難波の堀江 （和光寺）

2010/05/23 - 2010/05/23

６世紀 仏教公伝時、百済の聖明王より献呈された日本最初の金銅仏は、物部氏によって難波の堀江に捨てられた、と日本書記にあります。捨てられた仏像は、約半世紀の後に信州の本田善光が見つけ、その仏像が現在も長野の善光寺に絶対秘仏として存在するといいます。

ひと月程前に飛鳥の向原寺に訪れた際、お寺の近隣に仏像が投じられた伝承のある「あみだ池」があることに驚きました。
それまでは、書記に記された難波堀江とは大阪の難波と思っていましたが、仏像が安置されていた蘇我稲目の別宅（向原寺）を焼き払った後、仏像を別邸の近くの池に粗末にも捨てたのだろう、わざわざ飛鳥の地から大阪の難波まで捨てるために運ぶのも難儀なことなので、と勝手に思い込んでしました。
その後、ネットで調べていると、同じ伝承を持つ池が、やはり大阪にも存在するとのことなので、それではと思い大阪の阿弥陀池にも行ってきました。

エリア ミナミ（難波・天王寺）(大阪)

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 3万円 - 5万円
• 交通手段: 新幹線 私鉄
• 旅行の手配内容: 個別手配

最寄り駅は、地下鉄の西長堀駅。
和光寺までは、徒歩５分程度です。

和光寺の山門

和光寺は、1698年（元禄11年）堀江新地開発のとき智善上人が、信州善光寺のご本尊が出現した霊地として寺院を建立しました。

正面が本堂で、ご本尊は、信州善光寺と同じ一光三尊阿弥陀如来像が安置されています。善光寺の秘仏本尊を写したもので、建立時に善光寺から迎えられた金銅仏であるそうです。

本堂の右側に阿弥陀池がありました。
池の中央には、放光閣が建立されています。

碑には、「三国伝来信州　善光寺如来　出現之霊地」とあります。
三国とは、天竺・毘舎離国、百済国、倭国のことです。

放光閣とは、本田善光が難波の堀江を通りかかったとき、水の中から燦然と輝く尊像が出現したことから由来しているのだろうか。

阿弥陀池は、飛鳥のあみだ池より３０倍ほどの大きさでしょうか。

堀江の文字

信州善光寺の文字

池の中に岩があって、一匹だけ亀がいました。

お寺の周りは、ビルに囲まれています。

昔は、こんなんだったのだろうな。

飛鳥の地に疫病をもたらした他国の神を、あえて遠くの海辺まで運び捨てたと言う説もあるそうです。

長堀の地下街（クリスタ長堀）

今回利用したホテルトラスティ心斎橋