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<br />1989年6月4日(1ドル=3370インティ)<br /><br />リマに到着したその日に、財布がジーンズの前ポケットから消滅していた。<br />これまで、いろんな泥棒に遭いそうになったことはあるが、実際に盗られたことはなかった。<br /><br />しかも、ジーンズの左前ポケットに入れているのだから、ここから抜くなんてほとんど不可能だけれど。<br />ペルーの泥棒、スリの噂は聞いていたので、ちょっと感心したりする。<br /><br />海外旅行で財布がすられたら、まず戻ってこない。<br />だから、損害を確認して、対応を考えなければならない。<br /><br />パスポートやトラベラーズチェックはある。<br />財布に入っていたのは、トラベラーズチェックが50ドル一枚。<br /><br />あと、現地通貨のインティはせいぜい20ドル分くらいか。<br />ドル札が、50ドル、10ドル程度入ってた。<br /><br />トラベラーズチェックは、届けを出せば、すぐに再発行できる。<br />結局損害は、現金の合計70ドル程度。<br /><br />1989年6月のレートだと、1万円弱の損害だ。<br />泥棒にあって損害が1万円ならば、「旅のエピソード」の代金として、諦められる額だね。<br /><br />問題なのは、クレジットカードが一枚入ってたこと。<br />日本を出る前に銀行の貸し金庫に、カードやいろんな書類を入れた。<br /><br />そのときに、一枚だけ銀行系のクレジットカードを持つことにした。<br />これにはマスターカードが付いていた。<br /><br />もともとは、ほとんど使う気はなかった。<br />だが、マドリッドのチャマルティン駅でバルセロナ行きの切符を買ったとき、便利に使えた。<br /><br />それ以来、何かある時のために、財布に入れておいたんだよ。<br />クレジットカードは日本に連絡して、紛失の連絡をすれば大丈夫だろう。<br /><br />ただ「国際電話をかけるのが面倒だなー」という感じ。<br />なにしろ1989年のことなので、インターネットもないし、国際電話も安くなかったからね。<br /><br />カードが盗難にあったら、そのあとの手続きが面倒なんだよ。<br />カードは便利だけれど、盗難にあわなくても、スキミングで情報を抜かれる恐れもあるしね。<br /><br />さて、今日はいろいろと動かなければならない。<br />そう考えて、まず行くところは、「オテルエウロパ」の向かいにある「サンフランシスコ教会」だ。<br /><br />何かをする前には、とにかく「祈る」ことが大事だ。<br />古びたサンフランシスコ教会で神に祈りをささげる。<br /><br />「ここまで導いてくださって感謝します」ってね。<br />次は、朝食をとりに、昨日夕食を取った日系人経営の「レストランマチュピチュ」へ。<br /><br />朝食として、「カフェコンレチェ(ミルクコーヒー)」とパンを取る(1400インティ)。<br />料金を払いにレジへ行ったら、店の女の子が「昨日財布忘れてましたよ」と、僕の財布を渡してくれた。<br /><br />いやー、びっくりしたなー。<br />リマだから、てっきりスリにあったのだと思っていた。<br /><br />また、心の中では、たとえ落としてても、まず出てこないと諦めていたわけだ。<br />財布の中には、現金で70ドル入ってたわけだ(もちろん中身はそのまま戻ってきた)。<br /><br />この時代のペルーで、70ドルというのは大金だよ。