2013/02/03 - 2013/02/03
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Fluegelさん
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「今日は、甑(こしき)祭でして。」
高砂のK氏は、開口一番、そう言った。甑とは、米を蒸す桶。酒米の蒸し収めの日。今年の酒の仕込みも、終わりに近づいているようだ。
富士宮で高砂が創業したのは、1831年(江戸時代後期)。バイオロジカルなことが解明されていない時代の酒造りは、神事だったという。雑菌が入って、途中で酒が腐っても、なぜだか分からない。だから、各工程の節目を祭り、酒造りの成功を祈願するのだろう。「甑倒し」と言わず、「甑祭り」と呼ぶところが良い。
高砂は、全国的に販売する酒造として、モダンな機器を導入する一方、蔵の脇に小さな社があったり、タンク蔵に仏像を置いて「薬師蔵」と呼んだり、古式ゆかしさも合わせ持つ酒蔵だった。
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 自家用車
-
見学は、前日までの予約制(無料)。11時から団体客があるとのことで、朝一番、10時の予約。
2週間滞在した家を発つので、冷蔵庫の中身をクーラーボックスに納めたり、ゴミ処理やガス閉栓と、やるべきことが多く、予定より遅れて、8時半に出発。それでも何とか、9時50分、蔵に到着。
新東名の新富士ICから蔵まで、車で20分弱。
富士宮市内は、のどかで、富士宮駅前を通っても、渋滞知らず。 -
「高砂」のロゴ入り前掛け着用のK氏の口調は穏やかで、癒し系。
こちらは、製蒸器。ベルトコンベアに乗って、蒸された米が出てくる。この日の米は、五百万石。食べてみると、結構硬く、歯ごたえがある。 -
蒸された米は、屋根から屋根に渡されたチューブを通って、仕込蔵へ。ただ、チューブの途中で詰まることも。すると、木槌でチューブを叩く。叩くのは、まだ地面にあるほうのチューブ。上の写真参照。
家を新築した時、コンクリートの打設に立ち会った。コンクリが詰まった時、やはりチューブを叩いていたことを思い出す。家の場合、詰まって打設が中断すると、乾いてからクラックになり、そこから雨漏りするので、コワいけど。 -
仕込蔵の中の、もろみタンク。梯子を登って、上から覗くと、ブクブクいっていて、ああ生きているのだ、と分かる。覗いたタンクは、写真の隣にあり、冷却用ベルトがタンクに巻かれていた。高温で短時間に発酵させると、酒の味が荒くなるのだという。二日おきに、三段階に分けて徐々に、蒸米と麹を加えていく。
この日、仕込みをしていたお兄さんは、夏は伊豆でダイビングコーチをしているのだとか。酒の仕込みは冬だけだから。夏と冬で違う職業を持つ、そんな生活も良さそう… -
上槽機。もろみは、チューブを通って、この機械に入り、絞られ、酒と酒粕に分けられる。右の木箱に入っているのが、板状の酒粕。まだ、アルコール分が8%もあるという。この酒粕を蒸留して、焼酎も作る。その後、使用済みの酒粕は、蜜柑農家の肥料になるというから、全くゴミが出ない。
酒粕で漬けた漬物は美味しいけど、1月にスーパーマーケットで見かけた高砂の酒粕は、ちょっと、お高かった…軽井沢で夏に見かけた酒粕よりも。 -
薬師蔵。左が醸造タンク、右が富士山下山仏(薬師如来像)を祀った厨子。
富士山信仰で山頂などに祀られ、明治時代の神仏分離で、富士山から集められ、廃棄されそうになった像を、引き取ったとのこと。
富士山の伏流水を仕込水として使う高砂は、富士山信仰も、大切にしてきたようだ。 -
薬師蔵の下には、勢いよく、富士山の湧水が流れる。
水門もあるという。何という水の量。
タンクを冷やしたり、あらゆることに使える。
ただ、仕込水は、井戸を掘り、地下から汲み取っている。 -
山廃仕込の蔵。この板壁には乳酸菌が住みつき、それを利用して、長時間かけて、酒母を作る。中には入れなかった。雑菌が禁物だからかも知れない。
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表紙写真の酒林(杉玉)を、近くで見ると、まだ青い葉が残っていた。
新酒ができた12月初めに吊るしてから、2か月しか経っていないから。 -
試飲処。私、車なんです…でも、ちょっとだけ。
酔い覚ましに、浅間大社まで歩いてみた。 -
社殿は、1604年、徳川家康が関ヶ原の戦いの戦勝を記念して造営。道理で、立派な訳だ。
こちらは、拝殿。
節分のお祓いのため座っている人々は、厄年なのだろうか。
右手に、奉納された高砂と富士錦の酒樽が見える。 -
楼門。2階建て入母屋造で、こちらも立派。
入母屋は、上部が切妻、下部が寄棟で、もっとも格式が高い形式の屋根。 -
鳥居、富士山、神田川。
この川は、富士山の湧水が源。
桜を御神木としているため、広大な境内に、500本が奉納(植樹)されているらしい。開花期は、富士と桜で、見事な眺めだろう。 -
大鳥居。こちらは、1934(昭和9)年、建立。
右手に富士山。
無料駐車場もあり、境内は日曜を過ごす人々で賑わっていた。 -
さて、今回、実は、ネット友との顔合わせオフ会となった。
地元在住の彼女のお陰で、大鳥居脇の店で、「富士宮焼きそば」を初体験。
一人なら、入店する勇気がなかった…
具は、蛸とキャベツ。鰯の粉末がトッピング。麺が硬め。彼女も、外食として店で食べたのは初めてとのことで、私達は、似た者同士なのかも。 -
店を出てシャッター通りを歩いていると、ハクセキレイを見かけた。水ある所、セキレイあり。
富士のお宮さんの門前町、富士宮。紀元前200年代(古代ローマ時代?)噴火があり、山に「お気をお鎮め下さい」と祈ることから、富士山信仰が始まったのなら、震災以降、また噴火が囁かれる今、立派なお宮さんがあることは、意味深いのかも知れない。
12時半、富士宮を発ち、運転中休憩一回、16時半に、2週間ぶりの自宅に着いた。
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