2005/08/24 - 2005/08/27
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Katsyさん
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かつて唐代の詩人、李白に「蜀道の難きは 青天に上るよりも難し」とその道の難儀さを詩句に謳わせた秦嶺山脈。
中国内陸部の陝西省南部を中心に広がる秘境・秦嶺山脈は、手付かずの自然が残る野生動物たちの楽園でもある。
現在、一帯にはいくつもの国家級自然保護区が点在し、国を挙げて野生動物に対する研究、調査や保護が行われている。
動物園ではダントツ人気のジャイアントパンダ。
日本でも一度は絶滅してしまったトキ。
「西遊記」に登場する孫悟空のモデルとされるキンシコウなど…
国家一級重点保護野生動物に指定されている仲間を始め、様々な種類の動物たちを撮影するために特別に入境許可を得て、いざ秦嶺山脈へ!
NHKの自然ドキュメンタリー番組でも紹介され、動物写真家・岩合光昭氏も訪れた中国陝西省・秦嶺山脈…
秦嶺山脈は世界の生物地理区における東洋区と旧北区の境界に位置するため、見られる動物の種類も豊富と聞いて期待も膨らむ。
果たして動物たちとのどんな出会いが待っていたのか…
この旅行記では、世界で唯一の野生トキ生息地、洋県での撮影模様や街の様子などをお伝えします。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 2.5
- グルメ
- 4.5
- ショッピング
- 1.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 航空会社
- 中国国際航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
旅の基点となる街は陝西省の新興都市・楊凌。
楊凌は、もともとは中華農耕文明の発祥地といわれ、今では農業高新技術産業示範区として農業の技術開発や産業振興による町おこしを図っている。
地図には載っていないが陝西省の省都・西安からは西に約82キロ、車でほぼ1時間ほど。 -
楊凌の街に昇る朝日。
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小生の宿、楊凌国際会展中心酒店の前で朝の体操(太極拳?)に勤しむ街の人々。
さすが中国!朝から皆元気だ。 -
さて、いよいよホテルを出発して野生トキの保護区がある洋県へと向かう。
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楊陵周辺は一面のトウモロコシ畑。
楊凌は秦嶺山脈の北側に位置しているが、秦嶺山脈の北と南では気候が多少異なるようだ。
北側の平野は半乾燥地帯に属するため、小麦やトウモロコシなどの栽培に適している。 -
楊凌周辺を流れる渭河。
この豊かな水量が楊凌周辺の農業を支える。 -
楊凌を出発してほどなく、最初の賑やかな街・周至県に到着。
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ここで、専属ドライバー(右端、横顔)と合流。
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周至県の朝の情景。
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街角には、日本では昔懐かしいオート3輪や3輪トラックも…
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やがて車は山間へと差しかかっていく。
途中、丘の上に見える仙游寺の仏塔。 -
山間を流れる黒河。
洋県は西安や楊凌に対して秦嶺山脈を挟んで南側に位置するため、秦嶺山脈を南北に貫くトンネルを突っ切って一旦南側に出なければならない。 -
小休憩をとるために立ち寄った水苑賓館。
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水苑賓館の敷地内には、黒河の水によって削られた奇岩が展示(?)されている。
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黒河は、西安に飲料水と電力を供給している重要な河川。
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また、黒河には世界的にも大変希少なチュウゴクオオサンショウウオも生息している。
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ランチを食べたレストランの表には、秦嶺山脈の魅力が描かれた看板。
豊かな自然で地域興しといった趣向だろうか… -
そしてついに洋県へ到着。
写真は街のゲート。 -
とりあえずは市内のホテルにチェックイン。
自室の窓からは洋県の市街(集合住宅街)が見える。 -
到着後、早速夕方の撮影に出発。
街外れにある、トキ自然保護区の入口に立つ看板。 -
自然保護区といっても現場は普通の農村の中にあるので、特別に人の立ち入りを禁止しているわけではないが、トキのいるゾーンだけは入るのにガイドや係員の立会いが必要になる。
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秦嶺山脈の南麓にある洋県は、北側にある西安や楊凌に比べて降水量が多いので水田による稲作が盛ん。
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作物も有機農法によって栽培されているため、トキなど野生の水鳥たちの餌となるカエルやドジョウなどの小動物も豊富。
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村の中には写真のような農業用水路がいたるところ流れており、田んぼを潤している。
これらの用水路端では、サギ類などもよく見かけた。 -
梨を収穫してきた地元の家族。
保護区一帯で生活する農家の人々にとってもトキは大切な存在なので、彼らは率先して有機肥料や無農薬など昔ながらのやり方を守ってきた。
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そしてここが一番重要な場所!
