1995/08/25 - 1995/08/28
17位(同エリア43件中)
北風さん
メティちゃんとの熱帯夜を経験した後、彼女の友達(別名、除霊仲間=クリーニング・メイト?)との楽しいパーティーやら、フィヨルドへのピクニックやらで、時間はあっという間に過ぎっていった。
あの妖しい唇から「ここにいればいいじゃない」とささやかれると、「このままバナナの葉のプレイに慣れてしまえば・・・」などど心も揺らぐ。
が、しかし、ヨーロッパの夏は短く、この先進国に長期滞在する事は財布の中身の寿命は更に短くなる事を意味した。
「後ろ髪を引かれる〜」とはこの事だろうか?
ストックホルム駅のホームに立つメティが小さくなる。
列車は、スカンジナビア最北端駅、いや欧州最北端駅へ向かって発車した。
- 旅行の満足度
- 2.5
- 観光
- 2.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス
-
NARVIK(ナルヴイーク)駅に到着した。
・・・「ひゅるりーひゅりりーららー」とBGMが聞こえそうな程、閑散としている。
しかも、夏とはいえこの寒さと雨が更に寂しさに拍車をかける。
北海道の宗谷岬なら「日本最北端!」と刻まれた立派な石碑だってあったのに!
この欧州最北端駅には、「サインボード」どころか人っ子一人にない。
・・・まさか無人駅? -
ガイドブック片手にどうにか記念碑らしき物を見つけた!
「ここから一番遠い所でベオグラード?」らしい。(ハンガリー?)
さすがに北欧の田舎までには、日本人の突端制覇欲は知られなかったらしい。
(オーストラリアなら、この手のサインボードには「TOKYO」までの距離がかなりの確率で登場したのに・・・)
とりあえず、記念撮影を完了した時点で、俺の日本人DNAは満足したらしい。
宿を探そうと思う。
こんな吐く息が白く霞む街で、野宿は不可能だ。 -
街中に入っても、いっこうに観光地の様なきらびやかさを見つける事はできなかった。
ただ、小さなコンビニの様な店頭に飾られているマスコットは・・・
これは、ノルウェーの妖精「トロール」では?
(晩年のお茶の水博士と言っても通用するけど・・・) -
とりあえず、何かしら空腹を満たす物を探しに、お茶の水博士のコンビニに足を踏み込んでみた。
一昔前の日本の駄菓子屋に毛が生えた様なコンビニには、日本の様なパン・コーナーや暖かい缶コーヒーなどあるわけもなく、もう少しで博物館行きになりそうなカビカビの黒パンと、きな臭い匂いの出がらしのコーヒー以外には、ホコリだらけの絵はがきが並んでいただけだった。
ガイドブックでは、スカンジナビアの白夜の季節は、6月頃がピークと書いてある。つまり、既に8月を迎える現在は、この絵はがきの様に、地平線に沈まずに急カーブで浮上する太陽はお目にかかれない。
・・・それはわかっているのだけど・・・
急カーブじゃなくても、本当に太陽は昇っているんだろうか?
辛気くさいこの建物からも出たくなくなる様な、このどんよりとした曇り空とキリキリ突き刺さる外気温は、蒸し暑い東洋の島国の旅人にも、日差しの暖かさを貴重品とするこの半島の人々の気持ちを深く理解させてくれる。 -
旅日記
『ノルウェーのユースホステルの寒さ』
とても夏とは思えない冷たい雨と海風の中、地図の示すままに街はずれまで歩いてきた。
先日、スウェーデンのメティのアパートでの夢の様なおもなしが、今は遠い出来事に思える。(浦島太郎もこんな気持ちだったのだろうか?)
疲労と寒さに打ちのめされてたどり着いた場所は、村の集会所を3つ程増築した様な質素な平屋。
ガイドブックには、ここが、この街で一番安い宿のユースホステルの場所になっている。
半信半疑、ドアを開けると、受付らしき所で妖精トロール似のおじいちゃんが、「ドミトリーUS$38」と、ぶっきらぼうに言い放った!
・・・「US$38?」
・・・2段ベッドを3セットも詰め込んでいるタコ部屋が一泊4000円?
挨拶代わりの言葉にしては、外気温に負けないぐらいのあまりにも冷たい現実をつきつけられた気がする。
その日本並みかそれ以上のプライスは、暖房費がかかっているから?
それにしては、おじいちゃんのセーター2枚に分厚いダウンの白熊並みの完全武装は何故?
俺のため息が白く立ち上るこの室内温度のどこに暖房費がかけられているのだろうか?
「まぁ、寝るとこさえ暖かければ・・・」と、ドミトリーのドアを開けると、トロールじいちゃんと同じぐらい完全武装した黒人ツーリストが、寝袋の中から迎えてくれた。
「とりあえず、あっついシャワーを浴びて身体を温めて・・・」と、シャワールームに行くと・・・
シャワーのお湯が出ない!
裸でガタガタと震える中、辺りを見回すと、ドアの所に「25クローネ(500円)」と書かれたコイン挿入口が!
・・・寒い!あまりにも寒い現実だった。 -
次の日、何のためらいも無く、オスロ行きの列車に飛び乗った。
ナルヴィーク駅が欧州最北端駅という事は、ノルウェーでも最北端駅という事になる。
そして、目指す首都「オスロ」は、ノルウェーの南端に位置する。
つまり、現在俺はこの国を縦断しようとしているわけだ。
車窓からは、おとぎの国の光景の様なフィヨルドが現れては過ぎ去っていく。
ポカポカと暖房の効いた文明の利器から見る限りは、この国の自然はため息が出る程美しい!
生身で立ち向かうと、ため息が出る程過酷だが・・・ -
<オスロのムンク美術館にて>
オスロに到着して、真っ先に向かったのは、この「叫び」が見たかったから。 -
もはや、一般教養の範疇とも言える エドヴァルド・ムンクの「叫び」。
見ているだけで、ネガティブに向かいそうな色使いや奇妙に歪む対象物。
今まで、これは、「井出らっきょう」似の男がベランダから叫んでるポーズだと思っていたのだが・・・
実際は、フィヨルドの厳しい自然から聞こえてくる「叫び」に耐えかねて、耳を押さえているポーズだったらしい。
わかる!
痛いぐらい分かる!
つい最近、厳しい自然に耐えて飛び込んだ安宿で、これと同じポーズで固まった俺には! -
「叫び」に並んで、ムンクの代表作である「マドンナ」
この絵を見て、ピカソみたいな抽象画家と思っていたムンクのイメージが変わった。
「匂うような〜」「妖艶な〜」という言葉で説明されていた。 -
ムンクの自画像?
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この旅行記へのコメント (1)
-
- NAOKIさん 2012/03/29 13:54:02
- こんにちは
- 北風さん
ほんと写真が厳選されてて
すごく感動しました。
ノルウェーの自然の素晴らしさに恐れ入りました。
NAOKI
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