![いにしえの南詔・大理国があった古都にやって来ました。<br /><br />前には湖、後ろは山が連なるという絶好のロケーションに加え、ここでは人々の表情が険しくないことに気づきました。まるで中国ではないような快適さは、誰もを虜にします。<br /><br />「没有!」の嵐をくぐり抜けてきた旅人達がたどりついた、オアシスのような町。<br /><br />さわやかで、静かな時間が流れる中、多くの旅人が大理に沈没していくのも納得できました。<br /><br />](https://cdn.4travel.jp/img/thumbnails/imk/travelogue_album/10/49/98/650x_10499829.jpg?updated_at=1398209940)
1989/08/22 - 1989/08/30
403位(同エリア984件中)
がおちんさん
いにしえの南詔・大理国があった古都にやって来ました。
前には湖、後ろは山が連なるという絶好のロケーションに加え、ここでは人々の表情が険しくないことに気づきました。まるで中国ではないような快適さは、誰もを虜にします。
「没有!」の嵐をくぐり抜けてきた旅人達がたどりついた、オアシスのような町。
さわやかで、静かな時間が流れる中、多くの旅人が大理に沈没していくのも納得できました。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
1989年8月22日(火)
朝7時20分。昆明南駅からルーマニア製バス「オートサン」に乗って大理へ。中国製のバスに比べるとはるかに快適だ。10時間半かかって大理(下関)に到着する。
写真はトイレ休憩の際に撮ったもの。
どんなに大雨が降っても、厠所で雨宿りする勇気は無い。 -
下関に来て初めて目にした民族衣装は、巍山(ウェイシャン)の彝族だった。
彝族は強力な個性を持った、旅人に深い印象をあたえる少数民族である。
背あての刺繍の模様が「コブラ」の目玉みたいだ。
(この写真じゃ見えないけど) -
下関賓館の宿泊費は兌換券で10元だが、「FECを持っていない」と言うと服務員は「人民幣なら12元だ」という。
しかし、支払いの段階になるとなぜか10元(人民幣)でよくなった。
謎の料金システムだ。 -
1989年8月23日(水)
今日はアルハイ(洱海)公園へ行く。
朝めし代わりに大理名物の「アールクワイ」を買う。
辛いけど、もちもちして美味しい。ひとつ3.5角。 -
中国には無数の屋台があるので、どこでも気軽に安く食べられるのが嬉しい。
さすが大理石の本場であるだけあって、まな板まで大理石なのであった。 -
のんびりとしたアルハイの湖畔。
ここは大理市民のみならず、馬や牛までもが憩いに来ている。
気持ちいいなあ。 -
船を漕いで遊ぶ大理の子供。
白族は漁民でもある。 -
一日中歩き回って腹がペコペコだ。
早めの夕食を「阿信酒家」という店で食べる。
「阿信」とは「おしん」のこと。テレビ放映されたので、中国でも大人気だった。 -
人のいい、ペー族の女老板。
「个体戸」と呼ばれる個人経営者の中には、質の良いサービスを提供する人が多い。共産主義丸出しの国営の食堂とはえらい違いだ。
社会主義国を変えるのは、彼らのような人々だろう。 -
量は少なくていい。いろんな種類の料理を少しずつ食べたい。
メニューには無い、こちらの勝手な要求も柔軟に対応してくれた。
豪勢な夕食になったよー。
なんと、漬物までサービスしてくれたのだ。 -
風光明媚な土地に住むと、人の心も優しくなるのかな。
それとも民族の違いだろうか。
彼らを見ていると、上海の人と同じ「中国人」とはとても思えない。 -
1989年8月24日(木)
今朝は公共バスに乗って「大理古城」へ向かう。 -
右手にアルハイ、左手に蒼山を眺めながらの移動は、あまりに美しすぎて「はあっ」とため息が出る。
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古びた城門が見えた。バスは裏道を迂回して中心地まで行くが、私はここで下りた。
人気が少なく、ひっそりとしている。古い町という印象を受ける。
ちょっと城内を歩いてみよう。 -
城内に入ると、葬式の行列に遭遇した。
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布を持った人たちの列が延々と続く。
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最後に木製の棺桶が担がれて来た。
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町の中央まで歩いて来ると、さすがに賑やかだ。
さわやかな並木道を、人々が行き交う。 -
大理にもいた、中国版の寅さん。
大勢の人を集め、大声でパフォーマンスをしていた。
スリもまぎれているので要注意。 -
映画館の前で上映予告を見る子供。
次回はユル・ブリンナー主演の「ウエスト・ワールド」のようだ。大理で昔のSF映画というのも何だかピンとこないが、クライトンのSFを中国語吹き替えで見るのも楽しいかも。 -
