2010/10/24 - 2010/10/24
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りょしゅうさん
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「出雲神話」とは・・・
奈良時代の712年に完成した歴史物語の古事記、720年に出来上がった日本最初の歴史書の日本書紀、朝廷の命により編さんされ733年に完成した出雲風土記・・・それらに登場し出雲地方を舞台に神々が活躍する物語です。
その「夢舞台」を出雲観光協会が主催する「出雲のかたりべ」養成講座のメンバー約40人と2台のマイクロバスに分乗して巡りました。
当日は生憎の雨模様でしたが八雲立つ出雲にふさわしい天気かもしれません。
「夢舞台」のコース:出雲神話で語られる〜ヤマタノオロチ伝承地、出雲国庁跡、意宇の杜、黄泉比良坂、揖夜神社〜
- 同行者
- その他
- 交通手段
- 観光バス
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-
古代出雲博物館を2台のマイクロバスで出発しました。 -
まず始めは雲南市木次町のヤマタノオロチ(八岐の大蛇)伝承地「温泉神社」
中央の御神木の杉がとても印象的。
すごい存在感、まさに霊木です。 -
「アシナヅチ」「テナヅチ」には八人の娘がいて、ヤマタノオロチによって次次にたべられ稲田姫一人となった。
そこにスサノオノミコト(須佐之男命)が参られ稲田姫を妻にむかえられオロチ退治の始まりとなる。
いわばここら辺りはスサノオと稲田姫の出会いの場所とも言えます。 -
御本殿に向かって右手に「アシナヅチ」「テナヅチ」の御神陵。 -
ヤマタノオロチ退治の解釈は実に諸説紛々。
古代からたびたび氾濫を繰り返し、流域に被害を及ぼした暴れ川「斐伊川」がその正体なのでは・・・(?) -
温泉神社から1km程下ると「天が淵」
ここがオロチの棲み家だったとか・・・(?) -
穏やかなその様子からはとてもオロチの姿は想像できません。
しかし、この川がいったん氾濫すれば、オロチと比喩されるにふさわしい荒々しさを見せるのではないでしょうか・・・
同行の地元の方は「50年前はここらへんでよく遊んだものだ・・川幅も深さも現在の数倍はあった」とおっしゃっていました。 -
スサノオが降り立った所は斐伊川の源流である奥出雲の鳥髪(とりかみ)今の船通山であり、そこはタタラ製鉄の本拠地です。
「草薙の剣」が象徴するようにタタラもオロチ伝説と深く関わっているように思います。 -
「印瀬の壷神さん」に向かっています。
この坂、年寄りにはチトこたえます(汗)
須佐之男命が八岐の大蛇を退治なされる時、脚名槌、手名槌の夫婦に「汝等は八塩折の酒を醸り、垣を造り廻らしその垣に八門を作り、門毎に八桟敷を結い、その桟敷毎に酒船を置きて船毎にその八塩折の酒を盛りて待ちてよ」と仰せられた -「古事記」より- -
その時の酒壷の一つを祀ったものが「印瀬の壷神さん」
昔、土民がこの壷に触れたところ・・俄に天はかきくもり山は鳴動して止まず・・
八本の幣と八品の供物を献じて神に祈ったところようやく鎮まったという。 -
村人たちは人の手に触れることを恐れ多くの石で壷をおおい玉垣で囲み、注連縄をめぐらし昔のままの姿で昔のままの場所に安置することにつとめ現在にいたっています。
と案内板に書いてありました。 -
「印瀬の壷神さん」の近くにある八門の1つ「八口神社」
スサノオは強い酒を作らせてそれで八岐大蛇を酔わせて退治した。
その時、酒は八つの壺に分けて置いて、八つの大蛇の首が一つづつ飲めるようにした。
これは、その酒壺の一つだとされてます。 -
雲南市木次町の「八本杉」
オロチ退治に成功したスサノオは、オロチが再び生き返って人々に災をもたらさないよう、八つの頭をこの地に埋め、その上に杉を植えたとされ、その伝承の地です。 -
「我たのむ人を恵みの杉植えて八重垣かこみ守る末の世」と歌を詠んだと伝わります。
オロチの復活阻止を願い杉を植林したこと自体が、水害が起こらないように治水に取り組んだ象徴とされていますが、同行の方は「雑木ならわかるが杉や桧に治水能力などないよ」とおっしゃってました。
日本書紀ではスサノオは植林の神とされているようですが・・・? -
道の駅「さくらの里きすき」
ここで昼食です。 -
雲南市加茂町 の「八口神社」(同じ名前の神社が近くにもう一つあります)
スサノオノミコトは草枕山に近い「八口神社」から矢を射て、ヤマタノオロチを仕留めたと伝えられています。 -
毒酒を飲んで苦しんだオロチが枕にして寝たとされる「草枕」
オロチの血で赤く染まったためにそうよばれた赤川は、安政年間まで草枕山を迂回して斐伊川に注いでいましたが、度重なる氾濫のため山を真二つに切り開き流れを変え斐伊川と合流したとされる。 -
そのようにこの地は幾度となく洪水に見舞われた場所で、オロチ退治と治水のつながりがここでも伺えます。
昭和の40年頃にも大洪水があり、加茂町の街並みが壊滅した記憶が蘇りました。 -
さて、いよいよ「和歌発祥の地」「日本初宮(にほんはつのみや)」といわれる須我神社です。
大蛇を退治した後、稲田姫と結ばれたスサノオは「八雲立つ 出雲八重垣 つまごみに 八重垣つくる この八重垣を」と詠われました。
そして「八雲立つ」はそのまま「出雲」の枕詞になりました。 -
初めて宮作りもしました。
今で言う新居でしょう。
