原チャでゴー第３６弾−時計の針の止まった潮待ちの港　鞆の浦−

2008/08/31 - 2008/08/31

何だか今年の夏はちびっとパワー不足の感がある。

ここ数年の８月などアスファルトも溶け出すような、苛烈な日差しがガシガシ容赦なく降り注ぎ、原チャ乗りにとってこの時期の巡礼の旅は命懸け、少しの油断が、即身成仏ご一名様ご案内〜、となりかねない。

が、がである、８月も終盤を迎えたここ数週間、前線が日本列島にどっかりと居座り、入道雲に代わり雨雲が重く立ちこめ、日差しの代わりに雷雨が降り注ぐ日々、真夏日は何処？熱帯夜は何処なの？ああ、これって喜ぶべきか、もしや、地球破滅へのカウントダウン？ひー！神様ご勘弁をー！

で、今回の原チャでゴー、古代より潮待ちの港と知られ、江戸から昭和の色合いを色濃く残すこの港町にノスタルジーを求めて観光客の足が絶えない「鞆の浦」

岡山から約７０?、かなりのロング・ツーリングである。

で、前回から試みているエコ・ツーリング、信号停止の時にはエンジンを止め、時速も５０?に抑えてのネロネロ運転、そう俺は地球に優しいのだ、ついでに言うと財布にも優しい…。

８月とは思えない朝の涼やかな風を切って岡山を出発、海が大好きおじさんは港町に行くのだ、そう、そこにはまだ見ぬ海がある…潜れねーけどさ。

エリア 鞆の浦・鞆公園(広島)

