1993/12/31 - 1994/01/01
609位(同エリア894件中)
北風さん
「世界のへそ」「世界最大の一枚岩」「アボリジニの聖地」
オーストラリア観光では絶対外せない AYERS ROCK(エアーズロック)へ登る日は元旦だと決めていた。
幸先よく元旦は快晴!(まぁ、この時期オーストラリアは乾期だから当たり前かもしれないが・・・)
3日ほど放置したゼリーの様に丸っこい形をしていた一枚岩が、近づくにつれデコボコの表面を朝日に浮かび上がらせていた。
意外と大きくないか?
こんなのに素人が登れるの?
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 観光バス
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行なし)
-
ダーウィンを出発して1週間目、地平線の向こうに巨大な岩山が現れてきた。
隣の白人が、「Oh,Ayers Rock!」と叫ぶ!
乗客が一斉に窓に釘付けになる中、バスのドライバーのアナウンスが響き渡った。
「あれは、パチものです」
なんと、エアーズロックが発見される前は世界一の一枚岩だったらしいが、現在2番手に落ちて人気が無いらしい。
ドライバーがさらに説明を加えた。
「本物は、あれほど美しくありません」 -
旅日記
『1993年12月31日』
赤茶けた荒野に浮かぶエアーズロックが、燃えるような赤から次第に暗褐色へと移り変わっていく。
色とりどりのタイルがはめ込まれた、豪華なオープンスペースから眺める圧倒的な大自然は、まるで巨大なスクリーンで見るドキュメンタリー番組みたいだ。
俺が立っている「Ayers Rock Resort」は、さすが政府直営のリゾートホテルだけあって、この国立公園内で唯一、そして最も豪華なホテルだった。
当然、俺がこんな豪華な所に泊まっているはずは無く、今夜のオープンパーティーの為に、近くのY・Hから歩いてきていたわけだが。
夜も更けて、俺が生まれて始めて迎える海外での新年が近づいてくる。
ステージでは、マイクを片手に司会者が、TVでよく見たカウントダウンを始めた。
なんか、どきどきしてくる。
ふと、横を見ると、白人のおばちゃんと目が合った。
これでもかというほど、コレステロールの脂肪を厚着していらっしゃる。
記憶の中で、カウントダウン終了後のTVの1シーンが浮かび上がった。
確か新年が始まるAM0:00には、誰とでもキスできるというものだ。
現在、俺のそばには右側におばちゃん、左側におじちゃんがいる。
・・・選択肢は無い。
1994年が始まる瞬間、俺はうつむいて震えていた。 -
<1994年1月1日 元旦>
海外で初めて向かえる初日の出は、世界で一番おきな一枚岩の横から顔を出してきた。
1年前は、こんな所で初日を拝むなんて夢想だにしなかった。
また、胸躍る日々が始まる。 -
<AYERS ROCKへ>
AYERS ROCKへ登る日は、元旦だと決めていた。
3日ほど経過したゼリーのように、丸っこい形をしていた一枚岩が、近づくにつれデコボコの表面を朝日に浮かび上がらせている。 -
さすが、一枚岩というだけあって、どこもかしこも、均一的にツルッとした感触だった。
しかも、かなり急だ。
いや、これは切り立った崖と言ってもいいんじゃないだろうか?
・・・こんな所を登るんだろうか?
登山口の傍には、去年足を滑らせて落下したフランス人の石碑が、なにげに建っていた。 -
登山口には、岩にくさびを打ちつけて鎖が通してあった。
これにつかまって這い登るらしい。
・・・これは、本当に素人がやってもいい行為なのだろうか?
しかし、後から後から観光客が順番待ちをしている中、迷っている暇も無く、急かされるままに鎖に飛びつかなければならなくなった。
さすが長い年月をかけて、雨水が磨き上げただけあって、岩の表面は信じられないぐらいツルツル滑る。
全神経を足元に集中しながら、鎖にしがみつく様に上を目指す。
・・・と、鎖が無くなった!
まだ頂上までは程遠いこの地点で頼みの綱が途絶えた。
状況を理解する間、俺は水を飲む事にした。
頭の中では下山という言葉が浮かんでは消えていく。
「臆病者」と「達成感」がしのぎを削る中、「ゴーッ」というものすごい音と共に突風が吹きぬけた。
手足を突っ張って岩にへばりつく俺の頭上で、見るからにチョコレート食いすぎのガキが、右から左へ「ズザザザッ」と1m程テレポートするのが見えた。
引きつりすぎた俺の顔は、既に固まり始めている。 -
あれから、俺がどう登ったのか記憶が無いが、気がつくと目の前に岩の平原が広がっていた。
とにかく、着いた!
あのまま、あそこに留まっていたならば、俺は確実にヤモリに進化していたかもしれない。
俺は、高所恐怖症を克服したのだろうか?
考えるのはよそう。
下山する時にすぐにわかる事だから。 -
エアーズロックの頂上は、うねるように続く岩の平原だった。
岩のくぼみの水溜りには、なんと小魚が泳いでいた。
どうやってこんな所に?
360度見渡せるあきれるほどだだっ広い空間の中、地平線の彼方にMt.Olgaが浮かんでいた。
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