長門市・長門湯本温泉旅行記(ブログ) 一覧に戻る
9月27日(木)<br /><br />今日もいい天気だ。海辺に行くので、冬支度のままだ。外を見ていると浜辺を散歩してる人たちの姿が見える。しかし仲間は珍しく誰も散歩に出ないみたいだ。館内をぶらぶら歩き、昨日のロビーから、外を見ている。ただしスリッパで来てしまったので外に出られない。朝食を済ませ、遊覧船から戻るまで荷物を預かってもらい、外に出る。<br /><br />豆子郎のお店が8時からだと聞いていたので8時きっかりに店の前に立つ。開いていた。喜んで中に入り、すずし(生外郎)の栗と抹茶を人数分買うと味見用の小豆外郎も人数分入れてくれた。船の中で味見をして、お土産は帰り山口で買うというと、本店のパンフもくれた。宿から船着き場まで15分もあれば十分と聞いているが、足に自信がないので、一足先に船着き場に向かう。道はわかりやすい。<br /><br /><br />日差しは暑い。川べりにピンクの優しいコスモスが咲いている。<br />川面に石垣が映ってきれいだ。船着き場は川向こうなので、見えていても橋を渡ってぐるりと回っていかなければならない。一人来ない。どうしたんだろう。電話をすると逆方向に歩いて行ってしまったらしい。毎回ハプニングはある。<br /><br />萩遊覧船は川めぐり40分。もう少しシャッターチャンスはあるかなと思っていたが、それほどのことはなかった。それでも5,60枚撮ったかな。船上で外郎を食べた。うん、美味しい。これは買って帰ろう。<br /><br />船着き場に戻るとジャンボタクシーの藤本さんが出迎えてくれていた。せっかくだから萩城址や町並みを見てから旅館に荷物を取りに行きましょう、菊屋さんに電話して、季節限定なのですが、特別にお庭を見せてもらえるようにし手配しておきました、という。ありがたい。城址に行くと、何匹ものカメが甲羅干しをしていた。<br /><br />菊屋さんは通りに面している。右に曲がろうとすると、「こっちです」と言って左に行く。お庭だけ見せてもらうのかな、と、ついていくと明治の元勲たちの記念物を回っていく。<br />                                               <br />開いている門の前に来た。藤本さんが先導する。「ここは?」「高杉晋作の銅像があります」「高杉晋作の銅像なんてどうでもいいんだけどなぁ」なんて悪口をいうと、次の瞬間段差に躓いて転んだ。前のめりになったので、カメラは守り切れなかった。カメラは音たてて地面に落ちた。今のカメラはショックに強くなっているとはいえ、大丈夫か、膝の打ち身よりそっちが心配。で、すぐシャッターを切った。今回のお伴はEOS5D Mark?、ポシェットにコンデジもある。EOSが駄目でもなんとかなる、と思ったが、EOSは大丈夫のようだ。ほっとする。銅像の高杉晋作に「悪口いったら転んじゃったよ、もう悪口は言わないよ。でもハンサムじゃないよなぁ」とやはり悪口を言っている。<br /><br /><br />「ねぇ、お庭はまだ?私、お庭だけ見るんだと思ってた」というと、「それはすみません。では菊屋さんに行きましょう」と言って、右に回った。一回りしてきたことになる。チケットを買うと、案内がつく。以前入館したことはある。座敷から庭を眺めながら、ここが季節限定の庭なのかと訝っていると、係りが来て、鍵を開けて奥の庭に案内してくれた。珍しく芝生が植えられた庭である。荷物を受け取り、萩を後に長門に向った。<br /><br />長門市はみんな初めて。30分ほどで三隅に着いた。温泉場なんだけど、良い意味で田舎っぽい。<br /><br /><br />小高い丘の上にある香月泰男美術館の建物が不似合いだ。自宅を美術館にしているから木造だと聞いていたんだが、この美術館は‘93年建設となっているからこっちに移ったのかも。