2013/11/01 - 2013/11/02
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ハンクさん
まだまだ秋の気配とは程遠い暖かさの11月1日、白川郷を訪れた後、金沢クラウンプラザホテルに1泊、翌2日に兼六園、金沢城、武家屋敷などを訪れた。東海北陸自動車道のおかげで、名古屋から金沢は寄り道をしなければ3時間半ほどで到着する。便利になったものだ。金沢を訪れるのは高校生の時、そして25年ほど前に知人の結婚式に訪れて以来3回目である。紅葉狩りと言うにはまだ早く一部が色付きかけた程度であったが、如何せん長期のロシア出張の直前であり時期は選べない。つかの間の日本での休日を、懐かしい古都で過ごした。
金沢市は人口約50万人、中核市に指定された北陸の雄である。金沢駅の東口正面には巨大な総ガラス製ドーム「もてなしドーム」と木製の「鼓門」が建設されており驚いた。これは2005年に、北陸新幹線の延伸を見越した駅周辺整備事業により建設されたという。もてなしドームの横にはオーケストラアンサンブル金沢のホームグラウンドである石川県立音楽堂、クラウンプラザホテル、更に向かい側には高層の日航ホテルが威容を誇り駅前の景観は一変していた。北陸新幹線の開通が近いと聞いていたが、現在長野駅ー金沢駅は建設中であり、開業予定は2015年3月、従来3時間47分かかっていた東京駅ー金沢駅間が開業後は約2時間30分になるという。余計なお世話かもしれないが、中部圏、または関西圏に近い金沢市が東京に先に繋がってしまうと、東京一極化に飲み込まれてしまうのではないか、と危惧を抱くのは小生だけだろうか。
金沢と言えばもちろん兼六園、国の特別名勝であり水戸の偕楽園、岡山の後楽園と共に日本三名園の一つに数えられている。名称は宋代の詩人・李格非が『洛陽名園記』の中で、中国洛陽の名園「湖園」を謳った「宏大・幽邃・人力・蒼古・水泉・眺望の六つを兼ね備える名園」に倣い、松平定信によって命名された。広さは約3万坪あり、金沢城の外郭に造営された日本を代表する池泉回遊式庭園である。我が郷土名古屋の誇る武将の一人、前田利家(1538ー1599)の時代の建設だと勝手に思い込んでいたが、実は江戸時代に入った1676年、5代藩主前田綱紀が「蓮池亭」を造り庭園の基礎を作った。13代藩主前田斉泰が現在のものにほぼ近い形にし、「兼六園」の名称が定められた。
丁度11月1日より、冬の風物詩として情緒を添える雪吊り(雪に備えて行われる枝を保護する円錐形の補強)の設置が始まっていた。霞ヶ池を渡る石橋を琴に見立てて徽軫(ことじ)をなぞらえた徽軫灯籠の周囲の紅葉は、僅かではあるが色づき始めていた。雁行橋、唐崎松、根上松、時雨亭、栄螺(サザエ)山、翠(みどり)滝、そしてポンプを使わず、水位の高低差だけを利用して水を噴き上げさせている日本で最も古い噴水などの見所を見て歩いた。なお10月後半からの開園時間は朝8時から17時まで、入場料は300円である。また、時雨亭の抹茶券は700円、騒々しい中国人の団体のため少々興醒めではあったが、美しい庭園に面した建物でいただく抹茶はことのほか素晴らしい。日本の誇るべき伝統文化であると思う。
続いて兼六園の隣の金沢城を訪れた。なんと金沢大学があると思い込んでいたこの地にすでに大学はない。1995年に大学は郊外に移転していたことを全く知らなかった。実はこの時、石川県が国から金沢城址を取得し、金沢城址公園として整備を開始、1999年に金沢城の復元整備事業を着工していた。2001年に菱櫓・橋爪門・橋爪門続櫓・五十間長屋の復元完了、続いて石川門の保存修理、橋爪門二の門の復元整備などが進んでいる。石川県と金沢市は、「城下町金沢の文化遺産群と文化的景観」のユネスコ世界遺産への登録を目指している。今後世界遺産に登録されることはますます難しくなるであろうが、昨日訪れた白川郷や他の世界遺産に比べ、兼六園と金沢城の価値が低いとは思えない。地元の努力を応援したい。
その後10分ほど歩いて長町武家屋敷跡を訪れ、バスで金沢駅に戻りミヤコホテルの裏側にある「大名茶屋」で遅めの昼食をとった。金沢の郷土料理のじぶ煮をはじめ、ずわい蟹料理など、本格的な加賀料理をお手頃料金で楽しめる、お勧めの店である。そして名古屋までの帰途につく。いつものように一宮周辺で渋滞にはまったが、約4時間後には無事に帰宅することができた。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- ショッピング
- 4.5
- 交通
- 5.0
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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イチオシ
徽軫(ことじ)灯籠の周囲の紅葉は、僅かではあるが色づき始めていた
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丁度この11月1日より、冬の風物詩として情緒を添える雪吊り(雪に備えて行われる枝を保護する円錐形の補強)の設置が始まっていた
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雪吊りと徽軫(ことじ)灯籠の周囲の紅葉
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雁行橋は11枚の石板を使って雁が列をなして飛んでいる姿に作られている
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霞が池の灯篭
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根上がりの松
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日本武尊の像、明治紀念の標と呼ばれる
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13代藩主前田斉泰が母親である眞龍院の隠居所として建てられた成巽閣
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梅林、明治百年を記念して全国から名梅を集めて作られた
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赤く色づいたナンテンの実
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松の傷、太平洋戦争の終結前、軍用航空機の燃料に松脂を採取した跡
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黄色く色づき始めた木の葉
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兼六園の全体図
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瓢(ひさご)池に流れ込む翠(みどり)滝
