2013/09/13 - 2013/09/14
244位(同エリア869件中)
銀の匙さん
オーロラは見たいけど、寒い戸外で徹夜したくない…せっかく北極圏に行くなら、街も見たいし、今も残るルーン文字の碑文や木簡、不思議な木造教会(スターヴ教会)も見たい…そんな虫のいい事を考えていたら、「世界で一番美しい船旅:沿岸急行船(フッティルーテン)」のことを思い出しました。
9月になればオーロラが見えますし、北極圏には3日滞在でき、洋上なら暗くて観察もしやすい、しかも寄港地では街歩きもでき、場所によってはオプショナルツアーにも参加できるとのこと。これしかない!
美しい風景に加え、オーロラ、虹くぐり、流星、満月と天体ショーも楽しめた12日の旅の記録です。
旅程は
1日目(本日はココ)コペンハーゲン→オスロ(オスロ泊)
https://ssl.4travel.jp/tcs/t/editalbum/edit/10821372/
2日目オスロ→キルケネス(キルケネス泊)北極圏です
http://4travel.jp/traveler/silverspoons/album/10821742/
3日目キルケネス(北回りの沿岸急行船に乗船)→
ヴァルドーVardo(船中泊)
http://4travel.jp/traveler/silverspoons/album/10821769/
4日目ノールカップ岬→ハンメルフェストHammerfest→
シェルヴォイSkjervoy→トロムソTromso(船中泊)
http://4travel.jp/traveler/silverspoons/album/10822075/
5日目ハシュタHarstad→ソートランSortland→
ストークマルクネスStokmarknes→スヴォルヴァールSvolver→
スタムスンStamsund(船中泊)
http://4travel.jp/traveler/silverspoons/album/10822447
6日目 北極圏から離れる→サンネスショーエンsandnessjoen→ブロンオイスンBronnoysund→ロルヴィークRorvik(船中泊)
7日目トロンハイムTrondheim→クリスチャンスンKristiansund
→モルデMolde(船中泊)
8日目ベルゲンで下船(ベルゲン泊)
9日目ベルゲン→コペンハーゲン(コペンハーゲン泊)
10日目コペンハーゲン(コペンハーゲン泊)
11日目ベルビュービーチへ。午後便で帰国
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 鉄道 観光バス 船 徒歩 飛行機
- 航空会社
- スカンジナビア航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
とりあえず、秋口に遅い夏休みが取れることが判明した時点で、家の者(仮に「わに」とします)に行きたい場所を尋ねたところ、答えは
「オーロラが見たい」でした。
なめとるんかい!オーロラは冬じゃ!と、一瞬自分のキャラを見失うほど頭に血が上りましたが、いや、ちょっと待ってください、そういえば9月に入れば夜が若干長くなるのでオーロラが見られる、という話を聞いたことがありますよ...でも街中じゃきっと見られないだろうし、冬と違ってツアーもないだろうし…
と考えたところで思い出したのが、冬にオーロラツアーに行こうかと思い、貰っておいたパンフレット。バスと列車での移動に加えてひと区間だけ、「沿岸急行船」に乗る、とあり、目玉扱いになっていましたっけ。
沿岸急行船(フッティルーテン)というのは、ノルウェーのベルゲンとキルケネスを結ぶ定期フェリーです。
フェリーとはいえ、新しい船は豪華クルーズ船並みの設備が整い、北極圏を含む海岸沿いの風光明媚な港町を結んでおり、寄港地では出発時間まで下船して見学ができ、また、寄港中に参加できるオプショナルツアー(エクスカーションと呼んでいました)もいくつか用意されており、それがまた楽しいらしいのです。
ただ、私たちは個人旅行なので、区間乗船だと前後の旅程が面倒くさい事になりそうです。往復すると12日間かかる船ですが、片道乗るのはどうだろう?