僕は八雲立つを風雲、戦雲と、また八重垣を軍事的な要塞(?)を意味しているのでは・・と思っています。 -
これが「日本初之宮」とされている須我神社。
ご本殿を前に引率の森田先生(出雲弥生の森博物館)の説明にみなさん聞き入っています。 -
須佐之男命、稲田姫の夫婦とその御子神が主祭神として祀られており、夫婦円満、児授かり、出産の守護と除災、招福の守護が授かると言われる。
-
須我神社から「奥宮」に・・・
2km離れた八雲山登山口までは左右が棚田の道幅の狭い道。
小さめのマイクロバスに20人づつ乗りました。 -
八雲山登山口からは山道を500m位登る。
途中、ところどころに和歌を刻んだ文学碑が建てられているが読む余裕などありません。 -
清涼な雰囲気が漂う水場も・・・ -
須我神社の奥宮の「夫婦岩」
神が降臨するとされた磐座にふさわしい雰囲気を帯びる大中小の岩は、スサノオとイナダヒメ、二人の間に生まれた男神にも見立てられます。
なんとも神秘的な佇まいでした。 -
雲南市から松江市に。
八重垣神社にやって来ました。
ここもスサノオが稲田姫(イナダヒメ)と新居を構えた場所とも須我の地から移った所だともされています。
当時はより安全な場所だったかもしれません。
ここで何重にも柵で囲み防備を固めたことでしょう。 -
縁結びとしても有名ですね。
明治の文豪「小泉八雲」もこの神社がが好きで著書「知られざる日本の面影」に書きしるしています。 -
現代的な結婚式場も隣接しています。
10年ほど前、ここで職場の女の子の結婚式があり出席したことを思い出しました。
その時はなぜか神官の祝詞ではなく十字架の前で神父様が「アーメン」
賛美歌も歌いました(笑) -
幹がピッタリと寄り添った「夫婦椿」
一心同体、愛の象徴として神聖視されています。 -
「鏡の池」
稲田姫命が鏡代わりに姿を映したと伝えられる池で、良縁占いで知られていて、コインを乗せた紙が遠くへ流れていけば遠くの人と縁があり、早く沈めば早く縁づくといわれています。
神様はどちらにもいい顔をなさいますね。
それでもこの占いが外れた人は信心が足りないそうです(笑) -
拝殿ではちょっと早めの「七五三」のお祓いが行われていました。
出雲地方では「帯直し」と言ってかぞえの四歳の時その祝い事をします。 -
「出雲国庁跡」
奈良時代における出雲の政治の中心地。
縦横168mの国府域の半分が整備され溝や建物の柱などが再現されています 。
近くには真名井神社、出雲風土記の丘、出雲かんべの里、神魂(かもす)神社、八重垣神社 などがあり、まさに出雲のロマンを十分に味わえる場所 です。
それに奈良県の明日香村になんとなく雰囲気が似ています。 -
「意宇の杜」
国庁跡から500mほど離れて田畑の中にポツリとあります。
「意宇の杜に御杖衝き立てて『意恵』と詔りたまひき」
-「出雲風土記」-
すなわち八束水臣津野命が国引きを終えて「オエ〜!」と喜びの声を挙げられ大地に杖を立てられたと伝えられる場所です。 -
左に1kmほど離れた所の道路沿いにも・・・
呪力を持った御杖の「より代」がこのタブの木であり、古来「意宇のタブ」として近隣から広く崇拝されている」と書かれています。 -
朝鮮半島や北陸から余った土地を引き寄せて、出雲の国に島根半島を造り上げてしまったという、スケールの大きさで知られるのが「国引き神話」
この「意宇の杜」も「一帯全てを占めていたが長い年月を経る間に周りが田畑などに開発され偶然残ったのがこの二ヶ所だ」と森田先生はおっしゃいました。 -
死者の国との境である「黄泉比良坂(よもつひらさか) 」
八束郡東出雲町揖屋町にひっそりと・・・
ふだんはほとんど訪れる人はいませんが今日は特別です。 -
イザナギは亡くなった妻イザナミに逢いに黄泉の国に行き現世に戻るように頼む。イザナミは「黄泉の国の神に相談するので、その間はわたしの姿を見ないでください」と言って消えてしまう。
しびれを切らしたイザナギはふた目と見られぬ妻の姿を見てしまった。
「あなたは、わたしに恥をかかせましたね」と怒ったイザナミ。
そして逃げるイザナギをイザナミが追いかけてきた・・・
「夫婦ケンカの始まり」を物語っているようです。 -
巨石の左側がこの世、右側があの世です(笑) -
この岩と岩の間に逃げるイザナギは大きな岩で蓋をして追手を遮りました。
ここらあたりの物語は現代の離婚劇に似ています。
「天地初発(あめつちはじめておこりしとき)」と格調高く始まる古事記の国造り神話・・・、イザナギ、イザナミの物語はこのように神秘的な中にも何かしら人間的な雰囲気が漂っているようです。 -
「揖夜神社(いやじんじゃ)」
出雲国風土記や日本書紀にも登場。
出雲国風土記には「伊布夜社」と記されています。
-
黄泉比良坂とともに黄泉の国とのつながりが深い神社。 -
なかなか趣きのあるにりっぱな神社です。 -
中世以来意宇六社の一つにあげられ出雲国造直轄の神社 。
勿論ご本殿は大社造り。
御神座は出雲大社と反対に左から右に向かっているそうです。
そういえばしめ縄も左右反対に取付られていました。 -
今日は森田先生推奨の“出雲の三大パワースポット”
★須我神社の奥宮の「夫婦岩」
★八重垣神社の「鏡の池」
須佐神社
の内二つ(★)を巡りました
「森田先生ありがとうございました!」
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この旅行記へのコメント (2)
-
- 前日光さん 2011/03/10 00:21:55
- 私の行きたいところばかり!
