山手線全駅走破！東京を自転車で走ろう‐ＣＹＣＬＥ４＜新宿‐東京＞

2010/04/26 - 2010/04/26

山手線の２９駅すべてを自転車で走破しよう！
何のためにこんなことをやるのか自分でも謎だが、とにかくやりたいと思ったのだ。
足やお尻が痛くなり、道に迷って右往左往しつつ、ゴールの東京駅を目指して走れ、走れ！
時間内に東京駅の赤レンガを見ることができるのか？
山手線一周サイクリングの後編、最後にオチが待っていた…。

エリア 丸の内・大手町・八重洲(東京)

山手線の全２９駅を自転車で走破だ！
最初の有楽町駅を出発してから５時間あまり、ここまでびっくりするほど時間がかかってしまった。
タイムリミットは２０時。
それまでに最後の東京駅に辿り着き、さらに有楽町へ戻らなくては。

１３駅目、日本最多の乗降客数を誇る新宿駅に到着！
時刻は１５時２７分。

僕にとっては山手線沿線で一番なじみのある街が新宿。
慣れ親しんだ街でも自転車で走るとちょっと新鮮な目で街を見れる。
なんだか街の規模が少し狭くなったように感じるから不思議。

百果園のタイ産ドリアン。
タイから来た観光客の一行が嬉しそうに眺めていた。

喉が渇いたので百果園でスイカを食べました。
夏が近付きつつあることを感じるねぇ。

オープンしたばかりのヤマダ電機。
話題性もあってか、かなり混んでいる。
自分は今まで新宿だったらヨドバシに行ってたけど、ヤマダのほうが安いのかな。

靖国通りを渡って歌舞伎町。
裏通りを走ると、こんな時間でも黒い服のホストの姿。

歌舞伎町を抜けると、街のあちこちにハングルが目に付くようになります。
この辺がコリアンタウンで、韓国語も多く耳に入ってくる。
ホットックの店の前には行列ができていた。

６月に韓国へ行くので、最近わりとよく立ち寄る街です。
たいてい入るのが韓国広場というスーパー。
キムチや調味料、お菓子や新聞まで、韓国から直輸入された品々が並び興味深い。
お客さんは韓国人が半分、韓流ファンの女性が半分という感じ（笑）。

辛ラーメンとコーンひげ茶とフランス風クッキー？を買ってみた。
辛ラーメンはこの店で一番売れる商品なのではないかと思うほど、多くの人が買っていく。
これは辛いだけじゃなくて味も美味しい♪
コーンひげ茶は麦茶に似た味で口の中がさっぱりする。

自転車がぜんぜん前に進んでないことに気が付き、路地裏で語り合う韓国人カップルを横目に、急いで新大久保駅へ！
これで１４駅目、到着は１６時２６分。
このノロノロペースでは本当に山手線一周の達成が危うい。
これからはあまり横目を振らずに、走ることに専念しなくては…！

新大久保から少し進むと、なにやら甘〜い香りが…。

山手線の車窓でおなじみのロッテの工場でした。
工場から漂う香りはガムかな？
甘くて優しい香り…。
どれだけ山手線に乗ってもこの香りの存在には気付かないだろう。
この香りを嗅ぐことができただけでも自転車で走る意味はあった。