香月泰男美術館は前々からぜひ訪ねてみたいと思っていた美術館のひとつだったが、展示もたのしいといえばたのしいが、わざわざ寄るほどものじゃない。ちょっと当てが外れた。<br /><br />私は、香月のシベリア・シリーズを東京で2回、横浜で2回見て以来のファンである。あのキャプションは立花隆が書いたものだそうだが、絵と相まって胸に残った。香月の若い時の作品も、シベリアシリーズ以外の作品も見てはいるが、私にはシベリアシリーズが強烈な印象を残している。<br /><br />香月泰男美術館の係りに聞くと、「シベリア・シリーズは全部山口美術館が所蔵していますから、山口県立美術館で見られると思います」という。美術館の2階は展望室になっていて、町の様子が見渡せる。ただし壁にはホロンバイル、ガダルカナル、インパール、サンフランシスコと言った地名が書かれている。もちろん私にはわかるが、10歳ぐらい下のおばさんたちは「わからない」と答えた。「や〜だね」と言って説明した。<br /><br />香月泰男美術館:http://www.city.nagato.yamaguchi.jp/~kazukiyasuo/                                              <br />香月泰男美術館で、金子みすず記念館などを含む4館の共通券を買った。<br />仙崎の金子みすず記念館に向かう。車の中で盛んに私がみすずの詩をそらんじていると<br />「よく覚えていらっしゃいますね、みすず、お好きなんですか?」とkさん。「いえいえ、テレビのCMで毎日聞かされますから覚えちゃったんですよ」「私はテレビをみないので」「私はテレビを見るほうなので」と漫才をしている。みすず記念館に寄りたいと言ったのは、仲間の一人である。ちょうど少し前にテレビでみすずが26歳で自殺するまでの短い人生がドラマ化されていた。一応見ておいてとは連絡しておいた。<br /><br />車が止まった。あわてて共通券を取り出し、車を降りる。「ここは無料です」と運転手さん。ドアを開け中に入ると、薄暗い、がらんとした空間。電気をつけてくれた。壁面いっぱいにみすずの詩が書いてある。大漁の詩だ。テープが回って朗読が流れるしかけになっている。無人なので,あけておくとネコが入るから閉めてあるのだそう。<br /><br />記念館に着いた。「金子書店の方からお入りください」と言われて、書店のレジで共通券に判を押してもらった。書店はみすずの生家が経営していたもの。2階にはみすずの部屋も公開されている、が、靴を脱ぐのがいやなので中には入らない。庭を回って本館に入った。結構、入館者はある。テレビの影響なんだろう、一部屋は撮影の時の写真が飾られているよう、というのはちゃんと見なかった。記念館を出ると、目の前の郵便局の傍らの壁にみすずの姿と詩がモザイク画に仕立てられていた。みすずさん、町おこしに一役買っているのですね。<br /><br />金子みすず記念館:http://www.city.nagato.yamaguchi.jp/misuzu/<br /><br />仙崎で昼食。ウニどんぶりを注文した。道路サイドにやたらとウニどんぶりの旗がはためいていたからだ。ウニは小粒だが、甘みがあって美味しかった。関東の人間には醤油の甘いのがちょっと。<br /><br />車は橋を渡って、青海島に入った。「少し歩きますがとても景色のいいところがあります」と藤本さん。歩くという言葉に反応して「どのくらい歩くの?」と聞くと「20分程度」だという。駐車場の管理人らしき男性がのべつまくなしおしゃべりしている。傍らに大きなネコが首に募金箱をつけ寝そべっている。ネコのためにカンンパしてもいいと思ったが、その男性がやたらとおしゃべりするので、やめて歩き始めた。<br /><br />平地を少し歩くと入り江の浜に出た。海水浴場のようだ。右手に階段が続いている。