トキの撮影ポイントに到着。
実は写真の奥の林が、トキたちの夜間の休息場所になっているからだ。
明るいうちはまだトキたちもいないため、撮影は夕暮れ時まで待たなければならなかった。 -
林の木の枝に止まる野生のトキ(毎度小さくてゴメン)。
日が傾いてきて、少しずつトキたちも林に戻ってきた。
何しろ結構高いところに止まってしまうので、コンパクトデジカメで撮るとせいぜいこのサイズである。
まあ、小生は1眼レフも使ったので、もっと大きなサイズでも撮ることができたが…
やはり撮影には、400ミリ以上の望遠レンズがあると無難だろう… -
一夜明けて、自然保護区内に昇る朝日。
翌朝、早朝のトキの撮影に挑戦。 -
この場所でトキたちを確実に狙えるシャッターチャンスは一日2回、早朝の日の出直後と夕方の日暮れ時。
トキたちは日の出とともに一斉に林を飛び立ち、夕暮れとともに林に帰ってくるので、その瞬間を狙うことになる。
もちろん日没から翌朝の日の出までは林の木の枝に留まってはいるが、暗くてまず撮影にならないだろう。 -
今回のサービスショット:その①
林から飛び立つ野生のトキ。
飛んでいるトキを狙うには、シャッタースピードを早めに設定してとにかくドライブモードで連写する。
そして現場は確実に暗いので、使用するフィルムの感度やカメラの感度設定は高めにしておく。 -
トキたちが飛び去り観察ポイントでの撮影を終えてからは、飛散したトキたちを探しながら、しばし保護区周辺の村を散策してみた。
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農道の路傍。
農家の家の壁に立てかけられている収穫物。 -
比較的高い場所から広く農村を見渡してみる。
幸い天気もよく光量も充分だったが、1羽ずつ散ってしまったトキを探すのは難しそう… -
広く景色を見ていると、とかく近くのものを見逃しがち。
今回のサービスショット:その②
雑草のてっぺんに止まるショウジョウトンボの一種。
フィールドを散策するときは、遠くだけでなく足元にも目を配ろう。
それにしてもこんな情景を見てホッとするのは、日本の農村に来ているような感覚があったからだろうか… -
洋県の農道にて。
ウシを使って作物を運ぶ農夫に出会う。
かつての日本の農村でも見られた光景ではないだろうか…
ここには日本の里山の原風景があるように感じた。 -
極力機械に頼らない洋県の農村では、ウシたちは貴重な労働力。
作物の運搬だけでなく、田畑の耕作にも大活躍。 -
農作業の合間に水辺で涼を楽しむ農夫たち。
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洋県の自然保護区内を流れる河川の中で一番大きな水辺がこの胥水河。
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そしてついに、待ちに待ったトキが胥水河に舞い降りるのを発見!
