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1976年6月<br /><br />次の日曜日、いよいよアフリカにソフトテニスの種がまかれた後、初めての練習会である。<br /><br />とにもかくにも、アフリカの大地にソフトテニスの歴史のページが数えられ始めた記念すべき日なのだ。<br /><br />「今日は、どんな出来事が発生するだろうか、どんな情景が展開するだろうか」<br /><br />前例が余りにも乏しく、やってみないと分からないことばかりだ。<br /><br /><br />始球式の前にやった二回の練習会、始球式と、今日を入れれば日曜日行事が連続四回続けてなので、日本人たちにあまり無理に来てくれとは言えない。<br /><br />しかし腕が悪くても、多少のラリーが出来る日本人がいなかったなら、たくさんのザイール人を相手にテニスとはどんなものかさえ見せることができず、全くお手上げだろう。<br /><br /><br />ザイール人は、何人来てくれるだろう。<br /><br />少なくとも、これまで以上は来てほしいものだ。<br /><br />だが、あまり多くが来過ぎてくれても、コートの数は3面なので少な過ぎるし、チャンとした指導など出来ないだろう。<br /><br />しかしテニスの面白さをまったく知らない彼らに、果たしてソフトテニスへの興味が芽生えるものだろうか。<br /><br />多くの不安と若干の期待を持って、約束の9時にフナコートに行く。<br /><br /><br />すると、ザイール人は四〜五十人は来ていて、コートのあちこちにグループごとにたむろしていた。<br /><br />日本人は、私を入れて五名。<br /><br />まず準備に「イチ、ニ、サン」と号令をかけながらラジオ体操をやってみる。<br /><br />揃って体操をする光景は珍しいらしく、何人かの人がコートの外で不思議そうに眺めている。<br /><br />「変わったことをやるのがやって来たものだ」<br /><br />ザイール社会の日本に対する印象を良くしようとしているのが、下手をすれば逆効果にもなり兼ねない懸念もある。<br /><br /><br />次にはラケットを持たせて、ボールを地面につく練習をしてみた。<br /><br />ラケットにボールが当たるのが、テニスの始まりと考えたからだ。<br /><br />この動作が続くには、ラケットの角度が地面に並行しており、かつ強すぎず弱すぎずにちょうど良いラケットスピードが必要なのだが、初めて経験する彼らは様にならない。<br /><br /><br />やがて赤道直下(南緯4度)の太陽は次第に勢いを増して、ジリジリとコートに照りつけてきた。<br /><br />ザイール人たちは帽子もかぶっていないので、慣れているはずのこのような暑さでも、動きが鈍くなりがちである。<br /><br />

キンシャサ日記【625】テニスはつまらないと思わせたくない

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1976/06 - 1976/06

13位(同エリア85件中)

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ソフィ

ソフィさん

1976年6月

次の日曜日、いよいよアフリカにソフトテニスの種がまかれた後、初めての練習会である。

とにもかくにも、アフリカの大地にソフトテニスの歴史のページが数えられ始めた記念すべき日なのだ。

「今日は、どんな出来事が発生するだろうか、どんな情景が展開するだろうか」

前例が余りにも乏しく、やってみないと分からないことばかりだ。


始球式の前にやった二回の練習会、始球式と、今日を入れれば日曜日行事が連続四回続けてなので、日本人たちにあまり無理に来てくれとは言えない。

しかし腕が悪くても、多少のラリーが出来る日本人がいなかったなら、たくさんのザイール人を相手にテニスとはどんなものかさえ見せることができず、全くお手上げだろう。


ザイール人は、何人来てくれるだろう。

少なくとも、これまで以上は来てほしいものだ。

だが、あまり多くが来過ぎてくれても、コートの数は3面なので少な過ぎるし、チャンとした指導など出来ないだろう。

しかしテニスの面白さをまったく知らない彼らに、果たしてソフトテニスへの興味が芽生えるものだろうか。

多くの不安と若干の期待を持って、約束の9時にフナコートに行く。


すると、ザイール人は四〜五十人は来ていて、コートのあちこちにグループごとにたむろしていた。

日本人は、私を入れて五名。

まず準備に「イチ、ニ、サン」と号令をかけながらラジオ体操をやってみる。

揃って体操をする光景は珍しいらしく、何人かの人がコートの外で不思議そうに眺めている。

「変わったことをやるのがやって来たものだ」

ザイール社会の日本に対する印象を良くしようとしているのが、下手をすれば逆効果にもなり兼ねない懸念もある。


次にはラケットを持たせて、ボールを地面につく練習をしてみた。

ラケットにボールが当たるのが、テニスの始まりと考えたからだ。

この動作が続くには、ラケットの角度が地面に並行しており、かつ強すぎず弱すぎずにちょうど良いラケットスピードが必要なのだが、初めて経験する彼らは様にならない。


やがて赤道直下(南緯4度)の太陽は次第に勢いを増して、ジリジリとコートに照りつけてきた。

ザイール人たちは帽子もかぶっていないので、慣れているはずのこのような暑さでも、動きが鈍くなりがちである。

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