2008/08/10 - 2008/08/17
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soramoveさん
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アウキ(auki)近郊のカントリーライフ
アウキはマライタ州の州都として
首都からの飛行機が毎日2便と
船の往来もある、州で一番大きい町だ。
州政府の建物や裁判所、2つの銀行と
郵便局、複数の宿泊施設に20軒ほどの商店と
一通り揃っている。
海を正面になだらかな丘には
立派な家も多く見られる。
しかし10分も歩けば伝統的な
ニッパヤシの葉で屋根や壁を葺いた
高床式の家が多くなる。この家なら土台にする材木以外は
山に入って家族、親戚総出で葉を集め
乾燥させればワリと簡単に出来上がる。
もちろん窓は有ってもガラスは入って無いし、
水道や電気の設備もない。
友人のマチューは35歳、
知り合った当時は車の修理などをしていたが、
現在は水道局で働いている。
実家は山のずっと奥に有ると言い、
今は仕事に便利な場所に親戚の土地を借りて、
そこに伝統的な家を建てて
そこに夫婦と子供4人、全部で6人で住んでいる。
家は寝室に6畳2間と食事をする8畳くらいの
居間のある家で暮らしている。
寝室にはカギがついていて、
中には蚊帳を吊っていた。
居間は屋根のある板の間という感じで
階段をあがれば誰でも入ってこれる。
キッチンは別に小屋があり、
そこで火を使ってご飯を炊いたり、
炒めもの、煮物などをしている。
居間に座って紅茶をいれてもらい、
すぐ下を流れる川で釣りをする子供を見たり、
器用にココナッツミルクを作る様子を
ただ見てるのはゆったりとした良い時間だ。
日が落ちてくると、灯油のランプが登場、
この明りがボヤッとしてるので
話してるとすぐに眠くなってくる、
最新の電池式ランプもあったが、
あっと言う間に電池が無くなるので
特別な時にしか使わないと言う。
夕飯はご飯を中心に近くの畑で採れた
キャベツ(野菜の総称のように使うので、実際の
キャベツとは違うモロヘイヤに似た感じ)を
ココナッツミルクで煮て、
ちょっと塩を振りかけたような
ものや、おかずなのかサツマイモや
タロイモが並ぶ、
自分のような客がある時は
これに魚のココナッツミルク煮や、
新鮮な魚が無い時は
ツナ缶を開けてくれる。
ご飯はお皿に山盛りとりわけてくれる、
残すと悪いからと食べるのだけど、
おかずが無いので、ご飯だけを口に運ぶ、
出された水は飲みたいけど、
煮沸してる訳は無いし、
店で買ったミネラルウォーターではないので
飲むのをためらうが、
そのうち飲んでしまう。
何とかはなるものだ。
ここはマラリアの汚染地域、
町にはマラリア予防啓発の施設もあるが、
蚊取り線香を買う余裕があれば
食べ物に回すだろうし、
効果的な対策は無いと言って良い。
蚊帳が寝室にあるだけ素晴らしいが
「暑い」からと子供は居間で寝ているらしい。
彼らの夜の娯楽は教会へ行くことだ、
もちろん神に祈りを捧げるのだけれど、
人が集まって歌を歌い、
興がのってくると
自然と体を揺らしての大合唱で、
10時や11時頃まで教会にいるというから
村で一番立派な施設が教会なのもうなずける。
政府の仕事をしている親戚所有の土地に
家を建てさせてもらっているが、
収入の差は歴然だ。
子供をを学校へ行かすお金にも困る人も多いが、
公的な機関で働く役人はかなり裕福な生活をしている、
教育にも熱心で、大学まで行かせたら
ほとんどは政府の仕事に就き安泰だ。
そんなことの対極にいる
我が友人マチューは、
旅人の自分の目で見て
裕福とは言えないが、仕事前や終わりに
宿泊しているロッジに来てくれ
何かと世話をやいてくれた。
仕事を持ち、色々な制約が生まれると、
次の日や来週の予定を組んで暮らしている、
日本人と同じように、
自分の大切な時間を犠牲にすることで、
もっと経済的に豊かな生活をと願う、
これは当然のことだけれど、
あまりに差の激しい彼らの現状を見ると、
格差格差と騒ぐ日本はまだ
格差なんて言えないくらいだ。
お米が月収の半分くらいなんて家庭が
ザラにある彼らの暮らしぶりは
どこかおかしいと思わざる負えないを得ない。
そんなアンバランスさや経済のいびつな構造を
