2012/09/19 - 2012/10/14
97位(同エリア129件中)
フエ物語さん
マレーシア・マラッカからフェリーで
スマトラ島ドマイに渡り、自転車で南下バカウニ港までの旅行写真です。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 1.5
- グルメ
- 1.0
- ショッピング
- 4.0
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- 自転車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
笛ジロウ60歳は自転車を漕いでいた。
ここはインドネシアスマトラ島である。
なぜ、ここへやってきたのか?
深い訳はなかった。
偶然、行きがかり上、来てしまったと言うのが本音である。
定年退職後、何かしたかった。 -
それが海外自転車旅行だった。
元商社マンである。英語には不自由はしない。
タイのチェンマイで中国製の自転車を購入して南下を始めた。
旅の目的はペナン島までである。
そこに定年後余生を送っている知人が住んでいたからだ。
その先は全く決めていなかった。 -
ペナンで自転車を止めてもよかった。
チェンマイで約1万円で購入した自転車だ。捨てても惜しくはなかった。
せっかくマレーシアまで来たのであるから船でカリマン島に渡ってみたいと
漠然と考えていた。 -
マレーシア滞在ビザは無料で3ヶ月もらえた。
こんな特典がある国は少ない。
しかしカリマン島までのフェリーは出ていなかった。
元々ないのである。 -
インドネシアのスマトラ島行きフェリーが出ていると聞いた。
調べてみるとフェリーは最近廃止となったいた。これまた残念だ。
南下してマラッカまで行けばスマトラ島行きのフェリーが有る事が分かった。
それならと言う事で漕いで来たのである。
旅で知り合った人は、マラッカは良い町ですよと言っていた。
古い街並みは世界遺産に登録されていた。 -
中華街は食べ物も美味しく居心地が良かった。
豚肉が食べられた。
特別豚が好きという訳ではないが、イスラム教の国マレーシアではでこでも食べられる物ではない。
無いとなると欲しくなるのが人の常。
無性に豚肉が食べたかった。
それも敬遠されているトロトロの脂身をである。 -
1週間マラッカに滞在してフェリーに乗った。
両替は済ませておいた方がいいと言う事で、3万円分両替済みである。
滞在ビザは到着した港で取得できると言うので安心だ。
スマトラとはどんな場所なのであろうか?
全くの未知の世界である。 -
船が到着すると客引きがどっと押し寄せると、インターネットの書き込みにあった。
昔のマニラの様な活気がある所なのか。
2時間半の船旅でドマイ港に到着した。
余りにもヒドイ所なら帰りのフェリーで引き返す事もありだ。 -
港は石油の基地となっていた。
スマトラは石油が取れるのだ。知らなかった。
津波とスマトラ虎が生息している事くらいしか思い浮かばない。
客引きもそれ程ではなかった。 -
一人政府公認のガイドとか言うおやじが、付きまとって来たくらいだ。
煩いので街まで案内させた。
宿に到着したら、やはりお金を要求してきた。
当然だろう。1ドル渡して別れた。
おやじはもっと欲しそうな口ぶりだったが跳ね除けたのだ。 -
宿は驚く程ではなかったが、マレーシアとは比べようもない汚さであった。
鍵も掛からない部屋だった。
危険で眠れそうにないなので鍵の掛かる部屋に交換してもらう。
共同トイレであるのは我慢するとして、水道が出なかった。
貯めてある水で用を全て足し、トイレの水を流す。
身体を洗うまでは理解できる。 -
歯を磨く、顔を洗うはその水ではできなかった。
ペットボトルの水で歯は磨いた。顔は洗わなくても死なないだろう。
兎に角、街を歩いてみた。
ほとんど一本道である。
スマトラに道など何本もあるわけがない。
1キロくらいは歩いた。 -
すると見たことのあるTシャツ姿の青年(30歳)がいた。
あれ!
