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「その友達はいつ泊まったんだ」と中国人が聞く。<br />「昨日だと思うんだけれど」と返事する。<br /><br />この受付のおじさんは、大きな宿泊者名簿を出して調べようとする。<br />「僕に見せてよ」と、僕は強引に宿泊者名簿奪い取るようにして中を見る。<br /><br />名簿には、フランス、アメリカ、ドイツ、それに日本人の名前とパスポートナンバーがきちんと整理されている。<br />なるほど、これだけの旅行者が泊まっているのなら、これは本物だ。<br /><br />これがぼくらの目指した、旅行者の集まる「キャピタルホテル」なんだろう。<br />僕が「友達が泊まっているはずだ」といった理由がわかったかな?<br /><br />つまり、宿泊者名簿を見る口実だったのだ。<br />でも、この「友達が泊まっている」とか「友達と待ち合わせている」とかいう口実は、どうしてもそのホテルに泊まりたい時などに非常に役立つので覚えておいてほしい。<br /><br />例えばバンコクの「ジュライ」にどうしても泊まりたかったとき、日本人だらけで、最初は満員と断られた。<br />いろいろ噂のあるこのホテルに、僕はゼッタイに泊まろうと決意していた。<br /><br />僕は、「友達とこのホテルで待ち合わせているので、どうしても泊まらなければいけない」と説得した。<br />予約という形で(このホテルは原則的には予約を取らないそうだが)名前を残し、昼過ぎに戻ってやっと部屋を手に入れたことがある。<br /><br />また、サンパウロの「荒木」では、そこにいっぱい置いてある漫画雑誌を読みたかった。<br />そこで、「友達は泊まってませんか?おかしいなー」と毎日通って、おばさんと世間話をしながら、漫画を読んでいたものだ。<br /><br />「友達」の存在は、こういうふうにいろいろと役に立つ。<br />この場合はただ単に宿泊者名簿を見ただけで、これが僕たちが目指していた「キャピトルホテル」だと確認たわけだ。<br /><br />表に停車していたタクシーの2人を呼んだ。<br />僕が泊まったのは、トイレシャワー付きのシングルルームで一泊4ドル。<br /><br />トイレシャワー無しなら3ドルで、ツィンなら5ドル。<br />バンダナ君とハッキリ君は同じ部屋を取った。<br /><br />この部屋の取り方については、シェムリアップの「260」に泊まった時に「旅行哲学」することにしておこう。<br />この210号室はなかなかいい部屋だった。<br /><br />テーブルに椅子、それに扇風機、蛍光灯に、ベッドランプまでついている。<br />ベッドはダブルサイズだ。<br /><br />さて、ほっとして休みたいが、まだ日は高い。<br />今日中にとにかく、ベトナムビザの情況とアンコール遺跡への交通手段を考えなければならないのだ。<br /><br />いつものように、部屋のテーブルの脚に、僕のバックパックをチェーンで結びつける。<br />ハッキリ君がやって来て「西本さん、ベトナム大使館に行きましょう!」と声をかけてきた。<br /><br />現在が午後4時ちょっと過ぎ。<br />大使館や領事部は普通は閉まっている時間だ。<br /><br />「僕の情報だとベトナムのビザは2日で取れるんですから、すぐ取りに行きましょう」<br />む〜ん。<br /><br />おそらく、この時間に行っても無駄だね。<br />閉まっているだろう。<br /><br />僕の旅行感覚では、いまから旅行代理店に顔を出して、切符を買うのを餌にしていろいろ聞き出すほうがいいと思う。<br />でも、大使館の場所を確かめるのは悪いことではない。<br /><br />どうせビザを取るのなら、やはり自分で足を運びたい。<br />旅行代理店にビザを頼むにしても、一度は大使館へ行って断られたというストーリーがないと面白くない。<br /><br />行こう!<br /><br />「よし、行こうよ!」とハッキリ君に言うと、「ちょっと待って下さい。準備をしますから」との返事だ。<br />だから、僕は誰かと一緒に旅行するのがいやなんだ。<br /><br />人の準備を待つほど無駄な時間はないね。<br />「フロントにいるから」と下に降りると、受付のテーブルに「ベトナムのビザ、7日、6日、4日」とあって、それぞれ料金が書いてあるのを見た(これは残念ながらメモしてこなかった。でも、60〜75ドルぐらいだった記憶がある)。<br /><br />これだと一番早くても4日かかると言うことで、それならベトナムに行くのはきつい。<br />「ベトナムのビザをここで頼めるの?」と聞くと、そうだと言う。<br /><br />受付で「2日で取れないの?」と言うと、「取れる」とのうれしい答えが返る。<br />よしよし、ここで2日で取れるのなら、自分でやってみる意味がある。<br /><br />自分で取れなくても、ここに頼めばいいからだ。<br />ハッキリ君が下りてきたので、2人で通りに出た。<br /><br />どっと人に取り囲まれる。<br />バイクタクシー(50ccバイクの後ろに人が乗れるようになっているもの)が声をかけて来る。<br /><br />「ハッキリ君、場所はわかるの?」<br />「え〜と、この道を南にずっと行ったところだそうですが、僕の聞いた情報では、歩いて行ったという話です」<br /><br />「そりゃ無理だよ。もうすぐ5時になるから、もし今、開いていたとしても閉まっちゃうよ」<br />ハッキリ君は「ベトナムエンバシー、ユーノー?」と聞くが、誰もわからないようだ。<br /><br />そこに英語をちゃんとわかる賢そうな兄ちゃんが出てきて「ベトナム大使館でビザを取るのか」と聞いてくる。<br />結局、いろいろ交渉して、50ccバイクの後ろに僕とハッキリ君の2人が乗って、結局3人乗りでベトナム大使館を目指す。<br /><br />料金は往復1ドル。<br />ずいぶん長く乗ったような気がしたが、それは自転車とバイクと車で混み合う町中を信号無しの交差点に突っ込んだりしたせいだろう。<br /><br />左側に長い塀が見えると、これがベトナム大使館だった。<br />やはり閉まっている。<br /><br />警備の兵隊にバイクタクシーの運転手がいろいろと聞いて、通訳してくれた。<br />ベトナム大使館は朝7時半から9時まで開いているそうだ(やっぱりそうか!)。<br /><br />警備の兵隊はしかめ面をしていたが、僕が「サンキュー!」と叫んでにっこり笑うと、<br />彼もつい笑顔を作ってにっこりしてしまった。(いいやつじゃないか!)<br /><br />さて、これからどうしよう。<br />「シェリムアップへの飛行機の切符を買いますか?」と運転手が聞く。<br /><br />なかなか気のきくやつだ。<br />いざ、カンプチアエアのオフィスへ(調子いいぞ!)♪<br /><br />http://www.midokutsu.com/1994/vietnam_embassy.htm<br /><br /><br />

