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これからバスは次第に高度を高め、標高4200mの高原を走って行く。途中のカリエンテスの村ではリュウマチに効く温泉が湧いている。道路沿いにある露天風呂では、多数の老若男女が入浴しているのどかな風景が見られる。日本の温泉場と同じ風景で懐かしい。ここを過ぎると間もなく、標高4300mの高地にあるラ・ラヤ峠にさしかかり、ここでバスは一時ストップとなる。高地に慣れたためか、高山病の症状はみられない。<br /> <br /><br />峠に降りたって澄み切った空気の中で深呼吸一番、空を見上げると流れる雲が手に届くように低くたなびいている。4300mの高さとは思えない感じで、周囲を見渡すと枯れ草の平原の端から裾野を引いた山並みが荒い岩肌を見せながら目の前に横たわっている。中には万年雪を冠雪した山も見られる。今日は天候が良いので、この高さでもけっこう暖かい。この場所では、通行客相手に数人の露店商が店を並べ、物を売っているのどかな風景が広がっている。  <br /><br />バスに戻ろうとすると、乗車口に一人のミカン売り少女が立って、それを買ってくれと懸命に頼んでいる。いくらかと尋ねると$1だという。こちらの喉も乾いているので、1袋買うことにする。ビニ−ル袋の中には、オレンジ1個とマンダリ−ナが4個入っている。バスに持ち込んで早速食べ始めると、それがなかなかおいしい。マンダリ−ナは、日本の温州ミカンにそっくりだが、とても甘くておいしい。けっこうな喉潤しになって、精気がよみがえる。<br /> <br /><br />峠を越えてしばらく走ると、格好の平原を見つけてランチタイムとなる。羊飼いが放牧するのどかな平原に降り立ち、そこに腰を下ろしながらクスコから持参した弁当を広げて食事する。なんとも素敵な昼食風景で、小学校の遠足を思い出しながら和やかな昼どきを過ごす。だが残念にも、弁当の中身はパサついた米のおにぎりで、うまく喉を通らない。水を飲みながら、なんとか流し込む。バナナは青くて固いのでパスし、リンゴをかじってデザ−トにする。 <br /><br /><br />食事内容はともかく、4000mを超える高原の澄み切った空気の中でのランチは最高の気分である。こんな機会は、滅多なことあるまい。食後の休息もそこそこに、バスは再びプ−ノへ向けて走り出す。<br /> <br /><br />しばらく走ると、今度はとある道路沿いの民家を訪ねることになる。平原の中に一軒ぽつんと建つ民家で、そこにはインディオの家族一家が住んでいる。地元の人との交流をとの計らいで、この民家訪問が実施されることになったのだ。<br /> <br /><br />その民家は、石積みの塀に囲まれた四棟建ての建物だが、家の壁は日干しレンガを積み上げたもので、屋根はカヤ葺きになっている素朴な造りである。そして、各屋根の棟や門のア−チなどには、小豚のような魔除けの飾りが2頭ずつ取り付けられている。このやり方は沖縄のシ−サ−とよく似たもので、こんなに遠く離れた異国の地でも見られて懐かしく、どこか共通する文化の流れが感じられる。<br /> <br /><br />主人の案内で邸内に入り、母屋の中に入ると、そこは昼間でも真っ暗。電気もガスもないだけに当然のことなのだ。土間の片隅には低い土のベッドがしつらえてあり、そこで家族抱き合いながら折り重なるようにして眠るらしい。炊事のかまどは屋外に造られてあり、そこで調理をするらしい。入口門横の小さな家には、狭く暗い中に一人の青年がうつろな目をして横たわっている。今、彼は病気で寝ているのだという。大丈夫なのだろうか。<br /> <br /><br />部屋の様子や家族を撮影するには、チップを必要とする。また、手製の民芸品も売っている。彼らは、こうして来訪する観光客相手に、抜け目なくちゃっかりと商売をしている様子だ。どうも、この訪問もガイド君とタイアップしているようである。<br /> <br /><br />民家を後にして、再びバスは走り出す。峠を越えてからは、なだらかな平原がずっと続いている。そのなかをしばらく走ると、プカラの町に入る。ここでトイレ休憩である。小さな飲食店の裏庭にあるトイレを借りるのだが、粗雑なつくりのトイレだけに、用足しが大変である。男性はまだしも、女性はちょっと抵抗があるようだ。でも、こんな地でトイレを借りるのだから、ぜいたくをいえた義理ではない。<br /><br />(この続きはこちらへ⇒  http://yasy7.web.fc2.com/ )<br /><br />

ペルー:ラ・ラヤ峠・シユスタニ遺跡の旅

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2000/09/25 - 2000/09/25

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yasyas

yasyasさん

これからバスは次第に高度を高め、標高4200mの高原を走って行く。途中のカリエンテスの村ではリュウマチに効く温泉が湧いている。道路沿いにある露天風呂では、多数の老若男女が入浴しているのどかな風景が見られる。日本の温泉場と同じ風景で懐かしい。ここを過ぎると間もなく、標高4300mの高地にあるラ・ラヤ峠にさしかかり、ここでバスは一時ストップとなる。高地に慣れたためか、高山病の症状はみられない。
 

峠に降りたって澄み切った空気の中で深呼吸一番、空を見上げると流れる雲が手に届くように低くたなびいている。4300mの高さとは思えない感じで、周囲を見渡すと枯れ草の平原の端から裾野を引いた山並みが荒い岩肌を見せながら目の前に横たわっている。中には万年雪を冠雪した山も見られる。今日は天候が良いので、この高さでもけっこう暖かい。この場所では、通行客相手に数人の露店商が店を並べ、物を売っているのどかな風景が広がっている。 

