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1).  旅の始めに<br /><br />                    柳絮飛ぶ  風に恋々  蝶の夢                    <br /><br />   陳舜臣著『五台山清涼寺』は、明から清の混乱期に、愛妾を明の敗残兵に奪われた男と、謎の美女を溺愛する清朝皇帝「順冶帝」の縁を描いた小説である。<br />   「順治帝」は、六歳で即位,齢僅か24歳で亡くなったと、言われている。四代皇帝「康熙帝」の父親である。「順治帝」は、愛する女性の死を弔い続けるため、皇位を捨て、「五台山」に籠った、と言われている、息子「康熙帝」は、在位中に5回、「五台山」へ行幸したが、ある日を境に、行かなくなった。そこから、『五台山清涼寺』の恋物語が、語り始められた様である。<br /><br />2).山西省「五台山」へ  <br /><br />  「上海」から、飛行機で2時間、柳絮が飛ぶ 黄土高原にある「山西省」の省都「太原」に着いた。ここから北西230㎞の山の中に、古くから信仰の地、「中国四大仏教聖地」の一つで、守護神は「文殊菩薩」の「五台山」がある。<br />  「五台山」へは、西口ルートから入り、「楊柏峪旅游区」の山荘に宿泊した。この地には、慈覚大師「円仁」や「成尋」僧正などの日本僧も来ている。翌日、「五台山」の中心である「台懐寺廟群」に向かい、『塔印寺』の「白塔」、『顕通寺』の」「万仏銅殿」や、「菩提頂」などを、見て回った。<br />   <br />3).『竹林寺』へ<br /><br />  昼食後、『龍泉寺』の北西方約5㎞離れた山間にある『竹林寺』に向かった。唐の代宗の大暦年間(766‐779年)に建てられた古刹である。840年代に、この地を訪れた慈覚大師「円仁」さんの『入唐求法巡礼行記』によると、唐代の『竹林寺』の規模は、6つの寺院を擁する浄土宗の道場であった。生憎と、『竹林寺』では大規模な工事が始まっており、境内全体は雑然としていた。「大雄宝殿」の前で、「日本天台入唐求法沙門円仁慈覚大師御研鑽之霊跡」の石碑を見つけた。その近くにある、些か草臥れた「慈覚大師堂」に入ると、そこには、円仁さんの関係資料が、置かれていた。 <br /><br />4).『清涼寺』へ<br /><br />  『清涼寺』は、五台山の西入り口付近に、谷を覗くような崖っ縁に、しがみ付くよう建っていた。境内では、大規模な建築工事が進められていた。<br />  平服だが、恐らく住職であろうか、中年の僧が、近づいて来て、この寺の話を、語り始めた。一緒に、打ち捨てられた瓦礫を踏みながら、裏山を登って行くと、木々の間に古そうな石碑があった。歴史上では、「順治帝」の死により、息子「康熙帝」が皇位を継いだ事になっているが、「順治帝」は、皇位を捨て、出家し、この地で亡くなったと、そこには書いてあるとの説明であったが、石碑は、風化しており、文字はまったく読めなかった。<br />  寺の小さな庭に、大きな「清涼石」が、置かれていた。この石の上に登れば、何事も成就するというご利益があると聞き、岩の上に這い上がり、立ち上がって辺りを見渡した。柳絮が谷底から湧き上がるように広がり、やがて晩春の神秘が辺り一面を覆う、不思議な情景へと変わって行った。      <br />  <br />5). 旅の終わりに<br /><br />  その日は、「太原」に泊まった。街の、どこからでも見える「双塔」が気になり、まずは、その寺へ向かった。駅の南東近くにある『双塔寺』(原名:永祚寺)境内に、「双塔」があった。「双塔」の四隅にぶら下がっている風鐸の音を聞きながら、今が盛りの牡丹の花の咲く境内の散策を、僕は、楽しんでいた。(完)<br /><br /><br />   * Coordinator: Gu Hong                                        <br /><br />                                  <br /><br /><br /><br /><br />