キャピタルホテルへチェックインしたあと、バイタクに乗ってベトナム大使館へ突入!

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1994/08 - 1994/08

884位(同エリア974件中)

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みどりのくつした

みどりのくつしたさん

「その友達はいつ泊まったんだ」と中国人が聞く。
「昨日だと思うんだけれど」と返事する。

この受付のおじさんは、大きな宿泊者名簿を出して調べようとする。
「僕に見せてよ」と、僕は強引に宿泊者名簿奪い取るようにして中を見る。

名簿には、フランス、アメリカ、ドイツ、それに日本人の名前とパスポートナンバーがきちんと整理されている。
なるほど、これだけの旅行者が泊まっているのなら、これは本物だ。

これがぼくらの目指した、旅行者の集まる「キャピタルホテル」なんだろう。
僕が「友達が泊まっているはずだ」といった理由がわかったかな?

つまり、宿泊者名簿を見る口実だったのだ。
でも、この「友達が泊まっている」とか「友達と待ち合わせている」とかいう口実は、どうしてもそのホテルに泊まりたい時などに非常に役立つので覚えておいてほしい。

例えばバンコクの「ジュライ」にどうしても泊まりたかったとき、日本人だらけで、最初は満員と断られた。
いろいろ噂のあるこのホテルに、僕はゼッタイに泊まろうと決意していた。

僕は、「友達とこのホテルで待ち合わせているので、どうしても泊まらなければいけない」と説得した。
予約という形で(このホテルは原則的には予約を取らないそうだが)名前を残し、昼過ぎに戻ってやっと部屋を手に入れたことがある。

また、サンパウロの「荒木」では、そこにいっぱい置いてある漫画雑誌を読みたかった。
そこで、「友達は泊まってませんか?おかしいなー」と毎日通って、おばさんと世間話をしながら、漫画を読んでいたものだ。

