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6月のとある週末の日曜日、ケララ州コーチン(コチ)を訪れた。コーチンなどと言うと、「名古屋コーチン」を思い出してしまうが、こちらは中国産の「バフコーチン」という名前の鶏と、地鶏を交配させて作られた品種につけられた名前だそうで、全く関係がない。<br /><br />インドでは基本的に土曜出勤で、バンガロール長期出張の間に日帰りで訪れることのできる町はほとんど巡ってしまった。ゴアのように世界遺産に登録されているわけではないが、ガイドブックによるとコーチンもポルトガル、オランダ、イギリスの植民地時代の街並みが残っている。この日曜日は疲労もたまっていたが、職場のインド人が盛んにこの町を褒めるため、あまり期待はしていなかったが、前日に早朝5:45発のキングフィッシャー航空のプロペラ機を予約した。<br /><br />コーチン国際空港!のタクシーカウンターではタクシーのハイヤーはできないと言われて、720ルピー(1ルピー=約2円)の町中までの片道のプリペイドチケットを購入した。しかし運転手と直接交渉すると1000ルピーの追加料金で3時まで借り切ることができると言う。全くいい加減なシステムである。まあ信用できそうな運転手だったのでOKとした。<br /><br />コーチンはインド南部のケーララ州最大の都市で人口160万人、と言うから驚かされる。南インドでも重要な貿易港を有する大都市なのだ。世界で最も美しい場所の一つにナショナルジオグラフィック協会から選ばれたことがある、人気の町なのだ。8月過ぎのシーズンには欧米から観光客が集まって来るそうだが、6月のこの日は閑散期とみえてどこもがらんとしていた。能との共通性が指摘される有名なパントマイム「カターカリ・ダンス」もここコーチンが中心地で劇場が多くある。いずれも夕方の上演なので、見ることはできなかったが。<br /><br />紀元前3世紀頃からこの地ではすでに交易が盛んで、エジプト、フェニキア、中国、バビロニアなどの地方からの人々でにぎわいを見せていた。その後、大航海時代の1498年にポルトガル人が訪れ上陸し、拠点を築いた。その後続いてオランダ、イギリス、フランスからも相次いで上陸し、象牙、チーク材、香辛料などを求めてヨーロッパ人の交易が開始され、植民地として繁栄した。<br /><br />コーチンにはポルトガル人が建てた3つの重要な教会がある。1524年にヴァスコ・ダ・ガマがこの地で亡くなって、埋葬された聖フランシス教会、そすぐ南にあるサンタ・クルス聖堂、そしてダッチ・パレスの近くにある聖マリア教会、いずれもマカオやゴアの教会と同じ様式のポルトガルのスタイルである。しかし、1663年にオランダが支配するようになって、この教会もカトリックからプロテスタントに変わった。ここで亡くなったオランダ人たちの墓地もこの聖フランシス教会の近くにある。<br /><br />南に突き出した半島の南端の聖フランシス教会に近くで、いわゆるチャイニーズ・フィッシング・ネットによる独特の漁法による漁業が営まれている。満潮になると集まってくる魚をこの網ですくい上げる単純な、昔ながらの漁法である。この周辺には新鮮な魚を売るテントが並んでいて、近くで料理もしてくれると言う。<br /><br />半島の東側へ行くと、ダッチ・パレスとシナゴーグが隣接する観光スポットがある。前者は文字通りオランダ人の総督がポルトガル人の建てた豪邸を総督邸として使っていた建物である。今は博物館となっている。シナゴーグについては、故国を追われたユダヤ人が、この地区に流れ着いて、イスラエル建国まで香辛料などの国際貿易拠点として活躍していた、と言う興味深い歴史の名残りである。イスラエルが建国された1948年以降ほとんどのユダヤ人は故国へ戻って、この地区に住むユダヤ人は数家族のみであるそうだ。<br /><br />橋を2回渡って東へ向かうと、本土側に市の中心部、エルナクラム・ジャンクション駅がある。駅前の近くには例に漏れずMG(マハトマ・ガンディー)通りがあり、商店街を形成する。ランチは名門ホテルのグランドホテルでシーフードのスープなどをたのんだ。辛すぎずなかなかおいしい。ここから海岸は近く、メイン・ジェティーから多くのボートが発着する。ボートがこの町の市民の重要な足になっているのだ。<br /><br />鉄道駅には長距離列車が乗入れており、マンガロールからコーチンを経由し、アレッピーまで走る、20両ほどを連結した長大な列車がちょうど到着した。バンガロールやチェンナイなど大都市を繋いでいる。また、この町の空港は国際空港であり、スリランカなどの国際便が乗り入れる。小ぶりではあるが、リゾート地らしく快適なソファがある気持ちのよい空港だ。<br />

