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<br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br />7月30日(日)Sebrayo 14.9km<br /><br />今日は15km。<br />足の調子は良かったが、この先にアルベルゲがある町はかなり先までなかったので、仕方がない。<br />短い距離だが、今日はここに泊まろう。<br />実は、このここSebrayoこそが、いよいよこの巡礼の中間点でもあり、大きな分岐点の手前の最後の宿泊場所なのであった。<br />とは言え、この日まで、特別に重要な日だとも思っていなかったのである。<br /><br />歩き出してすぐに、夕べのヘスースが自転車で追い越して行った。<br />彼を見送った後は、いつものように誰にも会わずに歩いていた。<br />今日も朝食はパンにしよう。Colungaという村のおいしそうなパン屋さんで、チーズが入ったパンを二つ。チョリソー入りのパンを一つ買った。オレンジジュースもここで買い、今日もベンチに座って、道行く人を眺めながら食べた。<br />bar好きの私が、ここ2日ほど、barで朝食を食べないのは、ここのパンが美味しかったからだ。今日のパンも、歯ごたえが適度にあるフランスパンの中に、クリームチーズが入っていたり、辛みの効いたチョリソーが入っていたりと美味しいのだ。<br /><br />途中でサン・ヴィセンテのアルベルゲで出会ったおじさんに久しぶりに会う。<br />ちょうどその村に、素敵なロマネスク教会があった。中を見たければ、No2の住所の家に鍵があると書いてある。<br />おじさんは、先に行ってしまったが、私は教会の中を覗くことにしたのだ。<br />今日は時間がゆっくりあるし。<br />その家の前には、よく吠える犬が二匹いて、大騒ぎだった。<br />出てきたのは、中年の女性で、言語に障害があるようだったが、彼女がこの教会の管理を任された鍵の保有者だった。<br />中に入ると、電気を点してくれたが、それでもなお、薄暗い。かなり古いもののようだった。<br />「あの窓を見て。」<br />その先には、先ほど外から見てその素朴なかわいらしさを気に入って、写真にも写した小さな窓があった。<br />壁にはうっすらと壁画が描かれている。<br />女性はこの教会(Priescaという村)を、とても誇らしげに案内してくれた。<br /><br />村のはずれの休憩場所で、一休みしようとしていると、なんとあの、マティウスが通りがかったのだ。<br />彼はサン・ヴィセンテで会った時に、雨で濡れたブーツのせいで、帰郷すると言っていたのでびっくりした。<br />「あれ?ブーツが濡れたから、マヨルカ島へ帰るんじゃなかったのぉ?」<br />するとマティウスは明るく、<br />「うん、次の朝起きたら、ブーツが乾いていたから、歩き続けることにしたんだ!」<br />私はかなりずっこけそうになった。単純で、面白すぎる話ではないか!!<br />どうやら、今日の目的地は同じようである。<br /><br />アルベルゲに着くと、マティウスの他にはからだじゅうに入れ墨をした人がいた。(tattooというよりは、その筋のお兄さんといった感じの人)<br />他にはベルギー人のご夫婦。マティウスとベルギーの二人とで買い物に行くことになった。<br />何しろこの村にはbarもレストランもなく、店だって、時間限定なのだ。<br />つまり、普通の農家が時間を決めて店を開けるのだった。<br /> 行ってみると、店は開いていたが、あと30分ほどで店が仕入れをしているトラックが来るので、その方が品物のチョイスが多いと言う。<br />一度アルベルゲに戻り、立ち話をしていると、そこにトラックが通りがかった。<br />それを追いかけ、桃、トマト、ケーキ、ビール、サーディン缶を購入。<br />マティウスと一緒だと、食べそこなうことはない。