時間をかけて少しずつアプローチしながら、昼間のトキを撮ることができた。
できればもう少し接近したかったが、とにかく警戒心が強い鳥なので難しい… -
撮影後、トキが飛び去った後にトキがいた場所に行ってみると、その羽を見つけた。
朱鷺色というカラーの名前は、淡いピンクのトキの羽の色に由来するといわれるが、実際日光の下で見るトキの羽は白ともピンクともいいがたい微妙で神秘的な色合いであった。
トキの写真は「アニマル・ワールド」にてご覧いただけます。
( http://animalworldk.stars.ne.jp/ からトップページを開いて、“世界の動物たち”をクリック、世界地図上の⑮または、右ウィンドウの中国をクリックして中国のページを開いてお楽しみください。) -
トキ自然保護区での撮影後、洋県での次の目的地「蔡倫墓」に向かう。
その途中に撮影した洋県の街並み。
周囲を農地に囲まれた街らしく、路傍には穀物類などが干してある。 -
街角にある大衆食堂も、川魚や山菜をメインにしたメニューを看板に掲げる店が多い。
田舎でも派手目の看板が多いのはいかにも中国的。 -
街のメインストリートから路地に入ると、野菜などを売る露天の店がひしめく。
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ところで洋県という街は、野生トキの貴重な保護区ということ以外でも知られている。
ここには中国で実用的な紙の製造普及に貢献した紙聖・蔡倫の墓がある。
蔡倫という人物は現地では紙の発明者として奉られているが、実際には蔡倫の生前から紙は製造されており、彼は従来からの製造技術を集約統合して実用化を進めた偉人といわれる。
ここ蔡倫墓には、蔡倫の墓標があるだけでなく、中国における製紙技術の歴史に関する資料や実際の古紙製紙工程の展示、製紙作業の実演が行われ体験もできる。 -
古紙を製造するのに使われた道具類が多数展示されている。
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明代に作成された版。
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蔡倫の像が展示されている社殿の外観。
瓦屋根には、雑草が… -
社殿内部。
蔡倫像とご対面。
蔡倫は中国後漢代の宦官だったそうである。 -
蔡倫の墓標。
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境内には桂花(キンモクセイ)の木が植えられていた。
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満開の桂花!
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中国古紙の製造工程も展示されている。
ここには水洗いされた紙の原料が貯蔵されている。
原料になるのは、樹皮や麻の切れ端などの植物繊維。 -
草や木を燃やして、灰をとり、桶の中の水に入れ、ざるで濾過して灰汁(あく)を作る。
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次に、水洗いしたぼろ切れを灰汁で煮る。
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さらに、それを石臼でひく。
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臼でひいた繊維を水洗いする。
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原料を叩いて薄くしていく作業を体験してみた。
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少しぐらい機械を踏むだけなら何ということもないが、これを長時間続けるとなるとさすがに疲れるだろうナァ…
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これは最初の工程、原料の繊維を切り分ける作業。
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小生も職人さんの真似をして実践してみるが、なかなか簡単に切り出せるものではないことがわかった。
やはりこの作業一つとっても、ある程度の修練が必要。 -
職人さんによる紙すき作業の実演。
このあたりの工程は、日本の手すき和紙とほぼ同じ。 -
すきあがった紙は、濡れているうちに壁に貼り付けて乾かす。
紙が乾いてからゆっくりはがすと完成。
洋県で訪れたトキ自然保護区が有機農業なら、蔡倫墓では有機工業が実践されてきたわけだ。 -
洋県を訪れて感じたことは、いずれも自分がどこかで見たような情景に接したこと。
それは多分、かつての日本中のアチコチで見ることができた光景に違いない。
ほんの少しの違いなんだろうけれど、その差がトキという野鳥の存亡を左右してしまったことを痛感した…
現在日本では、佐渡でトキを復活させるためのプロジェクトが慎重に実施されているが、ぜひとも洋県で見たような情景を取り戻してほしいものである。
この後小生は、ジャイアントパンダやキンシコウなどの野生動物を追跡しに秦嶺山脈の奥地へ!
その後の模様は佛坪国家級自然保護區編(http://4travel.jp/traveler/katsy/album/10547316/)へと、つづく…
洋県トキ自然保護区で撮影した野生のトキの写真は、小生のホームページ「アニマル・ワールド」( http://animalworldk.stars.ne.jp/ )の中国編で公開中!
ぜひ、見にきて下さい!!
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