他の人とは違う旅　～マルセイユ・オトルマン～

2009/10/10 - 2009/10/12

１５年前に１度この街に来たことがある。
が、僕にとってマルセイユは魅力的な響きを持つ都市ではない。

地中海で魅力的なフランスの都市は、ニーズやカンヌに始まってサントロペなどだろうし、プロバンス的を探すならば、エクサンプロヴァンスの方が響きよい。

治安が悪く、落ち着けない街だと昔からの悪評をぬぐい去れないでいる街。

そんなマルセイユだが、積極的に訪れてみたい憧れの場所が一箇所あったのでTGV欧州線で一気にベルギーから南下した。

エリア マルセイユ(フランス)

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: 鉄道

（最近欧州を結ぶTGVは内装がクリスチャン・ラクロワバージョン。パソコンゾーンというのもある。3人席で電源の確保が可能。TGVは乗り心地や静寂さは後回し。だが、視覚効果は高いので、米国や中国向け鉄道入札競争では意外と有利かも。）

そう、欧州で屈指の綺麗な岩場と言われているカランクを訪れることが主目的だったのだ。

岩場の話とカランクの話は別の機会に設けるとして、マルセイユは実際どうなのかと言えば、実はそこそこ快適な街だった。

勿論、マグレブ系移民など（或いは２世３世）が怪しげに街を徘徊しているし、
観光案内の冊子の出来が著しく悪かったりもする。
（観光名所を紹介するのはいいがその場所へのアクセスの表示がいい加減＝「バス○番」の記載のみ。「何処行き」とか「何駅下車」くらいは書いておくものだと思うが…）

それでも、大都市なのに人で溢れかえってる様子もないし、パリジャンほどアグレッシブでもない。適当に田舎なのだ。

なんとなく生き残ったような旧市街や港にもそれなりの趣がある。海岸も海岸を取り巻く雰囲気、光の色もスポーティーでよい。ダイビングやウインドサーフィン、カイトサーフィン、シーカヤックにも気軽に取り組めそうだ。

そして、それでもここはフランスであり、図書館やデパートやトラムまでもが織りなす街のパースペクティブ、新旧の数ある建造物にエスプリが感じられる。

1950年代にコルビジェ（本名はシャルル=エドゥアール・ジャンヌレ=グリ）のデザインで建てられた「ユニテ・ダビタシオン」という集合住宅なども見に行ったが、客船がモチーフとなっていたりしてやはりマルセイユらしさがあった。

(ホテルとしても使われているようだ）公営住宅レベルのものをどうリノベートしたのか、内装には興味がわいてくる）

ブイヤベース如きに30ユーロ以上払うのが当たり前になったようだが、魚のスープなどはまだその3分の１の値段でかなり美味しいかったりして、やはり港街としても魅力はあったりする。

そう、前評判よりはよく、実はちらり、ちらりと魅力を覗かせる街。

それがこんにちのマルセイユなのだと思った。