彼はきちんとガイドブックの通り歩き、三食時間通りにしっかりと食べるからだ。<br />そしてその手の情報はいつも入手していて、私に伝授してくれる頼もしい人だった。<br /><br />アルベルゲの前のベンチに座って、マティウスとさっき買ったものを食べていると、続々と顔見知りが到着した。<br />そうか〜、一時は40km近く離した距離も、ここでいよいよみんなが追いついてきたのだった。<br />そのうち、ラファもやって来た。<br />続々と到着したのは、みんなラファの仲間たちだった。<br />何度かすれ違うように会ったけれど、ラファと座って離すのは、巡礼初日のサン・セバスティアン以来ではないだろうか。<br />やっと話したかった「銀の道」のことで、盛り上がる。<br />「銀の道」が思い出深くなるのは、厳しい道だからである。しかも真夏の銀の道を歩いたという共通点は、何も言わなくてもわかり合えるものがあった。<br />その道で、一番難しい箇所(38km間水を補給する店などがないタパ)を私は放棄してバスに乗ったが、あきらめきれずに真冬に最挑戦して、これまた寒さが厳しく苦労した思い出を話すと、ラファは<br />「僕はあの時、5リットルの水を背負って歩き出したんだ。そして真ん中の地点にあるローマ遺跡(カパラ)の下で野宿したんだ。それをやってみたくてね。」<br />私はまた、嫉妬してしまうのだった。去年もイワンたちがそこで野宿した話を聞いていた。<br />遺跡の下で、星を見ながら眠るなんて!<br /><br />「でも、あの『道』は、ほんとうに辛かったよ。歩いている間、サンティアゴまで、誰にも会わずに一人でずっと歩いたんだ。でも、あの『道』が、僕を本当に強くしてくれたと思うんだ。」<br />それぞれの「銀の道」の思い出は、やはり強烈なものであった。<br /><br />そこへやってきたのは、なんとロベルトとビンゲンだった。<br />いよいよ全員集合だった。<br />いつかは再会するだろうと思っていた人たちに、ここで会えたのだった。<br />サン・ヴィセンテ以来、ロベルトはドリーたちを見送って、ビンゲンと二人で歩いているらしかった。<br /><br />今度は隣に、コンチータというバルセロナ出身の女性が座った。<br />彼女もラファたちの仲間で、いつのまにか10名ほどのグループになっていた。<br />私はラファ以外は、顔見知り程度だったが、コンチータと会うのは初めてだった。<br />彼女は英語が流暢で、それもそのはず、アメリカ人のイゴールと結婚して二人で歩いているのだった。<br />「サンフランシスコに1年くらい住んでいたことがあるのよ。その時アパートをシェアしたのは、私以外は日本人の合計四人で、毎日のように日本食を食べていたの。彼らはヒッピーがかった人たちで、毎日がそれは楽しくて、今でも懐かしく思うのよ。」<br /><br />明日早々に分かれ道に行くことになるので、la CostaとPrimitiboのどちらの道を選ぶかという話題に自然となった。<br />私は La Costaの道に行くというと、みんなもそうだと言う。<br />コンチータは、明日の目的地のGijonにはアルベルゲがないから、ユースホステルを予約してあると言う。そして良かったら、私の分も予約してくれると言うのだ。喜んで早速電話をしてもらった。<br />コンチータは、仲間について教えてくれた。ほとんどが一人で来た巡礼者であり、私に<br />「今日からあなたも私たちの仲間ね!」<br />うれしかった。彼らこそが私にとって、本物の巡礼者に見えたからだ。<br />そのうち、シャワーを浴びてすっきりしたロベルトをはじめ、ラファの仲間たちもほぼ全員テーブルに集まってきた。<br />そして、話題はやはり、どちらの道に行くかということになる。<br />これまでも経験者からも話を聞いてきたが、どちらの道も距離は変わらない。<br />やや、Primitiboの方が、山道でキツいが、大差はないと言う。