2011/02/19 - 2011/02/22
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Emilieさん
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毎回自発的に計画する旅には、必ずなんらかのコンセプトがあって、それをどこまで謳歌できるかが、私流の旅の醍醐味だったりする。もちろん「何もしない」という、回遊魚系の私には殺人的に苦痛なテーマで、あえて島で時計をせずに数日間、殆ど何もせずに過ごしたこともありますが(笑)
それだけに、人まかせで連れて行かれる旅には一切興味がなく、おのずと個人手配の旅になることがほとんど。
そんな中、今回はめずらしく受動的なお膳立てをして頂いた旅に「参加」させていただいたのだが、これがとても新鮮な衝撃を沢山いただくことができたんですお腹と心と、私のまだまだ旺盛な「知りたい症候群」がついに再発しちゃったほど内容の濃い、あるいは私は食の好き嫌いが多いがゆえに、これまであまり接点を持ち得なかった「食」の世界にどっぷりと触れる機会をいただけたというわけです
稲村ヶ崎で精進料理を教えていただいているM先生の韓国でのワークショップ参加や、M先生のお知り合いで、M先生同様に韓国内外でもご活躍の尼僧さんから直接古き韓国食文化を実践的に学び・味わうという、コレまでの私の旅のコンセプトやタイトルには、なりえなかったテーマだった。
(私は肉がキライで、マクロビオテイックや精進料理を取り入れてますが、無宗教です。単に菜食メイン&魚介類、或いはラクトベジな食性が趣向なので残さず食べるためにはこうした食のスタイルが本能的にも体質的にも合っているんでしょうねっ♪)
韓国の三醤(カンジャン&テンジャン&コチュジャン⇔3つのジャン)を伝統的に仕込みをする日が大切に守られていてその当日にあたる2/20に、はるばるソウルから車で2時間の郊外の山の中(北東部、陽平郡)へ向かいました。
この「味噌作り」は、いまでも年配者や、自然食を大切にする人々にはとても大切な日として扱われ、この味噌作りの「つくる」という言葉は一般に使われる「つくる」という言葉とは別に、特殊な限定用語であらわすんだそうです。
テンジャンは、大豆をゆでて臼ですりつぶし、豆の形が残るくらい粗めのペースト状にする。これを一定の大きさに固めたものをメジュという。メジュはテンジャンのほか、カンジャン(醤油)、コチュジャンなど大豆発酵食品のもとになる。 (ちなみに、カンジャンはテンジャンを仕込んでしばらくして、表面にできる上澄み液を別の瓶に移して保存します)
韓国で「ブス」のコトを“メジュ”というそうで、日本でいうこの四角くしたレンガブロックのような味噌玉は、上手く均等な分量・形にいくつもつくるのがコツだそうで、ゆがんだメジュは、「よくないもの」=「ブサイク」という意図があり、ここからこのブスの由来となってきているんだって。通訳をしてくれたソンミちゃんが話してくれました。
メジュは日の当たるオンドルパン(オンドル部屋)のような暖かい部屋に置いてカビが生えるまで待ち、藁でくくって冬の間部屋に吊り下げ、枯草菌(Bacillus subtillis、納豆菌などの仲間)による発酵が進むようにする。この間、枯草菌は大豆のタンパク質と水分を消費して増殖し、発酵が終わると胞子や内性胞子を生じる。発酵が進んでいる間は不快なアンモニア臭がすることもある。メジュは発酵を促進するため、暖かく、湿気や換気の調整された場所に置く必要がある。
↑↑
ココが、まず日本とは全く正反対なのでびっくりしました。
だって日本で作る味噌は、暗くて、風通しのよい、北側の日陰に置くようにと教えてもらって寒仕込みにしますので、日に当てて暖かい部屋で発酵させるなんて全くの正反対と言うワケですから
今回は、テンジャン・カンジャン・コチュジャンの基本3醤を使った韓国のお寺料理を昼食夕食とご馳走になり、日中はこのメジュを1週間天日で寝かせた海水に浸して、唐辛子、なつめを浮かして最後に焼いた炭をジューっといれて、ふたをして寝かせる。
本来、天然のカンジャンはこのように大豆と海水のみから作られますが(今回はその伝統的な製法を体験しました)、現代の工場等では小麦粉や麹、カタクチイワシをいれて、風味や発酵を促進させるのだそうです。
なので、今回指を浸して味見させていただいた瓶の中のカンジャンは、10年モノなどになると数万円から数十万円するそうです!!後で知ってびっくりでした(まるでワインのよう)
(カンジャンを何度も何度も取り出してカンジャンが熟成をすすめていった10年ものの瓶を覗かせていただきましたが、風化した植木鉢の乾燥した土にしか見えませんでした)
※イメージとしては、日本でも味噌をつくると、押しをすることで上澄みに浮いてくるのが「たまり醤油」なんだけど、コレに該当するのがテンジャン。
こんなHPもみつけました。観光客向けに醤作りが体験できるらしいです!