早速ネットで調べてみると、北回り、南回りどちらかだけ載ってもクルーズ客として扱われることが分かりました。どちら回りでもほぼ同じ場所を通りますが、通過時間が違うため、日中に下船したり、見られたりする景色は全く違います。また、期間によって、それぞれ特別に立ち寄る場所もあります。
北回りは景観がよくロフォーテン諸島を昼通過。トロるフィヨルドも通ります。南回りはガイランゲルフィヨルドを通過し、立ち寄れる街が多くなります。相当悩んだ末、今回は北回りにしてみました。
直接、ネットから船会社に予約することもできますが、安い代わりにキャンセル料が高額です。そこで、割高ですが若干融通の利く、日本の旅行会社を通しました。
ついでにフライトの予約も頼んでしまったのですが、こちらは自分で調べて決めなかった事をかなり後悔しました。船に合わせて予約してくれたのですが、それ以外はあまり考慮してくれていないスケジュールで、しかも席をこちらで選べません。
10数時間の間、4列並びの真ん中の席は、トイレに立つのもままならず、まさに拷問…。
そして、1日目はオスロに夜到着し、翌日午前早い便でキルケネスへ出発。
ああ、オスロでやりたいことがいっぱいあったのに。
ムンクが見たかった…
野外博物館でスターヴ教会が見たかった…
カフェ・フグレンに(夜間のバー営業になる前の時間に)行きたかった…
博物館でバイキング船が見たかった…
オスロの本屋を覗きたかった…
北欧の夜は早じまいと聞いているので、オスロではただ泊まるだけになっちゃうかも…
と、到着前の時点ではかなり悲観的でしたが、なぜか旅はこの後、こうした出発前の望みが(しょぼいけど)別の形で叶うという、江戸の敵を長崎で的な展開に… -
さてさて、こちらは東京→コペンハーゲン行きのSASの機内。
映画館で2回も観たのに、性懲りもなく、また「スタートレック」を選んでしまいました。だって、他は旧作ばかりで観るものないんだもの(しかも、帰国便はこの作品すらなかった)。チョイスが少なすぎです。 -
SASに乗るのは初めてだったので、かなり期待していました。各座席にミネラルウォーターのボトルが配られていたのに感激したのですが、後がいけません。
食事時の飲み物以外はノンアルコール飲料も有料。水はかろうじてタダですが、ギャレイまで取りにいかなければいけません。←は食事どきの紅茶。デザインは可愛いんだけど…。 -
そんなこんなで、あまり気分が盛り上がらないまま、コペンハーゲンのカストラップ空港に到着。乗り継ぎ時間が2時間くらいしかないので、とりあえず空港内を散策します。
ここは出発ロビーの各航空会社のカウンターがある場所。ガラス張りの温室のような空間で、背の高い樹木を配してあり、とても気持ちのよい空間でした。 -
期待値が高すぎたのか、残念ながら機内はあまりオシャレに感じなかったのですが、空港やロビーなど、機能第一の場所がきちんと機能的にデザインされているのには感心しっぱなしでした。
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オスロの空港に到着。ロビーへ行く途中、壁にはこんな展示がありました。今年はムンクのアニバーサリーイヤーだったのですね(泣)
本物は見られなかったけど、いちおうこれで「オスロでムンクを見る」という旅の目的は一つ達成(号泣) -
空港から駅の構内はつながっていて、動く歩道式になっているので荷物があっても楽々です。
まるでさっきまで機内で見ていた「スタートレック」そのもの。激しくSF入っています。
入口には有人と無人の切符売り場があり、無人の方は上に「エアポートエクスプレス」と大々的に書かれた看板が掲げてあったりして,ついふらふらと
そっちで切符を買いそうになりますが、ここは落ち着いて、有人の窓口で「オスロ中央駅」までの普通列車の発車時刻とホームを確認して、切符を買いましょう。
普通列車でも急行に乗れば所要時間は変わらないし、時間帯によっては、エアポートエクスプレスよりも先に到着します。そして、噂によるとお値段は半額くらいらしい…。 -
ホームへの入口には、行き先の表示があります。リレハンメル行きはたいていオスロ中央駅に停まります。リレハンメルって、冬季オリンピックの開催地ですね。なんだか懐かしい…。
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あくまでもSFチックな駅です。
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こちらがエアポートエクスプレスです。
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ゴージャスな列車っぽいですが、こちらには乗りません。
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乗らないってば!
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はい、乗るのはこちら、普通列車です。十分可愛いです。
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正面もいいでしょ?