１５駅目の高田馬場駅に到着、時刻は１６時３６分！
高田馬場…、いい名前。

高田馬場といえば駅前のビッグボックス。

思っていた以上に坂が多い。
でもとにかく漕いで、漕いで。

１６駅目の目白駅に到着〜！
時刻は１６時４６分、よしっ、いいペースで来てる。
駅前ではお母さんを求めて小さな女の子が泣いていた。

目白に来たのは初めて。
駅の横には学習院大学。
山手線らしからぬ静かな印象の街だ。

裏路地を適当に走っていく。
おおっ、サンシャインが見えてきた〜！

路地を抜けると明治通り。
車の通行は多いけど、意外と走りやすいです。

１６時５７分、池袋駅に到着！
ここで１７駅目となります。
あと３時間。

夕方を迎えた池袋の街はたくさんの人で賑わってました。
相変わらず神奈川県民にとって池袋は縁のない街で、来たのは久々です。
埼玉の人だとまた違うのかな。

サンシャインを見上げる。
空は曇ってきて、ほんとうのサンシャインはいつのまにか消えていた。

サンシャインの裏が乙女ロード。
女子向けのアニメや同人誌の店が並ぶ。

ちょっと男子は近寄りにくい雰囲気？

ちょっと道に迷い、遠回りしちゃったけど、１８駅目に到着です。
１７時１６分、大塚駅〜！

大塚の駅前には都電が走っていて沿線でも個性的な街並み。
庶民的な趣の街でここ好きかも。
さっ、次は巣鴨だ！

が、ここでミスをする。
線路沿いに道が見当たらなかったので、なるべく線路から離れないように走った…つもりだった。
しかし、走っても走っても一向に巣鴨の街に辿り着かない。
そのうちに入り組んだ住宅街に迷い込み、さっぱりどこだかわからなくなった。
なんとか住宅街を抜けだし、案内標識でここがどこなのかわかった。
せ、千石！？
ってどの辺だっけ、いずれにしても巣鴨とはまるで方向が違うはず！
ということで巣鴨へ戻ろうとするが、これもよく道がわからず右往左往。
このときばかりは、今日は本当に東京駅へは辿り着けないかもしれない、と思った。

しかしその後、夕日の位置で方角を判断するという原始的な方法でどうにか助かりました（笑）。
１７時２９分、１９駅目の巣鴨駅〜！

時間はやばかったのですが、せっかく巣鴨へ来たんだから、と有名なとげぬき地蔵に寄ることにしました。

商店街にはおばさんやおばあさん向けの洋品店や靴屋、和菓子屋などが並びます。

とげぬき地蔵の高岩寺は夕方ということで人もまばらでした。
とりあえず参拝だけ。
さすがに僕のような若い人はいないよなぁ、と見ていると…。

意外にも若い男性が一人で参拝に来ていた。
彼が洗い観音のところへ行ったので見ていると、柄杓で水を掬い左手、右手と洗って手を合わせて拝んでいた。
あぁ、ちょっとそれ違う…。

洗い観音の前にはタオルが置いてあって…。

そのタオルで、観音様を洗うのです。
自分の治したい所を洗うのが良いらしく、お腹を洗う人もいれば、頭を洗う人もいました。
毎日洗われてるからすごく綺麗です。

今度は線路沿いに道があってラッキー。
ようやく２０駅目の駒込駅、時刻は１７時４５分！
夕焼けの空がなかなか綺麗でした。

線路沿いに進みます。
僕が出発してから山手線の列車はもう何周したのだろう。

線路沿いで見つけた巨大ゴルフボール。
ここはライトというゴルフ用品を作ってる会社。

この辺が山手線の最北地点です。

気持ちいい下り坂を下ると、そこが田端駅でした。
２１駅目、時刻は１７時５５分！
初めて来たけど想像してた通りの地味な雰囲気の街だなぁ。

そんな田端を華やかにする？マスコットキャラの「りゅうのすけくん」。
って、なんで河童？
後に調べたところによると、田端にはかつて芥川龍之介が住んでいて、その代表作の「河童」から着想を得たらしい。
しかしどう見ても、芥川龍之介には結びつかないキャラだなぁ（笑）。

２２駅目、西日暮里駅に着いた〜！
急な上り坂があり、自転車を押して進みました。
時刻は１８時３分、あと２時間切ったね。

西日暮里〜日暮里間は約５００ｍと山手線の最短区間です。
でもここもまた上り坂がつづき、あんまり楽な区間ではない。
そろそろ足がやばいです。

暮れゆく東京の街…。

２３駅目の日暮里駅、時刻は１８時１０分！
日が暮れる里…、その名のとおりの時間に来ることができた。

夕暮れの似合う街。
せっかく日暮里へ来たんだから、谷中銀座に寄っていこう。
谷中銀座は東京で一番好きな商店街。
下町らしい飾り気のない商店街で、こんな所が今の東京に残ってるというのは貴重だと思う。

