2009/05/23 - 2009/05/23
114位(同エリア534件中)
ベームさん
マウルブロン修道院は今回の旅行の主要な目的地の一つです。
金も地位もないシュヴァーベン地方の庶民の子弟たちにとって、マウルブロンの神学校からチュービンゲン大学に進み、神学者、牧師、教師になるのが最も望ましいことであった。
ヘッセは1891年9月、14歳の時難関の州の試験に優秀な成績で合格し郷土の期待を背負ってマウルブロン修道院の付属神学校に入学した。前途は約束されたようなものだ。しかし”突然の内面の嵐に襲われ”翌年の3月に神学校を脱走する。いったん連れ戻されるがヘッセの精神状態は元に戻らず5月に退校し郷里カルプに戻る。
13歳の時すでにヘッセは”私は詩人になるか、そうでなければ何にもなりたくない”と考えていた。神学校のラテン語だ、聖書だという画一的な勉学に耐えられなかったのだろう。
だがこの時の苦しい体験が「車輪の下」、「知と愛/原名ナルチスとゴルトムント」、「ガラス玉遊戯」などを生み出すことになった。
写真はファウスト塔。マウルブロン修道院の隣にある。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス
- 航空会社
- ルフトハンザドイツ航空
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5月23日、4日目。ハイデルベルク駅。
8:10発のRE。これからマウルブロン修道院へ。 -
途中のブレッテン駅。
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ミュールアッカー駅。ハイデルベルクからマウルブロンに行くのにはここで鉄道からバスに乗り換える。
ミュールアッカー8:57着。駅を出たらすぐ左手にバスターミナルがあり9:04のバスで修道院最寄のバス停マウルブロン・ポスト着9時22分。片道2ユーロ。 -
ミュールアッカー駅。
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マウルブロン:修道院への最寄のバス停マウルブロン・ポスト。
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マウルブロンの町並み。修道院があるので重苦しい所かなと思っていたがとても明るくて清潔な町だった。
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キャリーバッグを引き摺り石畳を歩くこと約10分。見えてきた、あれがマウルブロン修道院だ!
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マウルブロン修道院:門。
ついに来た。この門はヘッセの「知と愛」でも象徴的に描かれている。(「知と愛」ではマリアブロン修道院となっている)。ゴルトムントが語りかけ、馬をつないだ栗の木はどれだろう。 -
マウルブロン修道院の門。
いよいよこれからマウルブロン修道院を訪れるのだ。胸が高鳴る。 -
マウルブロン修道院:入口の門を内側から見る。
キャリーバッグは切符売り場で預かってくれた。左手の建物。入場料6ユーロ。 -
マウルブロン修道院。
左下が門。中央の大きなのが僧院。 -
マウルブロン修道院:ヘッセを紹介するプレート。
ヘッセはここではおちこぼれなのだが。 -
マウルブロン修道院。
多分ここで学んだ著名人と思う。
上からケプラー(天文学者)、カール・フリートリヒ・ラインハルト(外交官?)、ヘルダーリン(詩人)。 -
マウルブロン修道院。
1147年シトー派の修道院として設立。1556年プロテスタントの修道院学校になり、1807年神学校となった。13世紀に建てられた建物(食堂、会議室、鍛冶場、玄関、礼拝堂などが残っている。この建物群が建設当時の状態を良好に保っていることから1993年世界遺産に登録された。 -
マウルブロン修道院。
この広々とした明るい中庭はどうしたことだろう。想像していたのとは違う。「車輪の下」に描かれている陰鬱なイメージとは重ならない。 -
マウルブロン修道院。中庭は広々とし周りの建物は陽光の元明るく輝いていた。
14歳の少年ヘッセは仲間とこの広場を走り回ったこともあったのだろう。 -
マウルブロン修道院。
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マウルブロン修道院:市役所。
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マウルブロン修道院。
ここでも結婚式の一団に会う。 -
マウルブロン修道院。
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マウルブロン修道院。
中庭を取り囲む建物。 -
マウルブロン修道院:市公会堂。
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マウルブロン修道院。
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マウルブロン修道院。
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マウルブロン修道院:中庭の噴水。
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マウルブロン修道院僧院。
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僧院と噴水。
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マウルブロン修道院。
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マウルブロン修道院。
僧院の中に入る前に外側をぐるりと回る。 -
マウルブロン修道院。
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マウルブロン修道院。
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マウルブロン修道院。