お勧めの美観スポットは階段を上っていくようだ。上りにたじろいだ。ここで待っている、と駄々をこねたが、みなに悪いので、意を決して上り始める。上り口に杖が何本もおかれている。その1本を借りた。右手に杖、左手は手すりにつかまりながら、のそのそと上っていく。藤本さんが付き合ってくれる。<br />                                               <br />ここは観光名所らしく、観光客がひきもきらない。確かこのあたりの海岸は国定公園だったはず。やっとのぼりが終わると、今度は下り。下りの方が滑りそうで怖い。やっと仲間たちと合流。下を見ると、奇岩が立ち並び、波が白く砕けてとても美しい。左手に見島も見える。<br /><br />上から見てこれだけきれいなら、船で下から見るべきだった、失敗!失敗!萩の遊覧船をやめて、こっちを選ぶべきだった、と後悔しまくっている。下り始めると団体さんがやってきた。<br /><br />ふ〜は〜言いながら上ってくる高齢の女性に、私は下るだけだからと杖を貸した。あ〜、疲れた。これで2年分歩いた。<br /><br />さて、萩焼のもう一つの里、今夜泊る大谷山荘の前を通り越して、深川窯を訪ねた。小さな谷あいに4軒の窯元が集まっている。この里の雰囲気は心やさしい。<br /><br />板倉新兵衛窯。階段を上ると、右手に登り窯、まずはお窯を拝見し、それからギャラリーに。三重の方で個展を開いているとかで、作品も少ないということだった。でも素敵な茶碗が並んでいた。豆茶をだしてくださった。お茶碗は赤い地に細い白い線が、まるでダリアの花のように描かれていた。細いので描いたのかと思ったら象嵌だそうだ。<br />友人への土産に温かみのある、びわ色の湯のみを買った。<br /><br />田原陶兵衛窯は入ってくるとき表札を見た。橋を渡ってすぐだ。歩いて行こう。川沿いの道を川を覗き込みながら下る。水は澄んでいて小さな魚がたくさんいる。何だろう、ハヤかな。<br /><br />ギャラリーの後ろを下りると登り窯があった。焚口は950℃位で火を止めて次の部屋にほだぎをくべるのだと説明を受けた。ここにも素敵な作品が並んでいる。みんなで友人のお土産に中鉢をかった。<br /><br />ホテルに行く前にもうひとつ大寧寺に連れて行ってくれた。大きなお寺である。どこからともなく金木犀の香りが漂ってくる。いい香り。我が家のはまだだろう。このお寺は大内氏の最後の舞台となった寺だそうだ。運転手さんは、人望のあった大内氏を滅ぼしたのは、毛利の策略だと説明してくれたが、歴史は見方でそれぞれ違ってくる。帰宅してから大内氏と当時の時代背景を調べた。自決した大内氏最後の主も問題はあったようだ。<br /><br />大谷山荘に着いた。ここは湯本温泉にある。チェックインのため、私が署名する。それを見てフロントが、「遠いところをようこそ。お部屋のランクを上げておきました」と言った。「それはありがとう」すると「料理長よりお知らせがございます。今日は新鮮なアマダイが入荷しておりますが、おつくりなどいかがでしょうか」「あ~ら、それはいいわね。じゃ〜、2皿いただくわ」と注文した。<br /><br />ロビーでは生外郎とお抹茶のサービスがあった。それを頂いて部屋に向かう。4階だ。仲居さんが案内してくれたが、一人だったら迷子になりそう。食堂や大浴場、天体観測を予約してあるので、天文台への行き方などちゃんと教えてもらった。部屋には荷物がもう届いていた。確かに部屋は広いし、ベランダ代わりの部屋は全面ガラス、ガラスの向こうはちゃんとした庭だ。掘りごたつのように足が伸ばせ、大きなテーブルでお茶が頂ける。なるほどね、これなら椅子はいらない。庭の向こうは深山だ。地所がいっぱいあるからこういう余裕をもった作りができるんだね、と感心している。ここなら部屋から星がみえそうだ。