「やはり君か」
フェリーで隣だった青年だ。
「今帰って来た所です」
青年は父親が経営する自転車屋の手伝いをしていた。 -
タイヤ交換中であった。
中々手馴れた作業である。
「自転車に乗って来なかったのですか」
フェリーでの会話で自転車旅行中である事を話した。
「宿に預けてきました」
「これからどうするのですか」
「明日から走りたいのですが」
「どこへ行くのですか」 -
「とりあえず南下して、ジャワを目指してみようと考えています」
「それじゃ、ドリを通りパカンバルですね」
「そうです」
先ほど地図を買ったので、大体の様子は分かっていた。
「行き先と距離を書いてあげます」
「それは助かる」 -
メモ書きで地名と距離を書いてくれた。
青年が書いた距離は正確であった。後にも先にも正確な距離を知っていたのはこの青年だけある。
青年は中国系であった。
インドネシア人の距離感の無さに泣かされる事になる。
「ありがとう。これで明日から走れます」 -
「気を付けて旅をしてください」
「本当にありがとう」
「ところで、この自転車屋をどうしたらよいでしょうか」
自転車屋はそこそこ繁盛している様であったが、今にも潰れそうなボロ小屋での営業であった。 -
新しい物は何もない、全て黒ずんで油に汚れていた。
最新の自転車を並べて売れる場所でもない。
どう返事をしていいのか分からず。
言葉を濁して帰って来た。 -
翌日から自転車を漕ぎ始めた。
無理だったら断念すればいい。マレーシアに帰るだけの事である。
未知の世界は楽しい。
不安はあるがワクワクするものがある。
ジロウが始めてではないにしても、一般に自転車旅行を選ぶ場所ではない。 -
インターネットで調べてみても、日本人旅行者はゼロであった。
英語のサイトでも山道をあえて自転車旅行した記録があったが1週間程度の短期間で、頂上まではバスで自転車を運び上げ、降りを自転車で下りてきた日記であった。 -
道はそうとう悪い事を覚悟していた。
舗装なんかされていないのでは、そんな最悪も考えていた。
果たして最南端まで道は通じているのか?
地図上ではあるが、どうなっているのか? -
翌朝6時出発、辺りはまだ薄暗かった。
霧が立ち込めている。
自転車の後ろに取り付けてある。点滅安全灯を点けて出発した。
街を抜けるまでに、何度か人に道を尋ねた。
1本道ではなかった。 -
簡単に考えていたが、結構何本も道があるではなか。
街を抜け昨日聞いたドリまでの軌道に載った。
直ぐに陥没道路となった。
ヤレヤレ始まったといった感じだ。
それでも舗装はされている。
タンクローリーがやたらに多い。石油を満載して走っているのだ。 -
重量物なので道路が傷むのだろう。
バイクもやたらと数が多い。
片側1車線路側帯はなし。ゼロだ。舗装の脇は35セント以上直角段差となっている。
下は赤粘土状態だ。落ちたくはない。
足を付いたら抜け出せなくなりそうだ。 -
突然だった。
前方からバスが追い越しを掛けて近づいてきた。
避け切れない。
バスは右車線に戻れそうも無い。猛スピードだ。
私の自転車も左には、まったく余裕は無い。
正面衝突だ!
一瞬の判断で側溝へ突っ込んでバスを避けた。 -
一瞬の判断で側溝へ突っ込んでバスを避けた。
そこは、思ったとおり泥沼だった。
タイヤが抜かりハンドルが取られ、泥の中で横転した。
起き上がろうとするが、相手が泥なので大変だ。
靴はすっぽり埋まっている。
身体の左半分は泥まみれの状態だ。 -
泥の中から自転車を引き上げる事は出来ない。
一旦荷物を外し軽くしてから、自転車を乾いた場所まで移動した。
大変な災難にあってしまった。
荷物の中身は水ではないので、濡れてはいないだろうがザックの外側は惨憺たる有様だ。仕方がないので、この状態で自転車を漕ぎ始めるしかない。 -
泥が付いた左足が重い。
怪我が無かっただけでも幸いとしなければなるまい。
危ない所だった。
スマトラの道は命がけである。 -
自転車はノーマルタイヤを履いていた。
これは直ぐにでもマウンテン用のブロックタイヤに履き替えた方がいさそうだ。
スマトラの悪路を想定してブロックタイヤは持ってきてある。
こちらで自転車用品を購入するのは不可能と思っていた。
早速宿に到着したらタイヤ交換しよう。 -
ドリの街に付く頃には泥は乾いていた。
宿に行くにもこの格好では警戒するだろうから、街の手前で泥を揉んだり擦ったりして落とし何度か見栄えよくして宿探しをした。
これならば、フロンドで門前払いは喰らわないだろう。