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: バイク

ロード・オブ・ザ・鞆の浦

鞆の浦までは国道２号線をひたすら、ひたすら、ひたすら…西へ走る。

高速道路の整備もあり、中核都市付近以外の場所では交通量も疎らで、ひたすら、ひたすら、ひたすら…暇。

原チャの場合、暇だからと言って漫画を読むわけにもいかず、鼻歌を歌うもレパートリーが少ないのであっさりと終焉を迎えることとなる。

で、周りの景色に目をやるのだが、これまた、ひたすら、ひたすら、ひたすら…単調、おー！なってこった！

艱難辛苦の２時間が過ぎ、ようよう鞆の浦に到着、グスグス…嬉しいよう。

抑圧の２時間を解消すべく海に向かって叫ぶことに…。

「○○のバカ野郎ー！□□のバカ野郎ー！△△のバカ野郎ー！××のバカ野郎ー！…」

何だかなー、全然すっきりしねーぞ？

おー！海は良いぞー！ガハハハハ…、Ｐｉａｎｏ行きまーす！ザップーン…ブクブクブクブク…嘘、潜れませんって…。

弁天島の弁財天福寿堂が見えます、よく知らないのですが弁天様は海と縁があるそうです、んー？何でだろ？

むろの木歌碑。


「吾妹子が 見し鞆の浦の むろの木は　常世にあれど 見し人ぞなき」

大伴旅人が７３０年、太宰府からの帰り、鞆の浦へ立ち寄った際に詠まれた歌。

嫁さんと一緒に見た、鞆の浦のむろの木は変わらずここにずーっとあるけどさ、肝心の嫁さんは死んじゃっていねーよ、グスグス…。

何だかよく分からないが、鳩が屯っている鳩倉。

港町＝カモメのイメージを打破すべく、且つ鳩の地位向上を訴える武闘派の鳩の集会か？

糞攻撃が恐ろしいので、早々に撤退…、然るに内容は掴めなかった、くそ…。

おー！港だー！港は良いぞー！Ｐｉａｎｏ行きまーす！
ザップーン！ブクブクブクブク…これってデジャブ？

はははは、潮の香りを胸一杯に吸い込んで、元気はつらつオロナミンＣだー！でも、潮の香りじゃ腹は膨らまねー、飯をくれー！

欠食児童か？お前は？

配達迅速　浦隅酒店。

何だかなー、風味晒され幾十年、未だ現役やってます、ってな感じ？の看板？

オーシャンウィスキーって…？まだあったっけ？

福山藩が１８１１（文化８）年に築造した階段状桟橋。

おー、２００年かー、継続は力なりって言うか、一生涯現役って言うか、スゲーですね、俺もあと１５０有余年頑張ってみるかー！（おいおい、お前は化け物か？）

んー？何だろ？この捉え所のない違和感のある建物って？

モダンなのか、はたまた、レトロなのか？無意味に長細い窓ガラスは何のため？むむむ？もしや無闇に背の高い怪人どもの秘密結社か？（お前の頭の中身がレトロだよー。）

高い倉に囲まれた細い石畳の道。

郷愁感に溢れてます、何だろ？子供の頃、何処かで見た田舎の一風景、何処だろ？

おー！石畳じゃん…んー？これで郷愁度２０％ＵＰ、おー！向こうに杉玉が見えるじゃん…んー？これは５０％ＵＰは確実かー？しめて郷愁度７０％ＵＰの風景…。

それがどうした…どうしたと言われてもなー…。

いかにも観光地でございますカフェ、何かなー…。

自家焙煎こだわりコーヒーってもなー、今時珍しくも何ともないしなー、何かもっとこれぞ鞆の浦ですー！ってなディープ・インパクトのあるアイテムは無いのかなー？

茹でたてのタコの足入りコーヒーとかさー、エ？生臭そうで嫌だ？

ワンワンワン…焼き物の犬のお出迎え…。

店内の雰囲気は…むむむ…何と申して良いものか、アットホームと言うか、単に雑然としていると突き放すか、ま、強いて言えば、山越のうどんの様に炎天下長蛇の列に並ばなくて俺って超ラッキー？ぐらい？

…全然ラッキーじゃないような…。

現存する日本一の高さを誇る常夜燈。

かつて人工衛星から地球上の人工の建造物で確認できるものとして、万里の長城と並び称された鞆の浦の常夜燈、その高さは富士をも凌ぎ…そなアホな…。

俺です…嘘だよーん、坂本竜馬の像です。

んー？何だか実物より５割方格好良くなってます、良いなー有名人は、ドラマでも不細工な俳優が演じるわけでもねーし。

国のために命をかけた男　でもカタブツじゃないね

なかなか、言い得たフレーズです、自慢じゃないですが俺もカタブツじゃないです、ふにゃふにゃです、何だかなー、気持ち悪いなー。

いろは丸

坂本龍馬率いる海援隊の蒸気船「いろは丸」と、紀州藩の蒸気船「明光丸」が衝突し、「いろは丸」が鞆の浦近辺で沈没したとのこと、ああ、坂本竜馬の運命や如何に？

って、坂本竜馬はこのことで死んだわけでもなく、「紀州藩が絶対悪い！断固徹底抗戦だー！」と息巻き、結局、最終的には紀州藩から金を巻き上げたとのこと、おいおい、竜馬、イメージダウンだぞー。

わー！竜馬さん、何やってんですかー？エ？この漫画おもろいでー、ガハハハハ…って何なんですかー？それに関西弁だしー？

と言うことで、紀州藩に喧嘩を売った竜馬さん、紀州藩の刺客から身を隠すために、ここ鞆の浦の隠れ部屋に一時身を潜め、日々漫画を読んで馬鹿笑いを…、じゃないって、何でそう言う方向へ走るんだよー？

子鹿のバンビーは可愛いねー♪

と言うことで、バンビです…エ？全然話が見えないって？あー、日本人はユーモアのセンスが無くって困りますー、って俺も日本人か？

で、竜馬が隠れていた部屋の襖絵だそうです…本当か？

酒造業で繁栄した商家「太田家住宅」

江戸時代中期から後期にかけて、保命酒屋中村家によって、家屋敷を購入しながら拡張・増築されてほぼ現在の規模になり、明治期に太田家が受け継ぎ今日に至っているそうです。

