2009/10/17 - 2009/10/18
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zakoneboyさん
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「浮き城と言うそうな」
小説「のぼうの城」の中でその城の様子を豊臣秀吉が石田三成にそう語った。
その城とは、埼玉県行田(ぎょうだ)市にある「忍城(おしじょう)」。
利根川と荒川に挟まれ、幾本もの水路が市内を走り、深田に囲まれた、
水に浮かぶ古城のある街…、を私は思い浮かべたのだがそれは大昔の話。
今はどこにでもあるような首都圏のベッドタウン。
などと簡単に切り捨ててはいけない。
なんと調べてみれば、かなりの勢いで観光に力を入れている街なのだ。
古くは古代の古墳群から、天平文化に詠まれた万葉の歌、
小説でも活躍する難攻不落の戦国の城、
代々徳川親藩の大名が治めた江戸時代の繁栄
近代を支えた足袋の生産、そして今は「ゼリーフライ」と、
千数百年の歴史を繋ぐこの街の記憶そのものがこの街の観光スポットなのだ。
では早速、市内に点在する歴史の記憶をこの足で巡りながら繋いでいきたいと思う。
興味のある方はモデルコースとして参考にしてみてください。
ちなみにこの行田市は埼玉県の県名由来の地でもあります。
JR高崎線「行田駅」へは渋谷新宿方面と上野方面からそれぞれ1時間15分くらい。
行田駅に着いたら、まずは階段を下りて左手にある観光協会で相談にのってもらおう。
ここでレンタサイクルを借りる。
レンタサイクルは市内4ヶ所に点在する施設であれば乗り降り自由。
返却は原則夕方4時までだが、
それ以降でも鍵を駐輪場のポストに入れておけば何時でも問題なしの、
完全アナタまかせ主義をとっている。
先ほどもらった地図やパンフレットの類と
ついでに夢や希望をかばんに詰めて、いざ出発。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- JRローカル
-
駅からまっすぐ、まずは「水城公園」。
糸を垂らすたくさんの釣客と、
よだれを垂らすたくさんの昼寝客が集まる長閑な場所。
今の時期(10月中旬)なら
水面に漂うホテイアオイがぎりぎり咲いてます。 -
最初の水城公園はさらっと流し、進路を左にとる。
間もなく「蒸気機関車」がいきなり目に飛び込んでくる。
特にこの町を走っていたとか
ここで造られたとかではないようなのだが、
とりあえず写真におさめる。 -
市役所の手前を左に入るは
「浮き城の径(みち)」という。
忍城祉まで続く。 -
城址にある「郷土博物館」(入場料:200円)
行田市の歴史を、古代から現代まで知ることができる。 -
「御三階櫓」
郷土博物館と渡り廊下でつながっていて、
ここも内部は展示室になっている。
いかにもハコものといった鉄筋コンクリート造りは
ちょっとがっかり感がある。 -
城址から125号線を東に進む。
道沿いには可愛らしい童(わらべ)の「銅人形」が立ち、
行き交う人たちの心を和ませている。
「お前も銅人形にしてやろうか?」(by閣下) -
城址から125号線を一生懸命自転車をこいで約5分。
「大長寺」がある。
ここには大仏と芭蕉の句碑が建っている。
「古池や 蛙飛び込む 水の音」 -
大長寺から忍川沿いを南へ進み、
「茂美の湯」の賑やかな看板が左手に見えたら
そこを左折、まっすぐ進むと巨大な公園が現れる。
ここは「さきたま古墳公園」。
この周辺一体には、円墳やら前方後円墳やらが
あちこち大量に点在し、
私も2回ほどつまずいて転びました。 -
あの上杉謙信も布陣した
「丸墓山古墳」からの眺望。 -
古墳公園から武蔵水路沿いの
「さきたま緑道」のサイクリングコースを使って南下。
「堤根」の交差点を右に、更に左に曲がり、
観光協会の地図に乗ってない部分をうろうろすると、
やがて「石田堤(いしだづつみ)」が現れる。
ここで「石田堤」の話を。
豊臣秀吉、天下取りの総仕上げたる小田原攻めの折、
北条傘下の成田氏の居城「忍城」を攻略すべく
石田三成軍総勢2万が包囲。
上方(かみがた)流の銭ばら撒き作戦により
多くの人足をかき集め、
利根川と荒川を結ぶ28キロにも及ぶ土塁を
たった1週間で築き、
忍城周辺の町や村を一気に水に沈めたのだった。
現存しているのはこの200mあまりのここだけ。
今でもこの辺りでは「忍(おし)のニューデール」として
語り継がれているとかいないとか。 -
ちょうど時間は昼過ぎ。
腹も減ってきたので石田堤の目の前にある
「味処えんまん堤(てい)」に立ち寄る。
行田の名物といえば「ぎょうざ」ではなく
「フライ」と「ゼリーフライ」なるもの。
他所(よそ)では食べられない味としてテレビで見たことがある。
早速「フライ」を注文してみる事にした。
見た目はパンケーキ風お好み焼きと言ったところ。
