アンドラ・ラ・ヴェリャ旅行記(ブログ) 一覧に戻る
この日の朝、この旅最大の事件がふりかかってきた。<br /><br />この日はバルセロナを後にし、アンドラを経由してフランスに入る。<br />アンドラ行きのバスに間に合うように朝7:00にホステルを出た。<br /><br />ホステルから地下鉄の駅まではほんの200m<br /><br />眠い目をこすりつつ、とぼとぼと歩いていた。<br /><br /><br />誰かの声がする…<br /><br />最初はその声が自分に向けられていることに気付かなかった。<br /><br /><br />もう一度声がして気付くと若い男が近づいてきた。<br /><br />なんかすごい話かけてる。<br />気さくな雰囲気で、笑顔で話しかけてくる。<br /><br />「スペイン語わからん。じゃあな。」<br />と言ってやりすごそうとする。<br /><br />だが、なおも食い下がる男。<br />しつこくはなし話しかけてくる。<br /><br />やがて男は右手を差し出した。<br /><br />(なんだこいつ…握手すりゃ満足か…?)<br /><br />私は彼と握手をした。<br />ちなみにここまでのやり取りは歩きながら。<br /><br />すると彼は私と握手したまま、私の手を自分の肩の方へまわした。<br />そして彼の左手は私の肩にまわり、ちょうど肩を組む格好にさせられた。<br /><br />「!?」<br /><br />そして彼は足を私の足に絡ませてきた。<br />彼は叫ぶ。<br /><br />「football!!football!!」<br /><br />そう、まるでボールを奪おうとするサッカー選手のようだった。<br /><br />必死に抵抗するも、右手右足を完全に封じられている。<br /><br />(何がしたいんだ、こいつ……はっ!!まさか!?)<br /><br />自由のきく左手でジーパンの左ポケットに手をやった。<br /><br />財 布 が 無 い  <br /><br />左ポケットからはチェーンが垂れ下がっていた。<br />チェーンと財布をつなぐ金具は引きちぎられていた。<br /><br />私は渾身の力で男をふりほどいた。<br /><br />するとそこにはもう一人の男がいて、私の財布を開けて中身を物色している最中だ。<br /><br />私はもう一人の男に駆け寄り、物色中の財布につかみかかった。<br /><br />男は渡すまいと抵抗みせるが、私は財布をもぎ取った。<br /><br />私は2人の男をにららみつけ、大声で罵声を浴びせた。<br />それは罵声というより、もはや言葉になっていなかった。<br />犬のように吠えているだけだった。<br />怒りで我を忘れていた。<br /><br />そんな私を見て2人の男はうすら笑いを浮かべて去っていく。<br /><br /><br /><br />我に帰ると、まずは人けの多い大通りに出て、財布の中身を確認した。<br />カード類、硬貨はそのままだった。<br />紙幣はもともと50ユーロ札1枚と10ユーロ札1枚しか入っていなかったが、50ユーロ札の方だけ無くなっていた。<br />というのも私の財布はレシートだらけで、レシートの間の10ユーロ札は見つけられなかったようだ。<br /><br /><br />落ち着いてくると、自分に対する失望が込み上げてきた。<br />犯罪大国スペイン。<br />観光客が襲われる事例はかなり予習してきた。<br /><br />あのとき握手に応える必要は無かった。<br />根気強く無視し続けるか、走ってでも離れりゃよかっただけなのに。<br />対処法知ってたところで実行できなきゃ意味ない。<br /><br />元から日本人は狙われやすいとは言われてるが、自分が被害にあってしまったことで他の日本人も狙われてしまう恐れがあるとか考えてしまうと本当に申し訳ない。<br /><br />不幸中の幸いといえば、現金をなるべく少なく持ち歩いていたことで被害額が50ユーロで済んだことでしょうか。<br />私が言うのもなんですが、スペインではやはり盗まれる前提で行動するべきでしょう。

よーろっぱ12かこくのたび⑭~アンドラ編「アンドラへ、失意の朝」

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2010/03/21 - 2010/03/21

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omrkzkさん

この日の朝、この旅最大の事件がふりかかってきた。

この日はバルセロナを後にし、アンドラを経由してフランスに入る。
アンドラ行きのバスに間に合うように朝7:00にホステルを出た。

ホステルから地下鉄の駅まではほんの200m

眠い目をこすりつつ、とぼとぼと歩いていた。


誰かの声がする…

最初はその声が自分に向けられていることに気付かなかった。


もう一度声がして気付くと若い男が近づいてきた。

なんかすごい話かけてる。
気さくな雰囲気で、笑顔で話しかけてくる。

「スペイン語わからん。じゃあな。」
と言ってやりすごそうとする。

だが、なおも食い下がる男。
しつこくはなし話しかけてくる。

やがて男は右手を差し出した。

(なんだこいつ…握手すりゃ満足か…?)