<br /><br />そうだ、段ボールを買ってきて、陶器類は送ってしまおう。確か2階に売店があると言っていた。そこで、一人で出かけた。きょろきょろしながら、ともかく2階に下り、売店で段ボールをもらった。お土産を物色し、見当をつけてレベーターを探して歩き始めた。見つからない。突き当たりは階段だ。仕方がないので、売店に戻って、お姉さんに「迷子になりました」と言うと「お部屋は何番ですか」と聞かれた。部屋番ねぇ、確認していない。しばし考えた。だれかが470と言っていたような気がした。「4階の、470です」するとお姉さんが売店の、さっきとは反対側だが、すぐ近くのエレベーターに連れて行って、「下りたら右にお曲がりください」と言った。エレベーターを降り、右に曲がり、うんうん、覚えがある、さらに右に曲がり、どうやら470の前にたどりついた。もっとも470が私の部屋だという確証はない。「外国で部屋間違えたら射殺されちゃうよ」なんて言いながら、470のノブを回した。鍵はかかっていなかったが、中は開けっぱなしでだれもいなかった。隣の469をそっとまわした。スリッパがある。たぶんここだ。ふすまを開けると、やはりここだった。<br /><br />夕食は6時半。最近は椅子が多くなってありがた。昨日も畳の上に椅子がしつらえてあった。一番奥に座る。と、「お料理の写真撮ってください」と言われた。「いいですよ」とポシェットを探すがコンデジが入っていない。「カメラ、部屋に忘れてきた」と言うと、とってくるという。「お庭に面したテーブルの上に置いてあるはず」<br />お酒は甘口の地酒と、飲みなれているからと獺祭を頼んだ。お酒を飲むのは二人しかいないから、席はいつも隣。昨日も私が選んだはずなのに、何を選んだか覚えていない。歩いたのかよほどこたえたみたいだ。<br />お料理はどれもとても美味しかった。アマダイのお造りもふぐのお造りも美味しかった。フグもアマダイも時期が早いかなと期待薄だったけど、間に合ったようだ。みんなが満足してくれてよかった、よかった。<br /><br />8時半に天体観測の予約が入れてある。天体望遠鏡で月や星をみたことがあるかと、聞くと、みんな経験がないという。で、天体観測を予約した。月齢は満月に近い。満月よりやや欠けている方がクレーターがはっきり見えるのだが。<br />10分前に、待合室についた。案内されて、天体観測ドームに入る。担当のオジサンが入ってきて、「月を見ましょう」と望遠鏡を合わせてくれた。各自が覗き込む。月面にちょっとガスがかかっている。もう満月のように平面に近い。でもチコーが明るく輝いている。コペルニクスも明るい。<br /><br />「昼間はあんなに晴れていたのに」中天にひとつ星が見える。「あれな〜に?」「ヴェガ」とオジサン。「ヴェガって、七夕のおり姫のことですよ。ということは天の川がこう流れていて、真中に白鳥座があって、向こう側にアルタイル、牽牛があるんですよ」もたもたしているうちに20分は過ぎ、次の人たちがやってきた。ドームの外に双眼鏡がおいてあった。「月は双眼鏡で十分ですからのぞいてごらんなさい」と言って月を見るとさっきよりガスがある。「あらまぁ、晴れていれば満月で明るいけど、それでも秋の星座を教えてあげられたんだけど。いつも酔っぱらって寝ちゃうから、夜空なんて見る機会がなかったけど、またのチャンスを期待しましょう。家にも天体望遠鏡もあるんだけど、レンズがまともかなぁ。小学生の時から星、見ていますからね、まだ何とか覚えていますよ」ほんと、どこかで星空を見る機会があるといい。<br /><br />ロビーでライブをやっていた。飲み物が頼めるようだ。ジンフィズを頼んだ。ちょっとドライすぎて口に合わなかった。スクリュードライバーは今の時期生はないし、何が無難かな。<br /><br />大谷山荘:http://www.otanisanso.co.jp/<br /><br />