<br />置き忘れた財布を取っておいて、向こうから声をかけて渡してくれた日系人の立派さに感動した。<br /><br />サンフランシスコ教会へ戻って、神に感謝の祈りを捧げた。<br />そのあと、サンフランシスコ教会の修道院、カタコンベを見学する。<br /><br />修道院とカタコンベの英語ツアーが、学割をきかせて4000インティ。<br />学割がないと5000インティでした。<br /><br />次に、アルマス広場に面するカテドラルへ行った。<br />この入場料が3000インティ。<br /><br />カテドラルの中で、日本人のカップルに会って、軽く世間話をした。<br />そのあと、現地の子供たちがワイワイと、僕に話しかけてきた。<br /><br />「ミイラはどこにあるの?」とスペイン語で僕に聞く。<br />僕は「知らない」と答えた。<br /><br />あとで調べると「ピサロの遺体のミイラ」がカテドラルの中にあったらしいよ。<br />僕はただボーッと見ていただけなので、気が付かなかったけど。<br /><br />次に、サンマルティン広場へ行って、両替した。<br />この日のレートは、1ドルが3370インティ。<br /><br />10ドルを両替しようとしたが、僕の10ドル札が汚れているからと、3万2千インティしかくれなかった。<br />この時期、サンマルティン広場の北側、ウニオン通りの入り口には、両替商の皆様が集団で立っていた。<br /><br />ペルーの通貨インティが連日下落しているのに、あまり問題が起きてない。<br />それは、みんながドルの現金に両替しているからだろう。<br /><br />その日に使う分だけ、インティに両替したりしていたわけだね。<br />だから、車で乗り付けて札束を両替する人もちらほらいた。<br /><br />キオスクで、新聞と雑誌を買う。<br />英字新聞の「The Lima Times」が2500インティ、スペイン語新聞の「El Comercio」が700インティ。<br />「Newsweek」の最新版が6000インティだった。<br /><br />なぜこんなに買ったかというと、天安門事件が起きていたからだ。<br />スペイン語新聞「エル・コメルシオ」の大きなタイトルでは、5百人以上が死亡したとのこと。<br /><br />しかし、記事の内容では、死亡人数は150人程度になっていた。<br />天安門事件が起きたのが、中国時間で6月3日深夜から4日未明なので、速報が入って混乱していたのだろう。<br /><br />続いて、ウニオン通りのレストランに入った。<br />ここでペルー名物の「セビーチェ(魚介類のサラダにレモン汁と香辛料がかかったもの)」を食べて、よく冷やしたロゼワインを飲む。<br /><br />歩いていると、草を入れたお湯をあちこちで売っていた。<br />一杯200〜250インティで、身体によさそうなので3杯飲んだ。<br /><br />夜は結構冷えるので、上掛け布団をもう一枚もらう。<br />共同のシャワーでは、お湯が出るのは、朝の7時から9時までだそうだ。<br /><br />結局、すべてがいい方向へ向かった。<br />財布が見つかり、下痢がおさまり、セビーチェも食べた。<br /><br />英語とスペイン語の新聞を読んで、比較しながら、スペイン語の単語を拾ったりした。<br />これも、すべて、一日の最初にサンフランシスコ教会で祈ったからでしょう。<br /><br />http://homepage3.nifty.com/worldtraveller/south_america/rezar.htm<br />

