2013/04/25 - 2013/05/04
30位(同エリア36件中)
石敢當さん
サンチアゴ・デ・クーバはさすがキューバ第二の都市と呼ばれているだけあって人も車もバラコアなんかと比べるともう格段に多い。しかも車なんて旧ソ連製やら例の博物館行きクラスのアメリカ車で当然エコ仕様なんてされてないから、なにしろ排気ガスがすごい!特にバスやトラックとかの大型車には閉口した。行き交うバスのどれもが満員で重いせいかSLの煙突から吐き出す煤煙の如く排気ガスを吐き散らし、それこそ喘ぐように坂道を(サンチアゴは坂が多かった)登っていく。甘ったる臭いを残す排気ガスに辟易しながらの街歩きだった。
そんなサンチアゴに2泊した。お目当てはメーデーの集会だ。ここ社会主義国のキューバではメーデーは日本なんかよりもずーっと大切な日と捉えられているようで、人々は国旗やら自作のプラカードやら横断幕を手に手にカンカン照りの炎天下を列をなして、まさにパレードのごときシュプレヒコールを上げながら練り歩く。掲げるプラカードや横断幕には「社会主義の勝利!!」だとか「革命バンザイ!!」系が目立つけれども、雰囲気は平和そのものだ。みんなすご~く楽しそうだ。カメラを向けても誰もがみんな笑顔で答えてくれる。メーデーというよりも一年に一回の村興しの祭りのような賑わいだった。
圧巻はパレードのトリを務めた楽隊の登場からだった。トラックの荷台を占める彼らはパーカションやタイコを連打し、合間に細長いトランペットを高々と掲げて吹き鳴らす。ドンドコ、ドンドコ、ピーヒャラ、プープー。人々はトラックを取り巻いてリズムに合わせて踊るのだ。汗を撒き散らしながら。暑い日差しとリズムがカリブ人の本能を掻き立てるのか。老いも若きも男も女も何かに取りつかれたかのように腰をカクカク、お尻をフリフリしながら踊り狂う。ほんの4,5才くらいの子供も、ちゃんとDNAにインプットされてるんだろうか、リズム感抜群でもう腰なんかももう本格的に入っちゃってる。音楽の合間合間に人々は写真撮れとかせがんできたり、ラム酒飲めだの、葉巻吸えだの私に勧めてくれる。ともに踊りの輪に加われば(私は踊ってないけれど)国籍なんか関係ないのだろう。旧知のように接してくれて素直に嬉しかった。
サンチアゴは都会だけあってバラコアみたいな小さい街と比べると少し人が醒めてるのかなぁ、なんて最初は感じてたけどなんてことはなかったようだ。ちゃんと身体の奥底ではラテンの熱い血が流れ、火種が燻っていたようだ。やはりその火を燃え滾らせたのは音楽だった。素のキューバの人々をほんの少しでも垣間見ることができただけで、やっぱりサンチアゴに立ち寄って正解だったな~。
メーデーのその日、夜行バスにてキューバ中部の世界遺産の都市トリニダーへ。
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