始めに見付けた宿にチェックインできた。 -
インターネットの接続が可能なWIFI無線ランが飛んでいるきれいな宿である。
この汚い格好で部屋に入るのは申し訳ない気がした。
早速、大洗濯を済ませた。
ザックは仕方がないので、外側をタワシ擦って泥を落とした。
中の荷物は予想したとおり濡れてはいなかったので安心した。 -
次は、自転車のタイヤ交換である。
何度かパンクしていたので、作業はだいぶ慣れていた。
しかし、熱帯で身体を動かすと汗が噴出してくる。
上半身裸で苦戦してやっと作業を終えた。
自転車に付いた泥も落としたのできれいになった。
全く、前から突っ込んできたバスには腹が立つ思いだ。 -
どこか、コンプレッサーのあるところまで行き、空気を一杯に入れたい。
手動の空気入れでは限界があるからだ。
その点、東南アジアはいたるところにパンク修理屋があるので、直ぐに見付ける事ができた。
一安心するとビールが飲みたくなった。 -
インドネシアはイスラム教の国である。
どこでもビールが売っている訳ではない。探すのに苦労する。
自転車を宿に保管して徒歩で出かけたが、中々見つからない。
食料品店に入り。
「ビールありますか」
「置いてないよ」 -
食品の営業に来ていたセールスマンが。
「ビールの売っている店まで連れて行って上げましょう」
「本当ですか」
「ちょっと、待ってて下さい。ここの仕事を片付けますので」
暫く待っていると、本当にバイクの後ろに乗せてくれ、中国系の食料品店まで乗せて行ってくれた。 -
中国人は仏教徒なのでアルコールを取り扱っているのだ。
「ビールを下さい」
出されたビールは常温だった。
いくらなんでも、昔の中国ならいざ知らず。温いビールは飲みたくはない。
「自分で探してみますから、ここで結構です」 -
「宿まで送っていって上げます」
「いいえ、大丈夫です。ありがとうございました」
イスラム教のインドネシア人をアルコールの事で煩わせるのは酷だ。
宿の方面を目指し歩き始めた。 -
すると雨がポツポツ降ってきた。
やばい。早いとこ雨宿りしなければならい。
急いでおみやげ物屋に入った。
そこの前面ガラス張り冷蔵庫の中にタイガービールが冷えていた。
今日のご褒美に神様が与えてくれたようだ。
喉を鳴らして、ビールを1本飲んだが雨は止まなかった。 -
2本目をゆっくりと飲んでいるうちに雨は小降りとなっていった。
熱帯の雨は長続きはしない。
待っていれば止むのだ。 -
翌朝6時、出発の準備を整えた。
すると自転車の調子がおかしい。
前タイヤがパンクしていた。
昨日タイヤ交換したときに、誤ってチューブを傷つけてしまったのだ。
まだまだ未熟な技術に落胆した。
落ち込んでもいられない。 -
折角パッキングを終えた荷物を荷台から降ろし。
自転車をひっくり返し前タイヤを外した。
ツーリング用自転車はワンタッチで外せる仕組みとなっている。
工具は要らない。
センターボルトに付いているレバーを手で回せばいいのだ。 -
ブレーキワイヤを緩めなければならない。これも簡単に留め金が外せる仕組みとなっている。
前輪は簡単に外せた。
タイヤレバーを使ってタイヤをリムから外して行く、慣れないと重労働だが、コツを覚えると力は要らない。
自転車のタイヤは柔らかいので簡単なのだ。 -
ドマイで行き先のメモを書いてくれた自転車屋の青年は、タイヤレバーを使用しないでタイヤを外していた。
熟練すればレバーは要らなくなるのだ。レバーを使用するのでその先でチューブを挟んで穴を空けてしまう。
パンク修理は行わず。
予備のチューブと素早く交換した。 -
穴の空いたチューブは、次の宿でゆっくりと修理しておくのだ。
この方が時間的ロスが少なくて済む。
手動の空気入れで限界まで入れた。
まだ8割程度の空気しか入っていない。途中でパンク修理屋で空気を入れさせてもらえばいい。
再び前輪をフレームに戻し、ブレーキワイヤーを元の位置にはめ終了した。 -
所要時間は20分だ。早くなったものだ。
以前だったら1時間はかかっていた。
すぐに出発した。
まだ霧が立ち込めているので視界が悪い。
安全を考えて点滅ランプのスイッチを入れた。 -
今日はきつい登りだ。
とても漕ぎきれない。押して登る。
若い時ならいざ知らず無理はできないのだ。
年寄りは年寄りなりの自転車の乗り方がある。
ゆっくり確実にだ。
坂が急なので直ぐに息が上がってしまった。 -
何度も休憩を入れながら登って行く、するとみょうな物体が道路脇にあった。
