2012/03/11 - 2012/03/13
191位(同エリア528件中)
ごん太2さん
流人の島と言われ、伊豆諸島の南端に位置する八丈島は、なんとなくロマンをかきたてるものがある。しかもジェット機が発着するから、大阪からでも半日で行ける。そのロマンを求めて、いざ八丈へ。
宇喜多秀家にはじまる江戸時代の流人の歴史は、やはり切ない。「生類憐みの令」など微罪でも遠島になったというから、江戸時代の裁判を疑う。島民と流人の中で、はじめはぎくしゃくしたものがあったようだが、牢もないなか、しだいに両者が学び合いながら、仲良く暮らしていくいきさつは、心をなごませる。松本清張の「無宿人別帳」にあるごとく、抜け船や抜け人はあったにせよ、黄八丈などの産業で島は落ち着いていったようだ。
「恐るべし・・」と書いたのは、流人のことではない。八丈富士の登山のことだ。知らなかったが、八丈島は雨が多く、風が強い日が多いらしい。この日も例にもれず、風が強かった。2日目の朝から9名のパーティで登山に出発する。年配の者が多いので、もちろんガイドつきだ。まず1280段の石段が我々を待ちうける。しかしガイドさんがゆっくり説明しながらだから、まだみんな元気だ。いよいよ火口が見えるあたりから、風も強くなり、時にはあられも降ってくる。山頂を通って、「お釜めぐり」火口を一周する予定だ。ところがあまりの風に、前進がままならない。体を伏せ、軍隊の匍匐前進のようにしてすすむ。でないと風にあおられて稜線から飛ばされてしまうからだ。
体も冷えてくる。山頂の支柱が見えたが、ここでガイドさんの決断。「もうここでやめて引き返しましょう」と。
だれも異議を唱える者はいない。だれも限界を感じはじめていたから。
八丈富士は標高1000mにも及ばない。しかし一気に854mを登りつめるのは、この気象条件では年配の者にはきびしすぎる。恐るべし八丈富士だ。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 観光バス ANAグループ 徒歩
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
- 利用旅行会社
- JTB
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