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那須野を攻めてこれが第3弾。今回は「芦野」。<br />これでピンとくる人は相当なフリーク。話が合いそう。<br />ここは、「田一枚 植えて立ち去る 柳かな」と芭蕉が詠んだ<br />「遊行柳」があります。<br />どんな謂われがあるのかというと、大昔、尊酷上人がこの地を訪れた時、<br />柳の精霊が老翁となって現れ、上人が念仏を唱えると成仏した、<br />と言う話が謡曲となって伝わりました。<br />この柳には西行法師が訪れ歌を詠み、それを偲んで芭蕉が訪れ句を詠み、<br />それを偲んで蕪村が訪れ句を詠み、それをまた偲んで私がやって来たというわけ。<br /><br />5月はちょうど田植えの時期で、風流を感じるにはベストシーズン。<br />ここで呼吸をするだけで、風流を胸一杯感じる事でしょう。<br /><br />さてここ、「芦野」への行き方ですが、<br />まず「上野駅」7:58発で宇都宮乗り換え「黒磯駅」へ10:21着。<br />南口より「芦野温泉無料送迎バス」10:40発に温泉客を装い乗車。<br />20分ほどで到着。芦野温泉を脱走。山を東側へ下りていく。<br />15〜20分ほどで294号線が見える。<br />それはバイパスなので、その裏の寂れた道が奥州街道、<br />芦野のメインストリートになっています。<br /><br />「遊行柳」へ行く前に、まず立ち寄ってみたい所は、<br />「芦野城址公園」。山の上からの景色は町が一望でき、水田の輝きが鏡のように眩しく、<br />見上げれば今だに雪を被る那須連山が遥かに見渡せる。<br />歩いて汗をかいた後には「芦野歴史館」(入館料:200円)<br />涼しくて気持ちいい。椅子やテーブルもあるので一休み。<br />そして街道沿いにある「石の美術館 STONE PLAZA」(入館料:500円)<br />石という無骨な素材を洗練されたアートとして生れ変らせ、建物全てが作品のようです。<br /><br />さて「遊行柳」へ。<br />294号線を北上、5〜10分くらい歩く。<br />左手のあぜ道にそれるとその先にトラクターではなく手で田植えをしている人たちがいた。<br />その横にこんもりとした柳の島が揺れている。<br />柳の島の周りは花や水路で彩られ、<br />いかにもここが名所旧跡「遊行柳」だと示さんばかりだ。<br />「田植え」と「柳」、絵心なくとも写真を撮らずにいられない。<br />見紛う事無く、ここが「遊行柳」。<br />柳の足元へ行くと句碑や案内板も立っている。<br />裏には神社があり、そこから見た景色がベストショットと思われる。<br />しかし揺れる柳、その横に300年前と同じく田植えをする人、<br />その出会いが醸し出す風情を余す事無く映し出すには、<br />このにわかカメラマンの腕では無理、<br />ましてや俳句や詩で表す事も無理、<br />やっぱり実際に行って確かめてもらうしかありません。<br />きっと芭蕉も蕪村も実際に確かめたくて、ここに訪れたのだろうから。<br /><br />帰りは、伊王野〜黒田原 間のバスが15:40頃、芦野を通る。<br />一日に4本しかないこのバスを逃すわけにはいかないので、<br />早めに行ってのんびり待ちましょう。<br />しかしこの街道、滅多に人も車も通らないので廃線になってないか心配になり、<br />近くの商店で本当にバスは来るか、聞いてみたところ、<br />「来るよ。八百長ないよ。でもみんな自家用車だからバスは君の貸切状態だよ。」<br />安心して「遊行まんじゅう」でも食べながら待つ事に。<br />JR黒田原駅まで所要約20分。確かに貸切状態。<br />黒田原から16:15の黒磯行きに乗れば、上手くラピッドに乗り継ぎ、<br />約3時間で東京に帰れます。<br />