腕の太さ程もあるヘビの死骸である。
全体に赤く黒い模様がある。
近づくと異様な生臭さだ。早くこの場から立ち去りたいが、自転車を押しているので、早足では登れない。 -
10メートル離れていてもまだ臭いがした。
息が上がっているので大きく息を吸い込むと、よけいに生臭い空気が鼻腔から入ってくる。
気持ちが悪くなる臭いだ。
やっと頂上に到着した。
ここからは降りで漕がずに30キロ以上のスピードが簡単に出てしまう。 -
路面が悪いのでスピードが出るとハンドルが取られて危険である。
適当にブレーキを掛けながら降った。
やがて緩い登りとなってきた。
ワンワン・・・・ワン。
犬が吠えながら追い掛けてくる。
インドネシアの犬は吠えないと聞いていたのだが。 -
登りだが一生懸命に漕いだ。
中々犬を振り切れない。
他の犬も近づいてきた。3頭の犬に追い掛けられた。
必死だ!。
心臓が破裂しそうなくらいにペダルを漕いだ。
もうダメかと思った瞬間に降り坂となったので、急にスピードがでたので助かった。 -
犬を振り切る事ができた。
タイの犬にはよく吠えられたのだが。
マレーシアから先、凶暴な犬はいなかった。
なぜだ?
そうだ。ヘビの生臭さが残っていたのだ。
犬は嗅覚が発達している。 -
あの太いヘビには閉口した。
後でヘビの正体をインターネットで調べてみると、スマトラアカニシキヘビだった。
ワシントン条約2種で保護されている希少動物だった。
それにしても、あれは臭かった。 -
標高差300メートルくらいの登りがあり、ゆっくりと押して登った。
九十九折のカーブが続く、とても直角には登れないので考えてクネクネと道路を作ったのだ。
景色を眺めている余裕などない。
汗が吹き出し塩分が目に染みる。目も瞬く何だか目が痛いと思っていたら、汗だけではなかった。煙かった。 -
焼畑をやっていた。
木を伐採して燃やしているのだ。
煙が立ち込めている。
視界がボンヤリしとしか見通せない。 -
登りきると、石油メジャーのシェブロンが建設した公園があった。
石油の歴史公園である。
スマトラ島は石油の島なのだ。
至る所で石油が出ている。
パイプラインが何本も道路脇を走っていた。 -
昼食を取ろうと食堂に入った。
ドライブイン風の食堂だ。
長距離トラックの運転手が利用しやすいようになっていた。
トイレとシャワー室がある。
シャワーと言ってもトイレ内にある水桶から、ヒシャクで水を汲み浴びるのだ。 -
インドネシアでは極一般的なのである。
小上がりで仮眠ができるようなサービスがある。
寝たことがないので、料金を取られるかは分からない。
現代風のサービスは携帯電話の充電である。
コンセントが何口か用意されている。
アダプターに差し込んで充電する。 -
バスの乗客が着いた時は充電が大繁盛していた。
今時、インドネシアでもみんな携帯を持って旅行しているのだ。
チキンカレーを注文した。
すると、タライにご飯が山盛り、鶏肉2個、焼き魚、唐辛子とトマトペースト、インゲン煮付け、パンの実カレー、乾物小魚カレー、ナスとニンジンの漬物、生野菜、手洗い用水、飲水がテーブルに並べられた。 -
「こんなに食べないです」
店員はニコニコしているだけだ。
他のテーブルを見るとどこも似た様に、オカズがたくさん並んでいた。
好きなだけ食べて、残せばいいのだ。
食べただけの料金を払う仕組みとなっている。 -
登り坂を押して来たので腹が減っていた。
タライに一杯のご飯をほとんど食べてしまった。
唐辛子とトマトのペーストは、塩味が効いていてご飯が進んだ。
鶏肉は1個だけを食べた。
魚には手を付けなかった。 -
みんな興味ありそう見ている。
「どこから来た」と隣の席で食事をしている運転手が聞いてきた。
「日本からです」
「どこへ行くんだ」
「ジャワ島です」
「ジャワは遠いぞ」 -
「はい、分かっています。毎日少しづつ進んで行きます」
「一日どのくらいの距離を漕ぐんだ」
「だいたい70キロくらいです」
「気を付けて行きなさい」
「ありがとうございます」
満腹となった。支払いをしようとして店の女主人に勘定を聞いた。 -
「いくらになりますか」
オカズをたくさん並べられたので、結構高いかもしれない。
「いらないわ」
「えっ・?」
「タダでいいよ。気を付けて行きなさい」
「ありがとうございます」 -
肥満して体格の良い女主人の太っ腹に感謝した。
その後もスマトラでは、自転車旅行者に優しかった。一日数回も親切を受ける事もあった。