<br /><br />当然のごとく、la Costaに行くであろうと思っていたロベルトの口がら出た言葉は、なんと、『Primitiboに行く』ということだった。<br />そういえば、ロベルトにはその質問をしたことがなかったかもしれない。<br />私は予期せぬ出来事に驚いた。<br />どうしよう・・・・。<br />ここにいる大部分の人たちは、私が予定していたla Costaに行くのだ。ラファもコンチータも他のみんなも、もちろんマティウスも。<br />ここでみんなとこうして揃って再会したのは、偶然とは言え、不思議な巡り合わせだった。<br /><br />ロベルトとも、ここで会うとは思っていなかった。<br />誰にも会わなければ、私は一人でla Costaに行っていただろう。<br />しかしロベルトのこの一言は大きかった。私の心を大きく揺れ動かすのであった。<br />歩く前から、どちらに行くかはこだわりもなかった私だったが、次第に、みんなの話を聞いていて、la Coastaに行くだろうと決めていた。<br />その一番の理由は、「みんな行くから」である。<br />二冊分のガイドブックもPrimitiboの部分はすでに郵送してしまい、残っていないのだし。<br /><br />ここまでの数日、もう一人で歩くことに嫌けがさしていたところである。<br />私にとっての巡礼の道は、一人で歩くことと同じくらい、みんなで歩くことも重要だった。<br />それがかえって災いし、ラファたちの居心地の良さそうな大きなグループを選ぶか、私のことを巡礼初日から知っていて、何日も一緒に歩いて来たロベルトに付いて行くべきか、人を選ぶ格好となってしまった。<br />ちなみに、ビンゲンもPrimitiboを歩くと言っている。ロベルトは、ビンゲンについていきたいのだろうか。<br />ラファたちのグループは、どちらに行くか、多数決を取りはじめた。<br />ロベルトは、巡礼協会に電話をし、様子を聞いている。<br />Promitiboの方が、アルベルゲが多く、道もカミーノ(巡礼路の田舎道)が多いという情報を得る。<br />一方グループの結論は、多数決でやはり la Costaに軍パイが上がった。<br />ラファに聞くと、自分はどちらでもいいのだと言う。彼らでさえも、自分が行きたい道よりも、仲間を大切にしているようだった。<br /><br />私はここで、苦渋の決断をしなければならなかった。<br />出した結論は、ロベルトと一緒に「Primitibo」を歩くことだった。<br />10人のグループとは、まだそれほど気心が知れていなかったからだ。その点ロベルトとは、楽しい思い出がすでにたくさんあり、別れて出会ってを繰り返しているうちに、すっかり打ち解けていたのである。<br />頼りになるのは、多数よりも、一人のロベルトだと考えた末だった。<br /><br />その頃到着したのは、先日暗闇で出会った、ドイツ人の女性の二人組であった。<br />彼女たちも誘って、一緒にprimitiboを歩くことになった。<br />ウシとマリアの二人は、スペイン語の先生をしているというわけで、スペイン語が堪能だった。<br />マリアは、東部の出身で、20歳の時に東西が統合されたため、ロシア語は堪能だが、英語はほとんどしゃべれなかった。<br /><br />マリアは以前グラナダで一年間語学留学をしていて、そこで何人かの日本人と会ったと言う。<br />「日本人て、くそ真面目な人たちだとそれまでは思っていたんだけど、ところがどっこい、全く反対で、おもしろい子ばかりだったの!」<br />笑いながら話してくれた。<br /><br />明日から、la Costa とPrimitiboの道に分かれる。<br />ここに集まった全員が、複雑な気持ちになっていた。<br />私はコンチータに、せっかく予約してもらったGijonのホステルに彼女が着いたらキャンセルしてもらうように頼んだ。<br />決断してからも、気持ちはすっきりしなかった。<br />気持ちはさらに揺れ動くのだった。<br />

