元陽・龍樹覇　夕暮れの棚田の村へ迷子ハイク【前編】

2009/03/23 - 2009/03/23

2009年3月下旬、以前から行ってみたかった元陽棚田と少数民族の集まる定期市を覗く旅に出かけました。

元陽新街鎮から歩いて行ける龍樹覇棚田めざして、夕暮れ迫る山道を歩いてハイキングに出かけたものの……。
おじさん一人、ハニ族の村夕暮れ迷子旅【前編】

エリア 中国

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 高速・路線バス

早朝からの多依樹棚田観光の疲れか、ビール付きの昼食を食い過ぎたためか、午後は動けず。昼寝までしてしまった。時刻は午後４時過ぎ。。
どうせなら、棚田観光DAYにふさわしく「夕暮れの龍樹覇棚田」も見に行こうではないか。情報によれば、３時間程度のハイキングだとか。ちゃっちゃっと途中まで行って帰れば暗くなるまでには十分戻れるだろう……。

饅頭二つと茶を仕入れて、いざ出発！
旧バスターミナルから宿街を抜けて程なく、下界の棚田が見え始める。

道端には貧相な水牛もいて、旅情をかきたてるではないか。

山道をどんどん歩くと、道端にもこんな棚田が現れる。……が、遠い下界の棚田には行く道が見あたらず、道端のは小規模。中途半端である。

しかし、新緑は目に優しく、気分は上々。

略図を見ながら、分岐点をすべて左にとって、この道の奥の村を目指すことにする。目指すは、新沙坪村。

樹間から棚田を望む。

路肩に刻んであった模様。
手前で、何やら儀式らしきものを厳かに執り行う３人の男たちにであったこともあり、これも何かの儀式に使う台か？……とこの時は思ったのだが、後日、同じ模様を描いてオセロ風orはさみ将棋風ゲームをしているところを目撃。真相や如何に……。

家鴨を連れてのお仕事帰り……らしい。

道端のこじんまりした棚田。
棚の補強は、石を積んだものである。

道の上の棚田の石積み。
石垣フェチの私にはたまらない眺め。

遠くむこうの方にも棚田。この下にも棚田があるもよう。
早く村から下って、美しい棚田が見たいものだ。

ずっと歩いてきて、しばらくぶりの村に到着。どうやら、手前の「上沙坪村」らしい。（村名が違うかもしれません。今日現在、元情報のサイトが開けなくなっており、確認できません）

村の入口には２本の古木があり、縄が渡してある。しめ縄？

しめ縄には、等間隔にくくりつけられた木片がぶら下がっている。
結界を示しているのか、魔除けなのか？
……どなたかご存じだったら、教えてください。

そんな高尚な関心とは無関係に、かわいらしい村の子どもたちに出会う。

無邪気である。そして、なかなかおしゃれである。

まだ他にもいた。はいはい、撮りますよ。
……かなりおすましモード。

村の入口付近の林の中で、何やら作業中の女性たち発見。
よく見ると、織機にかける前の糸をどうにかしている模様。

「ちょっと見てもいい？」と声をかけると、しばし考慮の後に許可されたので、鎮守の森みたいな雰囲気の林の中の小広場に下りていく。

織機にかける前の経糸(たていと)を整えているところのようだ。

みなさん、ハニ族。

糸の手前側は木に巻き付けて固定。
棒でさばきながら引っぱって、ぴんと張る。

な、ながい！
しかし、糸はもっと長い。向こうには、すでに作業が済んで巻き取られている部分もあるし、手前の木に結んであるのは糸の途中。この作業が終わったら巻き取って、同じことをくり返すのだろう。

一本一本、手作業で修復していく。切れている糸を結んでいるのか？

何の糸？と訊いたら「多毛花」という答えが返ってきたんで、これでいいの？と字を書いたら「そうだ」と言う。しかし、後で調べてもこの植物の正体がわからない。綿花か？と訊いたら「違う」と言ってたし。
どなたかご存じありませんか？

織りあがったものは、黒く染めるんだそうだ。

……そんなことをしているうちに、時刻は午後６時を過ぎる。いかん、いかん！先を急がねば。
村の中は住宅密集地。広い道があるのは村の入口まで。村中は、家と家の間の路地のような道があるのみ。
……通っていいのか、ここ？

ウルトラマンＴシャツの少年と水牛。

はいはい、撮ればいいんでしょ。
で、「新沙坪はどっち？」

あっち？あっちって、この１ｍもない道を行けばいいのね？どうみても、あぜ道にしか見えないのだが……。
迷っている時間はない。とにかく道があるところ、行くしかない。

この判断は間違っていた……と今ならわかる。夕暮れ迫る村の道、私はどこへ？　　　（後編に続く）