宮島・厳島神社旅行記(ブログ) 一覧に戻る
今年の正月は、初詣に熱田神宮に出掛けた以外は家族とのんびり過ごした。代わりに正月明けの週末に広島を訪れることにした。家族はアメリカ駐在経験もあり、海外旅行によく連れ出したが、広島の原爆ドームと厳島神社を訪れたことがなかった。また、アメリカでお付合いのあったご家族が宇部に住んでおり、広島で再会できることになったからでもある。初日は宮島、2日目は広島市内で過ごす日程を組んだ。今年の大河ドラマは「平清盛」であり、当然厳島神社は話題のスポットでもある。私自身は学生時代以来、数10年ぶりである。<br /><br />厳島神社のある宮島は、古来より天橋立、松島とともに「日本三景」と並び賞され「平家納経」でも有名である。京都、奈良、日光などとともにユネスコの世界文化遺産に登録されたのも当然と言えば当然である。<br /><br />ここ数年はヨーロッパ、南アジアを中心に世界遺産巡りを続けてきた。その多くは石造りの、半永久的に保存が可能な遺跡である。今回、久々に日本の世界遺産を訪れて、日本の木作りの建築は、はかなくか弱い、繊細な遺産である、と感じた。特に厳島神社の社殿は、海の上に建てられているため、台風・高潮の影響・被害を受けるのは宿命である。大型の台風の直撃による被害を受けるたびに、大規模な修復を必要とする。つまり、修復することを前提に建てられた社殿なのである。<br /><br />近年でも1991年に重要文化財の「能舞台」が倒壊、1999年には国宝の「神社」及び「社殿」が大きな被害を受けた。さらに2004年の台風18号により国宝「左楽房」が倒壊、桧皮葺の屋根も大きな被害を受け、2005年にも台風14号により浸水するなど被害が発生したのは記憶に新しい。<br /><br />宮島は、古代より島そのものが神として信仰の対象とされてきた。593年に社殿を創建、平安時代末期に平家一族の崇敬を受け、1168年平清盛が社殿を造営した。平家一門の守り神として、平家の隆盛とともに当社も盛えた。だが平家は1185年、壇ノ浦の戦いで滅亡、社殿は1207年と1223年の2度の火災で全てを焼失した。平家滅亡後も源氏をはじめとして時の権力者の崇敬を受け、現在残る社殿は、1240年ころに造営されたものであるという。<br /><br />戦国時代に入り一時衰退するが、毛利元就が1555年の厳島の戦いで勝利を収め一帯を支配下に置き、元就の手厚い保護により再び隆盛した。元就は大掛かりな社殿修復を行い、また豊臣秀吉も九州遠征の途上で当社に参拝し大経堂を建立、江戸時代以降厳島詣が民衆に広まった。<br /><br />曇天だったため写真ではその鮮やかさも半減であるが、近年改修を受けた朱塗りの社殿は、繊細な美しさに満ちている。日本人の美意識に改めて感心させられた。栄枯盛衰、うつろうはかなさ、平家物語のテーマとも重なって、このか弱く手間のかかる世界遺産が、永久に保存されることを願って止まない。<br /><br />弥山(みせん)に登ったのは初めてである。登ったと言ってもロープウェイを乗り継いで約20分、さらに30分ほどハイキングをすると山頂に着く。ロープウェイは往復1,800円と少々高いが、瀬戸内海の眺めは絶景である。<br /><br />弥山は宮島の中心にそびえる535mの山で、古くからの信仰の対象になっている。島全体が瀬戸内海国立公園であり、また弥山の山麓も世界文化遺産のエリアに含まれている。1200年前に弘法大師(空海)が開山して以来、宮島のご神体として崇められ、大師ゆかりのお堂が今も残る。<br /><br />山頂近くに霊火堂があり、弥山の七不思議の一つに数えられる「消えずの霊火」が見所である。平安時代の806年、弘法大師が宮島で修行をした時に焚かれた護摩の火がおよそ1200年間、昼夜燃え続け、元火の絶えない霊火である。大茶釜の湯は、万病に効く霊水と言われており、また広島平和記念公園の平和の灯の元火の一つとなった。<br /><br />厳島神社参りと弥山のハイキングをするとほぼ1日がかり、宮島は牡蠣料理、アナゴめし、もみじ饅頭(揚げ饅頭がお勧め)、お好み焼きなどB級グルメの宝庫であり、食も進むこと請け合いである。

