何よりも、魯迅の出生地でもあるから、一度は行って見たい都市ではあった。そうであるなら早い方が良いだろうと、今月再び訪中した次第だが、今回の旅行のテーマは紹興の沖に浮かぶ島、「補陀山」等に渡ってみよう、ということだった。

古来より日本人の宗教心の中に「補陀落」信仰があり、死後の魂が補陀落に安住することを願っていた。又、現実に熊野辺りでは僧侶が「補陀落渡海」を試みるものもいた。そうした補陀落信仰の島として、この「補陀山」が擬せられていて、紹興に真っ直ぐ行くのではなく、上海から船に乗り、舟山群島の中にあるこの島に渡り、その後、紹興に上陸する計画を立てた。それは恰も「補陀落渡海」の旅であった。

「補陀山」はその音感より、ポータラカ→補陀落に類似する面があり、昔からこの島にお寺が多く建立されていたから、島の名称がそのように呼ばれるようになったのか、逆に元々の名称が「補陀山」で、従って名称の類似性より、この島に多くのお寺が建立されるようになったのかは知らないが、史実によれば、平安時代の昔、一人の留学僧、慧鍔(けいがく)大師が五台山から日本への帰途、この島に観音像を奉納したとの言い伝えがあり、日本人にとってのこの島は更に因縁深い島である。

この島の一番高い山「佛頂山」は標高400m位の山であり、その山頂からは島の北側半分が一望できるが、そこには又佛頂頂佛寺という古刹がある。この寺の門前にお守り札を売っている店があり、この島への参詣記念にと3枚を買う。竜司さんからは紹興酒をお願いされていたのだが、これは大変珍しいお土産として、帰国後、彼に渡すことにしよう。それは大慈悲観音、南海観音像で、裏には大悲咒、「千手千眼無礙大悲心陀羅尼」が実に細密な文字で彫られている。ブログ上の無二の友人、竜司さんには相応しものだろう。

その後寧波に上陸し、道元禅師も修行された天童寺に参詣し、寧波からは天台山に向い、伝教大師最澄初め多くの日本人僧が修業した天台山国清寺にお参りし、紹興にて、沢山の紹興酒も買った。これで竜司さんとの約束が果たせる。「最高級の紹興酒」との注文であったが、どの道彼からはお金をもらう積りはないので、嵐子さんには申し訳ないが、そこそこの値段のものにして置いた。その方が、お互い負担が無くて良いだろう。

上海ではいつも足繁く通う按摩師阿秀さんには再見!の挨拶をして別れ、次には又来月、友人のネギさんとこの街にやってくる。来月の旅行は阪急のツアーだから、黙ってガイド嬢の後を付いて行けば良いだけだ。ホテルも一流だし、楽な旅行になるだろう。

成田も大分近くなってきた。九十九里の長い海岸線も眼下に見える。「補陀落渡海の旅」も間も無く終わる。ブーメランのように又現実世界に舞い戻り、明日からの修羅の世界が待っている。

                                完

旅行の満足度
5.0
  • ホテル、24Kインターナショナルのタリフ。チェックアウトし、浦東空港に向かう。

    ホテル、24Kインターナショナルのタリフ。チェックアウトし、浦東空港に向かう。

  • 白い屋根の空港ビルが見えてきた。

    白い屋根の空港ビルが見えてきた。

  • 今は見えないが、隣はリニアモーターカーの線路。

    今は見えないが、隣はリニアモーターカーの線路。

  • 上海浦東空港。

    上海浦東空港。

  • JALのWaiting Roomに向かう。

    JALのWaiting Roomに向かう。

  • 離陸すると間も無く、ランチが運ばれた。

    離陸すると間も無く、ランチが運ばれた。

  • どこの島影だろう・・。もう九州か・・

    どこの島影だろう・・。もう九州か・・

  • 五島から佐賀にかけての島影だろう。

    五島から佐賀にかけての島影だろう。

  • ああ、大分中に入って来た。関門海峡のようだ。

    ああ、大分中に入って来た。関門海峡のようだ。

  • 大きな山だが九州のどの辺りだろう・・

    大きな山だが九州のどの辺りだろう・・

  • どこの海岸線だろう・・。

    どこの海岸線だろう・・。

  • この細長い半島はどこだろう・・。佐田岬か?

    この細長い半島はどこだろう・・。佐田岬か?

  • ああ、綺麗な椀だ。四国のどこかか・・。

    ああ、綺麗な椀だ。四国のどこかか・・。

  • ああ、もう九十九里に来た。間もなく着陸の案内だ。

    ああ、もう九十九里に来た。間もなく着陸の案内だ。

  • 補陀落渡海の旅も漸く終わった。

    補陀落渡海の旅も漸く終わった。

  • 完

  • 補陀山、佛頂頂佛寺で買った南海観音の御札。この内の1個を竜司さんにお土産に渡す。

    補陀山、佛頂頂佛寺で買った南海観音の御札。この内の1個を竜司さんにお土産に渡す。

  • 裏には細かい文字で、大悲心陀羅尼が刻印されていた。補陀山のこのお札は佛頂山まで行かないと買えない貴重なものだ。日本人で持っている人は少ないと思う。災害、危険から竜司さん大事に守ってくれていると思う。

    裏には細かい文字で、大悲心陀羅尼が刻印されていた。補陀山のこのお札は佛頂山まで行かないと買えない貴重なものだ。日本人で持っている人は少ないと思う。災害、危険から竜司さん大事に守ってくれていると思う。

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