スペイン巡礼「北の道17」7月30日(日)Sebrayo 14.9km

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2006/07/30 - 2006/07/30

33位(同エリア42件中)

0

43

night-train298

night-train298さん















7月30日(日)Sebrayo 14.9km

今日は15km。
足の調子は良かったが、この先にアルベルゲがある町はかなり先までなかったので、仕方がない。
短い距離だが、今日はここに泊まろう。
実は、このここSebrayoこそが、いよいよこの巡礼の中間点でもあり、大きな分岐点の手前の最後の宿泊場所なのであった。
とは言え、この日まで、特別に重要な日だとも思っていなかったのである。

歩き出してすぐに、夕べのヘスースが自転車で追い越して行った。
彼を見送った後は、いつものように誰にも会わずに歩いていた。
今日も朝食はパンにしよう。Colungaという村のおいしそうなパン屋さんで、チーズが入ったパンを二つ。チョリソー入りのパンを一つ買った。オレンジジュースもここで買い、今日もベンチに座って、道行く人を眺めながら食べた。
bar好きの私が、ここ2日ほど、barで朝食を食べないのは、ここのパンが美味しかったからだ。今日のパンも、歯ごたえが適度にあるフランスパンの中に、クリームチーズが入っていたり、辛みの効いたチョリソーが入っていたりと美味しいのだ。

途中でサン・ヴィセンテのアルベルゲで出会ったおじさんに久しぶりに会う。
ちょうどその村に、素敵なロマネスク教会があった。中を見たければ、No2の住所の家に鍵があると書いてある。
おじさんは、先に行ってしまったが、私は教会の中を覗くことにしたのだ。
今日は時間がゆっくりあるし。
その家の前には、よく吠える犬が二匹いて、大騒ぎだった。
出てきたのは、中年の女性で、言語に障害があるようだったが、彼女がこの教会の管理を任された鍵の保有者だった。
中に入ると、電気を点してくれたが、それでもなお、薄暗い。かなり古いもののようだった。
「あの窓を見て。」
その先には、先ほど外から見てその素朴なかわいらしさを気に入って、写真にも写した小さな窓があった。
壁にはうっすらと壁画が描かれている。
女性はこの教会(Priescaという村)を、とても誇らしげに案内してくれた。

村のはずれの休憩場所で、一休みしようとしていると、なんとあの、マティウスが通りがかったのだ。
彼はサン・ヴィセンテで会った時に、雨で濡れたブーツのせいで、帰郷すると言っていたのでびっくりした。
「あれ?ブーツが濡れたから、マヨルカ島へ帰るんじゃなかったのぉ?」
するとマティウスは明るく、
「うん、次の朝起きたら、ブーツが乾いていたから、歩き続けることにしたんだ!」
私はかなりずっこけそうになった。単純で、面白すぎる話ではないか!!
どうやら、今日の目的地は同じようである。

アルベルゲに着くと、マティウスの他にはからだじゅうに入れ墨をした人がいた。(tattooというよりは、その筋のお兄さんといった感じの人)
他にはベルギー人のご夫婦。マティウスとベルギーの二人とで買い物に行くことになった。
何しろこの村にはbarもレストランもなく、店だって、時間限定なのだ。
つまり、普通の農家が時間を決めて店を開けるのだった。
 行ってみると、店は開いていたが、あと30分ほどで店が仕入れをしているトラックが来るので、その方が品物のチョイスが多いと言う。
一度アルベルゲに戻り、立ち話をしていると、そこにトラックが通りがかった。
それを追いかけ、桃、トマト、ケーキ、ビール、サーディン缶を購入。
マティウスと一緒だと、食べそこなうことはない。彼はきちんとガイドブックの通り歩き、三食時間通りにしっかりと食べるからだ。
そしてその手の情報はいつも入手していて、私に伝授してくれる頼もしい人だった。

