1995/08/15 - 1995/08/23
1095位(同エリア1990件中)
北風さん
FINLAND(フィンランド)を出発した豪華フェリーは、とても大海を漕ぎ進んでいるとは思えない程の安定性と、とてもフェリーの中とは思えない様な喧噪を連れて夜を明かした。
あまりの豪華さにウロウロ、キョロキョロしていたのがそもそも間違いだったに違いない。
気がつけば自分のスペースが無かった!
(一番安い船室は雑魚寝と知った時は後の祭りだった)
仕方なく一晩中、船の中のボーリング場の横のベンチで、ボーリングのゴロゴロと言う振動と、子供達のはしゃぐ声(さすが、バイキングの子孫だけあって、眠る事も休む事も知らずにタフに走り回っている)にうなされて過ごすはめになった。
そして、朝が来た。
スウェーデンのストックホルムが朝もやの向こうに浮かび上がる!
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 船
-
超巨大なフェリーが横付けする近代的な港から少し歩くと、アムステルダムの様な運河?の様な複雑な港が絡み合っていた。
しかし、あのアムスの様な混沌とした怪しい空気とは違い、ゆったりした雰囲気が漂っている。
とても極感の冬を持つ国の港には見えない。 -
ロシアのサンクトペテルブルグに戻ってきた様な重厚な石作りの建物が並ぶ。
-
道すがら、何気に工事現場を覗くと・・・
こういうオブジェが、ふとした街角に設けられている。
こんなシャレたセンスが北欧だなぁ。 -
どうやら、今日はサマー・フェスタらしく、街の広場?は人、人、人!
-
旅行中、ヨーロッパ系の男達に「ヨーロッパで一番美人が多い国は?どの国の彼女が欲しいんだ?」と尋ねると、かなりの確率で「スウェーデン!」との答えが返ってきた。
確かに女性は、金髪で青い瞳の美人が粒ぞろいだけど、・・・
黒人男性が妙に多くないだろうか?
スウェーデンは移民を積極的に受け入れてきた国とは聞いていたけど・・・ -
旅日記
『スウェーデンの彼女へ』
俺は、駅前の公衆電話BOXの中でドキドキしていた。
握りしめたしわくちゃのメモの切れ端の上では「メティ」ちゃんの電話番号が震えている。
北欧特有のちょっとお疲れ気味の日差しに鈍く光るボタンの上で、たどたどしく指が滑っていくのがスローモーションの様に見えた。
受話器の奥で聞いた事もない様な電子音が鳴り続く間、記憶は10ヶ月前のインドに飛んでいた。
インドのバラナシ。
迷路の様な路地裏。
初めて出会った彼女からの第一声は・・・
「ここ、どこ?」
一日に何10回も迷子になるあの街では、ツーリストの合言葉になりそうな決まり文句だったけど、霞む記憶の中であの赤い唇だけが妙に鮮明に浮かんでくる。
永遠とも思える電子音がプツッと途切れた。
電話口で聞き覚えのある声が、聞いた事もない言葉で話しかけてきた。
(スウェーデン語?)
彼女が不審がって電話をきらないうちに、何度も練習した言葉を、早口で、たたみかける様に解き放つ。
「メティ、会いにきたんだ!・・・インドから・・・歩いて!」 -
旅日記
『白夜の休息』
夜9時、北欧の太陽は沈まない。
水平線ぐらいまで落ちかかっているくせに、横綱の粘り腰みたいに土俵際で踏ん張っている。
(日中の日差しの弱さは、この途方もない残業時間の為の体力温存だったのだろうか?)