店の主人だけでなく、隣り合わせた客が料金を支払ってくれた時もある。
スマトラは何て旅行者に親切なのだろう。 -
まだまだ外国人旅行者が少ないからか、いや自転車旅行者など皆無でるからだ。
州都のぺカンバル市に着いた。
余りの大都会に驚いた。
石油収入があるからだろう。道路は片側3車線で中央分離帯で区分されている。 -
交通量も異常に多い。
田舎道をノンビリ押しながら登ってきたの、いきなりの都会に戸惑ってしまった。
先ずは宿を探さなければならない。
高級ホテルは直ぐに見つかったが、手ごろな価格の安宿は中々ない。 -
別にお金がない訳ではないが、長期旅行を考えているので、なるべくお金はセーブしたいのだ。
都会には高級ホテルしかないのか?
いなそんな事はないはずだ。必ずどこかに安い宿が有るはずだと探しまわるのだが徒労に終わった。 -
1時間以上探し回って見付ける事はできなかったのだ。
結局、始めに見つけて高級ホテルにチャックインするしかなかった。
エアコン付きで朝食のサービス券も付いていた。
明日はバイキングでパンとコーヒーかと思ったら、インドネシア風焼き飯だった。 -
インドネシアの宿はホテルと書かれたわかりいい宿と、インドネシア語でペンギナパンとだけ書かれた宿がある。
この2つを探して泊まって来た。
すると、昨日ウイシマと言う民宿が有る事が分かった。 -
そこは、客間が1つしかないウイシマだった。
外観はタダの民家である。
唯一、道路脇にウイシマと書かれた看板があったので、入ってきたのだ。
パスポートを提示して泊めて下さいと願った。 -
ここで、断られると他には前後50キロは宿が無い場所である。
何を見ているのかパスポートを一枚一枚めくり丹念に見入っている。
やっとパスポートを返してくれた。
そして部屋を案内された。
大きな部屋にダブルベッドがドカンとある。
料金も、思ったより高い。 -
「もう少し狭い部屋はないのですか」
「部屋はこれしか有りません」
「料金が」
「いくらならいいの」
物を買うときの交渉だ。
せめて、昨日泊まった宿と同じ料金の75,000Rpを言ってみた。 -
すると、すんなりとOKである。
拍子抜けした。
荷物を解き早速、汗をかいた身体を洗いたかった。
トイレとシャワー室は家族と一緒の場所である。民宿なので仕方がない。 -
井戸からポンプで汲み上げ大タライに二つ貯めてあった。
その水で身体を洗い。洗濯を済ませた。
水の量が心配だったので、石鹸を控えにして洗濯した。
濯ぎの回数を減らす配慮である。
値段を下げた分、遠慮しての心配りでだった。
「すみません干し場はどこですか」 -
「案内しますから」
裏の勝手口を開け、庭にでた。
放し飼いのアヒルたちが何事かとガヤガヤと騒いでいる。
紐が1本掛けてあった。
「ありがとうございます。あとは大丈夫ですから」
女主人は側にいて、洗濯干し場に新たに紐を張りなおしている。
そちらの方は日当たりがいい。 -
しかし、影でも十分に乾きそうだ。
洗濯物を干し終えると。
「こちらに移動した方が乾きは早いです」
「もう、ここで結構です」
「そんなことを言わずに」
女主人は勝手に慎一の洗濯物を移動してしまった。
もちろん年季が入ったヨレヨレの下着もである。 -
その後も何かと親切にしてくれた。
プラスチックカップに入ったミネラルウォーターを12個も持ってきてくれた。親切すぎる。
カップに入った水は高いので、1.5リットル入りのペットボトルに水を貰う。
その方が安上がりであるし、カップに入った水は安プラスチックの臭いがするので美味しくなかった。 -
「コーヒーを飲みますか」
「いいえ、午後にコーヒー飲むと眠れなくるので」
「じゃ、紅茶にしますか」
「水を飲みますから結構です」
「そうですか」
いかにも残念そうであった。 -
夕方暫く停電した。
部屋の中は暗くなるし、扇風機が回らないので暑いので散歩に出掛ける事にした。
すると、
「どこへ行くの」 -
「ちょっと散歩に」
「家にいなさいよ」
「でも、暑いので」
「ウチワであおいであげる」
「出掛けてきます」
女主人の親切を振り切り散歩にでた。 -
1時間も散歩して帰ってくると電気は点いていた。
後は寝るだけでだ。
自転車旅行は早寝早起きである。
疲れているので寝付きは早い。 -
そうではない自転車旅行者もいるが、早出して、午後からのんびりとするタイプであった。
-
折角寝かかった時に、ドアがノックされた。
また女主人がお節介で、夜食かなんかを持ってきたであろうか?