コーチン日帰りの旅:南インド独特の文化と植民地文化が融合した不思議な町(改訂版)

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2011/06/19 - 2011/06/20

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ハンク

ハンクさん

6月のとある週末の日曜日、ケララ州コーチン(コチ)を訪れた。コーチンなどと言うと、「名古屋コーチン」を思い出してしまうが、こちらは中国産の「バフコーチン」という名前の鶏と、地鶏を交配させて作られた品種につけられた名前だそうで、全く関係がない。

インドでは基本的に土曜出勤で、バンガロール長期出張の間に日帰りで訪れることのできる町はほとんど巡ってしまった。ゴアのように世界遺産に登録されているわけではないが、ガイドブックによるとコーチンもポルトガル、オランダ、イギリスの植民地時代の街並みが残っている。この日曜日は疲労もたまっていたが、職場のインド人が盛んにこの町を褒めるため、あまり期待はしていなかったが、前日に早朝5:45発のキングフィッシャー航空のプロペラ機を予約した。

コーチン国際空港!のタクシーカウンターではタクシーのハイヤーはできないと言われて、720ルピー(1ルピー=約2円)の町中までの片道のプリペイドチケットを購入した。しかし運転手と直接交渉すると1000ルピーの追加料金で3時まで借り切ることができると言う。全くいい加減なシステムである。まあ信用できそうな運転手だったのでOKとした。

コーチンはインド南部のケーララ州最大の都市で人口160万人、と言うから驚かされる。南インドでも重要な貿易港を有する大都市なのだ。世界で最も美しい場所の一つにナショナルジオグラフィック協会から選ばれたことがある、人気の町なのだ。8月過ぎのシーズンには欧米から観光客が集まって来るそうだが、6月のこの日は閑散期とみえてどこもがらんとしていた。能との共通性が指摘される有名なパントマイム「カターカリ・ダンス」もここコーチンが中心地で劇場が多くある。いずれも夕方の上演なので、見ることはできなかったが。

紀元前3世紀頃からこの地ではすでに交易が盛んで、エジプト、フェニキア、中国、バビロニアなどの地方からの人々でにぎわいを見せていた。その後、大航海時代の1498年にポルトガル人が訪れ上陸し、拠点を築いた。その後続いてオランダ、イギリス、フランスからも相次いで上陸し、象牙、チーク材、香辛料などを求めてヨーロッパ人の交易が開始され、植民地として繁栄した。

コーチンにはポルトガル人が建てた3つの重要な教会がある。1524年にヴァスコ・ダ・ガマがこの地で亡くなって、埋葬された聖フランシス教会、そすぐ南にあるサンタ・クルス聖堂、そしてダッチ・パレスの近くにある聖マリア教会、いずれもマカオやゴアの教会と同じ様式のポルトガルのスタイルである。しかし、1663年にオランダが支配するようになって、この教会もカトリックからプロテスタントに変わった。ここで亡くなったオランダ人たちの墓地もこの聖フランシス教会の近くにある。

南に突き出した半島の南端の聖フランシス教会に近くで、いわゆるチャイニーズ・フィッシング・ネットによる独特の漁法による漁業が営まれている。満潮になると集まってくる魚をこの網ですくい上げる単純な、昔ながらの漁法である。この周辺には新鮮な魚を売るテントが並んでいて、近くで料理もしてくれると言う。

半島の東側へ行くと、ダッチ・パレスとシナゴーグが隣接する観光スポットがある。前者は文字通りオランダ人の総督がポルトガル人の建てた豪邸を総督邸として使っていた建物である。今は博物館となっている。シナゴーグについては、故国を追われたユダヤ人が、この地区に流れ着いて、イスラエル建国まで香辛料などの国際貿易拠点として活躍していた、と言う興味深い歴史の名残りである。イスラエルが建国された1948年以降ほとんどのユダヤ人は故国へ戻って、この地区に住むユダヤ人は数家族のみであるそうだ。

橋を2回渡って東へ向かうと、本土側に市の中心部、エルナクラム・ジャンクション駅がある。駅前の近くには例に漏れずMG(マハトマ・ガンディー)通りがあり、商店街を形成する。ランチは名門ホテルのグランドホテルでシーフードのスープなどをたのんだ。辛すぎずなかなかおいしい。ここから海岸は近く、メイン・ジェティーから多くのボートが発着する。ボートがこの町の市民の重要な足になっているのだ。