アルベルゲの前のベンチに座って、マティウスとさっき買ったものを食べていると、続々と顔見知りが到着した。
そうか〜、一時は40km近く離した距離も、ここでいよいよみんなが追いついてきたのだった。
そのうち、ラファもやって来た。
続々と到着したのは、みんなラファの仲間たちだった。
何度かすれ違うように会ったけれど、ラファと座って離すのは、巡礼初日のサン・セバスティアン以来ではないだろうか。
やっと話したかった「銀の道」のことで、盛り上がる。
「銀の道」が思い出深くなるのは、厳しい道だからである。しかも真夏の銀の道を歩いたという共通点は、何も言わなくてもわかり合えるものがあった。
その道で、一番難しい箇所(38km間水を補給する店などがないタパ)を私は放棄してバスに乗ったが、あきらめきれずに真冬に最挑戦して、これまた寒さが厳しく苦労した思い出を話すと、ラファは
「僕はあの時、5リットルの水を背負って歩き出したんだ。そして真ん中の地点にあるローマ遺跡(カパラ)の下で野宿したんだ。それをやってみたくてね。」
私はまた、嫉妬してしまうのだった。去年もイワンたちがそこで野宿した話を聞いていた。
遺跡の下で、星を見ながら眠るなんて!

「でも、あの『道』は、ほんとうに辛かったよ。歩いている間、サンティアゴまで、誰にも会わずに一人でずっと歩いたんだ。でも、あの『道』が、僕を本当に強くしてくれたと思うんだ。」
それぞれの「銀の道」の思い出は、やはり強烈なものであった。

そこへやってきたのは、なんとロベルトとビンゲンだった。
いよいよ全員集合だった。
いつかは再会するだろうと思っていた人たちに、ここで会えたのだった。
サン・ヴィセンテ以来、ロベルトはドリーたちを見送って、ビンゲンと二人で歩いているらしかった。

今度は隣に、コンチータというバルセロナ出身の女性が座った。
彼女もラファたちの仲間で、いつのまにか10名ほどのグループになっていた。
私はラファ以外は、顔見知り程度だったが、コンチータと会うのは初めてだった。
彼女は英語が流暢で、それもそのはず、アメリカ人のイゴールと結婚して二人で歩いているのだった。
「サンフランシスコに1年くらい住んでいたことがあるのよ。その時アパートをシェアしたのは、私以外は日本人の合計四人で、毎日のように日本食を食べていたの。彼らはヒッピーがかった人たちで、毎日がそれは楽しくて、今でも懐かしく思うのよ。」

明日早々に分かれ道に行くことになるので、la CostaとPrimitiboのどちらの道を選ぶかという話題に自然となった。
私は La Costaの道に行くというと、みんなもそうだと言う。
コンチータは、明日の目的地のGijonにはアルベルゲがないから、ユースホステルを予約してあると言う。そして良かったら、私の分も予約してくれると言うのだ。喜んで早速電話をしてもらった。
コンチータは、仲間について教えてくれた。ほとんどが一人で来た巡礼者であり、私に
「今日からあなたも私たちの仲間ね!」
うれしかった。彼らこそが私にとって、本物の巡礼者に見えたからだ。
そのうち、シャワーを浴びてすっきりしたロベルトをはじめ、ラファの仲間たちもほぼ全員テーブルに集まってきた。
そして、話題はやはり、どちらの道に行くかということになる。
これまでも経験者からも話を聞いてきたが、どちらの道も距離は変わらない。
やや、Primitiboの方が、山道でキツいが、大差はないと言う。

当然のごとく、la Costaに行くであろうと思っていたロベルトの口がら出た言葉は、なんと、『Primitiboに行く』ということだった。
そういえば、ロベルトにはその質問をしたことがなかったかもしれない。
私は予期せぬ出来事に驚いた。
どうしよう・・・・。
ここにいる大部分の人たちは、私が予定していたla Costaに行くのだ。ラファもコンチータも他のみんなも、もちろんマティウスも。
ここでみんなとこうして揃って再会したのは、偶然とは言え、不思議な巡り合わせだった。