http://www.konest.com/data/spot_event_detail.html?no=2647
今回は、M先生をはじめ、同室だった福島テレビのS先生や、Hさん、韓国茶の専門家をお父さんにお持ちのSちゃん。ほかにもいろんなM先生を介してお顔見知りになった皆さんには大変にお世話になりました。
この場を借りて感謝の気持ちもちょっとだけ掲載させていただこうっと!!
(...といってもS先生とはFaxでの通信手段なので、この日記はご覧にならないけれど)
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 2.0
- 同行者
- その他
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 鉄道 タクシー
- 航空会社
- アシアナ航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
ソウル郊外、車で2時間ほどの北東山間部にある楊平郡へ。
途中道路を併走する川はネヴァ河(ロシア)のように凍っていました。ひっそりとした人里はなれた山の中、ここは韓国の古式料理の第一人者でいらっしゃる善財尼僧さまの研究所にお邪魔しました。
ふと、背後を振り返ると、山並みが眼下に見え、ちょうど熊野の奥社とよばれる奈良の山深く、玉置山の山頂から見た熊野の山並みのようにも思えました。静寂の中に、一切の人工的な音もなく、ただ香ばしいメジュ(味噌)や醤(ジャン)の香りが漂います。 -
塩庫を併設する玄関までの石室を抜けて、善財尼僧の研究所にお邪魔させていただきます!!!
この日は、韓国では古式料理でも著名な尼僧さまの雑誌の取材で記者やカメラマンも来ていましたっけ。 -
ここでの韓国精進料理を学んで、ランチのあとは、2月20日の「醤づくり」の日と今でも高齢者や、古来自然食を大切に守っている韓国の方々からはこの日は「醤(ジャン=味噌)づくり」の大事な日として、あがめられているのだと伺いました。そのためこの日の味噌作りの「作る」という言葉は、特別な韓国語の「作る」を意味する言葉で表すのだそうです。あとで、この瓶の中の10年もののジャンなど、テイステイングさせていただきました。古いものほど高価で貴重という、ちょうどワインのようですね〜。
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いわゆる味噌玉、ですね。醤(ジャン)の元となるものでメジュといいます。
韓国でブスのことを「メジュ」というらしいのですが、メジュはこの画像のように均一な形と分量でキレイに仕上げるのがコツだそうで、ゆがんでしまったものはよくないもの=ブサイクなもの、とされるためそこから「ブス」という隠語になったらしいですね。
驚いたのは、こうして明るい日差しの中、しかも暖かいオンドルの部屋などで発酵を促すという点。
日本の寒仕込みでは、私は「冷暗所で風通しのよい涼しい場所」で発酵しすぎないように、とよく注意を受けたものです。
ですが、ここ韓国では間逆なんですよね。。。 -
韓国らしく、唐辛子やかぼちゃの種、他には「トラジ(桔梗)」などが干してありました。相棒のMieもすまし顔で写っています^^;
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しばらく館内見学をさせていただいたあと、善財尼僧さまがじきじきにお茶を煎れてくださいました。
韓国茶は、出がらし???と思うくらいに薄いお味なので、2煎じ目が一番美味しく感じました(が、それでも私には薄すぎて美味しいとはお世辞にも感じませんでした。本当はとても良いお茶だそうなんですけどね) -
自然木の風合いそのままのトレー(というのでしょうか?)、私も欲しくなりました。おもてなしのときによいですよね♪
一つ一つ違うお花が飾られた茶碗もかわいらしかったです。(洗うのが大変だ、とお弟子さんがこぼしていらっしゃいましたっけ) -
尼僧様の研究所だと、仏教について素人な私にも分る祭壇(?)仏間(?)が奥にありました。
天井につる下げられた蓮の花の飾りには、それぞれ短冊にハングル文字で住所や願い事らしき文言が書かれていました。
日本の「絵馬」とかそれに近いシロモノなのかな〜。 -
いよいよ、厨房へお邪魔して、韓国古来のお寺料理を尼僧さまじきじきから教わります。厨房ではすでに、お弟子さんたちが下準備野に忙しそうに励んでいらっしゃいました。
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左から「コチュジャン(辛味噌)」「カンジャン(味噌)」「テンジャン(醤油)」。
これら3つの醤(ジャン=味噌)が韓国の古来からの料理の基本調味料です。
お邪魔したこの日は、まさに2月20日に合わせて醤の仕込みに合わせて来韓させていただいたので、このあと貴重な古式ののっとった醤仕込みをジックリと見せていただくことになります。 -
雑誌の取材班も同席していたので、なんともにぎやかなイベントになりました。私もNIKONをひっさげて、カメラマンに負けずにカメラウーマン、がんばりました!!!
