2000/09/22 - 2000/09/22
273位(同エリア343件中)
yasyasさん
- yasyasさんTOP
- 旅行記200冊
- クチコミ1件
- Q&A回答1399件
- 162,904アクセス
- フォロワー7人
イカの飛行場へ
12時にリマ空港を飛び立った40人乗りの小型飛行機は、海岸線に沿って南下しながら45分の飛行でイカの飛行場に到着。機内は満席で、欧米と日本の観光客で占められている。草木の少ない砂漠地帯の中に小さな飛行場が設けられている。わがツア−の添乗さんは、いの一番に飛行機を降りようと、出口に近い座席に陣取っている。セスナ機の搭乗券を誰よりも早くゲットして、昼食前に搭乗を済ませようとの心遣いである。そのかいがあって、一行は無事昼食前に搭乗できることになる。
ナスカの地上絵
搭乗前に酔い止めの薬を服用して準備すると、間もなく搭乗開始である。4〜8人乗りのセスナ機に分乗するのだが、われわれは8人乗りに搭乗する。簡単に離陸すると、機はナスカ上空へ向かって飛行を始める。セスナ機は、グランドキャニオン観光以来、久々の搭乗である。窓外から見下ろす風景は、多少の起伏はあるものの、どこまでも広がる砂漠地帯の連続である。長年、雨らしい雨が降らない地帯なので、相当乾燥しきっているに違いない。
イカの空港から25分の飛行でナスカ上空に到達する。さあ、これから地上絵の遊覧飛行が始まるのだ。やがて機が旋回し始めたかと思うと、パイロットが片言の日本語で案内を始める。「ミギシタ ミギシタ ココ ココ。コレ ハチドリ。ミエマシタカ?」 一同沈黙。すると、パイロットが催促るように「ワカリマシタカ?」と大きく強い語調で返事を要求する。そこで、みんな思わず「ハ〜イ」と応答する。なんだか小学生が教師の問いに応答しているようで、滑稽である。応答する一方では、懸命に地上絵を目で探しながら必死になって写真を撮影する。あっという間に通過するから、油断ができない。下を見ると、灰色がかった砂漠の中に羽を広げて飛んでいるようなハチドリの姿が幾何学模様のラインで見事に描かれているのが見える。
すると今度は、反対側に傾きながら「ヒダリシタ ココ ココ ハチドリ。」と叫びながら、反対側座席の乗客に案内する。こんな調子で、ハチドリをはじめ、コンドル、クモ、サル、イヌ、宇宙人、手などの地上絵を旋回しながら案内する。その度ごとに、「ワカリマシタカ?」の連発を受けることになる。思わぬ日本語に、みんなは驚いている。彼らパイロットは、乗客の国ごとに外国語を勉強しているのだろうか。営業とはいえ、その努力には敬意を払いたい。
ここナスカはリマの南方444km、イカから141kmの地点に位置する標高620mの乾燥台地で、これら地上絵はナスカ台地とイカ谷の間に残されている。そこに描かれた幾何学模様や動植物の絵模様は、大きさ10mから300mにもおよぶもので、その数およそ30個、線と幾何学模様は300本を数える。これらの地上絵は、現地人の間では昔から知られていたものらしいが、これが世界的に有名になったのは天文学と古代灌漑の専門家ポ−ル・コソック氏によってである。
地上絵の謎
これらの絵が、いったい何のために描かれたものか、それは現代人に残された難解な謎解き問題でもある。この不思議な絵をめぐっては、宇宙人説、星座を示すカレンダ−説、宗教説など諸説紛々として今なお謎に包まれ、歴史家のロマンをかき立てている。ただ、はっきりと分かっていることは、大平原(パンパ)を覆っている黒い石や砂を除けて白っぽい地面を出すことによって描かれているということ、そして、年間を通じて降雨が見られないという特殊な気候によって現在まで地上絵が保存されてきたということの二点だけである。それ以上のことは、そっと永遠の謎に包んでおきたいものである。
地上絵の写真が撮れない理由
地上絵の観察で注意すべきは、飛行の時間帯である。降雨がないとはいえ、年々地上絵の風化は少しずつ進んでいる。だから、灰色の砂漠に埋もれた幾何学模様のラインが、かなり見にくくなっている。そこで、絵の陰影の鮮明度を左右する太陽光の角度がとても重要になってくる。つまり、晴れの日で光線が斜めに差す早朝か夕方の時間帯が好ましく、その中間帯は真上から太陽光が当たるために陰影が浮かび上がりにくいのだ。そのため、肉眼ではなんとか見えるが、写真撮影では後日現像・プリントしても地上絵のラインが判別としないのだ。その結果、砂漠の写真ばかりが残るという悲しい結果になる。理想的な観察の時間を選ぶには、やはり個人で訪れてイカに1泊し、夕方の最終便か翌朝の1便のセスナで遊覧することである。リマからの日帰り旅行では、昼下がりの時間帯となって条件が合わない。
われわれの場合がまさにそうで、手許には砂漠の写真ばかりが空しく残る結果になった。飛行の時間帯が、昼下がりの午後1時〜2時の間だったためである。こんなわけで、皆さんにナスカの地上絵(Nazca lines)の写真をお見せできないのが残念至極である。このことを事前に察知してか、添乗さんがここに売っている地上絵の絵葉書購入を盛んに勧めるのである。これまでの体験から、写真には写らないので、地上絵の記念に絵葉書を買っておいたほうがよいと忠告する。結果的には、その忠告どおりになったのだが、時すでに遅しである。
とまれ、われわれの乗ったセスナ機は、地上絵の上空を右に左にと旋回しながら15分の遊覧飛行を終わると、一路イカに向けて引き返し始める。あれほど期待し、興味津々の地上絵を実際に目の当りにすることができたものの、そのあっけない幕切れに心残りすることしきりである。なんだか、束の間の夢を見ているような感じでシ−トに深く座り直し、果てしなく広がる砂漠地帯を眺め下ろしながらじっと到着を待つ。
やがて飛行場に無事到着し、胸をなで下ろす。所要時間は65分(片道25分、地上絵上空遊覧15分)。この分だと、酔い止めの薬を飲む必要はなかったようだ。遊覧飛行が終わると、搭乗した飛行機のアエロ・コンドル社から、英文で書かれた次のような飛行証明書が発行され、受け取ることになる。
(この続きはこちらへ⇒ http://yasy7.web.fc2.com/ )
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- 社員・団体旅行
- 交通手段
- 飛行機
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
8