『サンフランシスコ教会で祈ると財布が戻り、現地の新聞「el comercio」で天安門事件を読む』

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1989/06/04 - 1989/06/04

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みどりのくつした

みどりのくつしたさん


1989年6月4日(1ドル=3370インティ)

リマに到着したその日に、財布がジーンズの前ポケットから消滅していた。
これまで、いろんな泥棒に遭いそうになったことはあるが、実際に盗られたことはなかった。

しかも、ジーンズの左前ポケットに入れているのだから、ここから抜くなんてほとんど不可能だけれど。
ペルーの泥棒、スリの噂は聞いていたので、ちょっと感心したりする。

海外旅行で財布がすられたら、まず戻ってこない。
だから、損害を確認して、対応を考えなければならない。

パスポートやトラベラーズチェックはある。
財布に入っていたのは、トラベラーズチェックが50ドル一枚。

あと、現地通貨のインティはせいぜい20ドル分くらいか。
ドル札が、50ドル、10ドル程度入ってた。

トラベラーズチェックは、届けを出せば、すぐに再発行できる。
結局損害は、現金の合計70ドル程度。

1989年6月のレートだと、1万円弱の損害だ。
泥棒にあって損害が1万円ならば、「旅のエピソード」の代金として、諦められる額だね。

問題なのは、クレジットカードが一枚入ってたこと。
日本を出る前に銀行の貸し金庫に、カードやいろんな書類を入れた。

そのときに、一枚だけ銀行系のクレジットカードを持つことにした。
これにはマスターカードが付いていた。

もともとは、ほとんど使う気はなかった。
だが、マドリッドのチャマルティン駅でバルセロナ行きの切符を買ったとき、便利に使えた。

それ以来、何かある時のために、財布に入れておいたんだよ。
クレジットカードは日本に連絡して、紛失の連絡をすれば大丈夫だろう。

ただ「国際電話をかけるのが面倒だなー」という感じ。
なにしろ1989年のことなので、インターネットもないし、国際電話も安くなかったからね。

カードが盗難にあったら、そのあとの手続きが面倒なんだよ。
カードは便利だけれど、盗難にあわなくても、スキミングで情報を抜かれる恐れもあるしね。

さて、今日はいろいろと動かなければならない。
そう考えて、まず行くところは、「オテルエウロパ」の向かいにある「サンフランシスコ教会」だ。

何かをする前には、とにかく「祈る」ことが大事だ。
古びたサンフランシスコ教会で神に祈りをささげる。

「ここまで導いてくださって感謝します」ってね。
次は、朝食をとりに、昨日夕食を取った日系人経営の「レストランマチュピチュ」へ。

朝食として、「カフェコンレチェ(ミルクコーヒー)」とパンを取る(1400インティ)。
料金を払いにレジへ行ったら、店の女の子が「昨日財布忘れてましたよ」と、僕の財布を渡してくれた。

いやー、びっくりしたなー。
リマだから、てっきりスリにあったのだと思っていた。

また、心の中では、たとえ落としてても、まず出てこないと諦めていたわけだ。
財布の中には、現金で70ドル入ってたわけだ(もちろん中身はそのまま戻ってきた)。

この時代のペルーで、70ドルというのは大金だよ。
置き忘れた財布を取っておいて、向こうから声をかけて渡してくれた日系人の立派さに感動した。

サンフランシスコ教会へ戻って、神に感謝の祈りを捧げた。
そのあと、サンフランシスコ教会の修道院、カタコンベを見学する。

修道院とカタコンベの英語ツアーが、学割をきかせて4000インティ。
学割がないと5000インティでした。

次に、アルマス広場に面するカテドラルへ行った。
この入場料が3000インティ。

カテドラルの中で、日本人のカップルに会って、軽く世間話をした。
そのあと、現地の子供たちがワイワイと、僕に話しかけてきた。

「ミイラはどこにあるの?」とスペイン語で僕に聞く。
僕は「知らない」と答えた。

あとで調べると「ピサロの遺体のミイラ」がカテドラルの中にあったらしいよ。
僕はただボーッと見ていただけなので、気が付かなかったけど。

次に、サンマルティン広場へ行って、両替した。
この日のレートは、1ドルが3370インティ。

10ドルを両替しようとしたが、僕の10ドル札が汚れているからと、3万2千インティしかくれなかった。
この時期、サンマルティン広場の北側、ウニオン通りの入り口には、両替商の皆様が集団で立っていた。

ペルーの通貨インティが連日下落しているのに、あまり問題が起きてない。
それは、みんながドルの現金に両替しているからだろう。

その日に使う分だけ、インティに両替したりしていたわけだね。
だから、車で乗り付けて札束を両替する人もちらほらいた。

キオスクで、新聞と雑誌を買う。
英字新聞の「The Lima Times」が2500インティ、スペイン語新聞の「El Comercio」が700インティ。
「Newsweek」の最新版が6000インティだった。

なぜこんなに買ったかというと、天安門事件が起きていたからだ。
スペイン語新聞「エル・コメルシオ」の大きなタイトルでは、5百人以上が死亡したとのこと。

しかし、記事の内容では、死亡人数は150人程度になっていた。
天安門事件が起きたのが、中国時間で6月3日深夜から4日未明なので、速報が入って混乱していたのだろう。

続いて、ウニオン通りのレストランに入った。
ここでペルー名物の「セビーチェ(魚介類のサラダにレモン汁と香辛料がかかったもの)」を食べて、よく冷やしたロゼワインを飲む。

歩いていると、草を入れたお湯をあちこちで売っていた。
一杯200〜250インティで、身体によさそうなので3杯飲んだ。

夜は結構冷えるので、上掛け布団をもう一枚もらう。
共同のシャワーでは、お湯が出るのは、朝の7時から9時までだそうだ。

結局、すべてがいい方向へ向かった。
財布が見つかり、下痢がおさまり、セビーチェも食べた。

英語とスペイン語の新聞を読んで、比較しながら、スペイン語の単語を拾ったりした。
これも、すべて、一日の最初にサンフランシスコ教会で祈ったからでしょう。

http://homepage3.nifty.com/worldtraveller/south_america/rezar.htm

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