萩・長門をたずねて2 萩→長門

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2012/09/27 - 2012/09/28

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buchijoyce

buchijoyceさん

9月27日(木)

今日もいい天気だ。海辺に行くので、冬支度のままだ。外を見ていると浜辺を散歩してる人たちの姿が見える。しかし仲間は珍しく誰も散歩に出ないみたいだ。館内をぶらぶら歩き、昨日のロビーから、外を見ている。ただしスリッパで来てしまったので外に出られない。朝食を済ませ、遊覧船から戻るまで荷物を預かってもらい、外に出る。

豆子郎のお店が8時からだと聞いていたので8時きっかりに店の前に立つ。開いていた。喜んで中に入り、すずし(生外郎)の栗と抹茶を人数分買うと味見用の小豆外郎も人数分入れてくれた。船の中で味見をして、お土産は帰り山口で買うというと、本店のパンフもくれた。宿から船着き場まで15分もあれば十分と聞いているが、足に自信がないので、一足先に船着き場に向かう。道はわかりやすい。


日差しは暑い。川べりにピンクの優しいコスモスが咲いている。
川面に石垣が映ってきれいだ。船着き場は川向こうなので、見えていても橋を渡ってぐるりと回っていかなければならない。一人来ない。どうしたんだろう。電話をすると逆方向に歩いて行ってしまったらしい。毎回ハプニングはある。

萩遊覧船は川めぐり40分。もう少しシャッターチャンスはあるかなと思っていたが、それほどのことはなかった。それでも5,60枚撮ったかな。船上で外郎を食べた。うん、美味しい。これは買って帰ろう。

船着き場に戻るとジャンボタクシーの藤本さんが出迎えてくれていた。せっかくだから萩城址や町並みを見てから旅館に荷物を取りに行きましょう、菊屋さんに電話して、季節限定なのですが、特別にお庭を見せてもらえるようにし手配しておきました、という。ありがたい。城址に行くと、何匹ものカメが甲羅干しをしていた。

菊屋さんは通りに面している。右に曲がろうとすると、「こっちです」と言って左に行く。お庭だけ見せてもらうのかな、と、ついていくと明治の元勲たちの記念物を回っていく。
                                               
開いている門の前に来た。藤本さんが先導する。「ここは?」「高杉晋作の銅像があります」「高杉晋作の銅像なんてどうでもいいんだけどなぁ」なんて悪口をいうと、次の瞬間段差に躓いて転んだ。前のめりになったので、カメラは守り切れなかった。カメラは音たてて地面に落ちた。今のカメラはショックに強くなっているとはいえ、大丈夫か、膝の打ち身よりそっちが心配。で、すぐシャッターを切った。今回のお伴はEOS5D Mark?、ポシェットにコンデジもある。EOSが駄目でもなんとかなる、と思ったが、EOSは大丈夫のようだ。ほっとする。銅像の高杉晋作に「悪口いったら転んじゃったよ、もう悪口は言わないよ。でもハンサムじゃないよなぁ」とやはり悪口を言っている。


「ねぇ、お庭はまだ?私、お庭だけ見るんだと思ってた」というと、「それはすみません。では菊屋さんに行きましょう」と言って、右に回った。一回りしてきたことになる。チケットを買うと、案内がつく。以前入館したことはある。座敷から庭を眺めながら、ここが季節限定の庭なのかと訝っていると、係りが来て、鍵を開けて奥の庭に案内してくれた。珍しく芝生が植えられた庭である。荷物を受け取り、萩を後に長門に向った。

長門市はみんな初めて。30分ほどで三隅に着いた。温泉場なんだけど、良い意味で田舎っぽい。


小高い丘の上にある香月泰男美術館の建物が不似合いだ。自宅を美術館にしているから木造だと聞いていたんだが、この美術館は‘93年建設となっているからこっちに移ったのかも。香月泰男美術館は前々からぜひ訪ねてみたいと思っていた美術館のひとつだったが、展示もたのしいといえばたのしいが、わざわざ寄るほどものじゃない。ちょっと当てが外れた。

私は、香月のシベリア・シリーズを東京で2回、横浜で2回見て以来のファンである。あのキャプションは立花隆が書いたものだそうだが、絵と相まって胸に残った。香月の若い時の作品も、シベリアシリーズ以外の作品も見てはいるが、私にはシベリアシリーズが強烈な印象を残している。