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マウルブロン修道院。
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マウルブロン修道院。
建物の配置はかなり複雑。 -
マウルブロン修道院。
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マウルブロン修道院。
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マウルブロン修道院。
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マウルブロン修道院。
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マウルブロン修道院。
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マウルブロン修道院回廊。
いよいよ僧院の中に入る。僧院の入り口は自動改札になっていた。なにかアンバランスだ。 -
マウルブロン修道院。
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マウルブロン修道院。
開口部が多く光が入り明るい。 -
回廊。
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マウルブロン修道院。
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マウルブロン修道院:消えかかったフレスコ画の壁画。
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マウルブロン修道院:かの噴泉。
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マウルブロン修道院:噴泉。
ヘッセの「車輪の下」に月の光が水盤の水に震える様が描かれている。また別の小品でもこの噴泉のことを懐かしく描いている。今は水が無かった。 -
マウルブロン修道院。
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マウルブロン修道院。
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マウルブロン修道院。
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マウルブロン修道院。
回廊。 -
マウルブロン修道院:礼拝堂。
ナルチスもゴルトムントもこの礼拝堂で敬虔な祈りを捧げているさまが「知と愛」に描かれている。 -
マウルブロン修道院:礼拝堂。
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マウルブロン修道院:礼拝堂。
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マウルブロン修道院:礼拝堂。
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マウルブロン修道院。
外に出ました。 -
マウルブロン修道院。
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マウルブロン修道院のそばのファウスト塔。
修道院の一部ではなく修道院の外側にある。16世紀、実在の人物ファウスト(この近くのクニットリンゲンで生れた)がこの塔にこもって錬金術を行ったとされる。ここまで来る観光客は少ないのか辺りには誰も居ない。 -
マウルブロン修道院:ファウスト塔。
神(修道院)と悪魔(錬金術師)が隣り合わせ。 -
ファウスト塔。
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マウルブロン修道院全景。絵葉書です。
上方の池がヘッセの「車輪の下」でヒンズー少年が水死した池(と思う)。
念願のマウルブロン修道院訪問を終わり満足です。バスでミュールアッカー駅に戻り、エスリンゲンに向かいました。
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この旅行記へのコメント (2)
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- 歩さん 2013/01/05 17:32:15
- 明けましておめでとうございます
- 今年もよろしくお願いします。
年明け早々、投票いただきありがとうございました。
昨日より、ヘッセの『デミアン』を再度読み直していたところです。
高校時代に読んだ内容でしたので、細部はかなり忘却の彼方へ…でしたが、「生まれようとするものは、一つの世界を破壊しなければならない。」の行は、記憶にありました。
読み終えて、ヘッセの旅をされたベームさんの旅行記で、マウルブロン修道院を訪れてみました。
外観は、ドイツのしゃれた建物という感じで、修道院のイメージからは離れていますね。
話の中のように、噴水に水が満たされていたらいいのになあと思ったところです。
なかなか奥が深いヘッセ&『デミアン』でした。
- ベームさん からの返信 2013/01/05 21:31:54
- RE: 明けましておめでとうございます
- 歩さん、
明けましておめでとうございます。
昔というか若いころ読んだ本を時々読み返すのは楽しいものですね。私はもう何年も新刊書はほとんど買っていません。古来万巻の書が書かれているのにそれに付け加える物が新しい書に見出せるとは思わないからです。
デミアンを読んだのは私も高校の時でした。ヘッセの作風の転機になった作品と言うことで訳も分からず読んだのだと思います。
マウルブロンの修道院、たしかに想像していたよりは明るかったです。でも僧院と言うか本体の建物の中は重々しく静まり返っていましたよ。
今年も初夏にドイツに行く予定にしていて目下計画作成中です。
では、今年も宜しくお願いいたします。
ベーム
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