電車で行く那須・芦野

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2007/05/04 - 2007/05/04

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zakoneboy

zakoneboyさん

那須野を攻めてこれが第3弾。今回は「芦野」。
これでピンとくる人は相当なフリーク。話が合いそう。
ここは、「田一枚 植えて立ち去る 柳かな」と芭蕉が詠んだ
「遊行柳」があります。
どんな謂われがあるのかというと、大昔、尊酷上人がこの地を訪れた時、
柳の精霊が老翁となって現れ、上人が念仏を唱えると成仏した、
と言う話が謡曲となって伝わりました。
この柳には西行法師が訪れ歌を詠み、それを偲んで芭蕉が訪れ句を詠み、
それを偲んで蕪村が訪れ句を詠み、それをまた偲んで私がやって来たというわけ。

5月はちょうど田植えの時期で、風流を感じるにはベストシーズン。
ここで呼吸をするだけで、風流を胸一杯感じる事でしょう。

さてここ、「芦野」への行き方ですが、
まず「上野駅」7:58発で宇都宮乗り換え「黒磯駅」へ10:21着。
南口より「芦野温泉無料送迎バス」10:40発に温泉客を装い乗車。
20分ほどで到着。芦野温泉を脱走。山を東側へ下りていく。
15〜20分ほどで294号線が見える。
それはバイパスなので、その裏の寂れた道が奥州街道、
芦野のメインストリートになっています。

「遊行柳」へ行く前に、まず立ち寄ってみたい所は、
「芦野城址公園」。山の上からの景色は町が一望でき、水田の輝きが鏡のように眩しく、
見上げれば今だに雪を被る那須連山が遥かに見渡せる。
歩いて汗をかいた後には「芦野歴史館」(入館料:200円)
涼しくて気持ちいい。椅子やテーブルもあるので一休み。
そして街道沿いにある「石の美術館 STONE PLAZA」(入館料:500円)
石という無骨な素材を洗練されたアートとして生れ変らせ、建物全てが作品のようです。

さて「遊行柳」へ。
294号線を北上、5〜10分くらい歩く。
左手のあぜ道にそれるとその先にトラクターではなく手で田植えをしている人たちがいた。
その横にこんもりとした柳の島が揺れている。
柳の島の周りは花や水路で彩られ、
いかにもここが名所旧跡「遊行柳」だと示さんばかりだ。
「田植え」と「柳」、絵心なくとも写真を撮らずにいられない。
見紛う事無く、ここが「遊行柳」。
柳の足元へ行くと句碑や案内板も立っている。
裏には神社があり、そこから見た景色がベストショットと思われる。
しかし揺れる柳、その横に300年前と同じく田植えをする人、
その出会いが醸し出す風情を余す事無く映し出すには、
このにわかカメラマンの腕では無理、
ましてや俳句や詩で表す事も無理、
やっぱり実際に行って確かめてもらうしかありません。
きっと芭蕉も蕪村も実際に確かめたくて、ここに訪れたのだろうから。

帰りは、伊王野〜黒田原 間のバスが15:40頃、芦野を通る。
一日に4本しかないこのバスを逃すわけにはいかないので、
早めに行ってのんびり待ちましょう。
しかしこの街道、滅多に人も車も通らないので廃線になってないか心配になり、
近くの商店で本当にバスは来るか、聞いてみたところ、
「来るよ。八百長ないよ。でもみんな自家用車だからバスは君の貸切状態だよ。」
安心して「遊行まんじゅう」でも食べながら待つ事に。
JR黒田原駅まで所要約20分。確かに貸切状態。
黒田原から16:15の黒磯行きに乗れば、上手くラピッドに乗り継ぎ、
約3時間で東京に帰れます。

同行者
一人旅
一人あたり費用
1万円未満
交通手段
JRローカル

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  • 城址公園からは町が一望。<br />水田が輝き、遠くに那須連山が見渡せます

    城址公園からは町が一望。
    水田が輝き、遠くに那須連山が見渡せます

  • 石の美術館 STONE PLAZA<br />地元の石をふんだんに使った美しい建物

    石の美術館 STONE PLAZA
    地元の石をふんだんに使った美しい建物

  • 遊行柳<br />田一枚 植えて立ち去る 柳かな

    遊行柳
    田一枚 植えて立ち去る 柳かな

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