【ベトナム旅行記3/5】憤激のヴィクトリア・エキスプレス

2008/09 - 2008/09

サパからハノイに戻るのに再び夜行列車に乗る。なんとサパで「ヴィクトリア・ホテル」に泊まった人は「ヴィクトリア・エキスプレス」というちょっと豪華な車両に乗ることができるのだ。寝るところは結構狭いものの、食堂車がついていたりね。

エリア ベトナム

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: 鉄道 タクシー
• 航空会社: バンコクエアウェイズ

やや早めにその電車に乗り込んだところ……僕たちが泊まるはずだった車両が、朝のラッシュ時みたいな混雑。すれ違うのがやっとの広さの廊下に欧米の団体客がごった返してて、えらい険相で客室乗務員に文句を言っている。

どうも、ベッド数が足りないらしい。

客室乗務員も入れかわり立ちかわり行ったり来たりで、なんかおろおろしている様子。僕たちは戻るわけにもいかず、とりあえずはこの騒ぎが終わるまで待たされる羽目になった。

……長い……。

30分ほど騒いで騒いでようやくその団体客の方は納まったが、今度は僕たちの泊まる部屋が無い。「ちょっと待ってくれ」と言われて、そのまま狭い廊下に置きっぱなし。最高責任者（たぶん）のフランス人も出てくるけど、彼は従業員にはっぱをかけるのみで、我々は相変わらず廊下に立ちっぱなし。

「僕たちはずっと待ってるんだ。どうしてこんなに時間がかかる？」乗務員を見るたびに声をかけるけど、「申し訳ありません」の一言でプイッと向こうに行ってしまう。ほんとはもっと激怒してまくしたてたいのに、いかんせん僕の英語力ではそこまでできない。う〜……イライライライラ。


１時間ほどそんな状態が続いて、ようやく、別の車両で空き部屋を見つけたらしい。そこに通されて、はい、おしまい。乗務員はどっかに行ってしまった。もう怒りは沸点近くに。この思いを伝えたい。でも僕の英語力でどこまで伝わるだろうか。


そしてそして、間もなく最高責任者のフランス人登場。一通り形式どおりの謝罪を述べたあと、「サービスでドリンクを１杯ご用意しますがいかがですか」だと。


僕の怒りは頂点に達した。ドリンク１杯！

僕たちが１時間も待たされた不安と苛立ちと苦痛と…その代償が、あなたの５秒の謝罪とドリンク１杯か！これは言わねばならぬ。僕の思いを伝えねばならぬ。意を決して口を開いた。

「僕は別に、ミスがあったことに怒っているのではないんです。ミスはいつだって起こり得ることです、人間なのだから。だからこそ、ミスがあったあとにどのようなフォローをするかが大切になってくる。

だけどあなたがたはそのことをまったく理解していないように、僕には見えます。部屋がないとわかった時点で、なぜそのことを僕たちに伝えなかったのですか？代理の部屋を用意するのに時間がかかるのなら、食堂車で待ってもらうという手もあったはずです。なのになぜただ放置したのですか？

いろんなフォローがとれたにもかかわらず、あなたがたは何もしようとしなかった。そのことに僕は怒っているのです。


そしてようやく部屋が見つかったから、それで解決したとでも思っているのですか？なぜミスが起きたのか、なぜここまで長引いたのか、僕はそれを説明してほしい。僕たちにこれだけの不快を与えたことをどのように考えているのか、あなたの意見がほしい。

そういったことをすべてないがしろにし、ドリンクのみを差し出して「何もなかったこと」にしようとする態度を、僕は誠実な態度とは到底思えないのです」



と、いうようなメッセージを込めて一言「No.」と言ってやった。僕の思いを受け取ったフランス人は自らの不明を恥じ、今後の改善につなげていくに違いない……って、そんなわけないだろ！ああ、英語力の無さが恨めしい。。。　


いろんなものに呪詛の念を抱いた列車の旅でした。