1995/03/19 - 1995/03/19
55位(同エリア84件中)
北風さん
バックパックを背負った長期旅行者にとって、旅先で麻薬を楽しんだり、溺れているヨーロピアンに出会う事は、それほど珍しい出来事ではなかった。
特に麻薬が一部合法になっているこの国では、一般的にジャンキーと呼ばれている方々以外にも、神秘主義というか、精神主義というか、黒魔術愛好家というか、とにかく、そういう方々との出会いは日常的な事だった。
その手の方々は、甘く匂い立つ紫煙の向こうで、妙に潤んだ瞳で優しく話しかけてくる。(何故か俺はそういう方々に好かれた)
「もう、GOA(ゴア)には行った?」
既に俺の時代に「ヒッピー」なる言葉は死語に近いが、噂は聞いた事があった。
バックパッカーの先駆けとも言える「ヒッピー」が、世界で見つけた(自分達の価値観での)聖地の一つが、インドの「ゴア」という村だという事を。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス
-
「ゴアはどこ?」
「ゴアはここだよ」
・・・未だ山の中を走るバスの中での会話だった。
もう一度ガイドブックに目を通すと、どうやら、現在は「ゴア」なる町はなくなったらしく、ゴアは州全体の名前になっていた。
イメージでは、怪しげな雰囲気の熱帯雨林が迫る漁村が既に出来上がっていたのだが・・・
とりあえず、旧名が「ゴア」だった街、現在「パナジ」と呼ばれる村では、さわやかな潮風が大きな椰子の葉を揺らしていた。 -
ヒッピーの3大聖地の一つ、ネパールのカトマンズは砂埃舞うゴチャゴチャとした都会だったが・・・
この聖地は、このままラグビー部が夏合宿をしてもおかしくないぐらい平和でさわやかな雰囲気に包まれていた。
本当にここが聖地?
牛車を引き連れた子供が、無邪気に微笑んで話しかけてきた。
「ミスタ〜!ガンジャ(マリファナ)あるよ!」
・・・ここが聖地かも・・・ -
安宿の娘が言うには、今の時期はシーズン・オフだから、それほど旅行者はいないらしい。
それでも、満月になると、どこからともなく多種多様な旅行者が集まりだし、それはそれは盛大なフル・ムーン・パーティーが始まるとの事。 -
安宿の娘は、麻薬に溺れた馬鹿笑いが響く白人の部屋の外で、一生懸命、学校の宿題をしていた。
なんと、高等数学だ。 -
旅日記
『ゴア』
赤茶色いヘドロの様な藻がへばりついている海岸に、トップレスの金髪女性が座禅を組む。
閉じられた瞼の上のまつげを、朝日がキラキラと輝かせていた。
インド4000年の「ヨガ」に目覚めて、「瞑想」を始める外人は多い。
ましてや、ここは60年代のヒッピーやビートニックと呼ばれた人々が、フリーマリファナの地として世界3大聖地の一つに数え上げた「ゴア」だった。
ただし、60年代も、こういう風にトップレスの白人女性の周りには、目を皿の様にカッと見開いたインド人が群がっていたのだろうか?
これじゃ、スケベおやじがかぶりついているストリップの舞台と変わらない。
まぁ、これだけ煩悩に囲まれていれば、聖なる修行も身が入るのかもしれないが・・
北部インドで出会った鼻ピーしたおねーちゃんが、「ゴアはクリスマスに行かなきゃ!」とのたまっていたが、その時期はこのどぶ色の海も澄んでいるのだろうか?
多分、サバが死んだような目をしたジャンキー達は現在より増えてはいるのだろうが。
貧困から這い上がろうと、必死で勉強する地元の人々と、麻薬に溺れて現在を忘れようとしているツーリスト達、希望と堕落が交差する日常がゴアだった。
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