私は彼と握手をした。
ちなみにここまでのやり取りは歩きながら。

すると彼は私と握手したまま、私の手を自分の肩の方へまわした。
そして彼の左手は私の肩にまわり、ちょうど肩を組む格好にさせられた。

「!?」

そして彼は足を私の足に絡ませてきた。
彼は叫ぶ。

「football!!football!!」

そう、まるでボールを奪おうとするサッカー選手のようだった。

必死に抵抗するも、右手右足を完全に封じられている。

(何がしたいんだ、こいつ……はっ!!まさか!?)

自由のきく左手でジーパンの左ポケットに手をやった。

財 布 が 無 い  

左ポケットからはチェーンが垂れ下がっていた。
チェーンと財布をつなぐ金具は引きちぎられていた。

私は渾身の力で男をふりほどいた。

するとそこにはもう一人の男がいて、私の財布を開けて中身を物色している最中だ。

私はもう一人の男に駆け寄り、物色中の財布につかみかかった。

男は渡すまいと抵抗みせるが、私は財布をもぎ取った。

私は2人の男をにららみつけ、大声で罵声を浴びせた。
それは罵声というより、もはや言葉になっていなかった。
犬のように吠えているだけだった。
怒りで我を忘れていた。

そんな私を見て2人の男はうすら笑いを浮かべて去っていく。



我に帰ると、まずは人けの多い大通りに出て、財布の中身を確認した。
カード類、硬貨はそのままだった。
紙幣はもともと50ユーロ札1枚と10ユーロ札1枚しか入っていなかったが、50ユーロ札の方だけ無くなっていた。
というのも私の財布はレシートだらけで、レシートの間の10ユーロ札は見つけられなかったようだ。


落ち着いてくると、自分に対する失望が込み上げてきた。
犯罪大国スペイン。
観光客が襲われる事例はかなり予習してきた。

あのとき握手に応える必要は無かった。
根気強く無視し続けるか、走ってでも離れりゃよかっただけなのに。
対処法知ってたところで実行できなきゃ意味ない。

元から日本人は狙われやすいとは言われてるが、自分が被害にあってしまったことで他の日本人も狙われてしまう恐れがあるとか考えてしまうと本当に申し訳ない。

不幸中の幸いといえば、現金をなるべく少なく持ち歩いていたことで被害額が50ユーロで済んだことでしょうか。
私が言うのもなんですが、スペインではやはり盗まれる前提で行動するべきでしょう。

同行者
一人旅
旅行の手配内容
個別手配
  • バルセロナMarユースホステル<br /><br />襲われたの教会の目の前でした。<br />神を前になんてことをするんだ!!

    バルセロナMarユースホステル

    襲われたの教会の目の前でした。
    神を前になんてことをするんだ!!

  • サンツ駅前のバスターミナルからアンドラ行きのバスに乗る。23euro<br />少し出発まで時間があるのでサンツ駅構内のカフェで朝食をとることにした。<br /><br />8:15 サンツ駅前を出発。客はあまりいない。<br /><br />しばらく走るとごつごつした山の風景となる。

    サンツ駅前のバスターミナルからアンドラ行きのバスに乗る。23euro
    少し出発まで時間があるのでサンツ駅構内のカフェで朝食をとることにした。

    8:15 サンツ駅前を出発。客はあまりいない。

    しばらく走るとごつごつした山の風景となる。

  • 両側が急崖の山々。<br />ピレネー山脈に入ってきた。

    両側が急崖の山々。
    ピレネー山脈に入ってきた。

  • 何事もなくスルーしたが、スペインとアンドラの国境のようだ。

    何事もなくスルーしたが、スペインとアンドラの国境のようだ。

  • 11:15 アンドラの首都、アンドラ・ラ・ベリャのバスターミナルに到着。<br /><br />写真はバスターミナルのトイレのドアだが、マイナーな国だけあって来訪記念(?)ラクガキがたくさん。

    11:15 アンドラの首都、アンドラ・ラ・ベリャのバスターミナルに到着。

    写真はバスターミナルのトイレのドアだが、マイナーな国だけあって来訪記念(?)ラクガキがたくさん。

  • 険しい山中に突如現れるアンドラ・ラ・ベリャの街。

    険しい山中に突如現れるアンドラ・ラ・ベリャの街。

  • アンドラは免税の国。フランス・スペインからショッピングを楽しむ人で賑わいます。<br /><br />中心部はここがピレネー山中だと忘れさせるほどの都会っぷり。

    アンドラは免税の国。フランス・スペインからショッピングを楽しむ人で賑わいます。

    中心部はここがピレネー山中だと忘れさせるほどの都会っぷり。

  • ずーん!<br /><br />「アンドラへようこそ!」<br /><br />(場所は観光案内所の前)

    ずーん!

    「アンドラへようこそ!」

    (場所は観光案内所の前)

  • 街の全景が見える場所を探してみます。<br /><br />メリチェル通りから路地に入り、坂を上っていくと高級住宅街が建ち並びます。

    街の全景が見える場所を探してみます。

    メリチェル通りから路地に入り、坂を上っていくと高級住宅街が建ち並びます。

  • 突撃!となりの豪邸訪問!

    突撃!となりの豪邸訪問!

