瀬戸内海～海ほたるの粟島といりこの伊吹島～

2013/08/24 - 2013/08/25

瀬戸内海に浮かぶ、粟島と伊吹島へ行ってきました。粟島では海ほたる、伊吹島ではいりこというこの時期ならではの島の恵みを満喫してきました。

エリア 三豊(香川)

粟島海洋記念館（粟島）
残暑厳しい夏空から一転、大雨の週末でしたが、炎天下よりも雨のほうがひんやりして気持ちよかったかも。須田港から船で僅か１５分ほどの距離に粟島はあります。粟島へ到着してすぐに今夜お世話になる宿、ル・ポール粟島へ行き、荷物を置いて早速、粟島散策です。まずは宿と同じ敷地内にある明治３０年に開校した日本最古の海洋養成学校（粟島海洋記念館）へ。ペパーミントグリーンに塗装された外観はとても目立つので、探すのに迷うことはないと思います。そこには先人たちの苦労と知恵、そして叶った夢、叶わなかった夢がたくさん詰まっているように感じました。

武内商店さん（粟島）
島のコンビニ、武内商店さんです。「なんでもあります、ないもんもあります」というキャッチフレーズに思わず微笑んでしまいました。店の入口には鶴瓶さんと藤井フミヤさんの写真がたくさん飾られていました。ＮＨＫの鶴瓶の家族に乾杯のロケが先月、三豊市であったそうで、粟島にも来たそうです。放送は９月９日と１６日とのことで、瀬戸内国際芸術祭と重なり、秋会期は大勢の人で溢れそうですね。店の前のベンチに腰かけ、そんなことを話しながら、喉を潤してました。

旧粟島郵便局（粟島）
瀬戸内国際芸術祭秋会期の作品の準備が刻々と進んでいました。移転で使われなくなった旧粟島郵便局を漂流郵便局として生まれ変わろうとしている最中です。正面玄関のガラスにはその準備状況が書かれていました。ＦＡＸが入ったとか電気が繋がったとか。中を覗いてみると、まだガラーンとしていましたが、どんな作品になるのかワクワクしました。楽しみですね。

藤井フミヤさんが座ったイス（粟島）
２０１２年７月、笑っていいともで藤井フミヤさんが、もう一度訪れたい島Ｎｏ．１として選んだ島が粟島。２位はイースター島で３位が屋久島だったそうで、名だたる島々を抑えての１位は凄いですよね。それだけ粟島の自然や人々が、藤井フミヤさんの心を掴んだということでしょう。そんな粟島には、藤井フミヤさんが座ったイスもしっかり観光名所になっています。自分も同じベンチに寝そべり、同じポーズで写真を撮ろうと思いましたが残念ながら大雨だったので断念。笑。皆さんも粟島に来られたら、このベンチを探して、同じポーズで記念写真を撮ってみてくださいね。

瓦ウォッチング（粟島）
粟島はゼロ・粟島と呼び、何もしない、欲張らない楽しみ方が粟島スタイルだそうです。日頃の自分をリセットできる島、何もないゆったりとした空間と時間が流れる島。何もないけど何かがある、粟島の何がいい？と言ったら何もないのがいいと答える。そんな島だから、島では自分で自分が楽しいと思うことを見つけて楽しむことが最高の贅沢なんだと思います。でも、自分は粟島には羨ましいほど楽しめる場所があり、時間が足りないほど楽しめる場所だと思います。粟島は古くは瓦製造が盛んだったそうで動植物、文字な様々なデザインの瓦ウォッチングも楽しめます。

海ほたる観賞（粟島）
散策を終えるころにはお腹もペコペコ。夕食をいただき、その後は粟島で一番の楽しみだった海ほたる観賞です。８月下旬から９月上旬が一年で一番の見ごろだということで、その日を狙って宿を予約したほどですから。ル・ポール粟島の海ほたる担当の人から説明を受け、参加者全員で近くの浜へと向かいました。まずは昼間に仕掛けをして集めてくれた瓶を海から引き揚げ、海ほたると初対面。おおー、すごーい。浜で海ほたるを一斉に撒くと、辺り一面幻想的な青い光でいっぱいに、その命の光景は決して忘れないでしょう。

EAT&ART TAROさん（伊吹島）
宿の朝食は７時半からでしたが無理を言って７時に変更いただき、７時５０分の船で須田港へ戻りました。船の便数が少なく、粟島から須田港、観音寺港から伊吹島へ渡るにはその時間が一番効率がよかったのです。今日は伊吹島へ渡り、瀬戸内芸術祭を見ながら島も散策します。伊吹島で一番の楽しみだった島スープ。限定１２０食だったので諦め半分で行列最後尾へ並んだら１１０番目ぐらいでギリギリセーフでした。土砂降りの中、１時間ほど待ってようやく島スープを手にすることができました。

島スープ（伊吹島）
島スープは伊吹島特産のいりこをダシに使ってるのかと思いきや意外にも意外。作者のＥＡＴ＆ＡＲＴ　ＴＡＲＯさんから説明いただき島で獲れるいりこ以外の魚でダシに島スープにしたそうです。何でも島ではいりこが一番の魚だそうで、それ以外の魚は、たとえ鯛や鮪でもいりこ以下の扱いだそうです。それだけ、伊吹島ではいりこに自信があり、伊吹いりこが日本一と呼ばれる所以なのでしょうね。夏休みかつ週末ということで島スープは半ば諦めていましたが大雨ということで断念する人もいたのでしょうね。運よく島スープをいただくことができましたが、普通に晴れていたら朝一番の船に乗らないと無理だと思います。

出部屋跡（伊吹島）
島スープの後、いろんな作品を楽しみながら、迷路のような細い路地を進み産院の跡地へ。約４００年前に建てられた産院で伊吹島の風習で出産が近づいた妊婦さんをここへ集めて生活させたそうです。島の男たちは漁で生計を立てているため、漁師の嫁という過酷な肉体労働から解く意味があったようです。この跡地から望む瀬戸内は絶景で、きっと赤ちゃんもそんなきれいな景色を見ていたのだと思います。その時産まれたであろう島のおじいさんやおばあさんは、ここは特別な場所で今でも大切にしているそうです。島での生活はのんびりしていて羨ましいと思う反面、実は過酷な面も多いということも感じることができました。

やむやむYamyamさん（伊吹島）
島の小学生たちが描いたいりこの絵があちこちにあったり、伊吹島はやっぱりいりこの島だと感じました。いりこにはかえり、小羽、中羽、大羽とサイズによって銘柄は違いますが、中羽の水揚げ時期は今です。なので、中羽のいりこと、伊吹商店さんだけで購入できるといういりこふりかけをお土産に買いました。真浦港に戻る途中でいりこ飯のおいしい店やむやむさんへ立ち寄りました。店の中で、いりこおにぎりを食べていたら、お茶ではなくいりこダシのスープをいただくことができました。このスープがこれまた絶品で、島スープと甲乙つけがたい味で、とても美味しかったです。

粟島と伊吹島、それぞれ一日散策しましたが一日では全然足りないですね。島旅、瀬戸内国際芸術祭の旅、秋も楽しもうと思います。