真横から飛び込んでくる淡い夕日?を、アンティーク家具の重厚なニスの輝きが照り返しているこの光景の中、
このまま北欧家具のカタログにでも出てきそうなこの部屋の中、
ドでかいふかふかソファの中に半分埋まりながら、愛用のボコボコ凹んだマグカップでインドネシアン・コーヒーをすすっている小汚い東洋人は、
・・・俺だった。
そう、ここで、この様にくつろいでいるという事は、俺はメティの家に招待された事を意味する。
(転がりこんだとも言えるが・・・)
キッチンから聞こえるメティの鼻歌に合わせて、目の前に飾られているポスターの中のメティが、きらびやかな民族衣装をまとってバリダンスのステップを踏んでいた。
「私、インドネシアの民族舞踊「バリ・ダンス」のダンサーとして、スウェーデンに住んでいるの」
インドで一緒に旅行を始めた当初に聞いたその言葉は、確かに覚えていたけど・・・
駅前に迎えにきた真っ赤なアルファロメオから懐かしい顔が現れるまでは、彼女の経済力を想像した事もなかった。
メティは、スウェーデンで自分の教室を持つぐらい成功したインドネシア人・バリダンサー(現在はダンスの先生)だったらしい。 -
旅日記
『スカンジナビアの熱帯夜』
メティのアパートに招待されて2日目の夜だった。
いつもながら北欧風とインドネシア流の豪華チャンポン料理を2人で平らげた後、メティが少しうつむき加減に話しだした。
「今夜お風呂に入った後、ベッドルームで横になっていて、Tシャツは脱いでてね!」
・・・こ・・れ・・は・・・
日本男児として恥ずかしくない様に、いつもの倍ぐらいに身体をこすって、一番きれいなパンツをはいて、フカフカのベッドにダイビングしたのが10分前だった。
「ドクン、ドクン、ドクン」
自分の心臓の音がカウントダウンを告げる。
これだけ旅して、海外での異種格闘技戦が初めてとは言わない。
いや、むしろ、日本人はモテる!
世界No.1の人気度を誇る日本女性に比べて、日本人男性は世界でワースト2位の不人気度を誇るが、それは、外人独特のジョークやワイルド性と同じステージで勝負をしようとするからだ。
白人系、黒人系にはない東洋人の持つ神秘性と、サムライ文化に象徴されるシリアスさを武器にすれば、あとはハイテクで知られる文明レベル、ドラゴンボールで知られる興味津々の文化、この世界中を凌駕する世界の一大メジャー・ブランド「maide in Japan」が、自動的に日本男児の株を上げてくれる。
(そう、短期戦で女性にモテる事は、その国の男以上の力を見せる事ではなく、その国の男とは違う雰囲気を匂わせる事なのだ!)
・・・た、だ、し・・・
トルコで知り合った日本の超有名コンドームの海外出張員の方が言っていた。
「世界で一番大きいサイズのコンドームを一番たくさん売り上げているのは、スウェーデンなんだよ」
・・・俺は東洋人では超えられない壁に挑もうとしているのか?・・・
枕元のドアが開く。
メティの気配が忍び込んできた。
かすかな息使い。
ためらうような足音。
そして、
「ザザザザッ、バサバサ!」
・・・ん?何だ?この乾いた不協和音は?
怪訝に思って飛び起きようとする俺の身体が、彼女の浅黒い指でおさえられる。
・・・ん?白装束?
俺を見下ろす彼女は、金ピカの王冠の様な飾りを髪に編み込み、その身は純白のバティックをまとっていた。
そして、右手には、
・・・ん?それ植物の葉?もしかしてバナナの葉?
状況を整理してみた。
現在俺は、日本を遠く離れたスカンジナビア半島の片隅で、パンツ一枚でベッドに寝転がり、50cm程のドでかいバナナの葉を握りしめた白装束姿のインドネシアンダンサーに見下ろされているらしい。
メティが子供に話しかける様に優しく話しだした。
「私のおばあちゃんはトラジャ族のシャーマンだったの。私も子供の頃から、悪魔払いの儀式は一通り習っているわ。あなたぐらいに旅をすれば、いろんな霊が移る危険も多いのよ。
だから、今からあなたの除霊をしてあげる。心配しないで、今までもこの街の友人を何人もクリーニングしているから」
・・・えっ?トラジャ族?確かスラベシ島の幻の首狩り族だったんじゃ?
・・・えっ?除霊?クリーニング?確かに5分前までは120%煩悩に満ち溢れてはいたけど、、
あまりの急展開に言葉が出なかったけど、「うおっ!」と悲鳴は出た。
メティが何の前触れもなく、俺の裸の腹にバナナの葉を叩きつける!
あの印象的な赤い唇から、今奏でられるのは、怪しげな呪文の数々。
・・・これって、実は高度なプレイ?
などと、たわけた想いが浮かんだのも最初のうちだった。
「バサバサッ、ビシッ!」
「うおっ!」
「ザザザッ!バシッ!」
「ヒッ!」
どれぐらいでこの儀式は終わるんだろう?
俺は現在、アルマジロの様に丸くなっている。
もう一回、バナナの葉の茎の部分で股間を叩かれたら、除霊以前に自分の魂自体が身体から出て行く気がする。
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