1990/12/30 - 1991/01/01
310位(同エリア1019件中)
がおちんさん
1990年の年末、大理州の賓川県にある鶏足山(3240m)に登りました。
伝説によると、883年に釈迦の大弟子である迦葉が鶏足山に入定したとされることから、元から明にかけて寂光寺を中心に8つの寺が建てられ、清代には36の寺と72の庵(合わせて108座)に、3000人以上の僧が修行をしていたそうです。
頂上にある金頂寺・楞厳塔からの眺めは素晴しく、東看日出・南望彩雲・西観蒼氵耳・北眺玉龍と言われるように四方が見渡せ、元旦の御来光を拝むことができました。
しかし、禅寺で恐怖の一夜を味わうことになるとは、思いもよりませんでした・・・
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 徒歩
-
1990年12月30日(日)
昆明からオンボロバスを乗りつぎ、賓川にある鶏足山に到着した。
「霊山一會」と書かれた山門をくぐり、山頂を目指して歩き始める。
天気は最高だ。 -
入山口でもらったプラ製の地図。
鶏足山は山容が前に三列、後ろに一列と、鶏の足の形に似ていることから名づけられたそうで、古くは青顛山、または九曲岩とも呼ばれていたという。
山頂までは9キロの道のりだ。 -
正面に見えるのは玉龍瀑布。右上には山頂に立つ白塔を望めた。
うーん、遠いなー。 -
山道で見かけた奇妙な形の木。
-
トゲトゲした枝の木が、谷のあちこちに立っていた。
-
山道にはタルチョやハダが見られた。
鶏足山が聖地であることを感じさせる。 -
巡礼をしていたチベット族のおじいさん。
野宿をするための毛皮を背負い、念仏を唱えながら歩いていた。
※当時の鶏足山は信仰の対象だったためか、観光客は見かけなかった。 -
山の中腹にある「祝聖寺」に到着。
明代に建てられた迎祥寺が廃れてしまい、清代に虚雲和尚という人によって再建されたのが祝聖寺だ。
鶏足山で最も規模の大きい禅寺である。 -
はるか彼方に見えた白塔。頂上まではまだまだ遠い。
無理すりゃ登れんこともないが、オンボロ夜行バスのせいで体がガタガタのため、今日は寺の宿坊に泊まることにした。
しかし、この選択により、恐怖の一夜を味わうことになる。 -
祝聖寺は立派な寺だが、参拝客は皆無。
というよりも、鶏足山に来てから、ほとんど人と会わない。
中国とは思えない静寂さだ。 -
ひっそりとした境内。
-
いろいろな扁額がかかっている。
-
誰もいない。
-
「老来難」
一筆書きされた老人の絵に、歳をとることの辛さが面白おかしく綴られている。
「人は誰でも歳をとるので、老人を大切に」という結論だ。 -
壁に描かれた鶏足山の水墨画。
-
まだ時間も早いため、荷物を置いて散策に出かける。
-
大きな穴の開いた、「空心樹」。
中がお堂になっている。 -
九品石と呼ばれる石。
ヨニかなあ? -
寺に戻ると、お坊さんが字の読めないおばあさんに手紙を読んであげていた。
真剣な表情で耳を傾ける様子が印象的だった。 -
宿坊は男女別だ。
宿泊の手続きをするとき、担当のお坊さんから「疲れただろうから、按摩をしてやる」と言われる。妻のほうには見向きもせず、私のことだけジッと見ているので少々違和感を覚えた。
イスに座って肩を揉んでもらったが、今度は「奥のベッドで横になりなさい」と言う。何度も断るが、半ば無理やり按摩をされてしまった。
そして、「やりにくいからズボンを脱ぎなさい」と言われたので、拒否して部屋に向った。 -
妻も「あのお坊さんは怪しい」と言う。
私はなぜか、その筋の人から好かれるようで、これまでもサウナ等で太ももをさすられたり、仮眠中に尻をなでられたりしたことがある。
そんな話をしていたら、例の坊さんが部屋に魔法瓶を持ってきた。妻の部屋には1本だが、なぜか私には2本とサービス良すぎ。
そして、「今夜、お前に禅について説いてあげるから待っていなさい」と言う。ヒエーッ。
こんな宿坊、逃げ出そうとも思ったが、すでに日が暮れてしまった。尻の貞操を守るため、妻とこっそり部屋を代わってもらう。 -
1990年12月31日(月)
恐怖の夜が明けた。
昨夜、例の坊さんは妻の寝ていることも知らず、元の部屋を何度もノックし、「睡覚了嗎〜?(もう寝たのか〜い?)」と気持ちの悪い声で呼んでいたようだ。
よく香港映画に出てくるオカマ役のような媚びた声だったという。
「全く無視してやった」と強気の妻。
助かった。
※写真は例の坊さんではありません。 -
坊さん達と一緒に朝ごはんを食べることになった。
私は一刻も早く寺を出て行きたかったのだが、妻はそこで出たおかゆと漬物が美味いと何杯もおかわりをしていた。
「中国であんなに美味しいお粥と漬物を食べたことはない」と、今も忘れられない味のようだ。
腹を満たし、頂上を目指して出発する。 -
山道を下りてきた白族のおばあさん。
渋い! -
山道には巡礼者向けの茶屋が何軒かあった。
しばし休憩。 -
慧灯庵に到着する。
後ろにそびえるのは天柱峰だ。 -
慧灯庵は明の時代から歴史があるそうだが、寺は文革で破壊されてしまった。
現在の建物は1983年に建てられたものだという。
なかなか見事な大雄宝殿。 -
扉の木彫りも手が込んでいる。
-
尼さんが整理していたのは、おみくじかな?
