2010/08/13 - 2010/08/13
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Giraudさん
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ロンドンから日帰りで、主にイングランドのゴシック建築を巡る旅。
2日目の後半はイーリー。
イーリー大聖堂のみの見学でしたが、タワー・ツアーにも参加して、充実した内容でした。
<イーリー大聖堂の歴史>
イーリーはイール(ウナギ)が語源とされ、かつてはフェンと呼ばれる湿地に囲まれた島。
12世紀にはロビンフッド伝説のモデルともされる英雄ヘリワード・ザ・ウェイク(眠らずのヘリワード)が、イーリーの島を拠点として征服者のノルマン人に抵抗運動をしました。
イーリー大聖堂の起源は、673年に建立された女子修道院。
七王国のひとつイースト・アングリア王アンナの娘だったエセルドリーダは、神に仕える生活を誓ったにもかかわらず二度の政略結婚を強いられますが、ついに最初の夫からの遺産として所有していたイーリー島に隠遁、異教のマーシア王ペンダに破壊されていた当地の教会を修復して修道院を設立しました。
870年のデーン人(ヴァイキング)の侵攻で一度は壊滅しますが、970年にベネディクト修道会のエセルウォルドが再建(このあたりの経緯はピーターバラ修道院とまったく同じです)、イーリー修道院は、グラントンベリーに次いで当時イングランドで最も豊かな修道院となりました。
征服王ウィリアム1世の治下の1081年から、修道院長シメオンがノルマン様式(ロマネスク様式)に建替。これが現在まで続くことになる建物ですが、イーリーの場合は後世に何度も増改築が行われました。
1109年にはイーリー教区の大聖堂(司教座教会)となります。1539年にヘンリー8世の命令で修道院は閉鎖されますが、王立学校を併設した大聖堂はイングランド国教会の主教座教会として存続。
18世紀から大規模な修復が繰り返され、三度目の修復は2000年に完了しました。
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イーリー駅のホームからの眺め。
ピーターバラPeterborough駅14:18発
イーリーEly駅14:52着
イーリーに近づく車窓からは、湿地帯がよく見えました。 -
イーリーのマリーナ。
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屋根にお花を並べたボート。
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司祭の牧草地
Dean's meadow
中世にはぶどう園だったところ。
ここを横切って大聖堂へ向かいました。
牧草地の向こうに塔を遠望できます。 -
イーリー大聖堂
Ely Cathedral
まるで城砦のような外観。 -
牧草地で草を食んだり昼寝したりしていた馬。
ここまではよいお天気でした。 -
南玄関
South Door
修道士の扉とも呼ばれる、かつての回廊への出入口。
壁に日時計がありましたが、残念ながら雲が出てきたので影はなし。
すぐ雨の降るイングランドで日時計は役に立つのでしょうか? -
フライング・バットレス(飛梁)に支えられた内陣。
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イーリー大聖堂の内部。
全長164m。
途中には祭壇の衝立などがないので、奥まで見通せます。 -
イーリー大聖堂の平面図。
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身廊の壁面。
ノルマン様式(ロマネスク様式)の半円アーチ。
高さ26m、11〜12世紀の建築。 -
側廊の天井。
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身廊の天井画。
人類の祖アダムからイエスまでの血統を示すもの。
描かれたのはヴィクトリア朝時代。 -
オクタゴン
The Octagon
イーリー大聖堂の見所のひとつである中央のランタン(採光塔)。
直径23m、内部の高さ43m。
ノルマン時代の塔が1322年に被災して崩壊したあと、ウォルシンガムのアランがこの八角形(オクタゴン)の塔を建築しました。
頂点には、昇天するキリストの図が描かれていますが、下からではよく見えません。
ここからガイド付のタワー・ツアーに参加。 -
ツアーで階上に上がってきました。
普通では見られないアングルで大聖堂を見学できます。 -
北袖廊
North Transepts
1090年頃から残る大聖堂で最も古い部分。
ハンマービーム天井(梁材を露出させた天井)は15世紀のもの。 -
らせん階段。
これでもまだ広い箇所。上に行くともっと狭くなりました。
足を横向きにしないと石段を踏めず、滑ったら垂直に“落下”しそう。
私が今まで登ったらせん階段でもっとも狭かったと思います。 -
軒の上まで上がってきました。
左がレディ・チャペル、右が本堂。 -
屋根の中。
年季のある木材が支えています。 -
扉を開くと、そこはオクタゴンの頂上部。
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オクタゴンの頂点。
下からは見えなかった昇天するキリストの像が間近。 -
大聖堂の交差部を見下ろす。
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オクタゴンのステンドグラス。
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ついに屋根の上まで上がってきました。
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足元の鉄板。
ペコペコしていましたが、ガイドの話では数トンの重量にも耐えるから大丈夫だとか。 -
オクタゴンから望む西塔。
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南側、主教館と牧草地。
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東側、大聖堂の内陣。
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北東側、左がレディ・チャペル、右が本堂。
ツアーはここまで。
結構時間がかかりました。 -
聖歌隊席
Choir Stalls
後席は14世紀から、前列は19世紀のもの。 -
内陣の壁面。
13世紀の建築。
身廊とは違う尖頭アーチのゴシック様式。 -
背障
Reredos
祭壇の背後にある衝立。
イエスのエルサレム入場から聖金曜日までを浮彫で描く。 -
東の窓
East Window
ヴィクトリア朝時代に修復されたもの。
イエスの生涯を描く。 -
司教アルコックの礼拝堂
Bishop Alcock's Chapel
1486年完成。 -
司教アルコックの礼拝堂の天井。
イングランド・ゴシック独特のファン・ヴォールト(扇形天井)。 -
司教ウエストの礼拝堂
Bishop West's Chapel
1530年完成。 -
司教ウエストの礼拝堂の天井。
ルネサンス様式(?)の菱形模様。 -
古の玄関
Prior's Door
12世紀から残る大聖堂の昔の入口。
扉口には、神の王国の到来を告げるキリストの像。
素朴なノルマン時代の石の彫刻です。 -
古の玄関を囲む壁面。
年季が入っています。 -
レディ・チャペル(聖母マリア礼拝堂)
Lady Chapel
1321年〜1349年建設。
付属礼拝堂としてはイングランド最大。 -
西塔
West Tower
外観が城砦のようだった塔。
大聖堂の現在の正面入口。
12世紀建築、14世紀増築。
高さ65.5m。 -
南西の袖廊
South West Transept
末期ロマネスクから過渡期の様式。
ステンドグラス博物館への入口もここにありますが、ツアーで予想以上に時間がかかったので、残念ながらもう閉館していました。 -
イーリー大聖堂の外観。
北西側から。
外はいつの間にか、どしゃ降りの雨でした。 -
イーリー大聖堂の外観。
南西側から。 -
雨にけぶる牧草地からイーリー大聖堂に別れを告げ、帰路へ。
イーリーEly駅17:38発
ロンドン・キングス・クロスLondon Kings Cross駅19:05着
金曜日はナイター営業のヴィクトリア&アルバート博物館を見学。
明日はバースとソールズベリーを1日で回ります。
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