団体行動はやっぱり苦手・・・

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HISの初売りフェアーで残り1席のこの格安ツアーを予約した。香港の到着しHISの看板を探すがガイドらしき人物が見付らない。空港のスタッフらしき人物にHISのスタッフはどこだ？他に出口はあるか？聞いても全然要領を得ない・・・。暫らく待っても現れる気配はないので、電車でホテルを探そうと歩きだすと、向こうに日本人の集団が。こっちにも出口があり、集団の1人がHISって書いた札を持っている。他のお客さん達は勢揃いで、なかなか現れない1人の客（私）を待っていた。何を間違って私だけ他の出口から出てしまったのか・・・？幸先の悪い出だしだ。
翌日はツアーに付属の市内観光へ出掛けた。団体行動は好きではないのだが、土地勘が無いし香港のからは遠めの観光スポットを案内してくれるので助かる。黄大仙、レパルスベイ等を案内してもらいビクトリアピークに到着。辺りは濃い霧に包まれており絶景の景色は見る事ができなかった。っとよそ見をしている間にガイドを見失った。またも集団行動を乱してしまった・・・。辺りは霧で探すのは困難と判断し、駐車場に向かいバスを探した。バスで皆さんの帰りを待っていると程なく戻ってきたガイドがホッとしていた。昨日の事もあってかガイドは私の名前だけは覚えてしまったらしく、観光の最中も”はい、kimutaさんこっちですよ”を連発するし、飯食っても”kimutaさん美味しかったですか？”っととにかくお客さんの前で私の名前だけを連呼するのでとても恥ずかしかった。夕方、ショッピングセンターで解散となり、サッサと集団から立ち去ろうとすると”kimutaさん大丈夫ですか？これから何処行きますか？”ガイドは最後まで関わろうとする・・・。1人で来ているお客さんは私以外にもいるのに・・・。そのガイドから私はどのように映ったのだろう？1人旅で危なっかしいと心配してくれたのか・・・？何らかの親しみを感じたのか・・・？私だけ特別扱いの理由はわからなかった。
自由を手にした私は、九龍を目指した。ネイザンロードは多くの人が行き交いネオン煌く香港のメインストリート。腹が減ったのだが、1人でレストランに入るのは非常に寂しい。私の香港のイメージは屋台でビールと青菜。だが男人街、女人街、有名そうな通りを歩いても屋台は見付らず、ネイザンロードを1本入ったある一角にやっと屋台が並んでいるのを発見。念願のビールと青菜にあり付けた。その後、ビクトリアハーバーへと戻り夜景を楽しみ、スターフェリーで香港島へと戻り、二階建てトラムでホテルへと帰った。何かが物足りない・・・。
私が高校生時代の先生に教えられた香港のイメージは、マフィア、麻薬、路上生活者、退廃的な暗い街だった。私の中で、その怪しい街でのスリルを求めていた。しかし、どこの裏通りを歩いても私をゾクゾクさせる風景には辿り着けなかった。一日歩き回った香港は、イメージしたものとはかけ離れた観光地としての香港だった。高校生の私から現在までの間に香港は、イギリスの植民地から中国に返還される歴史的節目を経験している。時代の流れと共に香港も変わってしまったのかもしれない。