  • なるべく上の方を目指すと、遊歩道に出ました。<br /><br />犬のフンがよく落ちている。

    なるべく上の方を目指すと、遊歩道に出ました。

    犬のフンがよく落ちている。

  • 遊歩道から山側に目を向けると街とのギャップがすごい。

    遊歩道から山側に目を向けると街とのギャップがすごい。

  • アンドラ・ラ・ベリャの全景<br /><br />よくこんな狭いところにこれだけの街を築いたもんだな。

    アンドラ・ラ・ベリャの全景

    よくこんな狭いところにこれだけの街を築いたもんだな。

  • 飲食店はやや高めなのでマック<br /><br />ドリンクでけぇ

    飲食店はやや高めなのでマック

    ドリンクでけぇ

  • 14:00 アンドラ・ラ・ベリャからフランスのトゥールーズ行きのバスに乗る。31euro<br />アンドラ滞在時間3時間弱(笑)まぁショッピングなんてしないし。<br /><br />アンドラはスキーリゾートという一面もあります。<br />アンドラ・ラ・ベリャから標高が上がってくると雪景色に変わりました。

    14:00 アンドラ・ラ・ベリャからフランスのトゥールーズ行きのバスに乗る。31euro
    アンドラ滞在時間3時間弱(笑)まぁショッピングなんてしないし。

    アンドラはスキーリゾートという一面もあります。
    アンドラ・ラ・ベリャから標高が上がってくると雪景色に変わりました。

  • フランス国境、もちろんスルー。

    フランス国境、もちろんスルー。

  • 本格的に雪山です。

    本格的に雪山です。

  • 広いゲレンデ滑りやすそう。

    広いゲレンデ滑りやすそう。

  • バスは先にトゥールーズ空港に寄り、終点がこのトゥールーズ駅。<br />3時間半かかりました。

    バスは先にトゥールーズ空港に寄り、終点がこのトゥールーズ駅。
    3時間半かかりました。

  • 18:38 鉄道でカルカソンヌに向かいます。14euro<br /><br />ずいぶん大胆なラクガキだなおい

    18:38 鉄道でカルカソンヌに向かいます。14euro

    ずいぶん大胆なラクガキだなおい

  • 19:27 カルカソンヌ到着<br /><br />それにしても人が全然いないな<br /><br />今夜のお宿は城壁の中にあるユースホステルなのでここから2、30分歩きます。

    19:27 カルカソンヌ到着

    それにしても人が全然いないな

    今夜のお宿は城壁の中にあるユースホステルなのでここから2、30分歩きます。

  • 街の中心、ガンペッタ広場。<br /><br />いやいやいや、人け無さすぎでしょこれは<br /><br />

    街の中心、ガンペッタ広場。

    いやいやいや、人け無さすぎでしょこれは

  • ライトアップされたお城がきれいです。

    ライトアップされたお城がきれいです。

  • いやああああ(((( ;゚Д゚)))コエーからマジで<br />

    いやああああ(((( ;゚Д゚)))コエーからマジで

  • ようやく城壁に辿り着きました。

    ようやく城壁に辿り着きました。

  • いざ入城!<br /><br />城壁の中はお土産屋や、レストラン、ホテルなどがありますが、散策は翌日に。<br />

    いざ入城!

    城壁の中はお土産屋や、レストラン、ホテルなどがありますが、散策は翌日に。

  • 今日のユースホステルの宿泊客はなんと5人中4人が日本人。<br />正確にはうち1人はタイ人だそうだが、日本で育ったそうで日本語ぺらぺら。<br /><br />女性の方のお誘いで、ダイニングで4人集まって緑茶を飲むことになった。<br /><br />ホステルのスタッフのフランス人は昨日までの団体相手から解放されて上機嫌なようで、カルカソンヌの郷土料理を私たちにふるまってくれた。<br />グラタンのようにも見えるが豆などを使った料理。<br /><br />フランス人スタッフはさらに気をよくしたのかワインを持って4人の輪に入ってきた。彼のおごりだそうだ。<br /><br />酒も入って彼を中心に会話も弾む。(フランス人だが英語だった)<br />そして飲んでも飲んでも次のワインボトルが出てくる。<br />結局5人で5本開けてしまった。<br /><br />深夜2:30まで飲んで、楽しい夜となった。

    今日のユースホステルの宿泊客はなんと5人中4人が日本人。
    正確にはうち1人はタイ人だそうだが、日本で育ったそうで日本語ぺらぺら。

    女性の方のお誘いで、ダイニングで4人集まって緑茶を飲むことになった。

    ホステルのスタッフのフランス人は昨日までの団体相手から解放されて上機嫌なようで、カルカソンヌの郷土料理を私たちにふるまってくれた。
    グラタンのようにも見えるが豆などを使った料理。

    フランス人スタッフはさらに気をよくしたのかワインを持って4人の輪に入ってきた。彼のおごりだそうだ。

    酒も入って彼を中心に会話も弾む。(フランス人だが英語だった)
    そして飲んでも飲んでも次のワインボトルが出てくる。
    結局5人で5本開けてしまった。

    深夜2:30まで飲んで、楽しい夜となった。

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