香月泰男美術館の係りに聞くと、「シベリア・シリーズは全部山口美術館が所蔵していますから、山口県立美術館で見られると思います」という。美術館の2階は展望室になっていて、町の様子が見渡せる。ただし壁にはホロンバイル、ガダルカナル、インパール、サンフランシスコと言った地名が書かれている。もちろん私にはわかるが、10歳ぐらい下のおばさんたちは「わからない」と答えた。「や〜だね」と言って説明した。

香月泰男美術館:http://www.city.nagato.yamaguchi.jp/~kazukiyasuo/                                              
香月泰男美術館で、金子みすず記念館などを含む4館の共通券を買った。
仙崎の金子みすず記念館に向かう。車の中で盛んに私がみすずの詩をそらんじていると
「よく覚えていらっしゃいますね、みすず、お好きなんですか?」とkさん。「いえいえ、テレビのCMで毎日聞かされますから覚えちゃったんですよ」「私はテレビをみないので」「私はテレビを見るほうなので」と漫才をしている。みすず記念館に寄りたいと言ったのは、仲間の一人である。ちょうど少し前にテレビでみすずが26歳で自殺するまでの短い人生がドラマ化されていた。一応見ておいてとは連絡しておいた。

車が止まった。あわてて共通券を取り出し、車を降りる。「ここは無料です」と運転手さん。ドアを開け中に入ると、薄暗い、がらんとした空間。電気をつけてくれた。壁面いっぱいにみすずの詩が書いてある。大漁の詩だ。テープが回って朗読が流れるしかけになっている。無人なので,あけておくとネコが入るから閉めてあるのだそう。

記念館に着いた。「金子書店の方からお入りください」と言われて、書店のレジで共通券に判を押してもらった。書店はみすずの生家が経営していたもの。2階にはみすずの部屋も公開されている、が、靴を脱ぐのがいやなので中には入らない。庭を回って本館に入った。結構、入館者はある。テレビの影響なんだろう、一部屋は撮影の時の写真が飾られているよう、というのはちゃんと見なかった。記念館を出ると、目の前の郵便局の傍らの壁にみすずの姿と詩がモザイク画に仕立てられていた。みすずさん、町おこしに一役買っているのですね。

金子みすず記念館:http://www.city.nagato.yamaguchi.jp/misuzu/

仙崎で昼食。ウニどんぶりを注文した。道路サイドにやたらとウニどんぶりの旗がはためいていたからだ。ウニは小粒だが、甘みがあって美味しかった。関東の人間には醤油の甘いのがちょっと。

車は橋を渡って、青海島に入った。「少し歩きますがとても景色のいいところがあります」と藤本さん。歩くという言葉に反応して「どのくらい歩くの?」と聞くと「20分程度」だという。駐車場の管理人らしき男性がのべつまくなしおしゃべりしている。傍らに大きなネコが首に募金箱をつけ寝そべっている。ネコのためにカンンパしてもいいと思ったが、その男性がやたらとおしゃべりするので、やめて歩き始めた。

平地を少し歩くと入り江の浜に出た。海水浴場のようだ。右手に階段が続いている。お勧めの美観スポットは階段を上っていくようだ。上りにたじろいだ。ここで待っている、と駄々をこねたが、みなに悪いので、意を決して上り始める。上り口に杖が何本もおかれている。その1本を借りた。右手に杖、左手は手すりにつかまりながら、のそのそと上っていく。藤本さんが付き合ってくれる。
                                               
ここは観光名所らしく、観光客がひきもきらない。確かこのあたりの海岸は国定公園だったはず。やっとのぼりが終わると、今度は下り。下りの方が滑りそうで怖い。やっと仲間たちと合流。下を見ると、奇岩が立ち並び、波が白く砕けてとても美しい。左手に見島も見える。

上から見てこれだけきれいなら、船で下から見るべきだった、失敗!失敗!萩の遊覧船をやめて、こっちを選ぶべきだった、と後悔しまくっている。下り始めると団体さんがやってきた。

