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旨いもの紀行 山うに豆腐

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1980/04/02 - 1980/04/05

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miyabi-do

miyabi-doさん

【山うに豆腐】 熊本県球磨郡・編

 ♪おどま盆ぎり盆ぎり 盆から先ゃおらんと・・
 子守歌の故郷、五木村にやって来た。

 山々に囲まれた五木村の周辺には、壇ノ浦の戦いで敗れた平家の落人が逃れ住んだ、隠れ里伝説があるという。
 その証拠と言われるのが、この歌詞である。

 ♪おどみぁ勧進勧進 あん人たちぁよか衆・・
 よか衆とは、平家落人の後裔である旦那衆のこと。
 その下には、農奴の名子がいた。

 歳ごろになった名子の娘たちは、口減らしのため旦那衆の元へ子守奉公に出され、赤ん坊をあやしながら歌ったのが、この五木の子守歌である。

 隠れ住んだ山里で、落人たちは栄養価のある食品を工夫した。 それが長い年月をかけて近在に伝わり、つい最近まで各家々で造っていたのが、この地方独特の豆腐の味噌漬けである。

 しかし、全国規模で食品が流通し始めると、面倒臭いと作る家が減り、買う方が楽だと言っていたのも束の間、作る家も1軒また1軒と減り、ついには五木屋本舗だけになってしまった。

 消えかかっていた豆腐の味噌漬けを復活させ、村興しの名物にしようと頑張っているのが、五木屋本舗社長の橋本悦治さんである。

「豆腐を日持ちさせるには、腐りの原因となる水分を、抜かなければなりません。重石をかけた豆腐は、4分1から5分の1に縮んでしまいます。さらに火で焙って水分を飛ばしてから、もろみ味噌に漬け込みます。
 昔ながらのハード・タイプは6日間。最近人気のあるソフト・タイプは、途中で味噌を替えて半年間。発酵と熟成が進んでとろみが生まれ、渾然一体となるんです。食べた人が思わず漏らした、『まるで雲丹みたい』という感想をヒントに、3年前に“山うにとうふ”と名づけました」

 豆腐と味噌の原料は、共に大豆である。大豆は、“畑の牛肉”と称されるほど、蛋白質が豊富に含まれている。
 希少な蛋白源を補給できるので、山里では理想的な保存食と言える。

 そんな豆腐を、発酵食品の味噌と合わせて熟成させると、本来そこになかったビタミンも生まれ、食品としての完璧性が増す。 こんな知恵を生んだ郷土色や国民性は、誇ってよい。

「ハード・タイプの豆腐の味噌漬は、私が子供のころから、おやつ代わりに親しんできた味なんです。日持ちを助ける調味料として、生姜や柚子、一味唐辛子を入れるなど、家ごとに工夫してました。
 五木村では、おふくろの味でもあり、常備食でもあったんです。一方のソフト・タイプは、豆腐の味噌漬を知らない若い人たちに、“和製チーズ”として親しまれています。
 先入観がないため、そのままパンに塗ったり、クラッカーに挟んだりと、新感覚のおやつとして好まれているんです」

 同じ材料使い、同じ製法で作ったのに、まるで違う別な食べ物になってしまう、山うにとうふの不思議は、なんと表現したらよいのだろう。

 通常の5丁分の豆腐が、発酵と熟成により、見事にチーズになってしまう驚き。
 この感動は、一度体験する価値がありそうな気がする。

「普通の豆腐の味噌漬けのほかに、ゆずいりとキムチ漬けの山うにとうふもありますので、そちらもぜひお試しください」

DATA:五木屋本舗 熊本県球磨郡五木村乙407−2

PS:この紀行は、ふた昔前のものなので、実際の情報とはズレ場合があることを、予めご了承下さい。


同行者
一人旅
交通手段
JALグループ

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