のんびりとした夕暮れの商店街。

最近は外国人観光客も多いようだ。
外国人は片言の日本語で、店の人は片言の英語でやり取りする光景が微笑ましい。
ヒゲを生やした外国人は焼き鳥を指差して「イチ」と言っていた。
店の人も「イチ」と言って袋に焼き鳥を一本入れる。
なるほどこれでいいのか…、と異国を旅する術をひとつ学んだ気がした。

僕も小腹が空いてたので、コロッケを買いました。
ふつうの大きさなのに１個３０円と超安い。
この商店街の雰囲気と同じ素朴な美味しさ。

静寂の谷中霊園を走ります。
犬を散歩させてる人などがいる。

途中で見つけた重厚な門。
寛永寺の霊廟で重要文化財とのこと。

１８時３７分、２４駅目の鶯谷駅に到着！
ここが山手線で一番乗降客の少ない駅です。
確かに駅前にはなにもなくて、少し離れたところにタクシープールがあるけど乗客誰もいません。
山手線にもこんな駅があるんだね。

とうとう夜が訪れました。
電車の中を覗くと帰宅ラッシュで混んでます。

シロナガスクジラかな？

２５駅目の上野駅に到着は１８時４３分です！

池袋以来の都会らしい街です。
夜の東京は明るいので自転車の運転もしやすい。

線路のガード沿いにつづくアメ横を進みます。
ここは人多いんで自転車押して…。
彩りが豊かで歩いてるだけで楽しい街です。

東京でもとくにアジアを実感できる場所でしょう。

２６駅目、御徒町駅に着いた〜！
時刻は１９時１分、ついにあと１時間を切った。

ここからは中央通りを南へ。
広い道路で気持ちいい〜。

ひときわネオンが輝く街へ。

１９時１０分、２７駅目の秋葉原駅に到着！
夜の秋葉原はたくさんの人で混んでいた。
まさか誰も、僕がこんな奇妙な挑戦をしているとは思ってないだろう。

ここもまた外国人の姿が多い。
多くの外国人がネオン街の風景を写真に撮って行く。

ここまで来ればもう一息です。
東京駅の高層ビルも見えてきました！

思わずそっちの方に心が動き、通り過ぎてしまうところでした。
１９時２２分、２８駅目の神田駅！

さあ、山手線２８の駅を巡りました。
残す駅はあとひとつ、東京駅だけ！
八重洲側でもよかったのですが、せっかくなら赤レンガの駅舎を見ながらゴールの喜びを感じたかったので丸の内側にまわりました。
ペダルを漕ぐスピードが自然と速くなります。

そして、ついに！

山手線全駅走破、２９番目にして最後の駅、東京駅に着いた〜！
記念すべきゴールの時刻は１９時３３分でした。
有楽町駅からはじまり、山手線すべての駅を一日で巡ったのです。
９時間にも及ぶ長〜い道のりでした…。
ゴールの余韻に浸りながら、駅舎を見上げると…。

ありゃっ？

赤レンガの駅舎がシートで覆われている！
すっかり忘れていたのですが、東京駅の赤レンガは改修工事の真っ最中なのでした…。
ゴールして赤レンガを見上げたいと思っていた僕は、なんだよこれ〜という気分でした。
山手線すべての駅舎を見るはずだったのに、最後の東京駅だけは見ることができなかった。
実にいじわるなオチでした（笑）。

でもお腹いっぱいという感じの一日でした。
これだけ東京のいろんな街を一日で巡ったのは初めてでした。
山手線一周で東京という都市の大きさや奥深さや多様性を知ることができたと思います。
そして一番思ったこと。
やっぱり東京は面白い。

あともう少し、走らなくてはいけない。
最初の場所へ戻らないと。

１９時４７分、有楽町に到着！
東京の街に、自転車で、ぐるっと丸を描きました。