太田家住宅からの町並み

江戸時代から脈々と変わることなく続く古い町並み、白壁の土蔵、格子戸、杉玉、石畳の道、これら全てがない混ざってとっても良い雰囲気を醸し出してます。

で、向こう側からおじさんがカメラを構えてアングルを狙ってます、お互を意識してバチバチ火花を散らしてます、あー、真昼の決闘…鞆の浦編。

十六味地黄保命酒

中国産の１６種類の生薬を原酒に浸し、長ーい月日をかけて、とろーりとろーりと、ゆっくりと成分を浸出させて出来上がり。

冷え症などに効くことはもちろんのこと、頻尿・痺れ・かすみ目によく効くとのこと、あー、俺まだセーフ。

家内安全、家業繁盛、家庭崩壊…ん？そりゃ駄目じゃん。

おー、懐かしいね、おいらの家にも昔は神棚があって、神様祀ってたよね。

人って豊かになるにつれて神様の存在を忘れてしまうんだろうね、流行病や飢饉みたいな世の中の闇の部分が薄らいで行くにつれて、闇を恐れない＝神様どーでもいいやに繋がって行くんだろうね。

良いことなのか、悪いことなのか…。

主の居室

幕末維新の際に、尊皇攘夷を主張する三条実美ら７人の公卿が公武合体派によって都を追放され長州に下りますが、その途中に鞆港に入り、保命酒屋に立ち寄ったと言う、ある意味スゲー格式高い家柄…と言うかスゲー豪商だったですよね。

とっても広ーい、蔵屋敷。

白壁の土蔵が連なる酒蔵。

昔々ここで酒が造られ、貯蔵、そして大きな富が生み出され、鞆の浦にその名をとどろかすこととなった場。

かつては大勢の職人が立ち働いたこの場も、静寂な空間に包まれ、白壁だけがかつての名残を残してます。

目にしみるような真っ白な白壁ときっぱりとした青空…それにしても暑っちー！

何だか気の抜けたような今年の夏も、真昼になればそれなりに暑く、気がつけば背中を伝う汗、汗、汗…。

あらららら、水たまりが…あらららら、ミイラになりかけてるよ…。

江戸時代の拷問の一種「必殺石責め」

科人を地面に寝かせ、この巨石を上から落とします、あー、恐ろしい…さしもの科人もこれには「ひー！お代官さまー、洗いざらい何でも喋りますから、ご勘弁をー！」

…嘘です、ご免…単なるもろみ絞りの道具です、現実ってつまんないねー。

女将さん専用の籠。

スゲー、豪商ともなればマイ籠があるんだー、俺なんて原チャしかねーよ、この差は何なんだー！

ブルジョワ撃破！…でも、成りてー！

鞆の浦の住民はとっても親切。

鞆の浦に着いて、まず目につくのが海…じゃなくって、観光ボランティア。

住民が自主的に行っているようで、説明もなかなか堂に入っていて、日頃の努力のたまものと感心しきり。

あー、広島の人って心が温かいのね、それに比べて…○○の人って他人に冷たいから…。

さあ、○○に入る文字は何でしょう？

瀟洒な庭。

幕末、長州へ落ちのびたお公家さんが逗留しただけあって、茶室から眺める庭もこざっぱりとして、そこはかとなく上品な香りが漂ってます…それに対し、野に伏し山に伏す俺からは、そこはかとなくではなくプンプンと下品な香りが漂ってます…困ったものよのー。

