[ロシア] サンクトペテルブルクの3日間

2008/05/08 - 2008/05/10

ちょうどプーチンが大統領を2期修了し、メドベージェフと大統領を交代する時期にロシアを旅行しました。ずっと開催されてこなかった1945/5/9の戦勝記念イベントが復活し、街は戦勝祝賀ムードで怖かったです。特に5/9の戦勝記念日には、戦争関係者が町中をパレードで練り歩いた上、最後にエルミタージュ美術館前の広場で盛大な祝賀イベントが開催され祝福を受けていました。

数万人はいたであろう参加者は、全員オレンジと茶色のストライプのリボンを体のどこかに付けていて、新興宗教のようでした。私もリボンを体の見える位置に付けていないと、集団で暴行を受けるのではないかという不安を感じました。第二次世界大戦を祝福する気持ちには到底なりませんでしたが、リボンをもらい、形だけでも第二次世界大戦を祝福させていただきました。完全に観光旅行の域を超えていたように思います。

前日まで観光していたモスクワでは更に盛大なイベントが行われており、戦車や戦闘機、弾道ミサイル車、大勢の軍隊が街中を練り回っていたようです。モスクワを観光中もさまざまな軍用車量が街中を走っていたので少し恐怖を感じました。

よく観光ガイドなどに、大勢の人が集まる場所に出かけないようにしましょう、と書いています。まさに5月9日にロシアを訪れる事ほど危険なことはないと思いました。2008年に復活したこの戦勝記念イベントは、その後2009、2010と3年連続継続されているようです。(記 2010/5)

エリア サンクトペテルブルク(ロシア)

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: 鉄道
• 航空会社: アエロフロート・ロシア航空

2008年に復活された軍事パレードの様子(1)です。
1945年5月9日、ロシアは戦争に勝ったのです。(当時はソビエト社会主義共和国連邦)
直接負けたのはドイツですが、日本もソ連の敵国として戦っていたので、この件に関しては、日本人はロシア人の敵です。
2008年以降、5月9日には毎年、盛大な戦勝軍事パレードが行われるようです。この時期にロシアを訪問する人は、ある程度歴史的な事実を勉強してから訪問することをお勧めします。無知ほど危険なことはありません。

テレビは軍事パレードの生中継です。モスクワの様子です。

2008年に復活された軍事パレードの生中継(2)です。
短距離ミサイルでしょうか、クレムリンの前の赤の広場を軍用車量が行進しているのが分かります。戦車・装甲車などあわせて200台が赤の広場を走行したらしいです。きっと街中はあちこちで戦車や装甲車が行列していたことでしょう。とても楽観的に観光などできません。

2008年に復活された軍事パレードの生中継(3)です。
クレムリンの上空を戦闘機が軍事パレードの一環として通過しています。巨大な爆撃機など大小合わせて32機がクレムリン上空を通過したようです。

2008年に復活された軍事パレードの生中継(4)です。
赤の広場(レーニン廟付近)のステージで上空の戦闘機を見上げるメドベージェフ大統領です。ほんの数日前にプーチン元大統領と職を交換したところで、まだ大統領3日目くらいの様子です。
私は後ろの軍人のバッジの多さに驚愕しました。どれだけ偉い軍人なんでしょうか。

2008年に復活された軍事パレードの生中継(5)です。
メドベージェフ新大統領の隣にはプーチン新首相もいます。
何度か写真を撮ったのですが、2人があまり目を合わせていない写真が多かったように感じました。

2008年に復活された軍事パレードの生中継(6)です。
この写真でもメドベージェフ新大統領とプーチン新首相は目を合わせていないようです。

5月9日はサンクトペテルブルクも軍事パレード(1)

さて、ホテルから外に出てみると、サンクトペテルブルクもものすごいことになっています。軍用機・軍用車量のパレードはありませんが、軍が出動して軍人さんのパレードが盛大に行われていました。
自分はロシアに肯定的な興味があり観光しているのですが、当時の敵国人であるのも事実です。酔っぱらいなど誰かひとりに言いがかりをつけられ、暴徒化したりしたら...などと考えると恐ろしくてなりません。このときは恐怖を感じながら写真を撮りました。

5月9日はサンクトペテルブルクも軍事パレード(2)
大量の軍人さんが行進しています。途中に巨大なスピーカで愛国心をあおりながら選挙カーのようなものも通っていました。
怖かったのは、一般の参加者がコール＆レスポンスに大声で応えていた事です。ロシア語は分かりませんが、日本のバンザーイバンザーイのようなものと思われます。