日本の世界遺産No.10:宮島の厳島神社と弥山

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2012/01/07 - 2012/01/08

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ハンク

ハンクさん

今年の正月は、初詣に熱田神宮に出掛けた以外は家族とのんびり過ごした。代わりに正月明けの週末に広島を訪れることにした。家族はアメリカ駐在経験もあり、海外旅行によく連れ出したが、広島の原爆ドームと厳島神社を訪れたことがなかった。また、アメリカでお付合いのあったご家族が宇部に住んでおり、広島で再会できることになったからでもある。初日は宮島、2日目は広島市内で過ごす日程を組んだ。今年の大河ドラマは「平清盛」であり、当然厳島神社は話題のスポットでもある。私自身は学生時代以来、数10年ぶりである。

厳島神社のある宮島は、古来より天橋立、松島とともに「日本三景」と並び賞され「平家納経」でも有名である。京都、奈良、日光などとともにユネスコの世界文化遺産に登録されたのも当然と言えば当然である。

ここ数年はヨーロッパ、南アジアを中心に世界遺産巡りを続けてきた。その多くは石造りの、半永久的に保存が可能な遺跡である。今回、久々に日本の世界遺産を訪れて、日本の木作りの建築は、はかなくか弱い、繊細な遺産である、と感じた。特に厳島神社の社殿は、海の上に建てられているため、台風・高潮の影響・被害を受けるのは宿命である。大型の台風の直撃による被害を受けるたびに、大規模な修復を必要とする。つまり、修復することを前提に建てられた社殿なのである。

近年でも1991年に重要文化財の「能舞台」が倒壊、1999年には国宝の「神社」及び「社殿」が大きな被害を受けた。さらに2004年の台風18号により国宝「左楽房」が倒壊、桧皮葺の屋根も大きな被害を受け、2005年にも台風14号により浸水するなど被害が発生したのは記憶に新しい。

宮島は、古代より島そのものが神として信仰の対象とされてきた。593年に社殿を創建、平安時代末期に平家一族の崇敬を受け、1168年平清盛が社殿を造営した。平家一門の守り神として、平家の隆盛とともに当社も盛えた。だが平家は1185年、壇ノ浦の戦いで滅亡、社殿は1207年と1223年の2度の火災で全てを焼失した。平家滅亡後も源氏をはじめとして時の権力者の崇敬を受け、現在残る社殿は、1240年ころに造営されたものであるという。

戦国時代に入り一時衰退するが、毛利元就が1555年の厳島の戦いで勝利を収め一帯を支配下に置き、元就の手厚い保護により再び隆盛した。元就は大掛かりな社殿修復を行い、また豊臣秀吉も九州遠征の途上で当社に参拝し大経堂を建立、江戸時代以降厳島詣が民衆に広まった。

曇天だったため写真ではその鮮やかさも半減であるが、近年改修を受けた朱塗りの社殿は、繊細な美しさに満ちている。日本人の美意識に改めて感心させられた。栄枯盛衰、うつろうはかなさ、平家物語のテーマとも重なって、このか弱く手間のかかる世界遺産が、永久に保存されることを願って止まない。

弥山(みせん)に登ったのは初めてである。登ったと言ってもロープウェイを乗り継いで約20分、さらに30分ほどハイキングをすると山頂に着く。ロープウェイは往復1,800円と少々高いが、瀬戸内海の眺めは絶景である。