仕方が無くドアを開けた。
すると主人は部屋に入ってきて、いきなりジロウに抱きついた。
何が始まったのか? -
一瞬分からなかったが、女主人の一目ぼれなのだろうか。
勝手に電気を消し、ジロウの手を引きベッドに引き込まれた。
これはやばい事になったと思った。
しかし、据え膳食わぬは男の恥じである。
まだ。モノは役に立つだろう。 -
先ほど女主人の写真を撮った時トロットした目で、私は5年前に主人に先立たれて未亡人ョと言ってた。
これだったのか。
こうなったらヤルしかない。
男だ! -
回教徒の未亡人と出来たときはどうなるのか?
ジロウには見当もつかなかった。
さすがに、女主人は朝までジロウと一緒とは行かないようで、事が終わると静かに部屋を出て行った。
家には娘が1人いるからだ。 -
他に4人子供がいるといっていたが、それぞれ遠くに行っているようだ。
朝は雨だった。
出発しようにも出来ないので、2度寝した。
起きて見ると、大変な事になっていた。
親戚と思しき人たちが家に集まっていた。 -
女主人とジロウを結び付けようとしている魂胆らしい。
回教徒に改宗させられてしまうのか?
多分そうなるだろう。
女主人は親戚を電話で呼び出したのだ。策略にハマってしまった。
何とかこの場から逃げ出したい。 -
荷物なんかどうでもいい。バスに飛び乗りどこかへ行こうか?と思った。
しかし、とてもそんな雰囲気ではない。
逃げようがないのだ。
ジロウを中心に置き、親戚連中に取り囲まれてしまった。
「イブと結婚して、この家を継いでもらうしかない」
「ええ、そんな!」 -
額から汗が噴出していた。絶体絶命のピンチだ。
-
その時、大雨の音で目を覚ました。
早くパッキキングを済ませなければ、急いで自転車に荷物を積んだ。
「こんなに大雨に、出掛けるのですか」
「ビザの関係で急ぎ旅なのです」 -
「せめて雨が止むまで待った方がいいんじゃありません」
「カッパを着るので大丈夫です」
土砂降りである。
しかし、ここで躊躇してはいられない。
自転車を漕ぎ出した。 -
昨夜の事は夢だったのか?
親戚連中が集まったのは夢だと確信で来る。
ウイシマに泊まるのは注意が必要だと思った。
スマトラには得体の知れない魔物が住んでいるのかもしれない。 -
{はかり}
-
{宿のサービス}
-
{朝日}
-
{サルが道端で売られていた}
-
{今日の宿}
-
{春雨スープ}
-
{バリ島の日本語ガイド}
-
{疲れたときのコーラ}
-
{キャサバ干し}
-
{サトウキビの防除}
-
{チェーン店のパン屋}
-
{紅茶と自転車&トラック}
-
{高架橋}
-
{ここのイカ飯がうまかった}
-
{入管}
-
{海が見えた}
-
{これ以上ないボロな宿}
-
{朝食屋台のおばさん}
-
{石炭貨物列車}
-
{漁港}
-
{ポカリスウエットと自転車}
-
{最後の登り坂}
-
{宿を出発}
-
{最後の飯}
-
{フェリーターミナルバス乗り場}
-
{フェリーに乗車}
-
{スマトラ島を出港}
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