おしどり夫婦のミステリーツアー

2013/12/27 - 2013/12/28

という名のツアーがあった。JTB旅物語主催だ。私たちがおしどり夫婦かは別にして誰でも参加できる。バスを使った一泊旅行だ。どんなコースでどこへ行くのか、どこに泊まるのかも全く知らされていない。いざ出発しても添乗員氏もガイド氏も、緘口令がひかれたように教えてくれはしない。
「ヒントはとある観光地に寄って、とある宿泊地に」バスで４時間ほどかけていくということだけ。もちろん初体験だ。値段も格安。（２，２万円）近くの穴場に行ってたいしたツアーではないだろうと思っていたが、予想はいい面でも悪い面でもくつがえされる結果となった。
満員の参加者を乗せてバスは高速をひた走る。JCTで分岐に入るたびに「あ、こっちへ向かっているんだ」と分かっていく仕組み。はじめ淡路島で休憩があった。ん、これは徳島だなとほとんどの者が気づく。案の定、鳴門海峡で昼食。だがここが目的地ではない。バスはさらにすすむ。徳島道からなんと高知道へ。やっとわかった。高知へ行くのだ。はじめの観光地は五台山竹林寺。休憩や昼食を入れてここまで６時間ほどかかっている。若いカップルのお遍路さんが参っている。どんな思いを込めているのか、若干気になる。
次は龍馬伝を記念した「幕末志士社中」に寄る。大河ドラマは終わっても、高知はやはり竜馬が圧倒的な人気だと知れる。えんえんとバスで走ってきて、きょうの観光はこれでおしまい。
早めの宿到着ということで、城西館に入る。これには正直驚いた。城西館とえば、高知でも名だたるやど。よくぞこの値段でこの宿をとったものだ。部屋も食事もかなりいい。思わずこの前行った湯谷温泉との差を感じてしまう。

２日目もまだミステリーは続く。例のアンパンマン列車で知られたローカル線に乗るというのだ。来たのはアンパンマン列車でなかったが、海沿いの景観はバスから眺めるのと一味ちがう。列車を降りると、またバスでなんと室戸岬へ向かう。風は冷たいが、海は不思議なほどおだやか。しかし散策の時間は長いとはいえない。このへんが個人旅行との差なんだろう。何しろ時間に追われるのだ。しかしここの昼食もよかった。こんな僻地に星野リゾートが経営を委託されているホテルがあるのだ。そこでイタリアン料理。これは豪華。レンタカーだったら飲めないが、思わず生ビールを注文する。うまい！

観光は以上で終わり。またまたえんえんとバスに乗って大阪に向かう。着いたのは夜の８時前。御堂筋のイルミネーションを見られるというおまけがついた。
ミステリーツアーもずいぶん遠くへ行くものだ。去年も参加した人は「伊豆の下田だった」とのこと。旅行社もたいへんだ。おしどりかどうかはべつにして、年配の夫婦ばかりのツアーだと、それぞれの個性が知らずのうちにでてくる。還暦をすぎたら、顔や言い方や態度に、その人の人格がにじみでてくると言われる。まだまだ私も修行中だと思わされた「おしどり夫婦ミステリーツアー」だった。それにしてもバスの時間が長すぎるのは考えものだ。

エリア 室戸岬周辺(高知)

• 旅行の満足度: 3.0
• 観光: 3.0
• ホテル: 5.0
• グルメ: 4.5
• 交通: 2.0

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 一人あたり費用: 1万円 - 3万円
• 交通手段: 観光バス
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行あり）
• 利用旅行会社: JTB

淡路島を通って、まずはなると海峡へ。

３１番？札所竹林寺を遍路する若いカップル。

「幕末立志社中」の中には坂本竜馬の屋敷が展示されている。もっとも大河ドラマに使われたセットだということだが。

高知市内はいまだ路面電車が主要な交通機関。正確には土佐電鉄というらしい。地元では略して土電。

電車続きながらこちらは土佐観光鉄道。アンパンマン列車やタイガース列車があるが、乗ったのはふつうのローカル列車。

室戸岬灯台。山頂にたつ。歩いて２０分とある。個人で行ったらここまで登るのに・・。残念。

室戸岬。足摺のような荒々しさが、なぜかなかった。

空海が修行したと伝えられる洞窟。まさに空と海。

星野リゾートが経営するホテルでイタリアンの昼食。ツアー代金に比して、かなり豪華だ。ただし３日前のお役が必要。宿泊するなら２，６万円以上とのこと。しかし高知まで無料送迎してくれるそうだ。

帰り道淡路SAに着くころは、すでに陽もとっぷり暮れて観覧車があざやか。今は人が少なくて、人形を乗せて回っているという。