弥山は宮島の中心にそびえる535mの山で、古くからの信仰の対象になっている。島全体が瀬戸内海国立公園であり、また弥山の山麓も世界文化遺産のエリアに含まれている。1200年前に弘法大師(空海)が開山して以来、宮島のご神体として崇められ、大師ゆかりのお堂が今も残る。

山頂近くに霊火堂があり、弥山の七不思議の一つに数えられる「消えずの霊火」が見所である。平安時代の806年、弘法大師が宮島で修行をした時に焚かれた護摩の火がおよそ1200年間、昼夜燃え続け、元火の絶えない霊火である。大茶釜の湯は、万病に効く霊水と言われており、また広島平和記念公園の平和の灯の元火の一つとなった。

厳島神社参りと弥山のハイキングをするとほぼ1日がかり、宮島は牡蠣料理、アナゴめし、もみじ饅頭(揚げ饅頭がお勧め)、お好み焼きなどB級グルメの宝庫であり、食も進むこと請け合いである。

同行者
家族旅行
一人あたり費用
1万円 - 3万円
交通手段
タクシー 新幹線 私鉄
旅行の手配内容
ツアー(添乗員同行なし)
利用旅行会社
近畿日本ツーリスト
  • 宮島口へは広島市民の足、広島電鉄で約1時間、JRなら約30分、フェリーで約10分で宮島に到着する

    宮島口へは広島市民の足、広島電鉄で約1時間、JRなら約30分、フェリーで約10分で宮島に到着する

  • 宮島口桟橋からJR西日本と宮島松大汽船がフェリーを約10分間隔で運航しており、宮島桟橋まで約10分。

    宮島口桟橋からJR西日本と宮島松大汽船がフェリーを約10分間隔で運航しており、宮島桟橋まで約10分。

  • 宮島へ到着すると野生の鹿が出迎えてくれる

    宮島へ到着すると野生の鹿が出迎えてくれる

  • 日本三景の石碑

    日本三景の石碑

  • 宮島名物のもみじ饅頭、バラエティー豊かな味を楽しめる、揚げもみじ饅頭がお勧め

    宮島名物のもみじ饅頭、バラエティー豊かな味を楽しめる、揚げもみじ饅頭がお勧め

  • 宮島の象徴、大鳥居は重要文化財

    宮島の象徴、大鳥居は重要文化財

  • 厳島神社の参拝入り口

    厳島神社の参拝入り口

  • 厳島神社の参拝入り口、国宝とユネスコ世界文化遺産の看板が立つ

    厳島神社の参拝入り口、国宝とユネスコ世界文化遺産の看板が立つ

  • 境内、干潮のため潮はひいいている

    境内、干潮のため潮はひいいている

  • 境内、干潮のため潮はひいいている

    境内、干潮のため潮はひいいている

  • 回廊の朱塗りの柱

    回廊の朱塗りの柱

  • 客殿と五重塔

    イチオシ

    客殿と五重塔

  • 狛犬と客殿と五重塔

    狛犬と客殿と五重塔

  • 出口に近い回廊から能舞台を眺める

    出口に近い回廊から能舞台を眺める

  • 五重塔

    五重塔

  • 厳島弁才天

    厳島弁才天

  • 不動明王

    不動明王

  • 風情のある参道

    風情のある参道

  • 昼食はアナゴめし、老舗の「ふじたや」

    昼食はアナゴめし、老舗の「ふじたや」

  • ロープウェイで弥山に登る

    ロープウェイで弥山に登る

  • 弘法大師が焚いた護摩の火が1200年間燃え続けているという霊火堂、平和記念公園の平和の灯の元火になった

    弘法大師が焚いた護摩の火が1200年間燃え続けているという霊火堂、平和記念公園の平和の灯の元火になった

  • 弥山山頂近くにあるくぐり岩

    弥山山頂近くにあるくぐり岩

  • 弥山山頂にある巨岩

    弥山山頂にある巨岩

  • 弥山山頂からの眺め

    弥山山頂からの眺め

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