5月9日はサンクトペテルブルクも軍事パレード(3)
とにかく地元の人がぞろぞろと集まってきています。中には祝杯を上げてきたのでしょうか酔っている人もいます。

5月9日はサンクトペテルブルクも軍事パレード(4)
中にはこんなかわいい格好でお祭りに参加している人もいました。撮ってもいいですか？といったらポーズまできめてくれました。

オレンジと茶色のリボンは戦勝を祝福するリボンです。

5月9日はサンクトペテルブルクも軍事パレード(5)

エルミタージュ美術館も、前の広場にこんなステージが作られて戦勝モード一色です。この日はエルミタージュ美術館は営業していたのかな？入場口に近づける雰囲気ではありませんでした。

5月9日はサンクトペテルブルクも軍事パレード(6)

誰かが持っていた風船とエルミタージュ美術館。あまりにも状況と乖離した眺めだったので写真をとりました。この写真では平和で安全そうな感じを受けますね。

5月9日はサンクトペテルブルクも軍事パレード(7)

警備員です。もしかすると軍人さんかもしれません。男性と違って威圧感はありませんが、それが狙いかもしれません。ここは広場の真ん中なので少しでも暴動が起きにくいようにしているのかもしれません。

5月9日はサンクトペテルブルクも軍事パレード(8)

ロシアの双頭の鷲です。

最後に観光も少ししたので、その写真を載せます。
これは血の救世主教会、Храм Спаса на Крови、スパース・ナ・クラヴィー教会です。中には入りませんでした。美しい建物です。

エルミタージュ美術館の写真です。

素晴らしい作品が目白押しのエルミタージュ美術館ですが、私はエルミタージュ美術館の中で一番感動したのはこの像です。少し目の届きにくいところに展示されていたのですが、躍動感があり、一瞬でとりこになりました。

エルミタージュ美術館は美術館自体が美術品のような建物でした。

この廊下も美術品です。多少ロシアらしく、ゴテゴテしすぎている感が否めませんが、すばらしいです。

エルミタージュ美術館の窓からみた広場です。昨日(5月9日)の軍事パレードは嘘のようにすべて片付けられていて、今日は平和そのものです。

ロシアのマルシルートカ(1)です。結局一度も乗る事はありませんでした。しかし車体が古い... 2008年とはとても思えません。

これもロシアのマルシルートカ(2)です。どんな車両が来るかは分かりません。とても観光客が気軽に利用できる公共交通機関ではありませんのでご注意を。

この旅行記へのコメント （3）

• ウインク☆さん 2015/04/08 23:57:22

  戦勝記念日

  こんにちは。戦勝記念日からの検索でこちらにきました。来月サンクトペテルブルクへ行く予定ですが、サンクトペテルブルクからヘルシンキへ行く日が戦勝記念日と重なりました。やはり外出は控えたほうが良いでしょうか？
  朝8時ごろホテルを出発しようとかと思ってますが、、、。もし良かったらアドバイス頂けると助かります。よろしくお願いします。

  chiichiizemiさん からの返信 2015/04/12 21:03:10

  RE: 戦勝記念日

  こんにちは。
  
  閲覧して下さりありがとうござます。
  街中をぶらぶら歩き回って観光するのであれば、緊張が必要かと思いますが、移動だけなら何の問題もないのではないかと思います。
  
  私が体験したのは7年前の戦勝記念パレードで、パレード復活1年目でした。今とは少し状況が変わっているかもしれません。当時はパレード自体が珍しく警備に当たる軍人さんも市民の皆さんも慣れておらずビリビリしていて、近くにいるだけで危険を感じました。観光客への配慮など皆無でした。ですが今年(2015年)さすがに8回目なので多少は観光客への配慮もできるようになっているのではないかと思います。
  
  > こんにちは。戦勝記念日からの検索でこちらにきました。来月サンクトペテルブルクへ行く予定ですが、サンクトペテルブルクからヘルシンキへ行く日が戦勝記念日と重なりました。やはり外出は控えたほうが良いでしょうか？
  > 朝8時ごろホテルを出発しようとかと思ってますが、、、。もし良かったらアドバイス頂けると助かります。よろしくお願いします。

  ウインク☆さん からの返信 2015/04/13 18:01:23

  RE: RE: 戦勝記念日

  こんにちは。
  お返事頂きありがとうございます！
  移動より観光の方が安心かなと思ってました。
  やはり移動のみで切り上げます。
  慣れてればパレードも見たかったですが、、(^^;;
  ありがとうございました。