1980/11/02 - 1980/11/03
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miyabi-doさん
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【海宝漬】 岩手県釜石市・編
“日本唯一、世界で二つ”のコピーに誘われて、釜石までやって来た。橋の上に市場があるのは、ここ岩手県釜石市とイタリアのフィレンツェ(ポンテ・ベッキオ橋)だけだという。
橋上市場(注:取材当時の話で、今は取り壊されてしまいました)には、どんこ(エゾイソアイナメ)に吉次(キンキ)、まつかわ鰈など、三陸ならではの名前の魚が並んでいた。
ふらっと食堂に入ったら、話好きの女主人に捕まってしまった。
「昔は、駅正面に新日鉄釜石の巨大な鉄鋼所が。当時は、県下第2の都市だったのに、閉鎖後は寂びれる一方。人口も、半分以下に減っちゃった。見ての通り暇だから、まぁ、ゆっくりしてってよ」
街を歩けば、至る所に“津波避難所”を示す標識が立ち、リアス式海岸の町に居ることを、改めて実感させられた。
しばらくして、看板に「三陸海鮮料理」の文字が誇らしい、中村屋の前に出た。
フランス料理の技を修得した兄・中村勝泰さんと、日本料理店で修行した弟・島村隆さんが盛り立てる店で、50年続く老舗だという。
「港町の料理屋なら、素材が新鮮なのは当たり前。他の店にない、オリジナル料理を看板にしています」(中村勝泰さん)
と語るだけあって、磯場焼やウニとアワビの海草蒸焼、カゼ(焼きウニ)のおにぎりなど、気になるメニューがずらり。
評判の取り寄せ品もあると聞き、今回の旨いものに選ぶことにした。そちらは、島村隆さんに紹介を願おう。
「地元で獲れた極上の素材を組み合わせ、海の幸が詰まった宝石箱という発想から、“三陸海宝漬”と名付けました。
20年前に完成して以来、進物で贈られた人が『もう一度、あの感激を味わいたい』、『この味を、ぜひ親しい人にも教えたいので・・』と、体験者の輪が次々に広がって、全国から注文が舞い込みむようになりました」
中身は、鮑にイクラに柳葉魚の卵に、メカブ(ワカメの胞子)。活きたまま弱火で炊き、固くなる寸前で火を止めた肉厚のエゾ鮑は、信じがたいほどの柔らかさ。
沖で捕獲した銀毛鮭のイクラは、口の中でひと粒ひと粒弾け、醤油漬けにしてあると言うが、生かと思うほどの薄味に仕上がっていた。
早春のうちに収穫し、もろみ漬けにしたメカブの柔らかさもいいし、柳葉魚の卵のプチプチ感も気に入った。
豪華さだけに走らず、メカブを入れることで、栄養のバランスが格段に良くなっている。
こんな素材の合せ方を選んだ、料理人の才覚にも拍手を贈りたい。
海宝漬を、熱々ご飯の上に乗せるだけで、そんじょそこらの海鮮丼なら道を譲る、飛びっ切りの丼が出来上がる。これがもう、
「止められない、止まらない」
と、歌いたくなるような旨さ。
もちろん、酒の肴としてもお奨めで、日本酒や辛口白ワインに合わせると、極上の逸品になる。
取り寄せた海宝漬は、瞬く間に半分に減ってしまった。
残りは、わさび醤油に浸けた鮪のブツ切りや帆立ての刺身など、身近で手に入る魚介類で増量し、惜しむように楽しんだものだ。
親潮と黒潮がぶつかる三陸の地ならではの、「海宝漬」。
この味の熱烈なファンが、全国ネットで居ることが素直にうなずけた。
DATA:中村屋 岩手県釜石市鈴子町5−8
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