バスに戻ろうとすると、乗車口に一人のミカン売り少女が立って、それを買ってくれと懸命に頼んでいる。いくらかと尋ねると$1だという。こちらの喉も乾いているので、1袋買うことにする。ビニ−ル袋の中には、オレンジ1個とマンダリ−ナが4個入っている。バスに持ち込んで早速食べ始めると、それがなかなかおいしい。マンダリ−ナは、日本の温州ミカンにそっくりだが、とても甘くておいしい。けっこうな喉潤しになって、精気がよみがえる。
 

峠を越えてしばらく走ると、格好の平原を見つけてランチタイムとなる。羊飼いが放牧するのどかな平原に降り立ち、そこに腰を下ろしながらクスコから持参した弁当を広げて食事する。なんとも素敵な昼食風景で、小学校の遠足を思い出しながら和やかな昼どきを過ごす。だが残念にも、弁当の中身はパサついた米のおにぎりで、うまく喉を通らない。水を飲みながら、なんとか流し込む。バナナは青くて固いのでパスし、リンゴをかじってデザ−トにする。


食事内容はともかく、4000mを超える高原の澄み切った空気の中でのランチは最高の気分である。こんな機会は、滅多なことあるまい。食後の休息もそこそこに、バスは再びプ−ノへ向けて走り出す。
 

しばらく走ると、今度はとある道路沿いの民家を訪ねることになる。平原の中に一軒ぽつんと建つ民家で、そこにはインディオの家族一家が住んでいる。地元の人との交流をとの計らいで、この民家訪問が実施されることになったのだ。
 

その民家は、石積みの塀に囲まれた四棟建ての建物だが、家の壁は日干しレンガを積み上げたもので、屋根はカヤ葺きになっている素朴な造りである。そして、各屋根の棟や門のア−チなどには、小豚のような魔除けの飾りが2頭ずつ取り付けられている。このやり方は沖縄のシ−サ−とよく似たもので、こんなに遠く離れた異国の地でも見られて懐かしく、どこか共通する文化の流れが感じられる。
 

主人の案内で邸内に入り、母屋の中に入ると、そこは昼間でも真っ暗。電気もガスもないだけに当然のことなのだ。土間の片隅には低い土のベッドがしつらえてあり、そこで家族抱き合いながら折り重なるようにして眠るらしい。炊事のかまどは屋外に造られてあり、そこで調理をするらしい。入口門横の小さな家には、狭く暗い中に一人の青年がうつろな目をして横たわっている。今、彼は病気で寝ているのだという。大丈夫なのだろうか。
 

部屋の様子や家族を撮影するには、チップを必要とする。また、手製の民芸品も売っている。彼らは、こうして来訪する観光客相手に、抜け目なくちゃっかりと商売をしている様子だ。どうも、この訪問もガイド君とタイアップしているようである。
 

民家を後にして、再びバスは走り出す。峠を越えてからは、なだらかな平原がずっと続いている。そのなかをしばらく走ると、プカラの町に入る。ここでトイレ休憩である。小さな飲食店の裏庭にあるトイレを借りるのだが、粗雑なつくりのトイレだけに、用足しが大変である。男性はまだしも、女性はちょっと抵抗があるようだ。でも、こんな地でトイレを借りるのだから、ぜいたくをいえた義理ではない。

(この続きはこちらへ⇒  http://yasy7.web.fc2.com/ )

旅行の満足度
4.5
観光
4.5
同行者
社員・団体旅行
交通手段
観光バス
旅行の手配内容
ツアー(添乗員同行あり)

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  • ラ・ラヤ峠(標高4300m)の景観。左端が道路、山頂には万年雪の冠雪が見える。

    ラ・ラヤ峠(標高4300m)の景観。左端が道路、山頂には万年雪の冠雪が見える。

  • こんなに大きなパンが・・・。チューターという名のパン。味はなかなかのもの。<br /><br />

    こんなに大きなパンが・・・。チューターという名のパン。味はなかなかのもの。

  • インカゲート<br />ここから手前がインカの領域。<br /><br />

    インカゲート
    ここから手前がインカの領域。

  • この川がアマゾン河の上流になる。<br />

    この川がアマゾン河の上流になる。

  • コースの途中に、こんなきれいな湖が・・・。左手山の斜面には白いキリスト像が見える。<br />

    コースの途中に、こんなきれいな湖が・・・。左手山の斜面には白いキリスト像が見える。

  • シュクタニのバスターミナル<br /><br />

    シュクタニのバスターミナル

  • ここでランチタイム。遠くに羊の群れを追う羊飼いの姿が見える

    ここでランチタイム。遠くに羊の群れを追う羊飼いの姿が見える

  • インディオの住む民家<br /><br />

    インディオの住む民家

  • 残る墳墓では一番大きい<br />

    残る墳墓では一番大きい

  • 残る墳墓では一番大きい<br />

    残る墳墓では一番大きい

  • ここで祭祀が行われた<br /> <br /><br />

    ここで祭祀が行われた


  • シユスタニ遺跡の墳墓群。右端の円筒墳墓は落雷で半壊。

    シユスタニ遺跡の墳墓群。右端の円筒墳墓は落雷で半壊。

  • 鏡のようなウマヨ湖の景色

    鏡のようなウマヨ湖の景色

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