ふ〜は〜言いながら上ってくる高齢の女性に、私は下るだけだからと杖を貸した。あ〜、疲れた。これで2年分歩いた。

さて、萩焼のもう一つの里、今夜泊る大谷山荘の前を通り越して、深川窯を訪ねた。小さな谷あいに4軒の窯元が集まっている。この里の雰囲気は心やさしい。

板倉新兵衛窯。階段を上ると、右手に登り窯、まずはお窯を拝見し、それからギャラリーに。三重の方で個展を開いているとかで、作品も少ないということだった。でも素敵な茶碗が並んでいた。豆茶をだしてくださった。お茶碗は赤い地に細い白い線が、まるでダリアの花のように描かれていた。細いので描いたのかと思ったら象嵌だそうだ。
友人への土産に温かみのある、びわ色の湯のみを買った。

田原陶兵衛窯は入ってくるとき表札を見た。橋を渡ってすぐだ。歩いて行こう。川沿いの道を川を覗き込みながら下る。水は澄んでいて小さな魚がたくさんいる。何だろう、ハヤかな。

ギャラリーの後ろを下りると登り窯があった。焚口は950℃位で火を止めて次の部屋にほだぎをくべるのだと説明を受けた。ここにも素敵な作品が並んでいる。みんなで友人のお土産に中鉢をかった。

ホテルに行く前にもうひとつ大寧寺に連れて行ってくれた。大きなお寺である。どこからともなく金木犀の香りが漂ってくる。いい香り。我が家のはまだだろう。このお寺は大内氏の最後の舞台となった寺だそうだ。運転手さんは、人望のあった大内氏を滅ぼしたのは、毛利の策略だと説明してくれたが、歴史は見方でそれぞれ違ってくる。帰宅してから大内氏と当時の時代背景を調べた。自決した大内氏最後の主も問題はあったようだ。

大谷山荘に着いた。ここは湯本温泉にある。チェックインのため、私が署名する。それを見てフロントが、「遠いところをようこそ。お部屋のランクを上げておきました」と言った。「それはありがとう」すると「料理長よりお知らせがございます。今日は新鮮なアマダイが入荷しておりますが、おつくりなどいかがでしょうか」「あ~ら、それはいいわね。じゃ〜、2皿いただくわ」と注文した。

ロビーでは生外郎とお抹茶のサービスがあった。それを頂いて部屋に向かう。4階だ。仲居さんが案内してくれたが、一人だったら迷子になりそう。食堂や大浴場、天体観測を予約してあるので、天文台への行き方などちゃんと教えてもらった。部屋には荷物がもう届いていた。確かに部屋は広いし、ベランダ代わりの部屋は全面ガラス、ガラスの向こうはちゃんとした庭だ。掘りごたつのように足が伸ばせ、大きなテーブルでお茶が頂ける。なるほどね、これなら椅子はいらない。庭の向こうは深山だ。地所がいっぱいあるからこういう余裕をもった作りができるんだね、と感心している。ここなら部屋から星がみえそうだ。

そうだ、段ボールを買ってきて、陶器類は送ってしまおう。確か2階に売店があると言っていた。そこで、一人で出かけた。きょろきょろしながら、ともかく2階に下り、売店で段ボールをもらった。お土産を物色し、見当をつけてレベーターを探して歩き始めた。見つからない。突き当たりは階段だ。仕方がないので、売店に戻って、お姉さんに「迷子になりました」と言うと「お部屋は何番ですか」と聞かれた。部屋番ねぇ、確認していない。しばし考えた。だれかが470と言っていたような気がした。「4階の、470です」するとお姉さんが売店の、さっきとは反対側だが、すぐ近くのエレベーターに連れて行って、「下りたら右にお曲がりください」と言った。エレベーターを降り、右に曲がり、うんうん、覚えがある、さらに右に曲がり、どうやら470の前にたどりついた。もっとも470が私の部屋だという確証はない。「外国で部屋間違えたら射殺されちゃうよ」なんて言いながら、470のノブを回した。鍵はかかっていなかったが、中は開けっぱなしでだれもいなかった。隣の469をそっとまわした。スリッパがある。たぶんここだ。ふすまを開けると、やはりここだった。