【山西省】 五台山 * 中國四大仏教霊地を 旅する

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2002/04/27 - 2002/05/04

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彷徨人MU

彷徨人MUさん

1).  旅の始めに

              柳絮飛ぶ  風に恋々  蝶の夢            

   陳舜臣著『五台山清涼寺』は、明から清の混乱期に、愛妾を明の敗残兵に奪われた男と、謎の美女を溺愛する清朝皇帝「順冶帝」の縁を描いた小説である。
  「順治帝」は、六歳で即位,齢僅か24歳で亡くなったと、言われている。四代皇帝「康熙帝」の父親である。「順治帝」は、愛する女性の死を弔い続けるため、皇位を捨て、「五台山」に籠った、と言われている、息子「康熙帝」は、在位中に5回、「五台山」へ行幸したが、ある日を境に、行かなくなった。そこから、『五台山清涼寺』の恋物語が、語り始められた様である。

2).山西省「五台山」へ  

  「上海」から、飛行機で2時間、柳絮が飛ぶ 黄土高原にある「山西省」の省都「太原」に着いた。ここから北西230㎞の山の中に、古くから信仰の地、「中国四大仏教聖地」の一つで、守護神は「文殊菩薩」の「五台山」がある。
  「五台山」へは、西口ルートから入り、「楊柏峪旅游区」の山荘に宿泊した。この地には、慈覚大師「円仁」や「成尋」僧正などの日本僧も来ている。翌日、「五台山」の中心である「台懐寺廟群」に向かい、『塔印寺』の「白塔」、『顕通寺』の」「万仏銅殿」や、「菩提頂」などを、見て回った。
   
3).『竹林寺』へ

  昼食後、『龍泉寺』の北西方約5㎞離れた山間にある『竹林寺』に向かった。唐の代宗の大暦年間(766‐779年)に建てられた古刹である。840年代に、この地を訪れた慈覚大師「円仁」さんの『入唐求法巡礼行記』によると、唐代の『竹林寺』の規模は、6つの寺院を擁する浄土宗の道場であった。生憎と、『竹林寺』では大規模な工事が始まっており、境内全体は雑然としていた。「大雄宝殿」の前で、「日本天台入唐求法沙門円仁慈覚大師御研鑽之霊跡」の石碑を見つけた。その近くにある、些か草臥れた「慈覚大師堂」に入ると、そこには、円仁さんの関係資料が、置かれていた。 

4).『清涼寺』へ

  『清涼寺』は、五台山の西入り口付近に、谷を覗くような崖っ縁に、しがみ付くよう建っていた。境内では、大規模な建築工事が進められていた。
  平服だが、恐らく住職であろうか、中年の僧が、近づいて来て、この寺の話を、語り始めた。一緒に、打ち捨てられた瓦礫を踏みながら、裏山を登って行くと、木々の間に古そうな石碑があった。歴史上では、「順治帝」の死により、息子「康熙帝」が皇位を継いだ事になっているが、「順治帝」は、皇位を捨て、出家し、この地で亡くなったと、そこには書いてあるとの説明であったが、石碑は、風化しており、文字はまったく読めなかった。
  寺の小さな庭に、大きな「清涼石」が、置かれていた。この石の上に登れば、何事も成就するというご利益があると聞き、岩の上に這い上がり、立ち上がって辺りを見渡した。柳絮が谷底から湧き上がるように広がり、やがて晩春の神秘が辺り一面を覆う、不思議な情景へと変わって行った。      
  
5). 旅の終わりに

  その日は、「太原」に泊まった。街の、どこからでも見える「双塔」が気になり、まずは、その寺へ向かった。駅の南東近くにある『双塔寺』(原名:永祚寺)境内に、「双塔」があった。「双塔」の四隅にぶら下がっている風鐸の音を聞きながら、今が盛りの牡丹の花の咲く境内の散策を、僕は、楽しんでいた。(完)


* Coordinator: Gu Hong






同行者
一人旅
交通手段
タクシー 徒歩 飛行機
  • 「五台山」遠景①

    「五台山」遠景①

  • 「五台山」遠景②

    「五台山」遠景②

  • 「五台山」遠景③

    「五台山」遠景③

  • 五台山『竹林寺』内にある『慈覚大使堂』

    五台山『竹林寺』内にある『慈覚大使堂』

  • 『五台山清涼寺』の裏山にある、清朝の『順冶帝』(康熙帝の父)の恋物語?を記録した石碑、但し文字はすべて消えていたのだが。

    『五台山清涼寺』の裏山にある、清朝の『順冶帝』(康熙帝の父)の恋物語?を記録した石碑、但し文字はすべて消えていたのだが。

  • 太原:『双塔寺』(永祚寺)<br />

    太原:『双塔寺』(永祚寺)

  • 浄土宗本山の『玄中寺』の入り口にある説明書き

    浄土宗本山の『玄中寺』の入り口にある説明書き

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