-
大雄宝殿から望む、金頂寺の楞厳塔。
-
迦葉が入定したといわれる「迦葉殿」は、チャチで安っぽい造りが逆にリアルに感じた。
しかし、そもそも迦葉が入定したのはインドの鶏足山じゃなかったっけ? -
どこまでも歩道を造ってしまうのが中国のすごいところ。
3000メートルを越える山でも、ビニールサンダルで登る中国人がいた。
恐るべし。 -
おそらく「龍王井」と呼ばれる場所だと思うが、ここにも文革の爪跡が残されていた。
まあ、今でも墓石をそのまま階段にしちゃう国ではあるが。 -
眼下には恐怖の一夜を過ごした祝聖寺が見えた。
ずいぶん登ったな。 -
さあ、もうちょっとで頂上だ。
胸突き八丁でポーズをとる私。 -
巡礼者が蝋で書いたと思われるマンジ。
-
いよいよ鶏足山の頂上に到着だ。
-
後ろを振り返ると、すごい高度感。
白族の女性も登ってきた。 -
お疲れさまでした。
金頂寺に着いたー。 -
明日はここから初日の出を拝むのだ。
-
木戸をくぐって中へ。
-
おお、蒼山が見えたぞ。
-
頂上にあった雲峰旅社。すごい年季が入っている。
声をかけたが、誰もいなかった。
小林喜作が現れそうな雰囲気だ。 -
楞厳塔のそばにある山小屋に泊まることにした。
-
楞厳塔に上ってみよう。
-
鶏足山の頂上には、金殿があるはずだった。
西暦1637年、雲南巡撫によって昆明の金殿が鶏足山の頂上に移され、国内外の仏教徒が鶏足山を参拝していたという。今の昆明の金殿は2代目である。
交通の不便な時代に昆明からこんな山の上まで金殿を運んだというのだから、相当な苦労だったろうが、鶏足山はそれほどの仏教聖地であったのだ。
そんな国宝級のものを中国人は文革でぶっ壊してしまったのである。 -
楞厳塔の上に上ると、眺めが素晴しい。
しかし、強風で飛ばされそうなほどだ。
塔にある題詩は、1934年に雲南の主席龍雲によって書かれたものだという。 -
北を望む。
おおー、麗江の玉龍雪山だ。 -
西を望む。
蒼山と氵耳海。
大理の白塔も見える。 -
南を望む。
祥雲、南澗方面はなだらかな山。 -
東を望む。
永仁方面はゴツゴツした山が続く雲南らしい眺め。
谷には金沙江が流れているはずだ。 -
夕焼けが見える時間まで、山を散策する。
鶏足山をバックに解放軍の水筒をななめ掛けする妻。 -
鶏足山の金頂寺と下界。
迫力のある光景。 -
さあ、いよいよ今年最後の夕暮れを迎える。
寒いー。 -
夕日に輝く金頂寺。
-
山々のグラデーションが美しい。
ただ、見とれる。 -
そして落日。
-
茜色に包まれた蒼山。
-
月は東に日は西に。
反対側から1990年最後の月が昇る。 -
大きな満月。
-
1991年1月1日(火)
新年の夜明け。 -
ご来光を拝む。
-
こうして手の上に載せるのは中国スタイルだそうな。
私たちも真似してパチリ。
私たちが「新年に鶏足山に登る」と言ったら、雲南民族学院のT先生から、「虎が出るから危険だ」と真剣な顔で止められた。しかし翌日、家族に聞いたら「虎なんか出るわけない」と言われたようで、「大丈夫、眺めが良いから行ってきなさい」と満面の笑顔で送り出してくれた。
寒さに震えた天安門広場と長城〜冬の北京旅行1991に続く
http://4travel.jp/travelogue/10664845
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
この旅行記へのコメント (2)
-
- 鯨の味噌汁さん 2012/04/24 12:57:43
- ご無事で何よりでした。
- 22年前のがおちんさん、それに奥様もお若いですね!
しかもたくましい!
どんなトラブルかとドキドキしながら読み進めたのですが。
なんとまぁ、ソッチの方の災難でしたか。
ご無事で何よりでした。
ワシもそーいえば、若いころに白人にケツを狙われたことがございます。
若い日本人はキュートに見えるらしい。
ワンコが子供の雲古をたべちゃうところがすごいですね。(⇒西原理恵子とか椎名誠の旅行記にもあります)
ちなみにワシは、狼がイヌになったキッカケは、ニンゲンの雲古をエサにすることを覚えたからではないかと空想してるるヒトです。
- がおちんさん からの返信 2012/04/24 16:47:26
- RE: ご無事で何よりでした。
- こんにちは。
鯨の味噌汁さんもそういうトラブルを経験されましたか(笑)。
例の寺ですが、もし一人旅だったら絶対に逃げ出していたと思います。旅先じゃ何が起こるかわかりませんね。
> ワンコが子供の雲古をたべちゃうところがすごいですね。
少数民族の村にはトイレが無いので、その辺で済ますわけですが、犬や豚が察知して集まって来るんです。油断すると犬に尻を舐められてしまうので、いつも石や棒を用意していました。しゃがんでいると、食べる順番をめぐって犬がケンカを始めるので怖かったです。
まあ、その犬が家の中にある料理用の水を飲んでいたのが、もっとショックでしたが(笑)。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
2
63