「友達」の存在は、こういうふうにいろいろと役に立つ。
この場合はただ単に宿泊者名簿を見ただけで、これが僕たちが目指していた「キャピトルホテル」だと確認たわけだ。

表に停車していたタクシーの2人を呼んだ。
僕が泊まったのは、トイレシャワー付きのシングルルームで一泊4ドル。

トイレシャワー無しなら3ドルで、ツィンなら5ドル。
バンダナ君とハッキリ君は同じ部屋を取った。

この部屋の取り方については、シェムリアップの「260」に泊まった時に「旅行哲学」することにしておこう。
この210号室はなかなかいい部屋だった。

テーブルに椅子、それに扇風機、蛍光灯に、ベッドランプまでついている。
ベッドはダブルサイズだ。

さて、ほっとして休みたいが、まだ日は高い。
今日中にとにかく、ベトナムビザの情況とアンコール遺跡への交通手段を考えなければならないのだ。

いつものように、部屋のテーブルの脚に、僕のバックパックをチェーンで結びつける。
ハッキリ君がやって来て「西本さん、ベトナム大使館に行きましょう!」と声をかけてきた。

現在が午後4時ちょっと過ぎ。
大使館や領事部は普通は閉まっている時間だ。

「僕の情報だとベトナムのビザは2日で取れるんですから、すぐ取りに行きましょう」
む〜ん。

おそらく、この時間に行っても無駄だね。
閉まっているだろう。

僕の旅行感覚では、いまから旅行代理店に顔を出して、切符を買うのを餌にしていろいろ聞き出すほうがいいと思う。
でも、大使館の場所を確かめるのは悪いことではない。

どうせビザを取るのなら、やはり自分で足を運びたい。
旅行代理店にビザを頼むにしても、一度は大使館へ行って断られたというストーリーがないと面白くない。

行こう!

「よし、行こうよ!」とハッキリ君に言うと、「ちょっと待って下さい。準備をしますから」との返事だ。
だから、僕は誰かと一緒に旅行するのがいやなんだ。

人の準備を待つほど無駄な時間はないね。
「フロントにいるから」と下に降りると、受付のテーブルに「ベトナムのビザ、7日、6日、4日」とあって、それぞれ料金が書いてあるのを見た(これは残念ながらメモしてこなかった。でも、60〜75ドルぐらいだった記憶がある)。

これだと一番早くても4日かかると言うことで、それならベトナムに行くのはきつい。
「ベトナムのビザをここで頼めるの?」と聞くと、そうだと言う。

受付で「2日で取れないの?」と言うと、「取れる」とのうれしい答えが返る。
よしよし、ここで2日で取れるのなら、自分でやってみる意味がある。

自分で取れなくても、ここに頼めばいいからだ。
ハッキリ君が下りてきたので、2人で通りに出た。

どっと人に取り囲まれる。
バイクタクシー(50ccバイクの後ろに人が乗れるようになっているもの)が声をかけて来る。

「ハッキリ君、場所はわかるの?」
「え〜と、この道を南にずっと行ったところだそうですが、僕の聞いた情報では、歩いて行ったという話です」

「そりゃ無理だよ。もうすぐ5時になるから、もし今、開いていたとしても閉まっちゃうよ」
ハッキリ君は「ベトナムエンバシー、ユーノー?」と聞くが、誰もわからないようだ。

そこに英語をちゃんとわかる賢そうな兄ちゃんが出てきて「ベトナム大使館でビザを取るのか」と聞いてくる。
結局、いろいろ交渉して、50ccバイクの後ろに僕とハッキリ君の2人が乗って、結局3人乗りでベトナム大使館を目指す。

料金は往復1ドル。
ずいぶん長く乗ったような気がしたが、それは自転車とバイクと車で混み合う町中を信号無しの交差点に突っ込んだりしたせいだろう。

左側に長い塀が見えると、これがベトナム大使館だった。
やはり閉まっている。

警備の兵隊にバイクタクシーの運転手がいろいろと聞いて、通訳してくれた。
ベトナム大使館は朝7時半から9時まで開いているそうだ(やっぱりそうか!)。

警備の兵隊はしかめ面をしていたが、僕が「サンキュー!」と叫んでにっこり笑うと、
彼もつい笑顔を作ってにっこりしてしまった。(いいやつじゃないか!)

さて、これからどうしよう。
「シェリムアップへの飛行機の切符を買いますか?」と運転手が聞く。

なかなか気のきくやつだ。
いざ、カンプチアエアのオフィスへ(調子いいぞ!)♪

http://www.midokutsu.com/1994/vietnam_embassy.htm


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  • 有名な、キャピタルホテルのレストランで、アンコールビールを飲む。

    有名な、キャピタルホテルのレストランで、アンコールビールを飲む。

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