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乗り込んでみると、これがまた「エンタープライズ号」に乗り組んだような感じなんですね〜。飛行機よりもカッコいいかも。
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1輌座席をエリアに分けて高低差を付けてあり、ちょっとしたコーナー風になっているのが楽しい。
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荷物置き場やライトも完備。
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車内のお知らせはもちろんモニター形式。
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座席の背にはジャケットを掛けられる工夫も。
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建物や車両もさることながら、電線やガイシなどの周辺設備まで美しくデザインされているのに感動しました。
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オスロ中央駅に到着です。こちらは宿のある、オペラ座側の出口。なんだか薄暗くてちょっと怖い雰囲気だったけど、地元の人いわく、とても安全とのこと。
北欧は夜になるとお店が皆閉まってしまう、と聞いていたので、夜10時ごろまで店が開いている駅構内はとても助かるお買いものスポット。構内には鉄道の案内所もあり、翌朝の切符を事前に買うことができました。
いちおう自動販売機なのですが朝は並ぶらしく、ホテルで朝ごはんを食べてから出発する予定だった私たちには大助かり。
しかも、行き先がアルファベット順で検索するようになってるんですよね。空港(Airport)だからAだろう…と思って探すと全然ない。困って案内所の方に尋ねると、あ、Gで探してください。Gardermoenなんで、とのこと。
当日朝だったら相当慌ててたことでしょう。 -
さて、繁華街は駅の反対側とのことだったので、そちらへ回ってみました。もう夜8時過ぎだし、デパートなんかも当然閉まっています。もう帰ろうか、と思ったら、歩行者天国の道に突き当たりました。
わお、お店も開いてる!写真の本屋さんはベストセラー本しか扱ってないらしく、あまり面白くはありませんでしたが、開いてるだけで嬉しい…。
営業中のカフェも道路沿いにいっぱいありました。そう、今日は金曜日、オスロでも花金なんですね、きっと。 -
オスロの中心街。たくさんの人が夜の街に繰り出しています。「フレイヤチョコレート」のネオンサインを発見。7色のパターンに変化します。クラシックな建物の中に溶け込んでいます。
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オスロの紋章がライトアップされています。
真ん中の人物は矢と石臼を持っているように見えます。だとすると、それは聖女クリスティーナの象徴ですが、何か関係があるのでしょうか。オスロの旧名はクリスチャニアだとのことなのですが…。 -
どんどん歩いていくと、ライトアップされた美しい建物が見えてきました。外には人がいっぱいならんでいます。どうやら建物の中に入れるらしい。2階の天井に異国情緒あふれる装飾が施されているのが見えました。
中でパーティーか、舞踏会でもあるのかしら? -
さらに近寄ってみると、アラビア風の装飾扉がステキです。どうやら観光客も並んでいるようだし、とりあえず列に並んでみました(東京人の悪い習性です)。前も後ろもドイツ人ばっかり。ドイツにゆかりの文化人かなんかの別宅?
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30分も並んだでしょうか、ようやく中に入ることができました。天井の装飾がなんだかアルハンブラ宮殿みたいです。入口は異様にセキュリティが厳しく、荷物検査もありました。こんな夜中に見学できるなんて、一体何の建物なんでしょう???
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とりあえず2階に上がってみると、模型が飾られていました。どうやらさっき外から見えたのは、建物のほんの一部分だったようです。夜だからよくわからなかったけど。
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と、扉を開けて、ようやく謎が解けました。なんと、ここは国会議事堂だったのです! なるほど、チェックが厳しい理由もわかりました。昔、近くの政府庁舎でショッキングな爆破事件があったし、この議事堂も爆破予告があったように記憶しています。
それにもめげず、外からは建物が丸見えなオープンなつくりで、こうして対外開放も気軽に行っているというのは本当に素晴らしいです。
とてもこじんまりした、アットホームな感じの議場です。クラシックなデザインですが、照明などはモダンなのが、北欧デザインの面目躍如といった感じです。 -
国会見学も終えまして、外に出るといきなりドカーン!と凄い音が。すわ、爆弾か?と、ほんの一瞬思ったけど、皆が見ている方角を見ると、そこには大輪の花火が浮かんでいました。東京の花火大会だったら人があふれて事故りそうなくらいの規模の、大尺玉の連発です。しだれ柳やスターマインもありました。数十人(笑)で鑑賞するにはもったいないような大花火イベントでした。
翌日ホテルの人に、昨日花火を見たけど、何かの記念日ですか?と聞いたら、あぁ私も音は聞きましたけど、別に何の日でもないですよ。誰かの誕生日祝いじゃないですかね、とのこと。ホントかな…?ホントだったら、ものすごく豪勢なお誕生日祝いですね。 -
本日の宿、トーン・ホテル・オペラに戻ってきましたが、せっかくそんな名前なんだし、向かいのオペラ劇場を見に行ってみました。夜10時を回っても、まだ続々と(数十人ほど)人が集まっています。今日はもう催しは捌けてしまったようでしたが、ライトアップされてなかなか綺麗でした。
正面玄関の脇が坂道みたいになっていて、それが建物の上に続いて屋根になる、という構造なので、屋根の上にも上れますが、暗いし思いのほか急だったのでやめときました。私たちが帰るころには、手にスケボー等のエモノをもった若者たちが現れました。確かに、ちょうどいいスポットかも。
(演奏中に滑ったら、指揮者に指揮棒ぶつけられるかもですが) -
宿は劇場の前というのを意識して、あちこちにオペラやコンサート、バレエなどをモチーフにした装飾があります。お部屋の設備はごく普通でしたが、アイロンとアイロン台が標準装備なのは、観劇客を見込んだホテルらしいですね。
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枕には楽譜が印刷されていました。翌朝の朝ごはん会場はとてもスタイリッシュで、早々に空港に発たなければならなかったのが本当に恨めしかったです。
2日目に続きます↓
http://4travel.jp/traveler/silverspoons/album/10821742/
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