しかしこれ、何か懐かしいなぁ。
子供の頃東京の縁日に並ぶお好み焼き屋っていったら
大阪風ではなく広島風でもなく、
まさにこんな感じだったような気がする。
懐かしくて美味しい郷土の味「フライ」でした。
フライ(大)450円+たまご50円 -
石田堤から再び「堤根」の交差点に戻り、
さきたま緑道へは入らず、そのまま東へ進む。
「埼玉東」の交差点を左へ北上。
この辺りは道が狭く車も多いので
自転車は十分気をつけましょう。
やがてまた広い公園が現れる。
ここは「古代蓮の里」。
公園内では40種類10万株以上の蓮(はす)が見られ(6月〜8月がピーク)、
池を囲むようにベンチや東屋(あずまや)もたくさん設置されていて、
ちょうど陽気もぽかぽかしてきたので一休みには最適でした。
他にも大きな滑り台のある「冒険遊び場」や
野菜やみやげ物が買える売店、
蓮の資料館と展望台を抱える「古代蓮会館」(入場料:400円)など
家族連れでも1日中楽しめる。 -
ちなみにこれ、市のキャラクター「つぼみちゃん」。
-
くつろぎ過ぎて1時間爆睡してしまった。
そろそろ駅方面に戻ろう。
「古代蓮の里」から「さきたま古墳公園」へは、
田畑の間を方位磁針を見ながら疾走すれば
だいたい15分ほどでたどり着く。
そこから県道77号線に入り北上する事、更に10分。
「佐間」の交差点から10mくらい先に「高源寺」がある。
ここは小説「のぼうの城」で、
攻め寄せる長束正家の部隊四千六百を
わずか数百の小勢で戦いここ佐間口を守り抜いた
漆黒の魔人「正木丹波(まさきたんば)」が後に、
武士をやめて開基した寺である。
もちろんお墓もある。 -
「高源寺」から斜めに道路を横断すると神社があり、
その中を通過させてもらうと
「水城公園」の東側へ入る事ができる。
程近くに田山花袋の「田舎教師」の一節を刻んだ
文学碑が建っている。
「絶望の悲哀と寂寞とに堪へ得られるやうなまことなる生活を送れ
運命に従うものを勇者といふ」
ちょうど夕方4時。駅の観光協会へ帰る。 -
2日目。
一日中自転車をこいでいたせいか、
昨日の夜は足が生まれたての子馬状態。
今日はレンタサイクルはやめて、
行田市自慢の巡回バスを利用してみよう。
路線は4系統で各右回りと左回りが1日に5本ずつ走っています。
バスはいわゆるミニバスで、渋谷で言うとハチ公バスと同じ。
運賃も同じく100円。
時刻表は観光協会でもらえるので工夫すれば案外遠くまで行く事ができます。
今日の出発は、秩父鉄道「行田市駅」からです。 -
まずは10:04
ふれあい号左回りに乗り「北河原」停留所で下車。
利根川方面へ歩いて10分、堤(つつみ)へ上る手前に「照岩寺」がある。
山門を入って右手に芭蕉の句碑が建っている。
「父母の しきりに恋し 雉の声」 -
堤を上れば眼下に田園が広がり、その先に利根川本流がある。
この堤は中世の頃より利根川の氾濫を防いできた
「中条堤(ちゅうじょうてい)」と呼ばれている。 -
再び「北河原」の停留所へ。
11:36
今度はふれあい号右回りに乗り「老人福祉センター」で下車。
歩いて5分、利根川河川敷に出る。
川を挟んだ向こう側は群馬県だ。
目の前に「利根川大堰(おおぜき)」が横たわる。
ここは首都圏へ水を送る分岐点の役割を果たしている。 -
大堰の下の階段を下りていくと、
地下には「大堰 自然の観察室」があります。
利根川に棲む魚の生態や、観察記録などが展示、
壁面のガラス窓からは、水中の溯上する魚の姿を覗く事ができる。 -
ちょうどこの時期は鮭や鱒が溯上中との事で、
粘りに粘って写真を撮ったんですが
どうやらこれは大きな鯉のようです。 -
ぶらぶらと河川敷を歩く。
パラグライダーや水上スキーが旋回する度に、鷺の群れが舞い上がる。 -
次の目的地の「如来堂」は大まかな地図にしか載っていない場所なので、
勘にまかせて河川敷の堤を下りよう。
説明し難いが、とにかく適当な所で堤を下りたら、
偶然そこは「如来堂」の祠の裏側だった。
ここにも芭蕉の句碑がある。
「あの雲は 稲妻を待つ たよりかな」 -
この「如来堂」(阿弥陀堂)の本尊は
この地で発見された後、将軍綱吉の母に信仰されて
江戸へ、
そして再びこの地に戻り、
堂の扁額も忍城主自らの書という
堂々たる経歴があるにも関わらず、
今ではこの打ち棄てられた感じがかなり切ない。 -
県道59号線に戻り、「須加公民館前」停留所から
13:30、かがやき号左回りに乗車。
「行田市バスターミナル」停留所へ14:03に到着。
この時間ちょうど4路線のバスたちが勢揃い。
14:20、浮き城号右回りに乗車。
14:58、「JR行田駅前」に到着。
15:25の湘南新宿ライナーにて帰路。
ちなみにお土産は「十万石まんじゅう」を買いました。
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