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夕顔亭、1774年建造の現存する最も古い茶室
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日本に現存する最も古い噴水。これより高い位置にある園内の水源、霞ヶ池から石管で水を引き、水位の高低差だけを利用して、水を噴き上げさせている。ポンプなどの動力は一切用いておらず、位置エネルギーのみを利用した噴水は当時としては画期的。
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逆さ富士のように池に反射する雪吊り
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時雨亭の入り口、5代藩主前田綱紀が「蓮池亭」を造った時に建てられた。
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時雨亭の茶席から眺める庭園
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時雨亭の茶席
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時雨亭の茶席
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時雨邸の庭園、紅葉が色付き始めた
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餌に群れ集まる鯉
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逆さ富士のように池に反射する雪吊り
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虎が前足を低くして吠える姿を連想させることからこの名がつけられた虎石、能登外浦 の曽々木か福浦あたりから持ち込まれた自然石であると言われる
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1995年に郊外に移転する前の金沢大学
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保存修理された石川門
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保存修理された河北門
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2001年に復元完了した五十間長屋
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五十間長屋の内部
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国重要文化財の鶴丸倉庫、武具の蔵だ
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国重要文化財の鶴丸倉庫の内部
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再建工事中の金沢城の一部
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国重要文化財の三十間長屋、鉄砲蔵である
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国重要文化財の三十間長屋の内部
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長町武家屋敷の町並み
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長町武家屋敷を流れる川
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長町武家屋敷の旧加賀藩千二百石野村家
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長町武家屋敷の旧加賀藩千二百石野村家の内部
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長町武家屋敷の旧加賀藩千二百石野村家の内部
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長町武家屋敷の旧加賀藩千二百石野村家の庭
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長町武家屋敷の旧加賀藩千二百石野村家の茶席
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長町武家屋敷の旧加賀藩士高田家跡の入り口
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長町武家屋敷の旧加賀藩士高田家跡の庭園
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金沢駅の東口正面の木製の「鼓門」、これは2005年に、北陸新幹線の延伸を見越した駅周辺整備事業により建設された
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金沢駅の東口正面の巨大な総ガラス製ドーム「もてなしドーム」
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金沢駅の東口のクラウンプラザホテルと向かい側には日航ホテルが威容を誇り駅前の景観は一変していた。
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オーケストラアンサンブル金沢のホームグラウンドである石川県立音楽堂
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オーケストラアンサンブル金沢のホームグラウンドである石川県立音楽堂のコンサートホール、たまたま行われていたイヴェントのため入場できた
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オーケストラアンサンブル金沢のホームグラウンドである石川県立音楽堂のロビー
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この旅行記へのコメント (1)
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- tadさん 2013/11/19 11:26:05
- 金沢大学が移転
- 金沢大学は城内から出たのですね。私も知りませんでした。一度、まだ城内にあるころに学会で行ったことがあるのみです。お城はちゃんと再開発してほしいですね。鉄筋コンクリートのインチキな復元だけはやめてほしいです。
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