映画館の前の売店。
ひまわりの種やタバコ、まずいジュース等を売っている。
きっと人民はひまわりの種をペッペッと飛ばしながら「ウエストワールド」を観るんだろうなあ。
うーん、その場に居たい気もする。 -
大理では大理賓館と第2招待所の二ヵ所のみ、外国人の宿泊が可能だ。
バックパッカーの多くが、安くて便利な「2招」に泊まる。
で、私もそうする。 -
この門をくぐるとフロントがあり、外国人は左奥に歩いた所にある鉄筋の建物に泊まる。
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「2招」は3人部屋が5元(FEC)。 (翌月から6元に値上げした)
合宿施設のような雰囲気がするが、まあ快適だ。
トイレ・シャワーが少ないので、西洋人旅行者の長シャワーと長ウンコには閉口するが、1階まで下りれば厠所がある。(臭い) -
2招の服務員たち。
部屋の鍵開けとお湯のサービスで毎日世話になる。西洋人に人気がある場所柄か、英語もそこそこ話す服務員が多い。
2招の従業員には制服は無いので、初めは服務員なのか客なのか分からなかった。いつも編み物をしている。 -
1989年8月25日(金)〜28日(月)
2招の前には外国人向けの食堂が並ぶ。上方から「憩」・「花城」・「ジム」・「インヤン」・「太白楼」・「ハッピー」・「ララ」・「コカコーラ」など、个体戸がしのぎを削るストリートとなっていた。
旅行者からは「万元戸ストリート」と呼ばれていたが、後に「洋人街」と名づけられた。
写真は「ハッピー・レストラン」。みそラーメンは他店に無いメニューだった。 -
「洋人街」には旅行者向けのテーラーも多く、藍染の服や帽子、小物などが売られていた。
この店の女老板は売込みがしつこかったが、ここで作った「藍染の短パン」は21年経った今も現役で着ているので、その品質は確かだ。 -
こちらの店では「功夫服」を仕立ててもらった。
他の店と違い、決して客に売り込むことはせず、黙って淡々と服を縫っていた。また、そこに魅かれる客も多かった。
いろいろなタイプの人と店を楽しんでいるうちに、日にちだけがどんどん過ぎていった。 -
キュートな顔をした仏像のハンコ。
路上販売だが、このハンコ屋の腕は確かだった。
私もひとつ作ってもらう。 -
「将棋をしよう!」と食堂の娘。
冷えた大理ビールとステーキでも食えば、中国人労働者が4〜5日分働いた金額が消えていく。
だから、ここには中国人旅行者は来ないし、そもそも個人的に旅行をする中国人などいない。大理は金を持った外国人旅行者だけが楽しめる、贅沢な場所なのだ。
それが良いか悪いかは分からないが、この時期だけに流れていた独特の雰囲気は確かにあった。 -
1989年8月29日(火)
2招の服務員、Mさんと会話中、茶花賓館の親切だった服務員「Yさん」の話をしたら、偶然にも「それは私の親戚です」とのこと。それならばと、預かっていた父親宛の手紙を見せたところ、「間違いない。仕事が終わったら、一緒に村へ行きましょう」ということになった。
なんたる奇遇。 -
自転車を借りて彼女の家へ行く。
蒼山から清流が流れてくる小さな村だ。 -
向かいにはアルハイを望む。ここには城内のような賑やかさは無く、辺りは静寂に包まれている。これもまた大理の姿だ。
キセルを咥えたおじいさんが歩いていった。 -
帰宅する、牛と少年。
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「どうぞ」とMさんの家に招かれた。
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Yさんの父親が畑から帰るまで、収穫物の処理をして待つことに。
私も、干したとうもろこしをはがす作業を手伝う。 -
石垣の上に並べられたとうもろこしの粒。
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アルハイの夕暮れをバックにYさんの妹を撮る。
ハキハキして、何事にも良く気がつく女の子だ。小学生とは思えないほど、しっかりしている。 -
Yさんの父親が2頭の水牛を引き連れて帰ってきた。
「歓迎するよ、一緒に食事をしよう」。
おいしい家庭料理をいただきながら、回族の歴史や習慣などを教えてもらう。
彼らは酒もタバコもやらない敬虔なイスラム教徒。城内でダラダラしている自分が少々恥ずかしくなった。 -
1989年8月30日(水)
今朝は三塔の付近を歩く。
後ろの蒼山が迫力あるなー。 -
とうもろこしを干している家が多い。
このチビちゃん、叱られてグズッていた。 -
路地の角を曲がると、一服中のおじいさんがいた。
白塔をバックに一枚ショット。
静けさと賑やかさが共存する町。また、雲南の田舎なのに、昆明でもありえないサービスが受けられる町。
大理は不思議な所だ。
雲南の旅 1989 (13) 大理の本主節〜白族の祭りとアルハイ に続く
http://4travel.jp/travelogue/10500761
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