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全20回東ティモールのレポートはこちら<br />http://www.junkstage.com/world/yuu/?cat=11<br /><br />東ティモール旅行記 vol.1(全20回)<br /><br />「あしたから、バリ島に行くから」<br />「…そんなわけないでしょ」<br />日本を出る最後の晩の、母親との会話。<br /><br />3年越しの夢であった、東ティモールへの渡航を決めたのは、わずか2週間前だった。<br />3年前は、麻疹にかかって断念。<br />2年前は、現地情勢が悪化し自粛。<br />1年前は、年末年始の繁忙期で、バリまでのチケットが取れなかった。<br />そして今年。ふとこんな中途半端な師走の忙しい時期に休暇を取る気になったのは、<br />どうも原因不明の体調悪化がひどくて少し休みたかったというのが半分と、<br />あとはいつもの”衝動”が半分。人はこの衝動を「病気」とも呼ぶ。<br /><br />いつもは出国直前に猛烈に予習をするのだが、今回は3年越しなので、これまで読んできた本を何冊か読み返すだけで済んだ。<br />秀逸だったのは、『いつかロロサエの森で』(南風島 渉)。<br />独立闘争さなかの東ティモールで、ゲリラ従軍取材を試みている重要な書籍だ。<br /><br />そもそも私が東ティモールへ興味を持った3年前のきっかけは、その当時付き合っていた恋人が自衛官で、東ティモールのPKO派遣を経験していた話を聞いたからだった。<br />PKO、紛争、虐殺。<br />そんなキーワードからは惨憺たる世界しか想像しなかったのだが、彼はこう言っていた。<br /><br />「状況は凄惨だったけど、穏やかな国だった」<br /><br />すぐに彼は「うーん。穏やかってのは、やっぱちょっと違うかな」とも言っていたが、<br />妙にその言葉が引っ掛かったのを覚えている。<br />世界広し193カ国のうち、国名だけでも言える国がいくつあるだろう。<br />そして立地上、東ティモールを「インドネシア」だと思っている人も多い。<br /><br />独立を果たしても尚、政治闘争と権力闘争に揺れ動き続ける不安定な国。<br />去年は大規模な暴動も起こっていたし、今年になっても選挙のときには危険地帯と化す。<br /><br />危険が好きなわけではない。語弊を恐れず言うのならば、嫌いなわけでもない。<br />しかし現地の人々や、まして国に迷惑をかけるわけにはいかないから、外務省の言う「危険情報」と現地に暮らす方の情報を照らし合わせて判断をすることにしている。<br /><br />「何をもって、危険とするかだな」<br />出国の前日に勤務先の部長がそう言っていた、その言葉がきっと一番正しいのだと思う。<br />スリやひったくりで1日10人以上の日本人が怪我をする国と、政治闘争で軍幹部が暗殺計画を繰り返している国と、たとえば1週間の旅行をするときにどちらが安全か――という話だ。<br /><br />「今なら、大丈夫」<br />しかし現地を知る人々のその言葉を、わたしが希望的観測ももって、すこしだけ過信していたことも、確かである。<br /><br /><br />つづく…全20回東ティモールのレポートはこちら<br />http://www.junkstage.com/world/yuu/?cat=11<br /><br />

日が昇る場所――“ティモール・ロロサエ”

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2007/12/10 - 2007/12/20

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ユウ

ユウさん

全20回東ティモールのレポートはこちら
http://www.junkstage.com/world/yuu/?cat=11

東ティモール旅行記 vol.1(全20回)

「あしたから、バリ島に行くから」
「…そんなわけないでしょ」
日本を出る最後の晩の、母親との会話。

3年越しの夢であった、東ティモールへの渡航を決めたのは、わずか2週間前だった。
3年前は、麻疹にかかって断念。
2年前は、現地情勢が悪化し自粛。
1年前は、年末年始の繁忙期で、バリまでのチケットが取れなかった。
そして今年。ふとこんな中途半端な師走の忙しい時期に休暇を取る気になったのは、
どうも原因不明の体調悪化がひどくて少し休みたかったというのが半分と、
あとはいつもの”衝動”が半分。人はこの衝動を「病気」とも呼ぶ。

いつもは出国直前に猛烈に予習をするのだが、今回は3年越しなので、これまで読んできた本を何冊か読み返すだけで済んだ。
秀逸だったのは、『いつかロロサエの森で』(南風島 渉)。
独立闘争さなかの東ティモールで、ゲリラ従軍取材を試みている重要な書籍だ。

そもそも私が東ティモールへ興味を持った3年前のきっかけは、その当時付き合っていた恋人が自衛官で、東ティモールのPKO派遣を経験していた話を聞いたからだった。
PKO、紛争、虐殺。
そんなキーワードからは惨憺たる世界しか想像しなかったのだが、彼はこう言っていた。

「状況は凄惨だったけど、穏やかな国だった」

すぐに彼は「うーん。穏やかってのは、やっぱちょっと違うかな」とも言っていたが、
妙にその言葉が引っ掛かったのを覚えている。
世界広し193カ国のうち、国名だけでも言える国がいくつあるだろう。
そして立地上、東ティモールを「インドネシア」だと思っている人も多い。

独立を果たしても尚、政治闘争と権力闘争に揺れ動き続ける不安定な国。
去年は大規模な暴動も起こっていたし、今年になっても選挙のときには危険地帯と化す。

危険が好きなわけではない。語弊を恐れず言うのならば、嫌いなわけでもない。
しかし現地の人々や、まして国に迷惑をかけるわけにはいかないから、外務省の言う「危険情報」と現地に暮らす方の情報を照らし合わせて判断をすることにしている。

「何をもって、危険とするかだな」
出国の前日に勤務先の部長がそう言っていた、その言葉がきっと一番正しいのだと思う。
スリやひったくりで1日10人以上の日本人が怪我をする国と、政治闘争で軍幹部が暗殺計画を繰り返している国と、たとえば1週間の旅行をするときにどちらが安全か――という話だ。

「今なら、大丈夫」
しかし現地を知る人々のその言葉を、わたしが希望的観測ももって、すこしだけ過信していたことも、確かである。


つづく…全20回東ティモールのレポートはこちら
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