鉄道駅には長距離列車が乗入れており、マンガロールからコーチンを経由し、アレッピーまで走る、20両ほどを連結した長大な列車がちょうど到着した。バンガロールやチェンナイなど大都市を繋いでいる。また、この町の空港は国際空港であり、スリランカなどの国際便が乗り入れる。小ぶりではあるが、リゾート地らしく快適なソファがある気持ちのよい空港だ。

旅行の満足度
3.5
観光
3.5
グルメ
4.0
ショッピング
3.5
交通
3.0
同行者
一人旅
一人あたり費用
3万円 - 5万円
交通手段
タクシー 飛行機
旅行の手配内容
個別手配
  • 聖フランシス教会、ヴァスコ・ダ・ガマの墓がある

    聖フランシス教会、ヴァスコ・ダ・ガマの墓がある

  • 聖フランシス教会の内部、日曜日のミサの最中であった

    聖フランシス教会の内部、日曜日のミサの最中であった

  • オランダ人墓地、聖フランシス教会の近くにある

    オランダ人墓地、聖フランシス教会の近くにある

  • サンタ・クルス聖堂、16世紀に建てられたが、今世紀初めに再建された

    イチオシ

    サンタ・クルス聖堂、16世紀に建てられたが、今世紀初めに再建された

  • サンタ・クルス聖堂横の礼拝堂

    サンタ・クルス聖堂横の礼拝堂

  • サンタ・クルス聖堂の内部、こちらも日曜日のミサの最中である

    サンタ・クルス聖堂の内部、こちらも日曜日のミサの最中である

  • 聖マリア教会、半島の東側にある

    聖マリア教会、半島の東側にある

  • 聖マリア教会、キリスト教会だが、祭壇などはヒンドゥー教会の影響を受けている

    聖マリア教会、キリスト教会だが、祭壇などはヒンドゥー教会の影響を受けている

  • チャイニーズ・フィッシング・ネット

    チャイニーズ・フィッシング・ネット

  • チャイニーズ・フィッシング・ネット

    チャイニーズ・フィッシング・ネット

  • チャイニーズ・フィッシング・ネット近くで売られる新鮮な魚

    チャイニーズ・フィッシング・ネット近くで売られる新鮮な魚

  • チャイニーズ・フィッシング・ネットの近くのオールド・ハーバー・ホテル、魚を料理してくれる<br />

    チャイニーズ・フィッシング・ネットの近くのオールド・ハーバー・ホテル、魚を料理してくれる

  • オールド・ハーバー・ホテルのパティオ

    オールド・ハーバー・ホテルのパティオ

  • チャイニーズ・フィッシング・ネットに近いジェティーを出発するボート

    チャイニーズ・フィッシング・ネットに近いジェティーを出発するボート

  • チャイニーズ・フィッシング・ネットに近いカターカリ劇場のポスター、カターカリダンスは能との共通性も指摘される

    チャイニーズ・フィッシング・ネットに近いカターカリ劇場のポスター、カターカリダンスは能との共通性も指摘される

  • チャイニーズ・フィッシング・ネットに近いカターカリ劇場のポスター

    チャイニーズ・フィッシング・ネットに近いカターカリ劇場のポスター

  • カターカリ劇場のファサード

    カターカリ劇場のファサード

  • この近くはスパイスを売る店が並ぶ

    この近くはスパイスを売る店が並ぶ

  • ダッチ・パレスの入り口の門

    ダッチ・パレスの入り口の門

  • ダッチ・パレスの入り口

    ダッチ・パレスの入り口

  • ダッチ・パレスからシナゴーグが見える

    ダッチ・パレスからシナゴーグが見える

  • シナゴーグの入り口

    シナゴーグの入り口

  • シナゴーグ近くのアンティークショップ

    シナゴーグ近くのアンティークショップ

  • エルナクラム・ジャンクション駅

    エルナクラム・ジャンクション駅

  • マンガロールから到着したアレッピー行きの列車、長い!

    マンガロールから到着したアレッピー行きの列車、長い!

  • 駅前に近いメインストリート「MGロード」

    駅前に近いメインストリート「MGロード」

  • メイン・ジェティーの建物、多くのボートが発着する

    メイン・ジェティーの建物、多くのボートが発着する

  • コーチン国際空港のファサード

    コーチン国際空港のファサード

  • コーチン国際空港国内線の待合室

    コーチン国際空港国内線の待合室

  • キングフィッシャー航空のプロペラ機

    キングフィッシャー航空のプロペラ機

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