1997/10/10 - 1997/10/10
58位(同エリア87件中)
北風さん
レテシィアには小さな動物園があった。
そう、ここはアマゾン最深部、街外れに行けば、望まずとも希少生物や、珍獣に出会えるどころか襲われる可能性大のロケーション。
しかし、だからこそ、このアマゾンの動物園に何が飼育されているか興味があった。
-
街外れに動物園があった。
多分動物園だと思う。
人っ子一人見当たりはしないが・・ -
動物園入り口から続く道は木立の向こうへと消えている。
そして側面は50mの幅をはさんでフェンスに囲まれている。
・・・これは、幅50mで奥行きが延々とある動物園なのか? -
アマゾン動物園日記
『バクの食事』
うららかな午後、木陰で「バク」が寝ていた。
普通日本じゃ放し飼いにされるような動物じゃないのだが、アマゾンじゃ別にどうでもいいらしい。
(まぁ、街を外れると、そのまんま野生動物王国なのだが)
確か、「バク」は夢を食う動物という事だったが、すると現在食事中? -
バクが寝ている風景は、かなりほんわかとした物だったが、バクの背後のフェンスに貼り付けられたサインボードには、なかなか緊張感が漂っている。
「For your own safe・・・」
直訳すると、「あなた自身の責任です。動物に触るのも、ちょっかいだすのも」
・・・つまり、何があろうとも当局は一切関知しないわけか! -
アマゾン動物園日記
『ふくろうの眼差し』
「ふくろう」がいた。
「こんな熱帯で暑くないのか?」と問い掛けたくなるほど、ふかふかの羽毛で覆われている。
子供のふくろうなぞ、牛乳ビンみたいでなかなかかわいい。
まぁ、それ程珍しい動物でもないが、彼らには俺が珍しいらしい。
右に行っても、左に行っても、ジッとつぶらな瞳を全開にして見つめてくる。 -
アマゾン動物園日記
『アマゾンの人魚』
少し大きめの井戸があった。
飼育係らしきおっちゃんが、なにやら得体の知れないビンを片手に井戸を覗く。
黒々とした水面が「ザバッ」と盛り上がると、中から黒犬が顔を出した。
水面下にはアザラシそっくりの胴と、伊勢海老そっくりの丸っこいうちわの様な尻尾が揺らめいている。
これが「マナティ」と呼ばれる生物なのか?
遠い昔、陸地に取り残された海洋生物がわんさかいるアマゾン、イルカもいればアザラシもいるらしい。 -
アマゾン動物園日記
『ミニ・ガメラ?』
唯一の入園者である俺につきっきりで案内してくれた飼育係の兄ちゃんが、いきなり小さな池のフェンスを飛び越えた。
「何があっても、あなたの自己責任で・・」との看板がぶら下がっているフェンスを!
兄ちゃんがザバッと小さな池に手を突っ込む!
茶色く濁った水の底から出現したのは、
・・・これは、亀なのだろうか? -
怖い!
兄ちゃんが触ってみろと差し出すこの生物は、果たして
地球に生存する生物なのか?
恐る恐る甲羅らしき部分に手を伸ばすと、ぼこぼこといびつな外見とは裏腹に、叩くと「ポコポコ」とプラスチックみたいに柔らかい音がする。
しかも、頭は五角形!
こいつ、絶対、噛み付きそうな気がする。
このままホラー映画の小物で使えるこのガメラ、名前は「マタマタ」と言うらしい。 -
アマゾン動物園日記
『ワニの恐怖』
「オーチョ、オーチョ!」
上半身裸、しかも片腕の飼育係が叫んだ。
どうやら、それがそいつの名前らしい。 -
茶色く濁った水面に波紋が広がる。
スーパーで売っている卵(しかも、Lサイズ)の1.5倍はあろうかと思えるほどの目玉が浮上!