- りょしゅうさん、こんばんは、お久しぶりです。
この旅行記、私の行ってみたい所ばかりです!
天が淵は、昨夏、時間の関係でスルーしてしまいましたが、斐伊川のほとりで神代の昔を偲ぶことができました。
印瀬の壷神さん、ここも映画「うん、なん?(雲南)」に登場した場所で、最も出雲神話らしい場所と思われます。
八本杉神社も、すぐ傍を通りながら、未だ参拝を果たしておりません。
須我神社は、奥の院の巨大岩を見なくては行ったことになりませんよね。
奥出雲は、私の心のふるさとです。
ライフワークとしても、古事記の舞台を訪れたいと思っています。
黄泉比良坂は、私も二度行って、二度とも奇妙な体験をしました。
単なる偶然だったのかも知れませんが、良くできた偶然で、ある意味、ゾォ〜としてしまいました。
実は11日の夜、10時に東京駅発「サンライズ出雲」にて、島根に向かいます。
職場の旅行で、なぜか出雲に行くことになり(多分に私の意図が働いているかもしれませんが)車中泊&松江泊の二泊三日、ベタな出雲の旅になると思いますが、思いがけずもまた、出雲の空気を感じることができて、とてもシアワセです。ちなみに春の出雲は初めてです。
楽しんできたいと思います。
それでは〜
前日光
- りょしゅうさん からの返信 2011/03/10 18:24:03
- RE: 私の行きたいところばかり!
- > りょしゅうさん、こんばんは、お久しぶりです。
> この旅行記、私の行ってみたい所ばかりです!
>
> 天が淵は、昨夏、時間の関係でスルーしてしまいましたが、斐伊川のほとりで神代の昔を偲ぶことができました。
> 印瀬の壷神さん、ここも映画「うん、なん?(雲南)」に登場した場所で、最も出雲神話らしい場所と思われます。
> 八本杉神社も、すぐ傍を通りながら、未だ参拝を果たしておりません。
> 須我神社は、奥の院の巨大岩を見なくては行ったことになりませんよね。
>
> 奥出雲は、私の心のふるさとです。
> ライフワークとしても、古事記の舞台を訪れたいと思っています。
>
> 黄泉比良坂は、私も二度行って、二度とも奇妙な体験をしました。
> 単なる偶然だったのかも知れませんが、良くできた偶然で、ある意味、ゾォ〜としてしまいました。
>
> 実は11日の夜、10時に東京駅発「サンライズ出雲」にて、島根に向かいます。
> 職場の旅行で、なぜか出雲に行くことになり(多分に私の意図が働いているかもしれませんが)車中泊&松江泊の二泊三日、ベタな出雲の旅になると思いますが、思いがけずもまた、出雲の空気を感じることができて、とてもシアワセです。ちなみに春の出雲は初めてです。
> 楽しんできたいと思います。
> それでは〜
>
> 前日光
前日光さん書き込みありがとうございます。
僕は今月の5日から台湾一人旅。
12日の夕方に帰国予定です(関空)。
この返信も台南のホテルでしたためているところです。
それにしても前日光さんの出雲贔屓には感謝感激。
観光協会に成り代わりましてお礼を申し上げます。
もう一月もすれば出雲大社も松江城もそれにヤマタノオロチでお馴染みの斐伊川土手も、桜が満開でそれこそ春爛漫なのですが・・・
彼岸が過ぎるまでの山陰はまだまだ肌寒く、観光には不適切な気候だと思います。
春は名のみ・・・ですが、出雲の旅を職場の皆様共々楽しんでください。
りょしゅう
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