1994/11/04 - 1994/11/06
588位(同エリア1166件中)
北風さん
よく、非常に長期旅行中の方々が、遠くを見る様な眼差しでつぶやいていた。
「カトマンズ、あそこは・・・いい!」
世界の屋根の山脈の麓に広がる謎めいた街「カトマンズ」
エベレスト登山の拠点としては世界的に有名。
インドのヒンドゥー教の北端を担い、世界3大宗教の一つ「仏教」の発祥の地でもある国の首都。
中国とインドの間に位置する事から、中華系とインド系の人種が混在して生活している街。
そして、ヒッピーにとっては「世界3大聖地」の一つ。
(つまり、精神的に沈没するのに最適な地)
しかし、現在、ヒッピー最後の楽園と呼ばれていた面影は、もはや見られず、カーペット工場からの排煙により「世界一空気の悪い街」の別名をつけられるまでになってしまったと言う。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス タクシー
PR
-
「世界の屋根」といわれるネパールの首都「カトマンズ」は、遠目から見ると、確かにビルの乱立する都会のシルエットを浮かべてはいた。
が、間近で見るこの街は、半壊したレンガで作られたビル、毎日起きる停電、乞食の群れ、
ヒッピー最後の楽園と呼ばれていた面影は、もはや見られず、カーペット工場からの排煙により、「世界一空気の悪い街」の別名をつけられるまでになってしまったと言う。 -
大通りでは、得体の知れない鳥の群れが固まっていた。
一羽一羽、鳥の足には紐が結び付けられている。
まるで大昔の受刑者みたいだ。 -
どうやら売り物らしく、買い手が無造作にまとめ買いをした鳥を、袋にポイポイ投げ込んでいる。
-
街中は、まるで世界の人種博物館だった。
軽やかにサリーをまとったインド人、モダンなバッグを肩にかけた中華系、カオを黒く塗ったチベッタン、浅黒い顔に髭をたくわえたアラブ系、
ここだけで、何カ国も旅した気分になれる。
それにしても、大変な賑わいだ。 -
おおっ、これはマレーシアのインド人街で見た民族衣装サリーでは?
-
トランプのスペードの様な形をした小さな祭壇では、すえつけられた鐘の音が鳴り止む事無く響いている。
カン高い声でがなりたてるインド音楽の中、行き交う人々がふと足を止める場所だった。
ヒンドゥー色が強いこの街では、いたるところにこういう小さな祭壇が祭られている。
少女は、祭壇の影にちゃっかり座り込み、足を止める人々にピーナッツを売り込んでいた。 -
由緒正しそうな寺院の軒下では、おじちゃんがとれたての野菜を並べていた。
1個1円ぐらいのジャガイモの横には、時価評価額で100万円は下らなそうな、こま犬もどきの石像が行儀よく座っている。 -
そのまま重要文化財に指定されてもおかしくない、見事なレリーフが施された建物が街のあちこちに。
歴史ある寺院の様なこの建物は、なんと米屋になっていた。
一段と高くなった土間には、芸術的な彫刻の柱と、たくさんの米袋が並んでいる。 -
繁華街は、この寺院を中心に放射状に広がっていた。
多分、意味深い寺院だろうが、現在は多種多様な布地がその階段に並べられ一大展示場になっている。 -
旅日記
『牛』
牛がいた。
しかも、繁華街のど真ん中の広場に寝そべっていた。
どういう事だろう?
足早に行き交う人々は、別段驚く様子もなく、当たり前の様によけて通っている。
これが中国だったら、人々は包丁片手に5分で解体を始めるだろう。
一人の老女が、立ち止まり手を合わせた。
どうやら、ヒンドゥー教の影響らしい。
ヒンドゥー教では、牛は神の乗り物として神格化されていると聞いた事がある。 -
ヒンドゥー教の人々にとっては、「神の使い」なのだろうが、仏教の中国人にとっては、食料以外の何物でもないらしい。
-
観光客が多い通りでは、いろいろなおみやげ物屋が路上販売をしていた。
中には、一体何を売っているんだろう?と首をかしげる物もある。 -
男は、笛を飾った傘の下で、一日中笛を吹いていた。
-
これは・・・?
多分お土産の民芸品店だと思うのだが・・・
これほど、大きく手の込んだ操り人形ははじめて見た。 -
ヒンドゥーの神「ガネ-シャ」は、頭が象で、体が人間。
とぼけた外見とは裏腹に、「知恵と商売」の神らしい。 -
通りの一角に、巨大なサボテンの様な建物が隠れる様に建っていた。
遊園地のアトラクション会場に出てきそうなスタイルだが、これがヒンドゥー教の寺院らしい。 -
ホテルの玄関にも、小さな祭壇が!
-
<DURBAR Square にて>
街に中心に位置している「DURBAR広場」は、ヒンズー教の寺院と旧王宮が建ち並んでいた。 -
観光客で賑わう広場を、寺院の屋根から、ヒンドゥー教の神「シバ」と「パールバーディ」が仲良く見下ろしている。
なんか、アミューズメント・パークっぽくないか? -
あの孫悟空のモデルになったと言われる、戦う猿の化身「ハヌマン」は、左手に生首をぶら下げていた。
-
旅日記
『PATHUPATINATH(パシュパテナート)での火葬』
昼なお薄暗いPATHUPATINATH(パシュパテナート)と呼ばれるヒンドゥー教の寺院内には、大声で泣く女性の叫び声が響き渡っていた。
寺院の前の川岸では、ちょうど髪の毛を焼いた時の様な匂いがたちこめ、盛大に煙が立ち上っている。
橋のたもとで立ちすくむ俺の前では、人が焼かれていた。
他人の葬式を覗き見る趣味はないのだが、生まれて初めての光景に足が動こうとはしない。
人という動物が、目の前で炭に変わっていく瞬間だった。
ぐるぐる巻きにされた布地の間からは、パチパチという肉のはぜる音が聞こえている。
時折、既に息絶えて久しい体が、ビクンと動く。
それが、筋肉が燃える時の反応だとはわかっているのだが、思わず息を呑んでしまう。
ヒンドゥー教では、川は聖なる流れとされているらしく、灰はそのまま川に流されるらしい。
どれほどの富を得ても、どれほどの病に苦しんでいたとしても、人の身体はこうもたやすく、灰へと変わるものなのか?
風に流された灰が、川の流れに落ちていく。
人の世の儚さがノンフィクションで流れていく。 -
<BHAKTAPUR(バクタプル)>
-
<NARAYANG HAT>
土地カンのあるトーマスが、ヒマラヤが見渡せる場所に連れて行ってくれた。
レンタル・バイクでカトマンズ郊外を延々と走り、とんでもない山道を登り続けると息を飲む光景が! -
遥か遠くの青空に、聖なる山々が浮かび上がっている。
あれが「世界の屋根」か! -
絶景とはこういう風景の事を言うのだろうなぁ
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
25