手前にはなずなや、蕨が見えています。
韓国のお寺料理では、植物の繊維もむやみに切ったりせず、長いまんま(=あるがまま)で調理することがほとんどだそうですね。 -
応量器(おうりょうき)というものだそうです。
日本でも、永平寺のお坊さんとか、お坊さんの食事に使うマイ器のセットがあるようなのですが、韓国ではこんなにたくさんのマトリョーシュカみたいに次から次へと出てくる器が見事に一体となって納まる作りの完成度に、魅了されてしまいました。 -
味付けは、さきほども紹介した3つの醤(ジャン)だけ。
精進料理なので当然お酒も遣いません。他には、さすが韓国だなあと思ったのは、ナムルにもよくエゴマが使われていますが、やはりここでも日本では高価であまり売られていないエゴマ油をわりと使っていらっしゃいましたね〜。
(今日はお客様だからふんだんに使うが、普段はこんなにアブラは使わず、もっと質素だと、おっしゃっていました) -
穀類、豆類、山菜だけのお料理ですが、本当にどれもそれぞれの食材のうま味をよく引き出してあるので、それぞれに本当に美味しくて、ぺロリとたいらげてしまいました。
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福島TVでお料理講座を担当されていらっしゃる、S先生はご自身の裏山で昨年取れた桜の塩漬けを今回善財尼僧さまにお土産にもっていらしていたので、ここでそれをプレゼントされていました。
なので、このあと私たちも日本の桜湯を頂くことになりました♪
日韓の融合の瞬間!? -
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善財尼僧さまは、10年くらいまえに肝臓ガン(肝硬変?どちらか分りかねましたが...)で余命宣告を受けたときから、食養の見直しを本格的に勉強され、古来の寺料理を学ばれ実践されたそうです。
いまでは、当時のそんな死を宣告されたことさえ疑えるほどにお健やかでかつ、御歳には見えないお肌のつやといい、まさに食の大切さをご自身をもって証明されていましたね〜。
(何度もいいますが、私は仏教信者でも仏門を学んでいるわけでもありません。お肉がキライなので、肉を食べないでよい精進料理やマクロビオテイックを取り入れておりますが、実はベジタリアンでもありません^^;)
画像は、数年前に、善財尼僧様が書かれた韓国寺料理本だそうです。ただ、尼様は「自分は料理だけの作り方を伝えたいのではない。だから翻訳などによって他人の解釈が入って、不本意にただ料理の作り方だけを伝える本になることは望まない」として各国からの翻訳以来を受けていないのだとおっしゃっていました。 -
ランチ休憩のあとは、いよいよ本日のメインイベント、いやいや今年の韓国醤仕込みの大切な一日ともいえる、大事な大事な作業を邪魔しないように見学させていただきます。
まずは、古式にのっとって醸造されている完成品の醤を見せていただきました。
10年もののテンジャンなんて、カラカラに乾燥して、失礼ながら植木鉢に入った古びて乾燥した土にしか見えませんでした。(でもそれが100グラム数万円にもなるのだそうですっ!!!!!!!) -
手も洗わず、ガバっとフタをあけて、各自の指でテイステイングしちゃいました。(いえいえ、師もそうしていましたし、そうしなさいと身振りで促されたので)
※但し、別の瓶のテイステイングのときは別の指を使うように、とだけ注意されましたが、なんてアバウトな。。。(笑) -
まず、できあがった昨年までに仕込んだ醤を瓶からあけて、瓶を空にします。
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一端、メジュを縁側にならべおきます。(アフリカあたりの牛の糞でつくった家の壁をつくる土のブロックみたいですよね)
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適当な数のメジュをいれたら、1週間天日でさらした「海水」だけで仕込んでいきます。
こんな山奥に、昔は車なんてない時代は本当に大変な作業だったんでしょうね。。。
日本のように麹をいれたりはしません。 -
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メジュと海水で満たした瓶は、最後に大量の唐辛子とナツメを浮かべて、最後にアツアツに焼き上げた炭をジューっと漬け込んでフタをして、醤はこうして数年間の眠りにつくわけです、はい。
こうした人的労力や長い年月を費やして、じっくりとできあがるものだと知って、このあと頂いたお夕飯は本当に感謝していただくことができましたね!!!!!
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