ロベルトとも、ここで会うとは思っていなかった。
誰にも会わなければ、私は一人でla Costaに行っていただろう。
しかしロベルトのこの一言は大きかった。私の心を大きく揺れ動かすのであった。
歩く前から、どちらに行くかはこだわりもなかった私だったが、次第に、みんなの話を聞いていて、la Coastaに行くだろうと決めていた。
その一番の理由は、「みんな行くから」である。
二冊分のガイドブックもPrimitiboの部分はすでに郵送してしまい、残っていないのだし。

ここまでの数日、もう一人で歩くことに嫌けがさしていたところである。
私にとっての巡礼の道は、一人で歩くことと同じくらい、みんなで歩くことも重要だった。
それがかえって災いし、ラファたちの居心地の良さそうな大きなグループを選ぶか、私のことを巡礼初日から知っていて、何日も一緒に歩いて来たロベルトに付いて行くべきか、人を選ぶ格好となってしまった。
ちなみに、ビンゲンもPrimitiboを歩くと言っている。ロベルトは、ビンゲンについていきたいのだろうか。
ラファたちのグループは、どちらに行くか、多数決を取りはじめた。
ロベルトは、巡礼協会に電話をし、様子を聞いている。
Promitiboの方が、アルベルゲが多く、道もカミーノ(巡礼路の田舎道)が多いという情報を得る。
一方グループの結論は、多数決でやはり la Costaに軍パイが上がった。
ラファに聞くと、自分はどちらでもいいのだと言う。彼らでさえも、自分が行きたい道よりも、仲間を大切にしているようだった。

私はここで、苦渋の決断をしなければならなかった。
出した結論は、ロベルトと一緒に「Primitibo」を歩くことだった。
10人のグループとは、まだそれほど気心が知れていなかったからだ。その点ロベルトとは、楽しい思い出がすでにたくさんあり、別れて出会ってを繰り返しているうちに、すっかり打ち解けていたのである。
頼りになるのは、多数よりも、一人のロベルトだと考えた末だった。

その頃到着したのは、先日暗闇で出会った、ドイツ人の女性の二人組であった。
彼女たちも誘って、一緒にprimitiboを歩くことになった。
ウシとマリアの二人は、スペイン語の先生をしているというわけで、スペイン語が堪能だった。
マリアは、東部の出身で、20歳の時に東西が統合されたため、ロシア語は堪能だが、英語はほとんどしゃべれなかった。

マリアは以前グラナダで一年間語学留学をしていて、そこで何人かの日本人と会ったと言う。
「日本人て、くそ真面目な人たちだとそれまでは思っていたんだけど、ところがどっこい、全く反対で、おもしろい子ばかりだったの!」
笑いながら話してくれた。

明日から、la Costa とPrimitiboの道に分かれる。
ここに集まった全員が、複雑な気持ちになっていた。
私はコンチータに、せっかく予約してもらったGijonのホステルに彼女が着いたらキャンセルしてもらうように頼んだ。
決断してからも、気持ちはすっきりしなかった。
気持ちはさらに揺れ動くのだった。

  • 昨日のアルベルゲで、パスタを作ってくれたお兄さん。

    昨日のアルベルゲで、パスタを作ってくれたお兄さん。

  • お水をくれた親切なおばさん

    お水をくれた親切なおばさん

  • なんと!リタイアしたと思っていたマティウスがやってきました!

    なんと!リタイアしたと思っていたマティウスがやってきました!

  • 一日一度、ここにトラックが来てお店になります。<br />一応ここも、一日数時間だけお店になるんです。

    一日一度、ここにトラックが来てお店になります。
    一応ここも、一日数時間だけお店になるんです。

  • 木靴が飾ってありました。

    木靴が飾ってありました。

  • ここにほとんどの巡礼者が集まってきました!

    ここにほとんどの巡礼者が集まってきました!

  • 美しい夕焼けが見えました。

    美しい夕焼けが見えました。

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