夕食は6時半。最近は椅子が多くなってありがた。昨日も畳の上に椅子がしつらえてあった。一番奥に座る。と、「お料理の写真撮ってください」と言われた。「いいですよ」とポシェットを探すがコンデジが入っていない。「カメラ、部屋に忘れてきた」と言うと、とってくるという。「お庭に面したテーブルの上に置いてあるはず」
お酒は甘口の地酒と、飲みなれているからと獺祭を頼んだ。お酒を飲むのは二人しかいないから、席はいつも隣。昨日も私が選んだはずなのに、何を選んだか覚えていない。歩いたのかよほどこたえたみたいだ。
お料理はどれもとても美味しかった。アマダイのお造りもふぐのお造りも美味しかった。フグもアマダイも時期が早いかなと期待薄だったけど、間に合ったようだ。みんなが満足してくれてよかった、よかった。

8時半に天体観測の予約が入れてある。天体望遠鏡で月や星をみたことがあるかと、聞くと、みんな経験がないという。で、天体観測を予約した。月齢は満月に近い。満月よりやや欠けている方がクレーターがはっきり見えるのだが。
10分前に、待合室についた。案内されて、天体観測ドームに入る。担当のオジサンが入ってきて、「月を見ましょう」と望遠鏡を合わせてくれた。各自が覗き込む。月面にちょっとガスがかかっている。もう満月のように平面に近い。でもチコーが明るく輝いている。コペルニクスも明るい。

「昼間はあんなに晴れていたのに」中天にひとつ星が見える。「あれな〜に?」「ヴェガ」とオジサン。「ヴェガって、七夕のおり姫のことですよ。ということは天の川がこう流れていて、真中に白鳥座があって、向こう側にアルタイル、牽牛があるんですよ」もたもたしているうちに20分は過ぎ、次の人たちがやってきた。ドームの外に双眼鏡がおいてあった。「月は双眼鏡で十分ですからのぞいてごらんなさい」と言って月を見るとさっきよりガスがある。「あらまぁ、晴れていれば満月で明るいけど、それでも秋の星座を教えてあげられたんだけど。いつも酔っぱらって寝ちゃうから、夜空なんて見る機会がなかったけど、またのチャンスを期待しましょう。家にも天体望遠鏡もあるんだけど、レンズがまともかなぁ。小学生の時から星、見ていますからね、まだ何とか覚えていますよ」ほんと、どこかで星空を見る機会があるといい。

ロビーでライブをやっていた。飲み物が頼めるようだ。ジンフィズを頼んだ。ちょっとドライすぎて口に合わなかった。スクリュードライバーは今の時期生はないし、何が無難かな。

大谷山荘:http://www.otanisanso.co.jp/

同行者
友人
一人あたり費用
5万円 - 10万円
交通手段
タクシー 新幹線
旅行の手配内容
個別手配
  • 通り道

    通り道

  • 川とコスモス

    川とコスモス

  • 水面に映る石垣

    水面に映る石垣

  • 船着き場

    船着き場

  • 遊覧船から

    遊覧船から

  • 指月山

    指月山

  • 菊屋

    菊屋

  • 庭園

    庭園

  • 庭園

    庭園

  • 見島が見える

    見島が見える

  • 深川窯周辺

    深川窯周辺

  • 田原窯

    田原窯

  • 深川窯説明板

    深川窯説明板

  • お土産に買ったビワ色の茶碗

    お土産に買ったビワ色の茶碗

  • 登り窯内部

    登り窯内部

  • 登り窯

    登り窯

  • 大寧寺

    大寧寺

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  • 一歩人さん 2012/10/16 14:37:17
    ふ、ふ、前置きが楽しいですね
    buchijoyceさんへ
    ふ、ふ、写真も、コメントも楽しいですね。
    私は、萩の郷里を離れて、ずいぶん経ちますが、
    懐かしい風景に癒されました。
    最近は、同級生にもリターン組がいて、
    facebookでやり取りしていますが、
    生まれ故郷へ帰りたくなるときがあります。
    ふ、ふ、萩には、有名な浮世絵コレクターの浦上美術館があって、
    帰省したときには、よく行きました。

    ありがとうございました。
    失礼しま〜す♪

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