鞆の浦を歩けば保命酒に当たる。

このこぢんまりとした港町に、保命酒の蔵が至る処で目につきます、この町のひとは酒好きなのか？はたまた、健康志向なのか？

海沿いの小径に露天を出すおばちゃん。

「茹でたてのタコ、一匹５００円にしたげるわ、おばちゃタコ茹での名人じゃけん、旨いよー、兄ちゃん買って帰られ。」

エー？岡山まで持って帰るのー？そりゃいくら何でもねー。

町角の保命酒屋さん。

何だかスゲー仰々しい店構えです、店内に足を踏み込んだだけで病も退散しそうな雰囲気、おー、やっぱ病は気からかー。

保命酒の数々。

中国３０００年の歴史が誇る（何だかなー、最近中国製と聞いただけで、あー？って感じだけどさー。）で生薬に浸し、とろーり、とろーり、と年月をかけて作り上げたる秘伝の酒。

一口口に含むだけで、医者にさじを投げられ、棺桶に片足を突っ込んだ、瀕死の患者がやおらむっくりと起き上がると、１００ｍ爆走、ああ、何たる奇跡、ああ、何たる嘘つき…ご免。

ハヤシライスが名物の「友光軒」

昭和初期の建築物で元床屋。

今でも、主人に頼めば裏目メニューでハヤシライスを食べながら、散髪してくれます、あああ、髪の毛が皿に…。

ベンガラ色の格子が歴史を語る澤村船具店

歴史を語る・か…？ふーん？夜な夜な？

坂を登れば何かが見える…何が？何だろ？

…ぜいぜいぜいぜい…ああ、もう駄目…俺、何も見たくねー。

金毘羅船々追風に帆かけてシュラシュシュシュ…。

…心臓破りの石段を・意識が遠のく中・こけつまろびつ・辿り着いた…結果がこれかー！

この旅行記へのコメント （4）

• Deep Blueさん 2008/09/04 17:44:02

  なかなか、雰囲気のある町ですね。

  片道７０ｋｍ、→往復１４０ｋｍ、原チャで頑張りましたね。
  
  小さい頃に、両親に連れて行ってもらった筈ですが、記憶が全然有りません。　精々、海を見たような記憶しか。
  ひょっとしたら、全然違う場所で、年寄りの単なる夢物語かも、、、。　
  
  機会があれば、記憶の確認に行って見たいところですね。
  
  海の方は、記念ダイブが近いので、月末に沖縄の離島へ行こうかと画策中。
  台風のシーズンですが、何故か今年は直撃が少ない？　ちょっと心配です。
  
  では。
  
  

  pianoさん からの返信 2008/09/08 17:36:37

  エヘヘ…

  さすがにこの歳にもなると、炎天下を１４０キロも爆走すると、翌日には疲れがダラーって溢れ出してきます、気持は若いつもりでもロングランは堪えますね、暫くは近所廻りに徹します。
  
  沖縄ですかー、懐かしいですー、子供が小さかった頃は毎年のように離島へ遊びに行ってました、台風にも何度か会い、雨に降られっぱなしの年もありましたが、沖縄好きには変わりありません。
  
  天気良好であることをお祈りいたします。
  
  では、良い旅を。

• nakamasananiwaさん 2008/09/02 09:55:16

  わぁなんか気持ちよさそうーです

  毎度です
  すっごいええとこですねー
  こんなとこに生まれ住んでたら、
  もうちっとましな---
  
  あれっでも食べ物なしみたいですねー
  さみしい
  
  やっぱりこういうとこに生まれ住んでたら---
  食いもんよりもっとええもんあるやろ！ほんまに
  すんませんねー
  いやしいもんで　えへへ♪
  
  
  

  pianoさん からの返信 2008/09/04 08:43:11

  今日はー

  毎度です…。
  
  鞆の浦、良いですよー、ここだけスッポリと時間が止まった様な町並みが残ってます、潮風が心地よく、思わず潜ったるでー！…思いとどまりました。
  
  食べ物…そう、食べたかった、じゃこ飯、小魚定食、港町ならではの旨そうなものが並んでいましたが、先日の職場での健康診断でメタボ診断があり、クリアしたものの、何だかなー、そろそろ、やばいよなーって感じで、パスしちゃいました、グスグス…。
  
  では、良い旅を。