肌身に感じながら、
ロハスやフェアトレードという言葉の
あまりにも遠くに現実はあるのだなーと感じた。
そんなソロモンのカントリーライフ
@@
何が幸せなのか、その物差しは簡単には言えない、
人と比べるより、自分がどう感じているのか、
それだけでいいのに、人はやはり他人と比べたがるのだ
MY Blog → http://yaplog.jp/sora2001/
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2008年8月15日は
マライタ州の制定25周年の記念日。
二日程前から飾り付けが始まり、
ニッパヤシで作った簡易な屋根付き建物は
いくつかに区分されて、
当日は各種団体の行う活動が紹介されたり、
プロジェクトの生産品を展示即売していた。
警察署前から警察官を先頭にした
パレードが始まり、
小さなアウキの町をパレードして
会場へ入場すると、
集まった多くの市民が歓声を上げた。
長い長い来賓のスピーチの間には
耐えられなくなった警察官が倒れて運ばれる光景も。
その後はカスタムダンスが披露された。 -
有名な手製パイプを演奏しながらの踊りや
胸もあらわな女性達のダンスなど、
最初は遠巻きにしていた観客が
だんだん近寄って、
最後は輪の中でダンスが披露され、
子供達も大喜びの時間が過ぎた。
3時間近くの式典とダンスが終わり
一緒に見ていたマチュー(友人)と別れて
ロッジに戻った。
アウキはマライタ州の州都、
でもTVがある家は僅かだ、
以前はビデオを上映する場所があったが
今は無く、こういった催しがみんなに娯楽を
提供する貴重な機会なのだろう、
面白い動作に沸き起こる歓声は
青い空に吸い込まれるまで
しばらく耳に残り、その楽しい雰囲気の中に
自分がいることの幸せを体全体で感じた瞬間。 -
手製の笛はソロモンの中でも有名で
首都ホニアラでは帰りに記念にCDを買った。
素朴な音色がいい感じ。 -
アウキのオーガニック・カフェ(ソロモン諸島・マライタ島)
アウキのメインロードの両脇は
二階建ての建物が並び、
多くは中華系の商店で
その中に「オーガニック・カフェ」を見つけた。
入り口を入って最初の部屋は
主に野菜の種を売っている。
また近郊で育成しているソロモン米の
成長の様子を
パネルにして飾っているのが目を引く。 -
奥に入るとそこは食堂で、
昼にはランチなどの食事も提供している。
アウキでは宿泊施設には
簡易な食堂があるが、
単独の食事場所として、
町では「ドラゴンレストラン」という表示はあるが
今は営業していなかったり、
そのほかマーケットエリアでは
「フィッシュ&チップス」が
手軽に食べられるが
食堂となると他には見当たらない。 -
旅行者が少ないし、
外食の習慣がないからだろう、
このカフェの存在は旅行者にとっては貴重だ。
この日は「チキンのバーベキュー」25ドル(約400円)
他にはコーヒーが3ドルから。
テーブルが7つあり、
この時は3つのテーブルが埋まっていた。
経営としてはどうなんだろう?と思ったが、
こういうのは続けることにも意味があるので
このままクォリティも落とさないで
頑張って欲しいなと感じた。
また3日後のマライタデーの後、
ロッジで休もうと歩いていると
呼び止められ、話しを聞くとアウキ近郊の
フィユ村で行われている
APSDのマネージャーだと紹介され、
彼と再びオーガニックカフェへ。
この日のランチはフィッシュ&チップス、これに
よく冷えたココナッツジュース、
名前は失念したが、
元マライタ州の州知事だったと
いうことで、この日本とソロモンを結ぶ
Asia Pacific Sustainable Development という組織の
重要性などについて、
ものすごい熱意で話してくれた。
APSDが本拠を置くフィユ村は青年海外協力隊員が
かつては村落普及員として派遣され
日本との繋がりは他よりも強い。
研修センターなどは
かなり立派なものが出来ているようだし、
日本からの研修ボランティアを不定期で募集しても
いるようなので、これからも繋がっていくのだろう。
いつかソロモンにソロモン米が流通し
安価で提供される日がきますように。
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