ギョロリとにらまれた。
不覚にも目をそらしてしまった。
まるで、潜水艦が出現するシーンだ。
鼻が、牙が、そして俺のサイズなら一口で飲み込んでしまいそうな巨大なアゴが水をかきわけながら現れてきた。 -
オーチョがその巨大なアゴを「ドカッ」と、沼の縁に乗せる。
「ズルッ」、その反動ででこぼこの身体が這い上がる。
「ドガッ、ズルッ、ドガッ、ズルッ」、一目散に俺達を目指して来ていた。
とうとう目前まで迫って来たのだが、なんとワニのトレード・マークの背中のゴツゴツは未だ沼の中に続いている。
でかいにも程がある! -
飼育係のおっちゃん、モップの柄をおもむろにオーチョに向けた。
「何をするつもり・・」と怪訝な表情を作る暇も無かった。
おっちゃん、モップの柄でおもいっきり目の前の方を突っつきだす!
俺は昔、深酒して路上で寝込んだやくざにつまずいた経験があるが、今回、絶対それ以上に危険な状況が目の前に展開されようとしている気がする。
片目をつむって「大丈夫、大丈夫」とウィンクしているこの飼育係の片腕は無い。
これ程説得力の無いシーンもなかなかお目にかかれないのではないだろうか?
おっちゃんの挑発に野生の本能は敏感に反応した!
「グワオッ」という気合一発、オーチョがフェンスに噛みつきなさった!
俺との距離は、40cmもあっただろうか?
カメラのファインダーに飛び込んできたのは、いきなり始まった暗闇の中に光る無数の牙とのどちんこだった。
この日、久々に本物の恐怖と再会する事になった。 -
ここはレテシィア、アマゾンの最深部にある動物園。
とても小さい動物園。
どれぐらい小さいかと言うと、体長7mを超える元気ハツラツのワニを、片手が簡単に入る隙間を持つ高さ1m程のフェンスの中に飼っている程の。
こことサファリ・パークとの違いは微かなものではないだろうか? -
アマゾン動物園日記
『アナコンダのサービス』
「ほーら、あんちゃん、記念に首に巻いてみろ!」
ホースを持った土方のおっちゃんかと思っていたのだが、どうやら飼育係のお方らしかった。
「お前、運がいいぞ!今日は、こいつ、元気が無いから、外に出して日光浴をさせていたんだ。」
(バクの放し飼いはともかく、こんなアナコンダさえ外に出しているのかここは?)
おっちゃんの手の中のアナコンダは、日向ぼっこを終えたばかり。
アイドリングを終えたスポーツカーの様にレスポンスがよく、とても元気が無かった様には見えない。
よく動きクルクルととぐろまで巻こうとしている。
・・・どうする?
確かに日本の動物園じゃ絶対にないサービスなのだが・・ -
湿った生ゴムの様な感触が首筋に重くのしかかる。
何故この丸太ん棒のごとき首は、しきりと上に伸びたがるんだろう?
その方向には、俺の喉仏しかないはずなんだが・・
「そいつはいいアナコンダだから噛まない!安心しろ!」
と、おっちゃんはのたまった。
経験上、人間の場合、いい奴がずっといい奴のままであった事は数少なかった気がするのだが・・・ -
かなり昔の写真だと思う。
最初、まだら模様の巨大なしめ縄に見えた。
これが、何かを飲み込んだアナコンダだとは!
一体何を飲み込んだのだろう?
アナコンダは世界一巨大な蛇の上に、ものすごーく攻撃性が高いらしい。
人間に例えるならば失恋直後のボブ・サップみたいなもんだ。 -
さて、明日はとうとうペルーのイキトスへ行く!
別にここまで来たら、そこまで先を急ぐ必要も無いのだが、ここから引き返す以外に向かえる場所がそこしかない。
さすが、秘境アマゾン!
なんと、航路と空路以外、この奥地から脱出できなかった。
(つまり、ここから海に向かう道路が存在しなかった)
とにかく、ブラジルを東海岸沿いに南下する事をあきらめた時点で、もはや俺にはペルー西海岸へ向かう選択肢しか残ってなかった事になる。
明朝4時、俺はアマゾンを後にする。
アマゾン脱出ルートは、もちろんアマゾン川!
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